『落下』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
浮遊を感じるのか
死を感じるのか
気絶するのか
もし高いところから落ちたらその時自分は何を思い浮かべるだろう、
石は落ちる。鳥も落ちる。
空は落ちる。地も落ちる。
星は落ちる。人も落ちる。
愛は落ちる。夢も落ちる。
優しさは落ちる。包む両手も落ちる。
全てのものが落ちて
受けとめ合う。
そして僕たちをつなぐ。
「落下」
落ちた と思った。
足元が崩れて落下していくような、急にふわりと無重力になったような、そんな感覚だ。
不快感はない。ただ今まで経験のないことだったので怖かった。
怖い?ちょっと違う。不安?それも違うような。
ただ知りもしないこの感覚は、ほんのり暖かくて、ふわふわして、なんとも形容しがたい。
「あ〜マジか。。」
これが噂の。まさか自分が??
女らしいなんて言葉とは程遠い、男勝りだなんだと言われて16年。
あたしは今日、
どうやら
初めて
恋とやらに落ちたらしい。
「どうするんだよこんなもの。。」
頭を抱えてしゃがみ込んだ。
吐き出した言葉は誰にも届かず静かに空気にとけていった。
落下、が今日のテーマだ。子供の頃、高いところから飛び降りるのが好きだった。これくらいならなんとか着地できるかな、というぎりぎりの高さから、思い切ってピョンっと跳ぶと、一瞬ふわっと無重力になって、それからズンッと着地の衝撃がくる。うまく着地できると、自分の体が強くなったように感じた。子供がこういうスリルを好むのは、自分の運動能力を鍛えるための本能的な行動なのかもしれない。今では私は、踏み台や階段から跳びたがる2歳児に「ピョンしない! そーっとおりる!」と叫ぶ親の立場になっているけれど、跳びたい気持ちはよく分かる。
《落下》
人間は落下を恐れているらしい。
今ある地位からの転落。株価の下落。業績の悪化。物理的な意味以外でもこのように落下はたくさん存在する。だが落下は人生に必ず付き纏ってくる。特に精神的に。
あなたは『落下』をどう対処する?
それとも一緒に落ちる?
雲が落ちる
滝のように
光が少しだけ透けた
穴の中に緩衝材として
俺の中に緩和剤として
入ってきてくれればいいのに
落下
うっかり、みたいなね。よくあるんですよ。あの子も。まぁ僕なんかにもすぐに、ごめんごめん!って言ってくれるあたりは可愛いなって思いますけど。さすがに僕も許してやれない時もあるというか。何回か脅したりしたんですけどね。そんなに雑に扱われたら亀裂入っちゃってもう戻んなくなっても知らないぞって。まぁ僕ら片時も離れないんだから仕方ないっちゃ仕方ないか。日中も家でもなんなら寝る時も一緒だしな。たまのうっかりくらい許してやらないと。愛想つかされちゃったらいやだし。でも最近ちょっと僕の調子がおかしくて。すぐに体力無くなったり、目の前が真っ暗になったり、頭痛なんかもしちゃって、あの子と過ごせる時間ももうちょっとなのかなぁ。
、、、え?体がダメんなっても脳みそだけを入れ替えて生き続ける方法があるらしい??!君との記憶(メモリー)が消えないなら、、、
『ゴトッ』
「こんにちは」
【落下】
ただ今、高さ50メートルの位置におります。
地面がとても遠く、地上の喧騒からも離れております。風が構造物に当たる音が聞こえております。
で、私が乗っておりますシート。落下いたします。
自慢の超高速タイピングで入力しておりますが、そろそろ落ちそうです。
係員にバレてはいけないので、スマホはジャケットの内ポケットに押し込んでから、飛び出ないように握りしめておきますね。
ではまた。
…………
書きたくなったら書く。それが私の仕様だった。
書きたいという衝動の種類は、詩から、小説、エッセイ、評論まで多種多様だった。
