『花畑』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「花畑」
1つ、種をまく。
2日後、また1つ、種をまく。
私はロボット。主人の遺言―――最期のプログラムで、種を植えている。
主人はこのコロニーの人口管理をしていた。様々な要因で疲れ切った主人は、人が亡くなるたびにこの畑に種を植えるよう、私に言い遺して命を終えた。
時が経ち、もはやあらゆるシステムが機能しなくなったこのコロニーで、私は毎日の数字を確認し、それに従って種をまく。
今、この区画の畑の半分ほどが種で埋まり、そのさらに半分ほどが花を咲かせ、さらに半分ほどが枯れている。
無作為に増えては減る人口。死を刻み続ける種。
私が役目を終える時が来るのかどうかは、わからない。
(所要時間:9分)
君と見た花畑が今でも鮮明に記憶にある。
あれは、20年前の話。
イルミネーションが見たいと突然言われ、
車を走らせた。
着いたのがまだ明るい時間だったから、
植物園を散策しようって、3万本のチューリップが植えられている花いっぱいのガーデンを腕を組んで歩いた。様々な色の花に目を輝かせ、普段目にすることがない景色に素直に感動していた君が印象的だった。
君は今、どこで誰と何をしているのだろう。
ふと、そう考える時がある。
あの時の花畑と同時に甦る君の輝いた目。
僕の記憶から何十年経っても離れない。
それは、チューリップの花畑が残っているからではない。君と見た景色だから、忘れられないんだ。
花畑
私有地に咲いている、4万本の向日葵。そのお花畑は電車とバスを乗り継いで1時間弱の所にあった。
コロナ禍で4年ぶりに開放される向日葵畑に心踊った。
帽子の下から汗が滴る。
今日は猛暑日だ。「見学の方はこちらからお願いしま〜す。」市の職員さんが声を張り上げる。
市も協力して、夏の一大イベントだ。
かき氷屋さんも出店している、
入口を入っていくと、一面に一斉に太陽の方向を向いた向日葵が目に入る。
青い空と輝く黄色が綺麗だ。
雲ひとつない真夏の一幅の絵に暫く見とれる。
来年も観れるだろうか…。花が大好きだった母を思いだした。
ここの私有地の権利が売りに出されるらしい噂を耳にしたばかりだ。
美しい景色を残して欲しいと願う。
明日、彼女を誘って見に来よう。仕事漬けの彼女の微笑む顔が浮かんだ。
花畑に行ったことってないな。有名なのはラベンダー畑とかか?よく知らんけど。なんとか園みたいな名前で色々ありそうだけど全然知らないわ。
でもニュースとかで花畑に勝手に入る輩がいるってのは時々聞く気がする。興味ないから花畑だったかはっきりとは覚えてないけど。
最近ってわけじゃないけど現代はSNSでバズるために写真取るからな。花畑の真ん中で花に囲まれた写真が絵になるのはわかるけどやりすぎだよな。
現代は他人のことを気にせず好き勝手する奴があまりにも多い。今だと迷惑系の動画投稿者が一番厄介か。売名目的で炎上起こす奴が多いこと。
しかし一番の害悪はそういう輩に反応する奴だな。黙ってスルーすりゃいいのにわざわざ反応して餌を与えているんだから厄介だ。
無能な味方は処刑しろ、そんな言葉があるが迷惑系に反応する奴は正にそれだな。迷惑系そのものよりも害のある存在だ。
【花畑】 #2
『ねぇ、』
「ん?」
『20歳の今日、また2人で、ここのお花畑に来ない?』
「いいよ、絶対ね?約束だよ?笑」
『私約束守るのは自信あるから大丈夫笑』
私は13歳の頃、親友と約束をした。
なのに、親友は、4年前、交通事故に合い亡くなってしまった。
そして、今日、13歳の頃に親友と約束した日。
親友がいないなら、行かなくていいや。
そう思っていたけど、なんか親友に、一緒に行こうって、言われている気がして、またお花畑に行くことにした。
「はぁ、やっぱり綺麗だな、」
お花畑は綺麗だったけど、親友がいないと、
