『誰よりも、ずっと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
誰よりも、ずっと
思い返してみれば、随分と長い時間が経っていた。山の上から見下ろす景色は最初見たときから様変わりしていて、面影らしいものはほぼなかった。
ただ、前より便利になったよなぁ、とか思ったりするけれど。親しかったはずの人たちももう、いない。
誰よりも、ずっと長生きで、終わりなんて来るとは思わなかったのに。直せる人がいないのだから、仕方ない。自分を作った人はいないし、自分で直せるように設定されていないのだから。
あーあ、終わりかぁ。残念だな。
1523年と9ヶ月と7日。生きる、というか、存在し続けるにはあまりにも長すぎた。
世界の嫌なところも、良いところも。人の嫌なところも、良いところも。すべて見てきて、すべてが愛しかった。
ゆっくりと終わっていく中で、誰かがおかえり、と言ったような、そんな気がした。
誰よりも、ずっと遠いところで
誰よりも、ずっと貴方のことを想っています。
「誰よりも、ずっと」
誰よりも、ずっと
青い石畳の街角で
そこに貴方はいた
小さな噴水のそばに
水しぶきをうけて輝く貴方がいた
レンガ造りの街で
朝か昼かわからない空間で
光を浴びた貴方の姿は眩しかった
誰よりも、ずっと。
風のざわめきが、街をすり抜けていく
貴方は繊維のようにほつれて
とおくへ行ってしまった
誰よりも、ずっと、あなたを思ってきた自信があります。あなたのためならなんでもします。
何、面接?
あなたの望みを全部叶えます。
ランプの魔神みたいだね。
回数制限はありません。
月何円からなのかな。
なんと無料! どう、お得っしょ。契約しません?
良心的なサービスだね。考えとく。
あたしは人当たりの柔らかい人です。キツい態度なんかしません。できません。
ガクチカは。
特に委員会活動に力を入れて取り組みました。
嘘つけ。
ほんとだし。
……死にたいと、思ってたのにね。
おっ、過去形!
おまえのせいだ。もーちょっと、おまえにおやつを与えるためにね。
ゲヘヘヘヘ。
きつ。
明日はあのクッキー焼いて。
いいよ。明後日は、決めてるから、リクエストはなしね。
明明後日は?
それは決めない。
約束して。
しない。できない。嘘はだめだから。
してよ。
ごめんね。
誰よりも、ずっと、私のことを愛してくれる君
君、本当に淡白ね
からかい甲斐がないし、可愛げもない
まぁ、だから私も夢中なのかもね
誰よりも、ずっと、私の恋人で居て
誰よりも、ずっと/2023.04.09
俺は最初、お前のことを弱いと思っていた。
毎日気が強い奴らにいじめられているくせに、ずっとへらへら笑ってる。
俺が止めに入っても、
「僕は大丈夫だから!」
なんて言ってる。大丈夫なわけないだろ。抵抗もできないくせに。
だけど、他の奴らがいじめられてると、誰よりも先に助けに行くよな。
自分がどれだけ弱かろうとケガしてようと関係なく、俺よりも先に飛び出していく。
そんなことしてたら、お前すぐ死ぬぞ。
もっと自分のこと大事にしろよ、と何度言ったことか。
それでもお前は助けにいく。自分はいいけど、他の人がいじめられてるのは許せないんだと。
もし俺がお前の立場なら、誰かに助けは求めるが、自分が助けに行こうとは思えないかもしれん。
立ち向かえる気がしないはずだ。
だから俺にはわかる。
お前は誰よりも強い。そして誰よりも優しい。
そんなお前が、今は愛する人を見つけて幸せそうなのを見れて、俺は嬉しいよ。
こうして結婚式を見れているのが、本当に嬉しい。
苦労してきたお前が、誰よりも幸せになることを願ってるよ。ずっとな。
よし、俺もそろそろ結婚するか。
誰よりも、ずっと
あなたと会う回数が少なく、やっぱり…伝えることが
難しかった。展開が早いと思って……。
私が地元に戻って、あなたが彼女ができたら
私は心から喜び、祝福する。
でもね、誰よりもずっと…あなたのことを気になって
いたよ。
【誰よりも、ずっと】
君と出会ってもう何年も経つ。
大人になってからの友達だけど
今じゃ何でも知ってるくらい
