『貝殻』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日は親友に会いに、海に来た。
近くをまわる青くまるい生き物にきのみをあげる。
__ちゃん、来たよ。
そう想いを込めて、ポケットから白く細い笛を取り出す。
広大な大地に繊細で優しい音が響く。聞こえるのは生き物の鳴き声、かすれる葉音、蒼く広い海の声。
世界が、わたしと自然と大地しかなかった。
今まで見ていた世界は狭かったはずなのに、笛を吹くとどこまでも響き渡っていくような気がした。
すてきな笛を聴かせてくれたおれいに、とでも言うように、いや、言って、さっきの青くまるい生き物から、
ひとつの貝殻をもらった。
ありがとう。
と、素直に喜びながら、わたしは御礼を言った。
手におさまる小さなひとつの貝殻を見つめる。
今見ている世界が変わる。どんどん広く、その未来が見えていく。
__、お待たせしてしまったわ、ごめんなさいね。
わたしは、時代が変化していく中での一人の人物でしかないけれど、
今はそれが、
わたしにとって心地よい。
_2023.9.5「貝殻」
今日のお題の頭文字二文字の…あとその親友さん…。青い生き物は球体のアザラシの…。
貝殻のごときあなたの耳を噛み砕く、そうすると口の中に海水の味がひろがる。
貝殻
海でどっちが綺麗な貝殻を見つけられるか
そんなことをしている時間が幸せでたまらない
貝殻
砂浜を歩きながら、ボクは綺麗な真っ白の貝殻を拾う。
拾っては、持ってきた小さな蓋付きのガラス瓶に入れていく。
かれこれ1時間はうろうろして、貝殻の厳選。基準は形が整っている、真っ白であること。
意外に欠けていたり、白かなと思ったら茶色が少し混ざっていたり。
対象外はその場でリリース。ごめんねと思うけど、こだわっているから。
ガラス瓶を見るとだいぶ溜まっていた。優しく振ると綺麗な音が聞こえる。
ふふっと笑みが溢れた。そして、ある場所へと向かう。
良い匂いが漂う海の家。まだ人がガヤガヤとたくさんいた。
ボクは人混みをすり抜け、海の家の裏手に回る。そこには、ボクの大好きなお姉さんが休憩中だった。
日陰に腰掛け、片手にコーラ瓶を持っていた。すると、ボクの存在に気づくとヒラヒラと手を振る。
「お姉さん、今、大丈夫?」
「大丈夫だよー、まだ休憩中だから」
お姉さんは自分の隣をぽんぽんと叩いて、ボクにおいでと言う。
こそこそしながら、隣に腰を下ろす。そして、貝殻の入った瓶をみせる。
「わぁー、いっぱい取ってきたね」
「たくさん綺麗なのをとってきたんだ」
「そっか、そっか、すごいじゃん」
ボクの頭をわしゃわしゃと撫で回しながら、コーラを飲んだ。
「これ、お姉さんにあげる」
「いいの?せっかく、集めたのに」
「いいの、お姉さんのために集めたの。この真っ白な貝殻、お姉さんの髪の毛の色に似ていて綺麗だから」
白銀の髪の長い髪をポニーテールにしているお姉さん。
今日もキラキラと綺麗に輝いていて、貝殻と同じだ。
「あははは、ありがとう。嬉しいよ」
「あとは、お姉さんともっと仲良くなるため」
少し恥ずかしくなって、ゴニョゴニョと言ってしまった。
お姉さんはクスクス笑いながら、聞いてくれている。
「そっかそっか、もっと仲良くなるためか、いいね」
お姉さんの海のような青い瞳に見つめられるとドキドキしてきた。
ボクは勢いよく立ち上がると日陰から出る。
「ボク、もう行くね‼︎また来年、集めて持ってくるから」
手を振ってその場を離れた。お姉さんの顔はまともに見れなかったのが、残念だが。
きっと、ニコニコ笑っていたと思う。毎年そうだから。
来年もたくさん集めて渡そう。もっと、もっと仲良くなるために――
テーマ:貝殻 #296
海へ行ったのは11年ぶりのことだった。
貝殻を取りにそのときは行った。
こうして11年ぶりの海を見ると
記憶というのはやはり霞んでしまうんだなぁと思った。
しかし貝殻を拾うのが楽しかったのは、
明確に覚えている。
ふとしたを見るが、
同じ海岸で貝殻を拾っていたとは思えない。