なんだか静かで、寂しい。
そう思った時だった。
『ーー っ !』
ふと、親友が私を呼ぶ声が聞こえた気がして、思わず振り向いた。
でも、そこには誰もいなかった。
「なんだ、聞き間違えかな、」
そう思って地面に座り込む。
ここになら、ずっと居れそう、
そんなことを考えていた時、
『逃げて、!!』
「えっ、?」
今度ははっきりと、親友の声が聞こえた。
『逃げて、逃げて、逃げて、!!』
流石に怖くて、私は逃げ出した。
これは、友達から聞いた話。
私が逃げた後、お花畑に爆弾が仕掛けられてたらしく、爆発して、お花畑は壊滅。大勢の人が亡くなってしまったらしい。
私は、あそこで親友が助けてくれたから、生き延びれた。
親友と約束した場所でもあり、
親友が助けてくれた場所でもある。
そこが、
" お花畑 "
【花畑】
色とりどりの花々が、まばゆい太陽の光を受けて無数に咲き乱れる。その真ん中でそっと、祈るように膝を折った人の後ろ姿へと僕は声をかけた。
「陛下、そろそろお時間です」
ようやく他国からの侵略を退けたばかりの今のこの国にとって、復興会議は何よりの優先事項だ。遅刻など決してさせるわけにはいかない。
「……ああ、わかっている」
そよそよと吹く風が可憐な花々を揺らす。静かに振り返ったその方は、いつものようにうっすらと微笑んでいた。その瞳の奥底へと、孤独と悲哀を封じ込めて。
咲き誇る花々の一つ一つには、この方の手で名前がつけられている。王のためにと戦場に赴き、そうして死んでいった者たちの名が。
この花畑は、棺そのもの。国を導き民を守る立場にありながら救うことのできなかった命の数を、ほんの少し時間ができるたびに僕たちはこの場所で再確認する。
清らかな花の形をした罪の証を、これ以上増やすことのないように。彼らの犠牲に見合うだけの未来を、せめて実現するために。陛下はまだ玉座に腰掛け続け、僕はその傍らに第一の側近として立ち続けている。
真っ直ぐに背筋を伸ばして会議場へと向かう陛下の半歩後ろに付き従い、僕は美しき花畑に背を向けた。
「ねぇ、あなたは覚えてる?
小さい頃あの花畑で
たくさんの動物達が集まっていたこと」
「忘れないよ。
あの日は沢山遊んだあとのことだったよね。」
気温が暖かくて風が涼しくて
過ごしやすかったあの日。
私たちは沢山遊んだ後だったから
疲れてしまって
綺麗な花畑の開けたところに
大の字で寝っ転がって
いつの間にか寝てしまった。
少しした後に目を覚ますと
近くに動物が居たんだよね。
うさぎ、りす、小鳥
まるで絵本の世界に入ったみたいだったね
いつかあの花畑に行ったら
また見れるかな?
─────『花畑』
花畑…写真で見てもすごいですね。
綺麗で華やかで圧巻。
隣の市に、つつじで有名な公園があり、
GWには、たくさんの人が訪れます。
しばらく行っていないけれど、
花が咲き乱れる様には、息をのみます。
「花畑」
「花畑」
まっしろなワンピース、
カラフルな花が沢山並んでいる花畑。
一枚の写真には1人の白いワンピースを来た女の人
が色とりどりの花に囲まれてたっている。
この人は誰なんだろう、家の倉庫で見つけた
一枚の写真この人を探すため大切にもっている。
花畑に何の種を蒔こうか
それとも苗を買ってこようか
花もいいけど野菜もいいな
毎日お世話して
たくさん花が咲き実をつけたら
みんなにも観てもらおう
想像するだけでワクワクする
蓮華の畑の蓮華を摘み取って花冠にしてくれた従兄。
あの頃は、私も従兄も幼く、ドロンコになって遊んでいた。
そん時に、ふとしてくれた行為。
ビックリしたけれど、嬉しかった。
#花の畑#
ソフィア
「こっちおいでよ〜!」
彼女は花畑ではしゃいでいる。
もっとこの時間続けばいいのに…。
#花畑
#30
「花畑」
まるで真っ赤に燃え盛る火の海のようだ
佇む私に
手まねく誰かを覚えている
黒い揚羽蝶がまとわりつく
