真っ暗な部屋に閉じ込められて、どれくらいの時間が経ったのだろうか。数時間だった気もするし、数日、数週間、はたまた数ヶ月、それ以上だったかもしれない。私にはわからない。
ただ言いようもなく寂しかったことだけはわかる。まるでお前なんて必要ないのだと言わんばかりに、長く見向きもされなかったからだ。あの人は私の存在なんて忘れているのかもしれない。
だけど、私は知っている。もうすぐあの人が私を思い出すことを。この真っ暗な部屋から開放され、あの人の目の前に引っぱり出されることを。
そしてあの人はこんな風に言う。
「寒くなってきたし、そろそろ衣替えかあ」
やっと私の出番だ。
“衣替え”
10/22/2023, 11:43:59 AM