『見つめられると』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
きみの目に見つめられると
その視線を受け止めきれず
わたしはつい逸らしてしまう
あまりにも強いきみの眼力
深淵なるアンバーの瞳
細いかと思えば丸くなり
まるでそれは
獲物を捕らえんとするハンター
すさまじい集中力 吸引力
こわくなって目をふさいでも
魅入られたかのようにもう一度
確かめずにはおられぬ
視線を合わさずには
ああだがなぜ
そこにあるのは
いつものあの眠たげな
弛緩しきったしまりのない
気の抜けた表情の
これはいつもの
わたしのかわいい猫ではないか
#見つめられると
#見つめられると
毎朝、電車に乗る。
向かいの電車の、いつも同じところにいる彼女。
いつも、ジッとこちらを見つめる彼女。
目が合うと、すぐ逸らしてしまうが、なぜか胸が高まる。
頬を赤く染める君をみると何だか、視線を逸らしてしまう。
もっと、近くにいきたい。
話しかけてみたい、けど、体が彼女を拒んでしまうのだ。
嫌われたらどうしよう、初対面なのにどうやって話しかけるんだ。
そんな、不安が頭を遮るのだ。
毎日、向かいの電車にのっているあの彼。
ついつい視線を送ってしまう。
けど、視線が合うとついつい、逸らしてしまう。
恥ずかしくて、顔が赤くなっているとき、彼は視線を逸らす。
近くにいきたい。
喋ってみたいけど、体が彼を拒んでしまうのだ。
初対面なのに、どうやって話しかける?
変だと思われたらどうしよう。
そんな、不安が頭を遮るのだ。
あぁ、けどあってみたい!
嫌われてもいいからあってみたい!
今日は、卒業式。
もう、この電車には乗らなくなる。
そしてあの電車にのっている彼とも、もうあわない。
最後に、想いを伝えたいと思い探した。
彼を探した、必死になって探した、けど彼はいなかった。
あきらめて帰ろう、そう思ったとき。
後ろから声がした、誰だろうか、聞いたことがない声だ
「ねぇ、君さいつもこの電車乗ってるよね」
私は、振り向いた、すると彼がいた。
そして、想いを私は吐き出した。
嫌われてもかまわない、だだ最後に思いを伝えたい。
もう会わなくなる彼に。
彼に言った「好きです」 彼は頬を赤く染めていた。
そして、俺は言った「僕も、一目見たときから好きでした」
私は喜んだ、心の奥から安心した。
そして、私と彼は付き合った。
大人になって結婚して、子供にも恵まれた。
そして、寿命で一緒に彼と共に雲を越え星となった私たちのあるべき場所へ。
早朝の地下鉄の、暗っぽい車両。
始発の、まだ乗客の少ない、その電車に乗る。
朝帰りの少々草臥れた会社員が、朝まで遊んで家に寝に帰る若い子が、これから会社に向かうスーツ姿の人が、疎らに乗っていた。
ガタンゴトン、ガタンゴトン、規則正しい音と微かな揺れを感じながら、小説を読む。
暑くもなく寒くもない空調、温かくフカフカとした座席、そして静かな車内。
忙しい社会人のちょっとした贅沢トップ10、くらいには入りそうだと、心の中で笑った。
電車が停まり、軽快な電子音とともにドアが開くと冷たい空気がサア、と吹き込んでくる。
肌寒さに身動ぎしていると発車ベルが鳴り、ややあってからドアが閉まった。
駆動音とともに、ゆっくりと動き出す電車。
寒さもなくなり、小説に集中する。
中々に面白く、頁を捲る手が止まらない。
暫くして、ふと、視界の隅の隅に。
何かがいた。
小説の紙面を見ながら、何気なくソレに目をやる。
赤茶けたボブヘア、白地にカラフルな花柄のワンピースを着た女が俯いて、フラりフラりと通路を歩いていた。
なんだ酔っ払いか、とまた小説に集中する。
あと、何駅かで会社の最寄り駅に着く。
読んでいた頁に栞を挟んで鞄にしまい、頭を上げる。
目の前にさっきの女がいた。
首の皮一枚繋がって胸元にまで垂れ下がった頭、ボブヘアだと思っていたのは切れた首から捲れ上がって頭頂部付近で裂けていた皮だった。
女の顔がこちらを向き、ニタリと口角を上げた。
女と見つめ合う形になり動けず、背中から冷や汗が止まらない。
その時、連結部の扉を開けて、カラフルでダボダボの服を着た見るからに輩な男が二人、騒音のような笑い声とともに入ってきた。
ドカンドカンとロングシートを二人で独占し、頭上に吠え叫ぶわ、下ネタを連呼するわ。
女の顔がソチラに向いたスキをつき、閉まりかけた扉から隣の車両に逃げ込んだ。
タイミングよく開いたドアから駅のホームに飛び出る。
女が追いかけてきませんようにと願いながら、足早に階段を上がり改札を通り抜けた。
テーマ「見つめられると」
「見つめられると」
ただただ怖い
嬉しいよりも強く
間違っていないか恐れながら
自分の一挙手一投足に力を込める
私を見ないで
#65 猫と私と優しい雨
ある春の優しい雨の降る休日に子猫を拾った。
さほど猫好きというわけではなかったが
雨の中、ぽつりと道端にいる白い子猫
見つめられると放っておけず家に連れて帰ってしまった。
その頃の私はまだ社会人となって間もない頃で
慣れない会社から帰ると
猫が出迎えてくれるのはとても心が休まった。
....