貝殻の貝の字も見えなくなっていた。
丸い石ばかり。
海の波近くを歩いても砂ばかりだった。
私も年を取り変わった。
しかし、海も変わってしまった。
また年を取れば変わってしまうのだろうか。
きっと、そうだろう。
それが時の流れというものだ。
波打ち際に寄せられた貝殻。
どこから来たんだろう。
海の広さを知る。あの水平線の彼方から
来たのではないだろうか、と。
「貝殻」
海の音がした。
正確には波の音だ。耳に当てるとそんなふうに聴こえる。子どもの頃よく貝殻を見つける度に聴いていた。
大人になると神様はいなくなる。
貝殻から聞こえてくる音は周りの音の中でも特定の周波数を拾って、それが貝の中で反響して波のように聞こえるとか。そんなふうに真実を知る度に脚は重くなる。
子どもの頃の思い出も潔く捨てるか、と最後に一度だけ耳を当ててみる。
「ひどいことをするなあ!」
耳鳴りがした。
私の地元の話でーす
津波で海岸の砂がたくさん流されちゃったんだけど、最近よその砂をこっちに運んできたのね
で10年ぶりくらいに久しぶりの海開きをしたんです
そんで貝殻全然落ちてないよって話です
完
貝殻は、白く美しいけれど、固く鋭く、凶器にもなる。
落ちていた貝殻を拾った。
あの日の貝殻に似ている。
君とこの海に来た日の貝殻に。
あれから3年経つんだね。
今の君はどうしてるのかな、なんてね。
そんなの、もうどうでもいいことなのにね。
お互いに、さ。
潮風が吹く夕焼けの元。
戻って来ないあの日を思い出して、
今日も日が沈んでいく。
■テーマ:貝殻
貝殻
外側はゴツゴツ。
嵐が来たって平気平気。
内側はすべすべ。
光沢があって柔らかな人肌のよう。
その中に入って
すやすや眠る
貝。
貝たち。
ぐっすり眠ったまま
鯨の、ウツボの、お腹の中、
夢の中へ。
波が話しかける。
大きく小さく、寄せては返す、規則的なリズム、波音で。
砕かれながら、細かい粒子、
命の素になりながら
貝たちはその声を聴く
「かわいい貝たち、
またおいで
またあそぼ
次はひとつ上でね…」
それを聴く私の耳。
浮かんでくるのはコクトーの詩。
私の耳は貝の殻
海の響きを懐かしむ…
小さい頃
白い砂浜のきれいな海へ
両親が良く連れて行ってくれた
そこでいろんな貝殻を探すのが
楽しみだった
真っ白な小さくて可愛い貝殻
薄ピンクや
渦巻き状もある!
沢山の小さな発見が嬉しくて
白い砂浜に来るとワクワクした
家に帰って集めた貝殻を
洗ってピカピカにして
勉強机の棚に並べて眺めていた
ある日両親が
また海に行くよと言ってくれた
でもそこはいつもの白い砂浜ではなかった
私はがっかりした
すると両親は
ある所に私を連れて行ってくれた
中に入ると
キラキラした
沢山の貝殻達が
綺麗に並べられていた
大きさも形も様々な貝殻達
宝物がこんなに沢山ある!
喜んで眺めている私を見て
両親はずっと微笑んでいた
帰りの車の中
両親が私に綺麗に包装された物を
私にくれた
可愛いリボンシールが貼ってある
何だろう!?
包みを丁寧に開けると
そこには真っ白な小さい貝殻で作った
ポーチとネックレスが!
私は嬉しすぎて叫んでしまった
貝殻が大好きな私のために
両親が買ってくれていた
家に帰ってお気に入りの小物を入れて
ずっと大切に持っていた
ネックレスは家の中でしか付けなかった
勿体なくて外では一度も使わないまま
ずっと大切に持っていた
今そのポーチとネックレスは
小さな娘の手にある
ポーチには沢山のおもちゃが入ってる
今度ポーチを持ってネックレスを付けて
おじいちゃんとおばあちゃんと
白い砂浜の海へ
みんなで一緒にお出かけしようね
沖縄の海はとんでもなく美しくて
「暑い」
君と見る青い海に俺の心は
「暑い」
君と聞く本物の波の音はそれは
「暑い」
「うるせーな、もう! 雰囲気台無しだろ!」
「ふんいきいらねーのよ!暑いんだもんっ、はよ日陰行こーぜっ」
せっかくの空き時間にいい感じに2人になったってのに味気ない。そりゃ暑いは暑いけどな!!
