『衣替え』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「このミニスカートともお別れか……。」
これから寒い季節がやってくる。
しばらくお気に入りのミニスカートともお別れ
世の中の女の子は気温などお構い無しに
可愛いミニスカートを履いて外に出かけるが
自分はと言うと冷えやすいからそんなことはしない。
お気に入りだったんだけどね……。
まぁ来年までさよならだね。
「俺の可愛いミニスカート」
【衣替え】
「ほら、そっち片付けて」
君がイキイキと俺に指図する。
日常生活を送るギリギリの生活能力しかない俺からすると、衣替えなんて天地がひっくり返るような一大事。
それを君はTシャツや半袖をサッとケースに仕舞うと、続いてコートやセーターを魔法のように取り出した。
「こんなの持ってたっけ?」
見慣れない黒革のライダースジャケットに首を傾げていると、君は「覚えてないの?」とほっぺたを膨らませる。
「このジャケット、一緒にボクシング観に行った時に着てたじゃん」
「あ!そーだそーだ!思い出した!」
君と一緒にボクシングを観に行った時、昔友達から貰ったライダースを着たんだ。
珍しくハードにカッコつけた俺に、君が小さく「素敵だよ」って囁いてくれて……。
うん。なかなか良い夜だった。
「ちょっと!ボンヤリしてないで、これ早くハンガーに掛けて!」
真っ赤な顔で言いつける君も、きっと同じこと思い出してるに違いない。
[衣替え]
「ねぇ、ママ、あかいハッパが落ちてる。」
あ、こっちはきいろ!
いっぱいひろっていい?」
「いいよ。落ちてるのだけにしてね」
「なんでハッパがおちるの?」
「寒くなってきたからね、お着替えしてるんだよ」
【衣替え】
衣替えか…
制服だけでそういうのできちゃうから
私服全然気にしてなかったな
半袖も終わりか。長袖出そうかな
着る機会はほぼないけど……あれ?
無い…?
長袖持ってなかったっけ?
あ。全然着ないから減らしたんだった…
私服もジャージとかにしちゃおうかな
センスなんてないし
親友にもダサいとか言われたしな…
ブルベやらなんやらとか調べてみようかな
へぇ……
ブルベ夏?イエベ秋?わかんね。
――――そもそもダサい・オシャレって何?
#衣替え
今年はグレーが流行っているらしいので
3年前のカーディガンを真っ先に引っ張り出した
一年着ない服は捨てていいと
誰かが言ってたけど
このカーディガン取ってて良かった
早速羽織って彼に会いに行く
彼のマンションを眺めていると
後ろから懐かしい声がした
「なんでお前ここにいるの…」
私は満面の笑みで
彼から貰ったカーディガンを指差した
「久しぶり。これ、大事に取ってたよ」
桜の花が咲くころ
夢に向かって旅立った君
季節は移りかわり
衣替えの季節ですね
急に肌寒くなったけれど
風邪などひいていませんか
便りがないのは元気な証拠かな
今日も遠くから応援しています
#衣替え
#7
真っ暗な部屋に閉じ込められて、どれくらいの時間が経ったのだろうか。数時間だった気もするし、数日、数週間、はたまた数ヶ月、それ以上だったかもしれない。私にはわからない。
ただ言いようもなく寂しかったことだけはわかる。まるでお前なんて必要ないのだと言わんばかりに、長く見向きもされなかったからだ。あの人は私の存在なんて忘れているのかもしれない。
だけど、私は知っている。もうすぐあの人が私を思い出すことを。この真っ暗な部屋から開放され、あの人の目の前に引っぱり出されることを。
そしてあの人はこんな風に言う。
「寒くなってきたし、そろそろ衣替えかあ」
やっと私の出番だ。
“衣替え”
私のストレス発散は断捨離でした
特に”衣替え” は絶好の断捨離チャンス
でも 捨てるだけではもったいない!
リユース!! リサイクル!!
フリマアプリに出会いました
物を大事にしながらお小遣いが手に入る
Let's ECO(へそくり)活動!!!
