『見つめられると』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの人が誰を好きなのか、本当はみんな知っている。
それが秘めた恋だということも。
あの人は真面目で、誠実で、優しくて。非の打ち所が無いとはああいう事を言うのだろう。
だから、なのかもしれない。
あの神秘的な目で見つめられると、勘違いしてしまう。期待をしてしまう。
あの熱のこもった美しい瞳が、ある特別な意味を持って私を見つめているのではないかと。
真面目で、誠実で、優しい彼は、ただあらゆる人に対して真面目に、誠実に向き合っているだけなのに。
あの目は、毒だ。
END
「見つめられると」
何のために生きるのか、
答えられる大人に、私は結局出会っていない。
大抵の人間が、目標なんて持っていなかった。
当たり前に明日が来ることを、
その明日が、平然としたものであることを
ただ今日と変わらぬ1日であることを、望んでいる。
───なんて強いのだ、と思った。
生きることに理由がなくても、
当たり前に進んで行ける。
意味がなくても、明日へ向かえる。
よほど私は、そういう大人になりたかった。
どうして怖くないのですか
今生きているのに、理由がついていないこと。
なぜ不安でないのですか
明日が来ても、この存在に意味などないこと。
優しい君よ、
愛と勇気を携えた君よ、
どうかそれを問わないでくれ。
その瞳がこちらを見つめるたび、私は想う。
君が生きていく明日に、理由なんて探さなくて良い。
誰のためでもない、君だけの明日を生きること
どうか君に、許してやってくれ。
どこか変になっているところ、ないかな?
視界へ入る前髪が気になり続け、そっと直そうとする指先も落ち着かないままなのが凄く困る。
そわそわと揺れる不信感は、もうそろそろ爆発しそうだった。
どうしよう、気づいてもらえたら嬉しい。
でもね、あんまりジッとコチラを見ないでとも一緒に思っちゃうんだよ。
こんなにワガママな人間で、ごめんなさい。
それでも私は、あなたの笑顔を追うのをやめられないのです。
【見つめられると】
見つめられると
何でだろう?
お前の事なんか、別に何とも思ってないし。
特別じゃない、只の友達だし。
だけど。
お前に見つめられると。
何だか、胸の辺りが苦しくなって。
少しだけ、鼓動が早くなって。
お前の前から逃げ出したくなる。
でも。こんなの、カッコ悪過ぎるから。
お前が俺を見つめてるのに気付くと、
俺はつい、文句を言ってしまう。
用もないのに、俺の事を見るなよ!…って。
なのに。
俺が何度文句を言っても、
お前は、僅かに笑みを浮かべて、
子供の様にキラキラした瞳で、
俺を見つめるんだ。
何時までもガキみたいな俺で、御免。
俺はまだ。
お前を見つめ返す事が出来る程、
強くは無いんだ。
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見つめられると
いつもと同じ様に、隣には、あなたがいる…特別な関係とかではなくて、ただの同じ職場の同僚なだけ…食事をしたり、二人で仕事をしたり…そんなあなたから、何気ない視線を向けられた…それだけなのに、何故だか、胸が高鳴ってしまう…勿論、あなたは、ただの同僚として、普通に接している…って解っている…なのに、あなたに、見つめられると、どうして..も意識してしまう…
見つめられると、NOとは言えない
君のことを思ってやめたんだよ
意地悪でもなんでもないんだよ
もうちょっと我慢してくれたり?
しないよね
そんな目で見ないで そんな顔で見ないで
そんなに見つめられると……
はい、ご飯
さっきあげたばかりなのに
お医者さんにも言われてるのに
せめて、ゆっくり食べてね
見つめられると…
見つめると決まりきらないポーズして
短い歌を口ずさむ君
いつ来るかも分からない【いつか】の為に、お前はソレを捨てるのか?
