今日は親友に会いに、海に来た。
近くをまわる青くまるい生き物にきのみをあげる。
__ちゃん、来たよ。
そう想いを込めて、ポケットから白く細い笛を取り出す。
広大な大地に繊細で優しい音が響く。聞こえるのは生き物の鳴き声、かすれる葉音、蒼く広い海の声。
世界が、わたしと自然と大地しかなかった。
今まで見ていた世界は狭かったはずなのに、笛を吹くとどこまでも響き渡っていくような気がした。
すてきな笛を聴かせてくれたおれいに、とでも言うように、いや、言って、さっきの青くまるい生き物から、
ひとつの貝殻をもらった。
ありがとう。
と、素直に喜びながら、わたしは御礼を言った。
手におさまる小さなひとつの貝殻を見つめる。
今見ている世界が変わる。どんどん広く、その未来が見えていく。
__、お待たせしてしまったわ、ごめんなさいね。
わたしは、時代が変化していく中での一人の人物でしかないけれど、
今はそれが、
わたしにとって心地よい。
_2023.9.5「貝殻」
今日のお題の頭文字二文字の…あとその親友さん…。青い生き物は球体のアザラシの…。
9/5/2023, 1:26:15 PM