季節感がない。私は半袖、君は随分と着込んで膨れている。この身にうずまく熱を、君と分かち合いたいと思ったことはない。それが誇りだ。分かち合わずとも隣にあることができる。それが。
衣更えをしましょ!あの衣から、あの衣へ!ついでに顔も変えましょ!髪型も性格も声も変えて、全く別人の私になる!それが諜報員の、私の日常なのだ。
私が貴女と初めて言葉を交わした2年前
その日は少し湿っていて、空は青く光る夏だった
それから2年が経ち、3度目の衣替えの季節を迎えた
結構寒くなってきても未だに半袖の貴女は
きっと相当な暑がりなんだろうな
でもまあ、もうそろそろ見納めかな。
真夏に手持ちの扇風機を持ちながら、暑いな。なんて言う貴女も、もう見れないのかなって思うよ
だって私は、あと数ヶ月で卒業だから。
きっと貴女と会えるのは数ヶ月に1回
いや、年に1回かもしれないからね
次の衣替えの季節まで
ずっと元気で半袖着ててね(笑)
薄い夏服を畳んで
ちょっとだけ厚い冬服に袖を通す
ぶかぶかじゃない制服に
喜びと寂しさを抱きながら
感謝を込めて
ありがとう
転がり落ちるように気温が下がり、空には白鳥の賑やかな声が聞こえる。秋を楽しめたのは短い期間だった。にわかに防寒着の人たちが増えて、私も冬の外套を引っ張り出した。「そろそろ衣替えか」などと思う暇すらなかった。慌ててあたたかい服やコート、マフラーや手袋を準備して、衣替えの整理はこれから取りかかるという体たらくの今年である。
「今は紅葉が見頃です」と、酷暑の後の遅い彩りが伝えられた二日後、その岳は冠雪した。9月下旬前、山裾に紅葉の気配はまったく無かった。今は10月下旬に入ったばかり。
白鳥は大急ぎ。熊はちゃんと寝られるだろうか。実りが足りる前に雪が来てしまった。
私も自分の外套に、修繕が必要な部分を見つけてしまった。使いながらの直しになる。
季節変わりはもっとゆっくりで良い。
夏が長居したから帳尻を合わせるように冬が突進して来るのでは、薄手のコートも出番が無くて、ちょっと残念だ。
最近肌寒苦なってきた
秋の気配がさるように感じる
そうだ、衣替えをしよう
久しぶりに見る冬服。
この服、あの時も着てたっけ。
記憶も蘇る。
来年は違うはず。
(衣替え)
#31衣替え
古い恋は捨てて、
新しい恋を着せて下さい
この恋大切にしますから
2023/10/23
黒ばかりの衣服だったのに
白、青、グレー、チャコール…一夏終えたら
クローゼットの中は色彩に溢れていた
秋冬の衣服も実のところ黒ばかりなんだけど
「ね、ね!気になってる映画があってね、日曜日に
一緒に観に行きたいな〜って」
部屋で寛ぐ『彼女』を眺めて
これから先の季節も
カラーバリエーションが増えていきそうだなと
幸せに思った
#衣替え
ジョニー・ビー・バッド
女の子は、自分の部屋の隣の家から、やかましいヘタクソなエレキギターが毎日決まって17時頃に聞こえてくるのがたまらなく嫌だった。たいてい、18時になると騒音は止むのだが、女の子はもう自分の両耳を引きちぎるか、首を搔き切りたくなる衝動に何度も駆られたものだった。チャック・ベリーの『ジョニー・ビー・グッド』をあそこまで不協和音にできるのは、ある意味才能だろう、と女の子は思っては、首筋をさすった。
女の子は何とか首を切らずにすむよう、穏やかなジャズのピアノ・トリオをレコードでかける。そうすることで、心を落ち着かせるのだ。無駄なストレスを溜めないように、一種の精神安定剤として、20世紀の偉大なるジャズ・ピアニストたちの数々の名盤を楽しむのだ。子守唄のような優しいメロディーに包まれながら、女の子はうっとりとしていた。そこに部屋の扉をノックをする音が聞こえてきたので、女の子は音量を小さくした。
「お姉ちゃん、入ってもいい?」
「グラハムかい? いいわよ。どうしたの?」
女の子の弟が頭を垂れたまま、とぼとぼと部屋に入って、扉を静かに閉めた。
「あのね、昨日お姉ちゃんに教えられた通りにね、放課後にマリーに告白したんだ。だけど、彼女にはもう彼氏がいてね、その彼氏というのがあの意地悪なジョニー・バーリングだったんだ」
「ほう」
「それでね、そのジョニーなんだけどさ。すごく意地悪なヤツなんだ。だけど、正直彼は美形だし、僕より背も高い。頭もいいしね。だけど諦めきれないんだよ、彼女のことがさ。どうすればいいのかな、ね? お姉ちゃん?」
「貴方には二つ選択肢があります」
「え?」
「一つ、『その子のことを諦める』。二つ、『そのジョニーなんちゃら君を八つ裂きにして、女の子を無理矢理奪い取る』」
「ふざけないでよ! やめて! 僕は真剣に悩んでいるんだ。からかうならもうお姉ちゃんなんかに相談しないからな!」
女の子は尚も続けた。
「じゃあ三つ。『今からお姉ちゃんと大人の階段を上ってみる』」
弟は顔を真っ赤にして、女の子を思い切り睨んだ。
「お姉ちゃんのクソッタレ! 阿婆擦れ! グズ! クソ野郎!!」
「アンタ、どこでそんな言葉を…」
女の子が言い終わらないうちに、弟は部屋を飛び出して階段をどすどすと駆け降りていった。女の子はペロリと舌を出すと「いつでも待ってるからね…」と呟いた。
いつの間にかレコードも、そしてあの『ジョニー・ビー・グッド』も演奏が終わり、部屋は時計の秒針の音だけが響いていた。
衣替え )
やっと秋だ。
ずっと着たかった淡い赤色のコートをクローゼットから出す。
ちょっぴり、埃が被っている。
埃をはたく。
窓から微かに金木犀の香りが漂ってくる。
朱色の、重いカーテンをスライドさせて、外の景色を見えないように、なにかから逃げるように締めた。
今、お腹の中に命が宿っている。
文面から見ると、幸せそうに見えるが、全然そんなことない。
相手は他の家族がいるサラリーマンだ。
わかってて、関係を持った私も悪い。けど、ここまで好きになって、引き下がれなかった。
最低だ、なんで私はこんなことをしてしまったのだろう。
目頭が熱くなって、涙が溢れ出してくる。
手の甲で涙を拭い、ベットに倒れ込んだ。
誰か、助けて。
孤独感とか、色々が混ざり合う不思議な感覚に陥った。
夏と同時に、私もいなくなっちゃえばいいのに。
#衣替え
キミは季節を身に纏い
風を感じ
刻の流れに目を向ける
カラダの温度も
ココロの温度も
穏やかに過ごせるように…と
いつも同じには行かない
優しさばかりでは乗り切れない
そんな日もあるから
たった一枚重ねることも
脱ぎ捨てるのも
たった一色添えるのも
外すのも
今を生きる
私が現在 纏うべきもの
それぞれの季節に変えながら
穏やかに少し先の季節(とき)を
待とう