⁂見つめられると⁂
人の目を見るのが苦手
特に
パッチリ大きい目
瞬きなくジーッと見る人が多い気がする
だから
なんだか何もかも見透かされる気がして怖い
君の瞳は、不思議で
見せたくないところまで、見えてしまいそうな
吸い込まれるような
そんな感じ。
ああ、
やだな。
君に見つめられると、おかしくなりそう。
「ばーん」
ふと目が合って暫し見詰めあった後、どこか照れた顔で指で作った銃で撃ち抜かれた。咄嗟にヴッと胸を抑える。誤魔化しにしても許せねえかわいさである。絶対にハートの光線が出ていた。かわいい。
「危なかった…私じゃなかったら死んでたよ」
「他の人ならやらないし」
しれっと言われて私も死んだ。
"見つめられると"
目は口ほどに物を言う。よく聞くことわざ。
だからという謎の理由で、目を見て相手の考えていることを当てる謎のゲームが勝手に開催された。
開始5分。睨むように見つめられる。自分はゲームをガン無視して読書しているから、気配だけだが。
10分。「肉食べたい」「違う」「じゃあ焼きそばパン食いたい」「じゃあってなんだよ、それはお前だろ後で自分で買え」「ちぇ」
完全に当てずっぽうな回答をバサバサあしらっていく。本の内容が頭に入ってこなくなってきた。
15分。読書は諦めた。顔を上げる。もうとっくに顔のゲシュタルト崩壊は最高潮だと思うが、なおも見つめ続けられる。新たな回答は出てこない。
30分。もはやただ見つめられているだけだった。こっちも見つめ続けるのに飽きてきた。そろそろ諦めてほしいと思っていた矢先、「キレーだな、お前の目」とぽつりと呟かれた。そらしかけていた自分の目を、また目の前の双眸に向ける。
それは、こちらの目の表面から奥まで探るように、時々ふるふると震えながらこちらを見つめていた。一瞬のまばたきには、あどけなささえ感じる。
そんな無邪気さを秘めたお前の瞳のほうが、よっぽど綺麗だというのに。
(そんな風に、見つめられると)
からかいたくなるだろ。
「…ゲームはどうしたんだよ」
「あ」
「忘れてたな、言い出しっぺのくせに」
「思い出したからいーんだよ!で、答えは?」
「…」
逡巡。
これだけ時間が空いたんだから、当然考えていることも変わっている。その中で、何を答えようか考えた。
…これにしよう。
「…かわいいなって、思ってた」
あながち間違いではない。頭の片隅くらいには、ずっとあった。最初こそ呆れがほとんどだったが。
案の定、目の前の男はみるみるうちに顔を赤くする。ほら、かわいい。
「…っそれ、今考えただろ……」
「正解だけど不正解」
「どっちだよっ」
あまりにかわいくて少々調子に乗っていたら、頭をはたかれた。
【見つめられると】
私は、行きつけのバーの扉を開けたまま固まった。
しまった、来る日を間違えた。
見つかる前に退散すべきなのに、驚きで足が動かない。
「早く座れ、扉が開いていると寒いじゃないか」
カウンターに座ったまま、こちらも確認せずに命令してくる。後頭部にも目があるんだろうか。
扉を閉めて、いつもの席ではなく、男から離れた席に座る。なけなしの抵抗だ。
カウンター担当のバーテンダーがオーダーをとりにきたので、キープしていたウイスキーのロックを頼む。
感じたくない視線を体全身で察知する。恐る恐る右に視線を動かすと、会いたくなかった男と目があった。
恐怖を感じさせる笑顔で見つめられたら、いつもの席に移動せざるを得なくなった。
座る前に、男に伝えなくてはならないことがあった。
「ごめんなさい」
男は不敵に笑うと、グラスを傾けた。
「別に怒っちゃいない。ただなぁ、次も理性が保つとは限らないよ」
私は、今日は一杯飲んだら帰ろう。と心に決めた。
いつもガラス越しにキラキラ、ワクワクとした目で皆がみてる
嫌な気分じゃないし、悪い気もしない
まぁ脅かしてくるのは頭にくるけどね
この生活に苦は無いし慣れてきた
住めば都とはこうゆうことだね
そして見つめられるだけでお金が入る
動物園や水族館とはこうゆう所だ
学年一の美人。
なんて在り来りの賛美を一身に受ける彼女は、
席が隣になってから、何故か僕をずっと見つめてくる。
数回しか話したことなんて無いから、
友達なんて関係でもない。
そんな視線を浴びる心当たりが無さすぎて、
友達からの挨拶もまともに返せなかった。
日に日に強くなっているように錯覚する程の視線。
その瞳に見つめられると、逃げられない気がして。
つい目を逸らしてしまい、横でくすりと笑われる。
