『花咲いて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「花咲いて」
花が咲くのは一瞬。
努力してもそれが報われるのも一瞬。
花咲く時間が寿命たとしても100年なんて一瞬。
この文を書いている今も一瞬。
この文をを見てるの今も一瞬。
この1日も一瞬。
わたしの担当は『青いバラ』だ。
ここは花を育てて出荷する場所。たくさんの検体がそれぞれの花を育てて、それをかご係の子どもが集めて出荷の準備をする。
検体というのは特定の花を身体に生やすことができる人造人間らしい。噂好きのユリがそう言っていた。
――人間の暮らす地上は荒れ果て、シェルター無しでは生きられない。どこもかしこも人工物だらけのシェルターに嫌気がさした我々は癒しを求め、昔の文献をもとに植物を復活させた。そうして復活したのがお前達だ――
仕事はわたし達の成り立ちを読み上げてからはじまる。
「お前は我々の自信作だ。植物が土に自生していた時代ですら難しかった花が蘇ったんだ」
最近できたばかりのわたしは、白い服を着た人間たちに囲まれながら仕事をする。花を1本1本検品し、身体の異常や疲労具合を調べられ、その都度調整が行われる。
まだわたししか担当がいないからすごく忙しい。はやく検体を増やしてほしいものだ。
それにしても、たった1本の花に何万何千万の大金を支払うなんて人間は変わってる。そんなに欲しいのなら身体から生やせばいいのに。変なの。
【題:花咲いて】
花咲いて
ちらほらと
花壇に植えられた花が開いてくる季節になった
君はこの庭に咲く花が大好きで
この季節になると
いつも庭の真ん中で花を眺めていた
今はもうこの庭に花を見に来る者は
いなくなってしまったけれど
僕は庭の手入れを欠かさない
花が咲く季節がくれば
また君が来るのではないかと
そんなことを思ってしまうから
丁寧に手入れしてきた庭は
花咲いて綺麗に輝いている
だけどこの庭には
もう僕以外誰もいなくなってしまった
「花咲いて」
咲けば、
いずれ散っていく。
美しく花開いていても、
いつかはしおれて、枯れていく。
いつも悲しい気分になる。
アーティフィシャルフラワーのように枯れない花もある。
でも花咲いたときの美しさは生花ほどない。
生きているから美しいのだと思う。
生きているから散っていく。
部屋に飾った花は
蕾から花開いて枯れるまで、その変化も見ている。
花咲いてから、終わりまで。
近頃、頭の中で物語の断片が映像として見える時がある。
どうやら頭の中で、創造の花が蕾をつけ始めたらしい。
断片的なそれらを物語として繋げるならば、ここに上げるには厳しい量の長さになると予想される。
何せ断片の想像だけで、1時間以上使っている。
断片の映像は早送りの様に早く、細部も不鮮明なところがある。
それらを丁寧に書き出すとなると、想像にかけた時間の何倍もの時間と文章量が必要となる。
蛇足だが、「街」の物語を想像した時間は30分程だ。想像時間30分で頭の中ではエンディングまで持っていけたが、文章化はまだ終わっていない。
頭の想像と現実の文章に落とし込む時間は、それだけラグがある。
自分が遅いだけという可能性は否めないが。
さて、断片的な物語が見え始めたということは、本格的にキャラクターが動き始めたのだろう。これはとても喜ばしいことだ。種から育てた花が、蕾をつけた時の様な喜びに似ている。
だが、蕾だけでは、花が咲いたとは言えないだろう。
蕾から先、花びらが綻び、花開いて、初めて花が咲いたと人は言う。
創造の花が蕾のまま枯れることがないように、また、花が咲いた際は仕立てにも工夫が必要となるだろう。
いつか、育てた物語の花をお披露目出来たならば幸いである。
#4【花咲いて】
やっと梅雨明け宣言があったんだけど
ふとみたら
気の早い彼岸花が咲いてたんだよね
赤じゃなくてピンクだから、厳密には彼岸花というよりリコリスなんだけど
まぁ同じ種類の色違いみたいなもんで。
リコリスは白、黄色、ピンクとかがあって、大抵は誰かが球根を買ってきて植えているものなんだけど
先日どこかでピンクを見かけて、いやいや早すぎるだろ、と思ったけど
今日別の場所で今度は何本も咲いてるのを見かけた
桜の花が変な時に咲くと話題になったりするけど、彼岸花も暑すぎて、本当に咲く時期がわからなくなっちゃったのかなぁ。
後日追記。
あの花、キツネノカミソリって言うんだって。すごい名前だね。
彼岸花やリコリスの仲間だけど、彼岸花の色違いではなかったみたい。
キツネノカミソリか。
なにを剃るのかな。
キツネがイタズラして村人の髪の毛剃っちゃうのかな。
現実離れした光景が広がっている。
季節や時間といった概念が無いからかもしれない。
棘だらけの葉で獲物を捕える白い花。
禍々しさを湛えた黒い花。
細い管を伸ばして艶めかしく咲く紫の花。
見た事の無い花々が、季節も、時間も関係なく一斉に咲いている。
「魔性とか、慈愛とか、友情とか、色々な言葉があるけど」
男の声がする。
「ヒトが勝手に押し付けたイメージだよ」
幾重にも重なった淡い赤が、目の前で揺れている。
「花は自分の形や、色や、生態にどんな意味があるかなんて知らない」
漏斗に似た形のピンクの花が大きく開いて、私の体を丸ごと包んでいく。――こんな花は現実には存在しない。私はここが夢の中なのだと改めて思い知る。
「君はその花でもあり、この花にも似ている」
私を包んでいた花が不意に消えて、今度は青紫の花に囲まれる。
「どれも正しく、どれも間違いだ」
様々な花が現れては消え、そのたびに私は花びらに包まれたり、蔦に絡まれたり、葉に落ちたりしている。
私が小さくなったのか、花が大きくなったのか、それともそれすら幻覚なのか。
私は目を開けてすらいなくて、男の声に惑わされているだけなのかもしれない。
「君は自分を破滅を齎す罪人だと思っているだろうけど」
男の声は穏やかで、心地よい。
「それもある意味では正しく、ある意味では間違いなんだ」
男が私を見ている。紫の瞳。私と同じだ。
細められた瞳はこの出会いを楽しんでいるのか、哀しんでいるのか。
「君という大輪の花が咲き、散ったからこそ君達の物語は永遠を得たんだよ」
――そんなもの、何になるというのだろう?
