郡司

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転がり落ちるように気温が下がり、空には白鳥の賑やかな声が聞こえる。秋を楽しめたのは短い期間だった。にわかに防寒着の人たちが増えて、私も冬の外套を引っ張り出した。「そろそろ衣替えか」などと思う暇すらなかった。慌ててあたたかい服やコート、マフラーや手袋を準備して、衣替えの整理はこれから取りかかるという体たらくの今年である。

「今は紅葉が見頃です」と、酷暑の後の遅い彩りが伝えられた二日後、その岳は冠雪した。9月下旬前、山裾に紅葉の気配はまったく無かった。今は10月下旬に入ったばかり。

白鳥は大急ぎ。熊はちゃんと寝られるだろうか。実りが足りる前に雪が来てしまった。

私も自分の外套に、修繕が必要な部分を見つけてしまった。使いながらの直しになる。
季節変わりはもっとゆっくりで良い。
夏が長居したから帳尻を合わせるように冬が突進して来るのでは、薄手のコートも出番が無くて、ちょっと残念だ。

10/22/2023, 11:30:43 AM