色んな話をしたよね。
でも君は知ってるかな。
僕は君と出会ってからずっと
君のことが好きなんだよ。
君の恋人の話も結婚の話も
なんでもない顔して
おめでとうなんて言ってるけど
実のところ心はぐしゃぐしゃ。
誰よりも、ずっと君のことを見てきたし
これからも、ずっと好きだ。
だからどうか、幸せになってね。
一目見た瞬間からこいつに心を奪われていた。
端正な顔立ちでムードメーカー。決めた人には尽くすタイプで、先輩には礼儀正しく振る舞い後輩には優しく。こいつのどこを切り取っても嫌悪を抱く者など居ない。俺が探し求めていたのはこいつだと、確信していた。
だってこいつは誰よりも、ずっと気が狂っているから。
やれ、って言われればどんなに面白くなくてもやってくれるなんて、こんなに最高なパフォーマーは近くでは見たことがない。今こんなに面白みの欠片もない奴と組まされているのが勿体ない程だ。こいつの相棒に相応しいのは俺だ。
俺ならこいつを誰よりも、ずっと輝く一番星にしてやれる。
俺は関わる皆から嫌悪を向けられる。
『自己中心的』『天才の考える事は分からない』
口に出されなくともそんなオーラを感じとっていた。お前だってそんなのは何年も前に分かった癖に、俺を信じてこの手を離さないでいてくれた。
誰よりもずっと馬鹿で、
誰よりも、ずっと、ずっと、おかしいよ。
ありがとう。
この世でただ一人、お前にだけ感謝を伝えたい。
#誰よりも、ずっと
【誰よりも、ずっと】
恋人ができたんだ。そう照れ臭そうに笑う君の表情は、とても幸せそうだった。
相手の名として告げられたのは、僕もよく知る響き。欠点を見つけるほうが難しいくらいに完璧な人の名前。あの人なら絶対に君を幸せにしてくれると、そう無条件に信じられるくらいに、とびきり賢くて誠実な先輩の名だった。
幼い頃からずっと、幼馴染として君と手を取り合って生きてきた。仕事人間でほとんど家にいなかった君の両親より、僕のほうがずっと長く、君と共に時を過ごしてきた。
この世界の誰よりもずっと、僕は君のことを深く知っている。朗らかに振る舞う君が腹の底に抱えた孤独も、君が何を好いて何を嫌うのかも、僕が一番に理解している。
……だからこそ、わかってしまうんだ。君と先輩の相性がこの上もなく良いことも、君が先輩と付き合えることを本心から喜んでいることも、全て。
「良かったね、おめでとう」
ずきずきと痛む心臓を抑えつけて、僕はそんなありきたりな祝福を口にする。ありがとうと笑みを深くした君の表情は、今まで見たどんなものよりもキラキラと輝いて見えた。
(君の幸せを、誰よりも祈り続けているよ。
たとえその隣に、僕がいなかったとしても)
君が好き
側に居たい
愛してる
(誰よりも、ずっと)
誰よりも、ずっと
期待してる
自分にもあなたにも
期待してないとやってられない
自信を持ってないと悲しくなってくる
違うとそんなことないって思ってないと
思ってないと寂しいから
誰よりも誰よりもあなたを愛せる
そんな私に期待して
あなたがそれを信じてくれる
そう期待する
誰よりも取られたくないのに
誰よりも許してるの私でしょ?
ほら早く気づいて
ずっと期待して待ってる
誰よりも、ずっと。と言い切れることは、私には少ない。いや、ないと言ってもいいかも知れない。
何をするにも上には上がいる。上には上がいた。
それでも腐らずに、若い頃からもっと色んな物語に触れていれば良かった。
そうすれば、今よりマシな深度で小説と向き合えていた気がする。
誰でも言えることだが、若い頃は才能の塊だ。
映画でも小説でも漫画でもアニメでもドラマでも演劇でも、何にでも触れておくことはその後の貯金になる。
才能の塊は磨かなければ錆びついてしまう。
歳を経て磨こうったってそう簡単にはいかない。
私はきっと、もう速度としてはとても遅いけれど。
これからの人は、どうか頑張って。
私も少しずつ、また磨けていけたらいい。
誰よりも、ずっと 君のことが好き。
誰よりも、ずっと 君のことを見ていた。
誰よりも、ずっと 君に会いたいって思ってる。
誰よりも、ずっと……
液晶越しに並ぶ文字たち
ねぇ、届いてる?