「そして、私も」
白い花びらが一枚、まるで布のように広がって私と男を包み込む。
「君という花が·····、君達という花が咲き、散っていくのを見送るという楽しみを得ることが出来た」
楽しみ、という割には、男の声は悲しげで。耳のすぐそばで聞くその声に、私は惑う。
「咲いて、散って、また咲いて·····」
歌うような男の声が、耳元から頬へ移動する。
「何度目かの〝開花〟で、私と君の関係性に変化が訪れる時が来るかもしれないね」
頬に触れた唇は、思いのほか温かかった。
END
「花咲いて」
「笑って。」
先輩は、只笑っていた。
「好きです。」
花咲く頃。俺は先輩に恋をした。
「罰ゲーム?」
「違います。先輩の花を一生懸命育てる姿に一目惚れしました。俺は本気です。付き合ってください。」
俺は体温が上がるのを感じた。先輩は少し顔を赤らめた。しかし、すぐに申し訳無さそうに言った。
「ごめんね。私は君の事何も知らないし。」
分かっていたけど。振られるのは心が痛い。それでも。
「それでも、何度でも告白します。先輩が俺を好きになってくれるまで。」
先輩は嬉しそうな悲しそうな顔をした。
花散る頃。先輩は事故に遭い、亡くなった。
あぁ、本当にもう居ないんだな。先輩の墓石前でやっと実感できた。俺は立っていられず、泣き崩れた。
「まだ好きになって貰って無いのに。」
『君は本当に諦めが悪いね。』
風と共に、先輩の声がした。目をやると先輩が居た。
『君の事が心配で、逢いに来てしまったよ。』
先輩は少し困ったように笑っていた。
『最後なんだ。しみったれた顔じゃないで笑ってよ。』
俺が下手に笑うと、先輩は泣きそうな顔をした。
「先輩、これからも好きです。」
『知ってるよ。』
強い風が吹いた瞬間、先輩の姿が消えた。
〈拝啓 俺が愛した人へ。花咲いて散る間、俺は何度貴方に恋したか。貴方は知っていますか?貴方との別れから三回、花が散りました。そして、また花咲く頃になりました。時々、見に来てくださいね。〉
【花咲いて】
(想像の中の話)
白い絵の具で塗りつぶしたキャンバスに
浅い青の風が横切る
見つけた言葉を音色に変えて
目をつむってそこに降り注いで
元の色も忘れてしまうんだ
でもそこにゴロンと寝っ転がると
リズミカルに音が跳ねるのが聞こえた
だからさ、君と僕はここに居たんだ
僕たちはいつもそばにいた
そのはずなのに
妄想の海に浸かってイロカサネテ
おやすみの言葉をたくさん残して
いつも通り眠りにつける
そう言って夢も旅の謳も途中なのに眠ってしまった
眠りについたあとのその場所は
I Need You の声も
アンコール! の声も
確かにその場所で響きわたっていて
君が降り注いだ分の色とりどりの花咲いて
そよそよと揺れる花の花弁は花丸にも見えるのです
だからいつも「おやすみ」の後に聞こえる
「おはよう」をただずっと待っている
2024-07-23
この時期に必ず見る花がある
それは『アサガオ』と『ひまわり』だ
小学生の子が学校から持ち帰ってくるアサガオ
近所の人が育てたひまわり
どちらも夏の花
だがしかし、私はどちらも育てたことは無い
何故なら、下手 だからだ
下手 何が?と思う方も居るだろうが下手 なのだ
水をやり、観察し蕾を見つけ花を見つけ
この一連の流れが難しく思ってしまったのだ
幼い頃は私もきっと育てて居たのだろう
記憶の中には枯れて放置された植木鉢
この頃から下手だったのだろう
毎日、誰かが植えた花が咲いているか見ながらその日の予定をこなす
『花咲いて枯れるまでが美しい』
人に例えるならばどれだけ難しいか、自分を見て分かってしまうのはなぜだろうか
#花咲いて
夏になると思い出す。
ひまわり畑を背にニッカリ笑う元気な少女。
日焼けした肌にはそばかすがあり、頬はいつもほんのり
赤かった。あの子は男子にからかわれるから
自分の容姿がコンプレックスだというけど、
ボクは、向日葵みたいに明るい彼女が大好きだった。
照れくさそうに目尻を細めて、そばかすのうかんだ
ほっぺを赤くしてはにかむ表情は、
まるで蕾から花が咲いたみたいに
瑞々しい艶やかさがあった。