それから18年
猫と私の同居生活は続いていた。
猫のことを特に溺愛しているつもりはないが、
結局、恋人もつくらず猫と過ごしている。
でも、仕事はうまくいっているし、友人関係も良好だ
時折、世話好きの上司や親戚からお見合いを勧められたり、、猫と暮らしている事を知っている友人からは猫好きの女性を紹介されそうになったり..…
色々と、ありがたいとは思うが、やんわり断り続けている。
私は一匹と一人の「今」にとても満足しているのだ。
猫は私のことをじーっと見つめていることがよくある。
ネット情報によると遊んでほしいとか不満があって解決してほしいなどなど…理由は色々あるそうだが、
私は見つめられているのに気付くと見守られているような気分になり、優しく見つめ返すと猫もまた目を細めて.…
お互いアイコンタクトをとる、
そんな猫と私の優しい時間が長く続いていた
....…
ある休日
雪解けを告げる優しい雨が降っていた
すっかり歳をとった猫は今日も朝から静かに眠っている、そう思っていたが、
気づくと静かに逝ってしまっていた。
優しい雨が沁みる休日となった。
....
それから、何か忘れ物をし続けているような日が続いた
いい歳をした男が飼い猫が死んでしまったからと
メソメソしているわけにはいかず、
ひたすら仕事に打ち込んいた。
というより、空っぽの家に戻りたくなかった。
そんな変化を気遣った友人から声がかかった。
「ある女性と会ってみないか?
見合いのように堅苦しいものじゃなく、
お互い話が合わなければお茶だけで帰っていいから…」
以前だったら断っていたが、休日に用事が出来るのはありがたい。
約束の日曜、ホテルのラウンジ
あいにくの雨模様だ。
そんな雨の中、白いワンピースを着て現れたその人は今時にしては少し古風な物静かな人だ。
軽い自己紹介を済ませると
会話は少なくなり
ただ、静かに窓の外で降っている雨を一緒に眺める時間となったが
不思議と気まずいことはなく、
ふと見つめられると優しく見つめ返したくなる...
あの頃のように優しい時間がまた流れ始めていた_
あいにくの雨がいつの間にか優しい雨に変わり
私の心に沁みている。
お題「見つめられると」
#見つめられると
キミに笑顔を向けられると全てが許せる気がする
キミに見つめられるとなんだか全て見透かされている気がしてくる
その好意は嘘だとわかってもそれでも僕は嬉しい
やっぱり僕って単純なんだ。
不意に視線がこちらを向くことがあって、
数秒の注視があったような気がして、
それは錯覚ではないかと否定する頭がある。
歪みや曇りがあることに堪え難い気持ちがあって、
それがどうしても避けられないのだから、
せめて頭では現実を正しく認識していたかった。
けれど、見つめられていると思うことも、
そんなわけはないと思うことも、
同様に真実からは離れている。
私があなたを見つめている。
目が合うと、いつものその事実に向き合わされる。
#見つめられると
交差する視線の先に
ほのかな想いを巡らせては
揺れ動く風をかきわけて
響き合う音の在処を辿る
そのつぶらな瞳で
見つめられると
心の奥がじーんと痛む
その優しい目で
見つめられると
少し緊張が和らぐ
そんなにじっと
見つめられてしまうと
心臓が早く高鳴って
「好き」という言葉が
漏れてしまうじゃないか
53
ニャンコよ
君の瞳は深い
私に気付きをくれる
じっと見つめられると
きみってネコに
みえないね
君の瞳には物語がある
これからも紡いでゆく
きみの歴史に
乾杯♡
私は男性恐怖症だ
しかも重度のな
だから、男性に見つめられると吐き気がしたり目眩がする
だが、そんな私を守ってくれる人がいる
それは私の親友「××」だ
××は私の近くに男が来ると安全な場所へと連れて行ってくれたりする
まぁ、男に近寄られると足が動かないからな
金縛りにあったように
でも、その××が転校することになった
××の居ない私はどうすれば良いのだろうか
