『言葉はいらない、ただ・・・』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
言葉はいらない、ただ・・・
「頭良いね」
「礼儀正しいね」
「いつも笑顔だね」
「すごい」
「さすが」
「今日も冴えてる」
日々、かけてくれる言葉。
「調子のってんな」
「ただの八方美人じゃん」
「アイドルがインテリぶるな」
「ムカつく」
「嫌い」
「出てくるな」
無機質で四角い、薄っぺらな小さな箱に並ぶ言葉。
どっちも見慣れた言葉たち。
優しい言葉。
厳しい言葉。
温かい言葉。
貶す言葉。
どれも同じ言葉だけど
受け取る時の感情は多岐に渡りすぎて
一喜一憂するのも疲れてしまった。
そんな時は言葉なんて投げ捨てて
心で接してくるあなたに逢いたい。
「ただいま」
「おかえり」
そっと自分を包んで、髪を撫でてくれるあなた。
温かな笑顔で微笑んでくれるあなた。
「仕事大変だったね。今日は俺がご飯作ったから」
何も言わなくてもそう言ってくれるあなた。
言葉なんていらない。
ただ分かってくれる、あなたがいてくれればそれでいい。
何も言わないでいい。そばにいてほしかっただけ。
「言葉はいらない、ただ・・・」
ああ、うるさい。うるさいな。
「黙ってきけよ」
ギャアギャアと鳴き喚く群衆が静まり返る。イラ立ちと憎しみを隠しもしない視線が俺を突き刺して、たった数秒のこの沈黙すら我慢できないとばかりにギラギラしている。誰かが舌打ちをしたのを合図にまたあちこちから怒号が上がった。
もはや誰にむけているのかすら分からないそれらを延々と吐き出すマシーンでしかない。なんて鬱陶しいのだろう。こいつらこそくたばればいいのに。
可哀想に。司会者が顔を青くして震えてしまっているじゃないか。警備隊ですら呆れ返って度を越しそうなやつだけを押さえるだけで他は無視している。
まあ、育ちだけはいいはずだから人やものを傷つけるほど浅はかではないのだろう。お上品な言い回しでも隠しきれない汚い欲が渦巻いているのが残念だ。
きれいな花に囲まれその中心で微笑む少女の遺影。
この場に遺体がないのだけが、薄幸だった少女にとって救いなのかもしれない。
『ねえ、黙ってきいてくれる?』
真っ黒な瞳からボロボロと涙をこぼしながら、やっと出てきた言葉だった。誰かへの恨み言でもなく、日常生活の愚痴でもなく、理不尽な我儘でもない。ただ自分の言葉をきいてほしいと懇願してきたのが最後だった。
俺は、ちゃんときけていたのだろうか。
【題:言葉はいらない、ただ・・・】
今日も彼を見つめる
好きな相手には
奥手になってしまうのが
私の下手な恋愛だった
すごく胸が締め付けられる、淡い淡い恋
私には
彼を見つめることができるだけで
十分だった
_2023.8.29「言葉はいらない、ただ・・・」
お腹がすごく空いて空いて仕方がない。ものすごく食べてしまった。そして辛いものがすごく食べたくなる。めちゃくちゃ食べちゃった
『言葉はいらない、ただ…』
「試合の時、脅迫されてた私はルール違反をした…」
「…」
「そのまま私は勝ってしまった…」
「…」
「本当にごめんなさい…」
「…」
「いらない」
「…え?」
「そんな言葉はいらない。ただ…」
「ただ…?」
「今すぐ私と勝負しなさい!正真正銘、正々堂々正面から!」
「…!うん!」
無言で眼をみつめ
強く抱きしめながら
深い深いため息をつく
何よりも貴方の感情が
私の中に溢れる
言葉はいらない、ただ・・・
私ね、画家になれるんだ。
私の絵を見たいって言ってくれる人がたくさんいるの。
私も、もっと私の絵に向き合わなきゃって思うんだ。
だから…、ごめん。別れよう。
水彩画家として大成するのが彼女の夢だった。
僕だって、絵に真剣な姿に惹かれたのだ。絵に向き合いたいという彼女を、引き止められるわけがなかった。
そうして、僕と彼女は会わなくなった。
それから二年後。とあるギャラリーに訪れた。
壁には一面、美しく繊細な水彩画。彼女の個展だ。
ギャラリーの奥で足を止める。
吸い込まれそうなほど深い森に佇む、可愛らしい猫と少女。隣は青く清い水をたたえる湖。どちらも彼女の優しい人柄が、見ているこちらにすごく伝わってくる。
…よかった。ずっと、変わらずにいてくれて。
ふと目を入口の方へ向けると、作者である彼女がお客さんの女性と話していた。二人とも楽しそうで…。彼女は、見ている僕に気づかない。
でも、それでいい。
僕への言葉はいらない。ただ、君は絵を描き続けて。
「言葉はいらない、ただ・・・」
あなたに触れられることを渇望していた
欲望のまま私を汚してほしいの
陳腐な言葉などいらない
ただあなたが欲しいの
【言葉はいらない、ただ・・】
長い言葉はいらない。
ただ…ただ僕のこと好きって、その一言だけ言ってくれないか?