なんでそんな目で見つめてくるんだと、
問い詰めたくもなるけど。
整った君の顔を正面から見るのがやっとで。
そんな僕も見透かしたように、
また熱い視線を送ってくるんだ。
『見つめられると』
私は今、普通の精神状態じゃない。そんなのは私が一番よくわかってる。なんたって、私は先ほど人を殺してきたのだから。
夕方の六時。それが友人との約束の時間であった。その友人と連絡は定期的にとっていたが、遠方に住んでいるため会うのは久しぶりであった。だから、普段の私なら、いつも通りに会って、何気ない会話をして帰る。それだけになるはずだった。でも、今日は違う。私は、さっき人を殺してきてしまったのだ。
別に殺したかったわけではない。電車に乗ろうとしていて、目の前の人の様子がおかしいからなんとなく見つめていたのだが、フラフラと前に進んでいて、気が付いてしまった。この人は自殺をしようとしているのだと。私は、止めるべきだった。でも、声も出なかったし、手足は一切動かなかった。何もできなかった。気づけば目の前にいた人は、駅のホームから、消えていた。
一瞬の沈黙。後の度重なる悲鳴。凄惨な現場を前に、私は動くことができなかった。周りの人の誰かが私にぶつかってきて、はじめて足が動くようになった。私は黙って踵を返して、ホームから離れた。
目の前で人が死んだわかっていたのに何もできなかった声をかけるべきだったのにどうして何もできなかった私は……。私は、人殺しだ。
この後は、正直帰りたかった。友人には申し訳ないと詫びて、寝て忘れてしまいたかった。でも、滅多に会えない友人との約束を反故にすることも、私にはできなかった。重い足を引きずりながら、私は約束の場所へと向かった。
「お、久しぶり~!」
「久しぶり……」
友人は変わらぬ笑顔をこちらに向けてきた。いつもなら私も嬉しくなって笑い返すが、今はとてもそんな気分にはなれない。私は何とか取り繕った笑顔を返した。
「え、大丈夫?なんか顔色悪いけど……」
「大丈夫、昨日夜更かししちゃって……」
「…そっか!じゃあご飯食べに行こう!この辺に行ってみたいバーがあるんだよ」
「本当、相変わらずだねぇ」
何とか誤魔化せたようだ。そのまま友人についていき、目的のバーに着いた。バーにはカウンター席とテーブル席があり、友人は真っ先にカウンター席へ向かい、席についた。私はその隣に座り、メニュー表を眺める。今は何を飲んでも味がしそうになかったが、よく私が頼んでいるカクテルの名を口にした。
友人との話は、全く頭に入ってこなかった。なんだかんだアルコールを口にすれば忘れられると思っていたが、そんなこともなく、なんなら先ほどの出来事がフラッシュバックし始めた。私は、人を救えなかった。
「それで……。……本当に大丈夫?」
友人は流石におかしいと思ったようで、こちらを見つめてくる。こういうときの友人は厄介だ。人の機敏に対して、妙に鋭くなる。私は友人の方を向いていたが、こちらを一心に見つめてくる友人の目に耐えられずとっさに顔をそらしてしまった。
「こっち向いて」
そらした目を、元に戻す。友人の目は、変わらずこちらを見ていた。
「ねえ、何があったのか、問題なければ教えて」
「…………」
「……はぁ。言いたくないのならいいよ。別に強制はしない」
「…………」
「でも、これだけは言っておくよ。私は、君の味方だから。話ができるようになったら教えて」
「……ありがとう」
私は、そうとだけ返した。知っている。このお人好しの友人ならそう言ってくれることは、わかっている。だからこそ、私は言いたくなかった。友人なら、絶対に受け入れてくれるから。私の罪も、何もかもすべて一緒に受け入れてくれる。だからこそ、言うつもりはなかった。
友人は、一切の曇りもなくこちらを見つめ続けている。友人の瞳には、私がうつっていた。お願い、やめて。これ以上私を見つめないで。見つめられると、私の醜さが浮き彫りになってしまう。だから、お願い。私を見つめないで。私を助けて!
見つめられると
用事があるのかなと感じたり、
責められているように感じたり、
気があるのかなと感じたり、
見つめてくる人の表情や動作などを合わせた空気感によって感じることは違う。
見つめられると、頬を赤く染める。
そんな君が好き。
知らないふりをしていることすら、知らないふりをしたいのに。
お前の瞳の熱が、何もかもを思い出させる。
惨めだよ。すごくね。
お題:見つめられると