私を待ちわびていたのだろうか
曼珠沙華が艶かしく咲き誇っている
私が生きた世界は
色とりどりの花が咲く素敵な世界
だけどそれを維持するのはすごく大変だった
一面に咲く花々は一瞬で力尽き
永遠なんてないことを私に教えてくれた
私の花ももう少しの命
また新しい花が咲くように
「私の生涯よ、ありがとう」
花畑にやさしく降る雨は、
はなを飾って帰っていく。
花畑にはげしく降る雨は、
命ごとうばい去っていく。
あなたはどちらだろうか。
溥儀の庭にあくびの ほ ほ と消えてから解けた午後の蛇のぬけがら
たおやかに風に揺れる
身を任せて遊ぶように
強い風でもしっかりと
根を張って生きている
それぞれに美しく咲き
それぞれに散ってゆく
あるがままでいいのだ
そのままで美しいのだ
『花畑』
20230918【花畑】読了時間 約5分
※注意※黒幻想創作短編。
「おい、何している」
相手への気遣いのない声が掛けられる。声を掛けられた相手は、柔和な顔で振り向いた。
「あぁ、中尉。ご機嫌よう」
何を、暢気に。舌打ちを押し殺して、中尉と呼ばれた青年は愛想のない声音で、自分より背が高くやや装飾めいた軍服の男を睨(ねめ)付ける。
「さっさと、自分の配置へ戻って頂けませんかね? もうすぐ、出発だ」
敬うつもりはないが、敬語は使わねばならない相手に対して、青年の語彙に統一性はない。
「敬語は必要ないと言ってるのに」
そう言って、男は柔らかく微笑む。よく手入れされた金色の髪が、秋の木漏れ日に輝く。
「ほら、見て。季節の花がとても綺麗だ。なんて花だろう。中尉は知っているかい?」
「知らねぇし、興味もない」
苦笑する男に、青年は苛立ちを覚える。こいつ、自分が今から戦争の最前線に送られると分かっているのか。
「出発が近いなら、戻らなければ」
赤い大輪を咲かせた花々を、愛おしそうに見回す。その光景を目の奥に刻み付ける様に、しっかりと瞼を閉じる。もう二度と戻ることはないと、男にはよく分かっていた。
「一服するから、先に行け。すぐ、追います」
返事を待たずに、巻煙草を咥える。
「煙草って、おいしい? 僕には、あまり健康には良くない様に思えるけど」
「早く行け、、、行って、ください」
「うん、また後でね」
優雅に外套を翻し、男は背を向けてゆったりと歩き出す。男自身も花のような香りを残して去った。
いちいち、態とらしい。青年は、今度こそ遠慮なく舌打ちした。火をつけようとして、ひしゃげている煙草に気が付く。思わず、力んだ指で曲げてしまっていた。
「くそっ」
「いつ会っても、機嫌が悪い奴だな」
煙草をしごいて直していると、あきれたと言いたげな義兄が現れた。
「もうすぐ、出発だぞ」
「わかっている。暢気な王子様を急かしていたんだよ」
あぁと、義兄は訳知り顔で頷く。
「なんだって、俺が世話係なんか」
「歳が近いからだろ。王子様は、お友達をご所望だ」
「誰がなるか、そんなもん」
やなこった、と煙を共に吐き捨てる。いつも以上に不機嫌な義弟を後目に、煙草を取り出し火を付けた。
「それで、王子様はここで何をしていたんだ?」
「お花が綺麗なんだとさ。下らん」
くっと顎で示す先に、赤い花が群生している。近く寄ると、多少乱れているものの人の手で管理されているらしいことが見て取れた。周囲の村民が、手遊びにでもしているのだろうか。
窄まった花弁が密集しているのを見て、記憶を辿る。
「確か、ダリア、だったかな」
「あんたが、花に詳しいとは微塵も知らなかった」
ひとりで得心している義兄を皮肉った。
「君の姉さんに、いつも花を贈るからね。どうだ、愛妻家だろう。もっと羨ましいがってもいいよ」
「羨ましくねぇよ」
短くなった煙草を一気に吸い尽くすと、吸い殻を剥き出しの岩に擦り付けた。
「どいつもこいつも、頭ん中はお花畑か。付き合ってられん」
聞き慣れた義弟の舌打ちに、紫煙で返す。
「案外、王子様も分かってるのかもね。自分の行く末を」