ジリジリと灼けつくような太陽に照らされて
暑さから立ち込める熱気は蜃気楼のように揺らめく
暑さにのぼせ上がって思いのまま、麦わら帽子をかぶったあの子の乱れた髪に触れればよかった。
なんて、告白もできない臆病者がそんなスマートなこと
できるわけがなかったが。
想いを伝えることもないまま、だんだん接点もなくなって
今ではお互いそれぞれの人生を歩んでいる。
だけど、思い出となった初恋の残骸がザワザワ
動き出すときがある。
それは決まって向日葵が咲く蒸し暑い季節だ。
ボクは、花が咲いて芽が出る瞬間の美しさを知っている。
くしゃっと細まったキラキラした瞳
笑った口元にのぞく白い八重歯。
今頃あの子は、どんなふうに生きてるだろう
花は咲いてしまった。だから、これからより多くの人を
魅了していくのだ。ボクの思い出と共に
枯れ果てるその瞬間まで。
「花咲いて」
花咲いて、枯れる。
その短い時間に、人は花を愛でる。
人も生きて、死んでゆく。
その短く大切な時間に、人は人を愛する。
イイ人生だったなと最後に思えるのは、この時間をいかに、人を愛し人に愛されることに費やせたか、ではないだろうか。
愛するとは、甘い言葉やイチャつくことじゃない。
いや、それもアリだが、家族で夕飯を食べながら今日の出来事を話したり、夕食後に皆でボードゲームを楽しんだり。
家族でなくても、恋人でも友達でもいい。
とにかく誰かと繋がるべきだと思う。
花だって、基本群れて咲く。
皆で咲き誇って、枯れていくんだ。
それはイイ生涯じゃないか。
どうせ咲くなら、一輪より大輪の群生の方が、見応えがある。
見応えのある人生、それはきっと満足できるものになるだろう。
花咲いて、枯れるまでの命を味わおう。
それしか出来ないんだから。
そのために生まれてきたんだから。
作品No.114【2024/07/23 テーマ:花咲いて】
花咲かなくていい
蕾ですらなくていい
私の人生なんて
気付いたら枯れてる
くらいがいい
日本中の山から花が消えている
そのことを一体どれほどの人が悲しむでしょうか
鹿の侵入を防ぐ網を張り巡らせた場所だけ
花が残っていて蝶が舞っています
蝶も随分減りました
少し前なら草原には花が咲き
蝶が舞うのは当たり前の光景でした
今はただススキやシダが無言で
茂みを作っています
やがてススキさえ食べ尽くされて
苔やシダに有毒植物の新しいタイプの草原が
広がるようになりました
そしてそれらは美しいととらえるひとも多いようです
各地で様々に取り上げられ
称賛されたりしています
でもこれはそうなる運命だったと言えば
運命でした
人間は狼を恐れ駆除してきました
その代わりに野犬が鹿を狩っていましたが
それもまた駆除されました
全ては遠い昔から多分決まっていました
プログラム通りだったのだと思います
そして私が生まれることも
プログラム通りだったのだと思います
細かい事を言うと全てはランダムのように見えて
ランダムではないのですかね
全ては決まっているということを否定する科学者が
主流のようですが
私は決まっていないということが
正直理解できません
公園の少女の脚にからみつく黒い縄跳び ほら花咲いて
花咲いて揺れる、乱れる、堕ちる
花開いて気づく、揺れる、こぼれる
舞う、崩れる、しおれる、枯れる、散る
私の花は何色かしら
「花咲いて」
ぱっと花が咲いたように笑うキミ。
カスミ草みたいな笑顔だね。
素敵だよ。
僕、なにかしたっけ?
...あぁ、僕もキミに感謝しているよ。
キミは色々な花みたいな表情をする。
おや?
ホオズキみたいな笑顔をしてる。
...無理してないかい?
僕でよければ話してごらん。
自分に嘘をつかないで。
どんなキミも僕は受け入れるよ。
色々な花みたいな表情をするキミが大好きなんだからさ。
【花咲いて】
花咲いて実のなるならば良きものを葉のみ茂らせ一人佇む
花咲いて
いた頃の地球は綺麗だった
自然が豊かで
人間同士が和を大切にしていた
兵器なんて使わない…
そんな地球だった
時代が進むにつれて退廃していった。
『 今日のあなたは何点? 』
______それって誰の為に点数付けてるの?