言葉いらない…ただ突っ立ってるだけ…っ…至福の傍観…っ‼︎
ほんの一瞬のアイコンタクト。
俺達にはそれだけで充分。
別々の物陰から二人揃って躍り出ると、街中で刃物を振り回していた男が怯んだ。
一瞬の隙き、俺もアイツも逃がすなんてヘマはしない。
アイツが刃物を握る男の手を蹴り上げる。
宙を舞う刃物をカッコよく掴み取ったアイツが遠くへ投げ捨てた。
俺は男に足払いをかけて倒し、そのまま腕を捻りあげて、痛い痛いと喚く男の頭を叩く。
自業自得だ、と。
ギチギチに縛りあげた男を道に転がして、残り少ないランチタイムに二人して戻る。
フードトラックのホットドッグにかじりついて英気を養う、午後も仕事で今夜もきっと残業だ。
目と目で通じ合う、そんな歌があったっけな。
俺達はそういう間柄ってこと。
なっ、相棒。……え、違う?
テーマ「言葉はいらない、ただ・・・」
言葉はいらない、ただ…力強い抱擁があればいい。
それだけで、想いは伝わるから。
言葉はいらない、ただ…
言葉は大事だよ
言葉で人は傷付くし
言葉で人は死に追いやられる
でも言葉がいらないときってどんなときだろう
どんな相手かが大事なのかも
知らない人が言葉なくそばにいたら怖いよね笑
言葉なくてもそばにいて欲しい人
人生で何人かできたら
それはきっとけっこう幸せ
あきかぜ
撫でて欲しい。
抱きしめて欲しい。
会いに来て欲しい。
あなたが欲しい。
あなたがする何かが私を満たしてはくれない。
「あなた」だけが満たしてくれる
「あー、38.2度…かなりの高熱だね、大丈夫?」
成人してから初めて風邪をひいた。額に冷えピタを貼ってぐたぁ、とベッドに寝転んでいる。
彼がずっと看病してくれている。心配そうな顔をしつつも彼は私に話しかける。
「同棲始めてから初めてじゃない?風邪ひくの」
「うん…うつしたくないからさ」
「そっかぁ、気遣ってくれてたんだね」
「ちょっと喉見せてみて、場合によってさ喉の薬も持ってくるから」
そんな痛くもないけれど、私は彼に従って口を大きく開けて喉を見せる
「んー、そんな赤くもないね。痛くなーい?」
「うん、咳と頭痛くらいだから大丈夫だよ」
「そっかぁ、わかった。薬とってくるね」
と言って彼は部屋から出ていこうとした時
私は無意識のうちに彼の服をギュッと掴んでいた
「どうしたの、海暗?」
「い、行かないで…」
そう言った時、少しだけ視界がぼやけるのが分かった
「でも、薬取りに行かなきゃ。俺はどこにも行かない、だから大丈夫。ね?」
「大丈夫、なんて。そんな言葉はいらないの。私はただ…貴方に隣にいて欲しい。
私、そう言って貴方がどこか行ってしまわないか、とても、心配なの…」
「…海暗。」
「何…?」
「俺は、海暗を裏切らない。だから心配しなくていい。安心して」
視界がぼやけるのが分かった。
「……分かった。でも、早く戻ってきてね。」
「もちろん。んじゃ、ちょっと待っててね」
ガチャ、とドアを閉める音が聞こえた
さっきの言葉、彼に放った言葉はいらないっていう言葉を思い出してふと呟く。
「…子供の時の名残かな...あの時のは」
私は昔のことを思い出した
ー海暗。一人で大丈夫よね?お母さん、仕事行くけど一人でいれる?
……分かった。お母さん、お仕事頑張ってね。
ありがとう、海暗。あと、ごめんね
一緒にいてあげられなくて。風邪治ったら一緒にどこか行こうか。
うん、約束。
それじゃあ行ってくるね。何かあったら言ってね。
うん、行ってらっしゃい。
「…海暗?寝ちゃってた?」
「あ、戻ってたんだ。言ってくれればよかったのに。」
「うん、薬飲んでもらおうと思って起こそうと思ったけど、魘されてたから。
…昔のこと思い出したの?」
「そうなんだ。今日みたいな風邪ひいた時に、誰も一緒にいてくれなかった。
そりゃあ、仕事とかあるから仕方ないけどさ。だけど一人は辛かったな。
だからさっき貴方にあんな事言っちゃった。ごめんね。」
そう言うと彼はギュッと私を抱きしめる。
「それを先に言ってくれれば良かったのに、海暗は一人で抱え込もうとしすぎだよ。」
「そう、かな?えへへ、ごめん」
「謝んなくていいよ。寧ろ謝るのはこっちの方だよ。早く気づけばよかった。」
「……ううん、大丈夫。あ、体温もっかい測ってみる?