学生時代の私は、講義中、部活中、葬儀中、食事中、移動中、あらゆる最中に衝動に襲われては、その衝動の言いなりになってきた。
食事中、家族に注意されたし、移動中にもスマホをポチポチしていたので、よく轢かれそうになった。
いやはや。トラックが私を引き摺って泣き叫ぶことにならなくて良かった。身体が軋んで血飛沫が舞う姿なんて見たくないよね。
ついに社会人になった。会社に入っても作品を執筆していた。それも社内で。それも「就業中」に。私は書きたくなれば書いてしまう仕様なのだから仕様がないと、心の奥底では思っていた。
ちなみに書いていた作品は、先輩が超絶イケメンで優しい男だけど、心の内では様々な葛藤を抱えていたらどうしようという趣旨の作品である。
それが上司にバレた。さらに、私の仕様はどうしようもないほど理解されない。そのまま改善することができず、私は退職することになった。
もう無理。もう全て忘れたい。
そんな気分を一新すべく私は、遊園地を訪れた。
スリル満点の落下系アトラクションが良いなぁと思って、フリーフォールへ足を運ぶ。平日の昼は空いていて、すぐに乗ることができた。
シートに座って少し待っていると動き始めた。ギューンと機械音が聞こえて、どんどんと高度が上がっていく。
が、同時に衝動が急激に高まってきたのである。
私は隠していたスマホを取り出して書き始めた。
【落下】
突然翼を失い
けたたましく落下した
勢いが凄すぎて
もといた所には
まだ残像が残ってる
トムとジェリーみたい
幸い失った翼がクッションになってくれて
大事には至らなかった
動けそうだ
残像が残ってるうちに
何食わぬ顔して
もといた場所に戻れるか
先に残像も落下してしまうか
きっとここが勝負所
落下
・・・痛い。
何がどうなった?
なぜ私はここでバラバラに砕けている?
そうだ。落ちたんだ。
あの11階の窓から。
私は少し重く頑丈につくられていてね、
表面も触り心地が良いと評判でサラサラなんだ。
この長所で君を守るんだ。
君が生きている間は私が支えてあげるって、
そう決めていたんだ。
私の短所はね、君のことしか考えてこなかったせいか、
衝撃に弱いんだ。
ごめんね、ずっと一緒に居られなくて。
ところで、なぜここに居るんでしたっけ。
「罪悪感は最初だけ」
どんな汚い手を使ってもいい。
ほんの僅かな罪悪感を抱くだけで、貴女を手に入れられるのなら。
初めは、そう思っていた。
消えていく罪悪感と、それと引き換えに得るものは、ある種の快楽だ。
貴女が気が付かないうちに、見えない檻に閉じ込めていく。
一生気付いてほしくない。
その一方で、気付いて絶望に塗れた表情を見せてほしいとも思う。
罪悪感なんて、もう抱かない。
────落下
受験期に1回だけ、限界で自殺しようと思ったことがある。
飛び降りしようと思ったけど出来なかった
落下した時、もし、周りの人を巻き込んでしまったら…とかあと普通に恐怖で全く足が動かなかった
落ちていく
テストの点も
人気度も
気にせずそのまま
堕ちていこう
雨水が
傘に落ちて
音が鳴る
綺麗な音だよ
聴いてみて
今日はえげつない雨でしたね。
雨は好きですけど頭が痛くなってしまいます。
午後には晴れて夕日が綺麗でした。
#落下
高度4,200mから時速200㎞/hで落ちていく
パラシュートが開くまで、時間にして約60秒
あれほど一瞬で、長い長い60秒はそうそうない
感動か絶叫か、一度開いた口は
風圧で全開のまま
それでいて空気が一向に入ってこず
落ちながらこのまま窒息するのではと思った瞬間
パラシュートが開いた(今度は胃が出るかと思った)
ただ純粋に、物理的に、地球を感じながら落ちていく
20代で体験してよかったことのひとつ
『落下』