××の居ない私は男性恐怖症に悩ませられながら、守ってくれる親友を探している
…私も自立しないといけないのかもな
居心地が悪い。
君が私を見つめる理由なんてないはずなのに。
気が付けば、目が合う。
見つめられていたということ。
やめてほしい。
そんなに見つめられると。
うぬぼれて、勘違いをしてしまうから。
#見つめられると
見つめられるって、いいことだと思う。
あなたの瞳に私が映って、私の瞳にあなたが映る。
色彩豊かなその風景の中に混ざって、あなたは存在し、私も存在する。
『見つめられること』
あなたにみつめられるだけで、こんなにも嬉しいだなんて
舞台の上
小柄な人間が一人
拍手もない客席に
ただ芝居の声が響く
喜ばしいように
少し恨めしいように
笑みを浮かべる
舞台裏
小柄な人間が一人
拍手の響く劇に
ただ耳を貸して
興味を示すように
少し羨ましいように
支度をする
舞台の上
頭を下げる小柄な人間
静まりきった客席に
響く足音を遮った
少し誇らしそうな
寂しい拍手
舞台裏
小柄な人間が一人
拍手の響く劇も聞こえず
寂しい称賛を
ただ、誇らしく
支度をする
見つめられると
僕は君のことが大好きだ。
人は見た目じゃない。
どんなに美しくても、どんなに蛇がいようとも、
君は君だ。
たとえ動けなくなろうとも、僕は君を
あなたにまっすぐ見つめられると、本当のことを話してしまいたくなる。あなたのこれまでの不幸は、みんな私が作ったものなのよって。なのに、あなたときたら「君がいたから、今日まで自分は生きてこられた」なんて言って笑うのだもの。何にも気付かない、本当に馬鹿な人。
嗚呼、だから、私、あなたを好きになってしまったのね。
『人間に恋をした疫病神』
疫病神とは人に災いをもたらすもの。人に毛嫌いされるもの。けれど、君は知っていたかな?その疫病神に親切を1000回重ねると、福の神に反転することを。まぁ実際、疫病神にすすんで近付こうなんて勇気のある輩(若しくは本物の馬鹿)、なかなかお目にかかれないからね。
おや、でもあのふたり…
ふふ、もしかしたら、僕たちそんな奇跡の目撃者になれるかもしれないよ。
きみにじいっと見つめられると、どんな願いでも叶えてあげたくなってしまう。
〝目は口ほどに物を言う〟とは誰が言ったか。いつも賑やかなきみは、私におねだりをするときだけ、決まって静かにこちらを見つめる。声で何度も訴えかけるより、顔に付いた小さな黒丸ふたつを利用した方が勝算があると知っているのだろう。正解だ。黙り込み、じっとこちらを見つめる姿はとてもいじらしくて、可愛らしくて、罪悪感すら湧いてしまうのだから。
ああ、どうしよう。きみの為を思うと本当は良くないのかもだけど、最近は控えめだしな。少しくらいなら、少しくらいなら我儘に応えてもいいんじゃないか。今ならあいつもここに居ないし、バレなきゃきっと大丈夫。
数秒間の自問自答。決意して、棚にしまった小袋から細長いものを1本取り出す。端の方を少し破れば、君の目に星が宿った。あとはこれをきみの口元に持っていくだけ――
「ただいま。って、姉ちゃん! まーたにゃーこを甘やかしてたな」
私の手元と床に置きっぱなしの猫用おやつの残骸を見て、帰宅早々弟が溜息を付いた。少し冷たい視線。そんな目で見つめられて、私もみゃーこに負けじと口を噤んだ。
【見つめられると】
『見つめられると』
月が見ている。
僕を見ている。
明々とした真円が、雲ひとつない空から、青白い光の視線を放って。
どんな悪事も善行も、月はただただ見つめている。
サラサラと降る月明かりが、すべてを等しく照らし出して。
その心の内さえも見通す透明な光が、僕を捉えていた。
得体の知れない不安が胸を苛む。
月に見つめられると、いつもこうだ。
月光の描いた影法師を見つめたまま、僕はぬばたまの夜の闇を、待っている。
私の事を忘れないでほしいで。
顔も、声も思い出せなくても、
思い出だけは、心の中に____