「ただの、実績稼ぎだろ。下手すりゃ死ぬっていうのに、暢気なもんだ」
「さて、それはどうかな?」
不機嫌に怪訝を加えた眉間に、いっそう皺が寄った。吸い殻を岩で擦り消すと、足元の麻袋を指差した。
「これって」
「あの、くそ王子。自分の荷物も碌に管理できねぇのか」
最早、この行軍中に義弟の機嫌が良くなることは無さそうだった。
――――――
――――――
「殿下、やっぱり戻ってあいつら殺しましょう」
「気軽に、物騒なことを言うものじゃないよ」
男の後ろには、童顔に似合わない据えた目をした青年が従っていた。荷物を取りにいちど戻ったが、耳の良い従者を引き留める方を優先した。
「頭の中がお花畑なのは、あいつらの方だ」
従者の言葉に、ふっと笑みが零れる。それでも良い、今はまだ。
「僕はね、本当に花畑を作ろうと思っているよ」
「そんなに、花が好きでしたっけ?」
「好きになったよ、ついさっきね」
王位継承順位などというものに従う気は無かった。彼らは王位継承権を持った者を、死地に送って一人消したつもりだろう。巧妙に隠しているつもりなのか、あからさまなのか判断に迷うところだった。
「あの赤い花を植えよう。きっと、鮮やかに咲くだろう」
栄養は、多い方が良い。例えば、血肉が豊富で強欲に塗れた、獣に似たものが。
「荷物は、良かったのですか?」
「あとで、中尉が持ってきてくれるよ」
「俺は、あの人キライです」
「思いの外、お前と相性が良いかもしれないよ」
「絶対に、有り得ません」
従者は、あぁ気色悪いと己の腕を擦った。似た者同士と言ったら、どうなるか。
「友達が欲しいのは、本当だしね。仲良くなれたら良いんだけど」
「無理でしょう、向こうもそう思っているはずです」
「それは、残念だね」
まぁそれなら仕方ない。ただ、決め付けるのはもう少し先にしておこう。友人になるかならないか、その時が来たら改めて聞けば良い。
行軍開始の合図が、空高く鳴り響く。
この数ヶ月後、第四王子の消息は歴史書から一度消えた。
二年後、彼の名は「叛逆」の言葉と共に再び歴史書に現れる。
「裏切りの、花を」END
Thank U 4 reading!
笑った顔、怒った顔、拗ねた顔。
悲しい顔、遠くを見つめる横顔。
いろんな表情をみせるきみは、色とりどりに眩しく咲く。
ひだまりのように。
曇り空のように。
どんな時もぼくを惹き付けて。
そのたびにぼくは、大切の意味を知るんだ。
「花畑」
「私、あの子みたいになりたいの。」
床一面に広がる花弁の絨毯に身をうずめ、小鳥のさえずりのような声で、貴方は囁く。
「どうしてさ。」
そう問えば、
「だって、あの子はお花なの。
いつもキラキラ、皆を笑顔にする。
でもね、私知ってる。
お花はずっと咲いてはいられない。
種を残して、枯れなきゃならない。
そうすれば、もうあの色の鮮やかさは戻ってこないの。
それだけ聴くと、一見哀しく思うでしょ。
でもね、ちがうの。
彼女は地の奥底に、深い深い根を持っていた。
地上からは見えないところに、
しっかり、びっしり、はっきり。
みずみずしい茎と葉と、艶やかな蕾を持ち上げた根は、誰の目にも見えなかった。
美しい花など根がなければ咲いてすら居ないのに、
誰も感謝をしなかった。
努力と忍耐を、隠し通して朽ち果てた。
ああ、なんて美しいの、って思わず声を上げたくなる。そんな生き様。」
そう応えた貴方は笑顔だった。花開くような可憐な笑み、だが、彩やかな頬には雫が伝っていた。
降らされた一滴の雨は花びらを濡らし、木漏れ日から注ぐ日の光を反射して煌めく。
夕暮れに虹を見た様な気分だった。
貴方がごろん、と寝返りをひとつ。
返事をするように花々がゆらり揺れる。
心地よい小春日和の風が肌を撫ぜる。
花の蜜の甘さが鼻をくすぐる。
そよ風に運ばれてきたのは、旅する綿毛に、陽だまりのぬくもり、そして、小さな小さな、貴方の声。