空から天使が降ってきた、綺麗な羽根には大きな傷があった。僕は怪我を治そうと思って、手を差し伸べた。
「人間に助けらるほどボクは弱くない」
そう言って、僕の手を振り払った。
でも、怪我してるから僕が手伝ってあげる
「人間の癖に物好きだな」
不満そうに呟いた。
この天使はどうやら、雲の上にある国に住んでいて、たまたま雲の隙間から落ちたそうだ。
「怪我、手当てしてくれてありがとう、これで雲の上に戻れるよ」
良かったね 次は落ちたらダメだよ
僕みたいになっちゃうから
たまに見る夢がある。
私は学校の階段を、一段一段ゆっくり登って行く。
そして、屋上のドアを開ける。
いつも夕暮れで、世界が真っ赤に染まってる、暑い夏の日。
自分の意思とは関係なく、足がゆっくり1歩、また1歩進んで、少し段差がある所へ立つ。
そして、誰かが私の背中を押し、私は落ちて行く…。
落下する夢。
【落下】
ふと目を覚ますと、僕は自分が良く知った場所にいた。
高校の美術室。僕の青春の1ページだった思い出の場所。
僕はゆっくり立ち上がると校舎を彷徨いた。
ピカピカだった校舎も今ではすっかりボロボロになってしまった。
窓ガラスは殆ど割れ、床や天井には数え切れないぐらいの穴が空き、壁は落書きだらけ。
動物小屋も柵は腐り果て、飼っていた動物たちは何処かへ消えた。
あの頃の思い出の校舎は見る影もない。
あっという間に回り終わった僕は最後の場所である屋上に着いた。
僕の足は自然にいつもの定位置に向かった。
定位置に着いたら5,6回深呼吸をする。何度やったか分からない儀式だ。
「あーあ、こうなるならあの時飛ばなきゃ良かった」
何度口にしたか分からない言葉を紡ぎながら今日も僕の身体は落下し続ける。
己に課された「罪」という名の鎖を断ち切るその日まで。
7
あるところに2人の少年がいた。
1人の少年は学校でのいじめになやんでいた。
もう片方の少年は荒んだ家庭になやんでいた。
2人は出会った。運命だと思った。
2人は話した。お互いの家庭のことを。
2人は決めた。この世界に報復することを。
2人は跳んだ。重力は強かった。
2人は死んだ。世界は何も変わらなかった。
落下
とある三兄弟のお話
長男より。
まず一つ、本来ならすべき心配や声掛けより先に、その様に対する感情が湧いてしまったのは、致し方のない事だと思うのだ。顔立ちは完成されていて、不機嫌そうに顰められた眉でさえも整っていて、そこに眼鏡で隠されているだけの厳しい目尻も。溢れた涙は、そこから落下してしまい、畳に染みて消えてしまうのが勿体ないとも思ってしまう。
己にとって弟達は唯一無二の存在である。何よりも寵愛し、守り、愛しむべき存在である。そんな弟の一人、目の前に立ち、涙を流しながらこちらを見つめてくる男に、己はどうすべきであろうか。何故泣いてるのかはわからない。己は自分の感情で泣いた事がないので止め方がわからない。
手を差し伸べてみる。握ってくれた。自分のものよりも高い位置にある頬へ向けて手を持ち上げてみる。触れさせてくれた。目を伏せ、頬に触れたままの己の手に自分の手を添えながら、弟は何も言わずに俯く。己は、動けないまま、ただただ畳に落下していく涙を目で追う事しか、今は何も出来なかった。
ひらり、ひとつと。またひとつ。
淡雪のように、桜花のように。
ひたして、みたして。
『落下』傘。
底なし沼に溺れるような恋であれば。
息することすら諦めたのに。
じわり、にじんで、あふれてく。
消えるような、色めくような。
こぼれて、ふたして。
恋煩い。
闇夜にいざなう黒猫の戯れであれば。
後ろを振り返ることもなし。
どろり、ひろがる。あめひとつ。
においもいろも、うらづけて。
焦がれて、のばして。
盲目に。
すべてを投げ出すほどの想いすらも。
昇華するすべを願うばかり。