あの人が誰を好きなのか、本当はみんな知っている。
それが秘めた恋だということも。
あの人は真面目で、誠実で、優しくて。非の打ち所が無いとはああいう事を言うのだろう。
だから、なのかもしれない。
あの神秘的な目で見つめられると、勘違いしてしまう。期待をしてしまう。
あの熱のこもった美しい瞳が、ある特別な意味を持って私を見つめているのではないかと。
真面目で、誠実で、優しい彼は、ただあらゆる人に対して真面目に、誠実に向き合っているだけなのに。
あの目は、毒だ。
END
「見つめられると」
3/28/2024, 2:53:51 PM