ふんっと鼻を鳴らしてコテージに向かって海に背を向けた俺の服が、ふと引っ張られる。
「……なに」
「かい」
え? と振り向くと、俺のシャツを握ってた手を離して君はしゃがみ込み、砂に落ちていたきれいな色をした貝殻を拾った。
「やる」
「はぁ? なんでよ」
「なつの、おもいで」
君は照れくさそうにそう言うと、俺の肩をポンと叩いて駆け出していく。
「なーにがふんいきいらねーのよ、だよ」
どっちがロマンティストなんだか。
貝殻を翳す。遠ざかる君の背ときれいな貝殻。
夏の思い出。
▼貝殻
貝殻を拾った。
でも、割れてて半分になっているし、
ところどころちょっと汚れている。
でも僕は、その貝殻に魅力を感じた。
君に似ているからかな。
手の届かない存在だって分かってる。
それでも、貴方を好きなのはやめられない__。
あなたは、私を知らないけれど
それでも大好きです。
#推し
貝殻
煙草の吸殻に、米のもみ殻
何もないことを表す もぬけの殻
殻といえば少し地味なイメージがする。
でも、『貝殻』はどうだろう?
白や少しの桃色を帯びた貝殻もあれば、
波に削られ、丸っこくなった貝殻もある。
また、それらは持って帰りアクセサリーに
生まれ変わらせることだってできるのだ。
時にはヤドカリが綺麗で住みやすい貝殻を求めて
探しにくることもある。
貝殻は『貝』という動物の死骸でありもちろん
動くこともできない。
それでも、砂浜で、海底で、自分をアピールし
ヤドカリや人間のように自分を必要としている者
に拾って貰おうと必死なのだ。
同じように考えると、『せみのぬけ殻』も
似たようなものだ。
せみのぬけ殻は好き嫌いが別れる。
なので集めるのは少数だけだ。
その中には、ぬけ殻はせみが残してくれた宝物だと思う人もいるのかもしれない。
ぬけ殻も自分の意志はないはずなのに、木や塀に必死に捕まって、目立とうとしているのだ。
私はこんな光景を見るたびに思うことがある。
それは、人はやはり自然の美しさには勝てない
ということだ。
人間の最期は実に虚しいものだ。
今まで培ってきた肉体も残さず焼かれ、
残るのは白骨だけだ。
自然界の生き物たちは死後も尚、アピールを続けている
意志の有無とは関係なく輝こうとする
生き物たちの姿勢には
本当に頭が下がる。
夕飯の食卓に
貝類と甲殻類がどーんと並べられていた
「さ、いただきましょ」
つん…とした母の声と始まる黙食
他3人は食べる前に息を飲む
(誰だよ、母さん怒らせたのー!)
貝のように口を閉ざし、犯人を探る
開いて中身のない貝殻と
母の好物であるエビやカニの殻ばかりが
皿に積まれ続けた…
#貝殻
耳に近づけると
海の音がする。
育ってきた音。
懐かしい場所の思い出
故郷。
実家の安心感
あるよね。
分かるよ。
–貝殻–
『貝殻』
海で拾った貝殻に、ワイヤーとワニグチを付けて、カードクリップを作ったことがあります。
貝殻に穴をあけるのが難しく、何個か割ってしまい、悲しくなったのを覚えています。
何でもそうですが、自分で作るって、大変です。
貝殻は、丈夫で美しいですから、腕時計の文字盤などにも使われていますし、工芸品の飾りでもよく見掛けますね。わたしが持っているガムランボールにも、貝殻の細工があり、キラキラしていて綺麗です。
「みて~?貝殻見つけた!」
無垢な妹は楽しそうに
小さな貝殻を手に持っている。
「良かったねぇ。」
なんて言えばまた拾いに言った。
両親は悲しそうな顔をして
お花を持っている。
「お姉ーちゃん?」
妹が近付いてくる。
「駄目よ、私は死んでるんだから。」
私の声は震えていた、