『誇らしさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
誇るたびに他人を蹴落としているということを、
私はまだ知らない。
卑下するたびに自惚れているということを、
私はまだ知らない。
無知がまるで罪のように。
自分の人生に自信を持って。
誇らしさを持って。
迎え立つ勇気を持って。
どうか、負けないで。
「母さん、俺もうどっかの主人公にはなれねぇんだよ。」
痛む膝を擦りながら、泣くことしか出来なかった。
17の春。俺は前十字靭帯を損傷した。 少し前から傷んでいた膝を蔑ろにして、練習試合で決めた最後のゴール。
それは俺の試合を終わらせた瞬間でもあった。
周りはみんなすごい速度で成長していく。
俺は、キャプテンだったはずなのに、やってる事はマネージャーと一緒だった。
「もう、無理なんかな。」
ふと病院のリハビリ室で零した1つの弱音。
でもそれは親友である副キャプテンのアイツの心に錆びた釘のように深く刺さったんだろう。
初めての喧嘩、相手は重度の怪我をおった俺で。
お前は暫く自宅謹慎になったらしいな。笑
病院での面会も俺の許可が降りたところで病院側が許可を通さなかったから、お前はいつも窓から俺に手を振った。 春がすぎて、夏が来ても。それは変わらなかった。
もう自分で松葉杖で行けるってのにアイツは
「俺が荷物持つ。」って言って聞かない。
お前の家は真反対だろうが。馬鹿がよ。
あっという間に10ヶ月が経って。 普通に動けるようになっても。俺はボールを手に取るのが怖かった。
また、同じように怪我をすれば。それはいよいよ俺のバスケ人生の終わりを意味する。
もう、壊せない。
爆弾を抱えたまま、俺は体育館の前でただ佇むしかなかったんだ。
「入れよ。」
俺と喧嘩をしたアイツだった。
「謹慎野郎が何言ってんだよ、笑」
上手く誤魔化せただろうか。 もしもの世界をただ恐れて踏み出せていない俺を。
「いーから。入れ。」
背中を押されて、思わず。足が階段に付いてしまった。
そうだ。もう後戻りは出来ないんだ。 魅了されてしまった以上。もう。進むしかない。
「俺さ、もう膝壊せねぇんだわ。」
「分かってる。」
「いや分かってねぇよ。」
「分かってるよ。 ずっとお前の隣に居たのは俺だったろ。」
「いや、それでもだ。 手加減するなよ。俺は成長する。今からだって、何年後までだって、俺のバスケが止まろうと。 俺は死ぬ訳じゃねぇ。」
「、、、おう。」
「ようやく分かったんだ、俺にはバスケしか無いと思ってた。けどバスケが無くなった俺は、死なずに生きてたから。あくまで生きていくための縋る手段だったんだろーなって。」
「おう。」
「だから、1on1。やろうぜ。抜いてやるよ。」
「は。やってみろ。キャプテン。」
「やべぇな。さみぃわ。」
「んなこた誰でも分かんだよ。」
「いや、うん。でもあったけぇわ。」
「ついにイカれたか。」
「違ぇって! 俺さ、まさか冬までやると思ってなかった。ウィンターカップまでやるくらいガチとは。」
「、、、まあそれは俺もそう。」
「だよな!?!? はーーー高2の俺に見せてやりてぇわ。」
「おーおーあの頃の弱虫坊っちゃんな。」
「弱虫言うな。」
「坊ちゃんはいいんかよ。笑」
「、、、、こんな広い世界があって。化け物みたいなやつもたくさんいて。 身長もバカでけぇしジャンプ力もパワー力もえぐいけど。 でも俺は、あの時止まんなくて良かったって思う。 あの時終わんなくて、終わらせなくて良かったって心底思う。」
「おう、」
「ありがとな。 おかげで俺まだ思いっきりバスケ出来る。」
「ん。 まあふくらはぎに噛み付いてやるくらいには頑張ろうな。」
「グロ笑」
「さあ行くぞ。キャプテン。」
「おう。」
任せとけ。大黒柱。
誇らしさ 少々ギスギス
「わたしは誰よりも優れている!自他共に認める天才とはこのことかしらね!」
「嫉妬の視線ってたまらないわよ。ああ、あなたは感じたことがないから分からないかしらね。可哀想に」
「優秀な人材って参っちゃうわね!どこに行っても必要とされてしまうのだもの!」
「誰にでも、何にでもなれるのよ、この能力。どんなに突飛した才能を持っていたとしてもわたしの力の前では霞むわね、ふふ」
「あら、あなたもわたしが羨ましい?勇利さん」
「虚栄心?」
「っ、なんですって?聞こえなかったわ」
「その能力から考えて、ちっぽけな自分を誇張させていたいのかと思ったのだけれど、」
「それ以上口を開きなさい。喉を潰すから」
「あなた、結構卑屈だし、臆病よね。特に虚栄心は弱い自分を隠すためでしょう。図星?綺麗な顔が引き攣っているわよ」
「……博士の言いつけがなければ存在を消すつもりだったわ。博士に感謝したほうがいいわよ」
「あなたに誇りはないようね。どの言動においても」
アクエリアス
水瓶座の新時代を希求するとき。
あなたは、解き放たれる。
あらゆる苦悩から解放される。
足枷は外れ、新しい世界を自由に歩ける。
もう、誰もあなたを縛らない。
もう、何もあなたを苦しめない。
あなたは水瓶座の時代に生まれ変わる。
聖なる水流によって浄化された世界に。
水瓶座が、あなたを安らぎへといざなう。
やがてあなたは、魚になる。
すべての生物は海から生まれたように。
ヒトの魂も海へと還っていく。
水瓶座のマークを刻み、一歩を踏み出す。
そして自分が自由な魚であることを認識する。
青色の海の世界をイメージする。
ほら、見えてくるはず。
美しいマンタの姿が。
輝くサンゴの平原が。
おだやかで、静かで、時が止まった世界が。
そうすれば、あなたも、生まれ変われる。
ずっと仲のいい友達に彼氏が出来て、ほんの少しだけ寂しくなった。
でもその子との何気ない会話の中で「私達は親友だ」という言葉を聞けて、なんだか凄く誇らしくなった。
誇らしさ
テストで追試をギリギリ回避したときの友達は見たことがないくらい誇らしそうだった。
でもね、私は今回も追試なんだ。しかも2教科で。だから1回落ち着いてもらってもいいかい? ドヤ顔で答案見せるのやめて?