もう幾年が過ぎただろう。
自分と同じ過ちを犯さないでほしくて
自分のように泣く姿がなくなってほしくて
音に 声に 文字に
僕は綴り続けるよ
だから、見ていて
1人で泣くのはもうおしまい
さぁ、明日から君の新たな幕をあげよう。
その臆病な猫背にそっと手をそえる
#誰よりも、ずっと
誰よりも
ずっとずっと
長い間、
あなたを想っていました。
旅立ったあなたに
伝えられることは
少ないですが、
あなたのそばに私がいたという事実を
忘れないでください。
■ 誰よりも、ずっと
自分が一番だと思ったことはない
世の中には上も下もいる
それに 能力や才能だけでなく
年齢という指標では
私より年上は数千万人いて
私より年下も数千万人いる
その中で特別だなんて
うぬぼれにも程がある
だけど 今日も自分に言い聞かせる
これまでの頑張りと
自分がどれだけ愛着をもって
物事に取り組んでいるか
比べるのは過去の自分自身
上澄みの私が常に批判する
「お前の事なんて誰もどうとも思っていない」
「その程度でよく生きてられるな」
そんな言葉を振り払うかのように
口に出して言う
「今日の私は過去の私より成長している」と
そうやって誰よりも自分に向き合う
これからもずっと
私よ、満足するな
満足するな
「誰よりも、ずっと」
誰よりも、ずっと
君を愛している
「どういうシチュエーションよコレ……?」
昨日の「これからも、ずっと」に続いて、今日の題目は「誰よりも、ずっと」。なお先月の題目には「ずっと隣で」があった。
「ずっと」被り3回目。頭の固さが壁となり、そろそろネタ枯渇の気配。なにより「誰よりも」が響いた。
「『誰よりも、ずっと』◯◯をするのが上手。『誰よりも、ずっと』◯◯をやり続けている。他は?」
趣味の話とか、恋愛系とか、友情モノに競技対戦シチュとかと親和性高いのか?
ガリガリガリ。物書きは頭をかいて、
「……たまにはお題パスも視野」
ため息を吐き、毎度恒例、物書きが途方に暮れる。
――――――
「ずっと」シリーズ第3弾。このアカウントも、ようやく投稿記事40個目のおはなしです。
最近最近の都内某所。某稲荷神社敷地内の一軒家に、人に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く暮らしておりました。
都市再開発、科学の進歩、動画投稿アプリの台頭等で、魔法も呪術も過去の存在となった昨今。
秘匿性と神秘のわずかに残る、地方や過疎地域に逃れていく物の怪の多い中、一家はこの地に残り、
都内に住む何よりも、誰よりも、ずっと長い間、人々の生活の明暗清濁を見守り続けてきました。
なお、そんな稲荷神社の化け狐一家。最近しみじみ、時代の流れを感じることがあるようです。
それは家族の末っ子。偉大な御狐、善き化け狐になる修行中の子狐が、修行で売り歩く不思議なお餅を作っている最中のことでした。
「良い香りがしているねぇ」
晩ごはん後の台所。父狐が、母狐と一緒に食べるためのおつまみを取りに来たところ、子狐が一生懸命、夜売るお餅を作っておりました。
「今日は、ピザお餅と肉まんお餅かな?」
「サバ味噌煮おもちと角煮おもちも作る!」
コンコン子狐、大好きな大好きなお得意様の提案で、低糖質なお餅のラインナップを拡大中なのです。
「えーよーばらんす良いと、おとくいさん、喜ぶの」
父狐が同じように餅売り修行をしていた◯◯年前は、食べ物が少なく、皆貧しかったので、お腹にたまるお餅や甘いお餅が好まれました。
今は健康ブーム。糖質少なめが客にウケるようです。
食べ物のトレンドは水鏡。容易に形を変え、波立ち、時代を映します。
「お前が親になる頃には、どんな餅がトレンドになってるだろうねぇ」
まだまだ遠い、孫狐が餅売る姿を想像しながら、子狐を抱きあげ、頭を撫でてやる父狐。
どの人間より長く人間を見てきた父狐でも、未来の食べ物を予想するのは、ちょっと難しいようでした。
努力は報われる。
その言葉を胸に、誰よりも、ずっと、努力を惜しまなかった。
自分の時間はできるだけ削って、机に向かっていた。仕事も勉強もできるだけ早く片付けて、とにかく机に向かっていた。
私の夢は創作家。アートを作って、文章を作って。
いつかは個展を、いつかは本を、いつかは名のある創作家になりたいと思っていた。
誰よりも勉強して、ずっと作り上げて、いつかは夢に辿り着くため、頑張ってきた。
何パーセントの才能と何パーセントの努力、なんて言葉も信じてきた。
だから才能がないのかもしれないと自覚しているけれども、その何倍もの努力はしてきた。
でも、おかしいんだ。全然、上達している気がしないんだよ。
ネットにアップしても、出版社に直談判しても、なんの反応もない。
継続は力なり、だよね?
これからも、誰よりも、ずっと、頑張るから。
だから、いつか、夢が叶いますように、
【誰よりも、ずっと】