熱引いてる気がするんだ。」
「そうする?はい、体温計」
私は昔の事を思い出した時から熱が下がっている気がしていて早速測ってみることにした
結果、36,5度。まさかこんな早く治るとは。
「風邪ってこんなすぐ治るもんなんだね…」
「そうだね、でも今日は寝てな?」
「そうする、でもそうすると色々任せちゃうね」
「困ったときはお互い様だよ。気にしないで」
「そう?なら頼る」
「分かった。おやすみ。」
私はそう言われて静かに眠りについた。
貴方は頬に手をやり、こっちを寝るまでずっと見ていてくれた
それにとても私は安心した。
………昔から私はこうやって欲しかったんだ。
大丈夫、とかいう励ましの言葉より。
治った後の約束より。
こうやって一緒にいて欲しかったんだ。
そう思いながら私は貴方とずっと一緒にいる夢を見ていた。
『言葉はいらない、ただ・・・』
いろんな人と挨拶を交わして席にカバンを置く。
机の横に掛けるだけだからそのままにして、
汗拭きシートを取り出しつつ、話す。
和「りのんちゃん、ゆめっちおはよ~」
璃音「なごちゃんおはよ」
夢「汗だくじゃん笑」
和「自転車だったからさー」
朝の挨拶をしたら、いつも通り時間割の話と、
各々喋りたいことを話す。
夢「今日のポケモンスリープ全部イモムシ…」
和「また?笑笑」
璃音「そーゆー時もあるさ〜」
和「あ、璃音ちゃん、今日朝学は?」
璃音「多分英語〜」
夢「\(^o^)/」
璃音「今日、コレ持ってきた。食べる〜?」
和「後でもらうわ!」
夢「眠くなったらもらう〜」
そんなこんなしているとチャイムが鳴る。
休み時間も雑談して、お昼も一緒に食べて、放課後になる。
夢・璃音「また明日〜、ばいばーい!部活がんば!」
和「うん、がんばる〜。気をつけてね〜」
そう言って、2人は帰っていく。
4階の奥の階段のすぐ横の教室。そこが部活の活動場所。
和「お疲れ様でーす」
弥璃「おつかれちゃちゃ〜、今日部活休みだって。」
和「あ、そうなんですか?分かりました〜」
弥璃「べにと、きいと、しゃけと、ひでさんはもう帰った」
和「こだちゃん先輩も帰りますか?」
弥璃「そだねー、帰るかな」
和「分かりました、お気をつけてぇー」
そんなこんなで、先輩も帰った。
この部屋は演劇部員しか使えない。
部活がなくても、勉強には使える。
和磨「お疲れー、今日部活休みだってね」
和「らしーよ」
和磨「ちゃちゃは勉強してから帰るの?」
和「テスト近いからね〜」
和磨「じゃあ俺も勉強しようかね」
和「いーんでない?」
7時間目も終わったばかりでまだざわざわしている廊下。
クーラーも止められてじわじわと暑くなる教室。
和磨と私は教室の窓とドアを全開にして、
窓側の机に座って勉強道具を広げた。
そのまま、廊下のざわめきを置いて、それぞれの課題に取り組む。
だんだんと日が落ちて、廊下の喧騒は止む。
今日は木曜日だから、4階に残っている人は居ない。
ただ、私と和磨を除いて。
私達は言葉を交わさず、只々勉強を続けた。
私は、左手を置くはずのところに文鎮を置いて、
右手でシャーペンを持つ。
和磨は、右手を置くはずのところに文鎮を置いて、
左手でシャーペンを持つ。
空いた2つの手を、人目を避けるように机の下におろして。
太陽が沈んで、
月が顔を見せ、
自転車を漕ぎやすい時間になるまで。
左手と右手は繋がれたまま。
抱きしめた腕の温もりや仕草、恥ずかしげな微笑みに、君の気持ちが現れている
僕の気持ちも態度に出ているかな
黙っていてもわかってしまう
君は僕が好きで、僕は君が好き
ただ見つめ合うだけで、心が溶け合ってゆく…
言葉はいらない…ただ
素直な心で傍においで
言葉はいらない…ただ
その唇を濡らして微笑んで
言葉はいらない…ただ
思うがままに躰を踊らせて
言葉はいらない…ただ
君のすべてを僕に預けて
言葉はいらない…ただ
君だけを愛している
夏の去りぎわのにおいが、そこらじゅうであふれてつめたくて、ついきみと過ごした冬を思い出した、自分の首からもいだマフラーをそうっと掛けてくれたときの、柔軟剤のにおい、きみそのもののにおい、ささやかな体温、白い息、赤くやわらかな布の繊維、心がつめたいといつも思い返す、きみのくれたかけがえのないかがやき