アホな仲間の追試回避は私まで誇らしい気持ちにしてくれた。けどもなんかね、すごく悔しい。でも誇らしい。感情がぐちゃぐちゃだ。
この暗い海の底である世の中から、
宝石を見つけようと生きていること。
【誇らしさ】#18
今日も一日何事もなく終わった。
何も考えずただただ時間だけが過ぎていく一日でした。
今日な何回生きててよかったと思えたのだろうか。
自分で1度もそんなこと考えてもなかった気がする。
誇らしい、とは思えなかった。
性格悪いとは思ってるし分かってるけど、
他の人が幸せになるのをみて、つい
なんで私ばっかりこんな目に、
なんであの子ばっかり幸せなの
そう思ってしまう。自業自得だってのは知ってる。
そうやって人にあたろうとするけど、
私なんかが余計なことしたら周りに誰もいなくなる。
私なんかが良くないこと言ったら殴られる。
それで友達にも親にも何も言えなくて、
自分にあたる。
誇らしさ
自分に自信がないとき
誇らしさをなにか持ってるといいなと感じる。
なんでもいいんだよね。小さいことでも。
「誇らしさ」
誇らしさ
それは朝日の出る前に
土から這い出て木に登り
誰からも教わらずとも
脱皮をする得も言われぬ美しい翅の蝉
それは母猫に見守られて
ヨロヨロしながらも
朝日に向かって立つ仔猫
それは小さな小さな種からエネルギーを貰い
ゆっくりゆっくり茎を伸ばし
太陽に向かい大輪の花を咲かせる向日葵
そしてそれは なにがあろうと
私を愛してくれる
最強のあなたの存在
そして ねえ 私も又
そんなあなたを愛する
誇らしさときたら。
わかる?
「誇らしさ」
誇らしいさ
誰かに示すものじゃないね
当たり前なんだよね
自分自身にとってだけなら
なんてことはない
その程度のものだよ誇らしいさなんて
ただ佇んでいて
ありきたりな空
見上げればいつでもそこにある
私は書道を習っている。
書道教室から帰ってきたらすぐに
「今日も上手くできた!」
と言ってその日の作品を家族に見せる。
褒めてもらったとき、心が誇らしい気持ちで満たされて、
次もいい字を書きたいというやる気をくれて、
だから頑張って続けて来れたんだなと思った。
過去の栄光を
未だに誇らしげに話す
ちょっと残念なひと。
自分のことのように
他人について
誇らしげにする人。
誇らしさなんて。
でも
そんな過去があるからこそ
そんな人がいるからこそ
今の私がいるんだからと
めげずにいる私。
そもそも
毎日生きてるだけで
誇らしいんだから。
–誇らしさ–
誇らしさ
母は、あんたは私の誇りだよ。
いつもの言葉。
兄弟で出来のいい兄ばかりをひいきする。
けど、兄は酒をやっていた。
裏では不良だった。
だが、喧嘩は弱かった。
だから、元ボクシング世界一の俺は。
兄を守った。
兄はいつも母に対してあいつもすごい奴だよと訴えかけてくれていたから。
喧嘩を売られた兄を守る。
だって、兄は俺の誇りだから。
私は、人を傷つける代わりに自分を犠牲にした。だからこの手首の傷は、私の誇りだ。
【19,お題:誇らしさ】
僕の誇れるところってなんだろう?
高校の帰り道、今日はテスト期間だから早めに学校が終わった日だ
「具合が悪い」と嘘をつき部活をサボって
いつもより日が高い通学路を歩きながら、何となく頭に浮かんだ疑問
僕の誇れるところ、強いて言うなら背が平均より少し高いところとか?
でも、背が高い人はいっぱいいるよな...
あ、折り紙の鶴をめちゃくちゃ綺麗に折れるとことか!
でも女子にはもっと綺麗に折れる子がいたっけ...
「僕の...誇れるところ...」
「おーい律!」
ダダダダダッーッと、慌ただしい足音
振り返ると、野球部らしい短く切った短髪に何故かユニホームの姿のままで走ってくる男子がいた。
「あれ龍介?部活あるんじゃないの?」
肩で息をする龍介、学校からここまでだいぶ離れてる気がするけど
...もしかしてぶっ通しで走ってきた?
「ゼェッ...ハァッ...」
「え大丈夫?死なないそれ?」
「ッ...大丈夫だ!毎日鍛えてるからな!」
はははっと太陽のように笑って見せる龍介
さすが野球部、体力の回復スピードがえげつない。もう元気になってるし
「ってか律、具合悪いって聞いたけど平気か?」
「あー部活めんどくてさ...仮病使っただけだよ、全然元気だし大丈夫」
「なんだよー心配したぞー」
僕のために、わざわざ部活を抜けてきたっていうのか
龍介はすでに僕と同じ方向に歩きだしている。
「あれ?部活戻んないの?」
「今から戻っても部活終わってるだろうからなー、俺もサボりだな!」
僕に背を向け歩きだした、龍介の小麦色の肌は活発で明るい雰囲気がある
いつもクラスの中心にいて、ムードメーカーでトラブルメーカー
後輩たちからも慕われてるし、裏表ない性格のため先生からの信頼も厚い
そんなみんなにとっての太陽のような存在である彼の友達が僕のような奴でいいのだろうか
「...龍介」
ふと不安になって、小さく声に出す。
「なんだ?律」
驚くことに、ちゃんと彼は拾ってくれた。
「僕、本当に龍介の友達でいいのかな」
きょとんと数秒首をかしげた後 、「当たり前だろ!」君は言った。
「律は俺のブキヨーなとことか、いつもカバーしてくれるし 頭もいいし 勉強もできるだろ?
俺そーゆーの苦手だからさ、律のことすげーって思ってる。」
それに、と彼は続けた。
「律は俺のことよく気付いてくれるだろ?前の怪我の時も、うまく隠したつもりなのにバレちゃっててビックリしたよ
律は大事な俺の“親友”だ!いつもありがとうな!」
屈託のないよく晴れた青空のような顔で、龍介はニカッと笑った。
なんだよ、勝手に悩んだ僕が馬鹿みたいじゃないか
「僕、龍介が親友でよかったよ」
夕焼けの河川敷を二人でのんびり歩く。
間違いない、僕の誇れるところは
龍介っていう親友と出会えたことだ。
誇らしさ
それはこれまで懸命に生きてきた自分
必要なスキルを磨きに磨いて
時代の変化、環境の変化に対応させ洗練させた考え方
それらを使って悩める人を沢山救い、迷いから目覚めざることも出来た。
それまで
ちっぽけな自分だった。意固地、頑固、強すぎる正義感、周囲と上手くいかなかった。ペース、考え方、達成度、どれもが合わず悩み苦しんだ。
ようやく抜け出した。
それには愛が大きく関与した。
好きで好きでたまらない人がいた。
その人は友人付き合いを優先して俺から去ってしまった。
その苦しさから逃れようと必死に仕事にしがみついた。
当然上手くいかない。
恋愛が上手くいかない原因、周囲と上手くいかない原因がほぼ同じことが原因だったみたい。
自分と向き合わざるを得なかった。
改善に向かった。
たくさんのことに気がつけた。
どうしたら人と上手くペースやテンポが合うのかが見えてきた。
失恋はしたけれど
人として大切にしなければならないこと、
人の気持ちを理解すること
状況を理解して行動すること…
多くのことを学んだ。
するとどうだろ。
仕事も上手くいく
いつしか頼られ、信頼され、全ての答えを持つかのような立ち位置となった。
思うに、あの恋愛は、俺を鋼のように鍛えてくれた。
自分の持つ力の使い方か分かるようになってきた。
時が経つにつれ、自身の成長がはっきりと分かるにつれ、あの恋愛が教えてくれていたことがわかった。
今をときめきながら生きてる俺
輝きをさらに増して
もう怖いものは無い
もう振り返るものもない
感謝、そしてさらなる階段を上ることにわくわくしてる自分がいる。
未来に向かって今、もう大丈夫って思える自分
そんな自分が誇らしいんだ。
つい抱きしめてしまいたくなるひとに出逢いました、今はいない、ラムネの瓶を耳たぶによせ、はじけるのはきみの命だ
己の成したことを自慢に思うとき、同時に胸に隙間風が吹く。
このトロフィーに刻まれた名前は自分のことであるはずなのに、苦さと辛さから記憶を離してみれば、自分のことではないかのようだ。
雨粒が窓を強く叩いている。こんな夜はすぐ眠ってしまうべきだ。苦い酒を舐めながら古いトロフィーを撫でるなんてことは、みじめったらしくて仕方がない。
「誇らしさ」