『自転車に乗って』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
久しぶりに自転車に乗り、駆け出す。
坂道を下り、風が頬に触れる。
潮の匂いと、海の青さが目に広がる。
そして私は、地平線の先を目指してペダルをこぐ。
自転車に乗って
海の近くを幼なじみと
自転車にのってこぎ始める
いつまでも一緒にいれたらな
そんな感情を抱えながら
ゆっくりこぐ
風が通りすぎ
髪が揺れる
心地よい
いつまでもこのままで
【自転車にのって】
6歳のとき真奈はまだ自転車が上手く漕げなかった。なのでいつも親に送り迎えをしてもらった。よく自転車に乗って遠くまで遊びに行っていた中学生の兄には、真奈はとても憧れた。
「自分のあしで、あんなにとおくに行けるんだ!」
親は真奈が成長するにつれ、送り迎えの頻度を減らして、真奈に自転車の練習をさせるようにした。そんなある日のことだった。
「痛っ……!」
鼓動の速さを遠くに感じながら、膝頭のあざやかな血を呆然とみつめた。
怪我は軽かったが、自転車の恐怖は真奈に纏わりついて離れなかった。あんなに憧れた「自力」が怖くなった。いつまでもおかあさんに送り迎えしてもらえたらいいのに。情けないけど、呟きが漏れ出た。
自転車に乗って、自分の力で遠くに行きたい。
怖さを乗り越え、あの頃の真奈の気持ちが戻ってくる日は、きっと来るのだろうと思う。
テーマ“自転車に乗って”
子供の頃憧れていた。
好きな人の自転車に二人乗りする事。
だけど、付き合った人は真面目で
「交通法違反」
そう言われた。
「君がそんな不良がする事をしたがるなんて」
とも言われた。
昔見たアニメ映画に憧れて
なんて言ったら、彼は笑うだろうか。
「そ、そうだよね。」
私は、笑い掛ける。
「突然、おかしな事言わない方がいいよ」
彼は、呆れたように言う。
「う、うん。ごめん。」
そうして、私の憧れだった
自転車二人乗りの夢は潰えたのだった。
自転車に乗って
今日は花火大会が予定されている。このところ、コロナだったり、台風が直撃したりで中止が続いていたが、今年は天気もよく4年ぶりに開催される。
花火大会の会場は港の中にあるため駅から少し遠い。もちろん近くに駐車場はないので、みんな電車で来て、駅から会場まで歩いていく。思っていたよりも歩く距離があるが、所々に屋台や夜店があり、楽しく歩くことができる。
浴衣を着て、汗をかきながら歩く私たちの横を1台の自転車が通り過ぎていった。2人乗りの自転車に乗っていたのは、私の幼馴染と後ろは弟だ。
あいつらはなぜ自転車なのか!
この暑い中、私は汗ダクダクで歩いているのに自転車って! 何!
駅からは少し下り坂になっているためか自転車に載っている2人は、風を切って涼しそうにしているのが、なんかムカつく。
「おー。お疲れ〜」
通り過ぎざまにかけられた声にイライラがつのる。ムカつく!
「顔怖いよ。自転車いいよね。まあ、帰りは登りだから乗れないよね」
隣にいる友達の声に頭がスパークした。
確かに。
帰りは自転車を押して坂を登らなければ帰れない。きっと年下の弟が自転車を押して上がって行くだろう。
ニヤリ。
私の表情筋の音かした気がする。なにごとも楽ばかりなハズがない。あの2人も汗だくだ〜。せいぜい頑張れ〜。
「まあ、私たちも登りだけどさ。自転車よりはマシかな」
確かに。
帰りを考えると他人事ではなく気分も落ちるが、自転車を押すよりはいいと自分に言い聞かせ、まずは花火大会を楽しもうと会場へ向かう。足取りは軽い。
『自転車に乗って』
自転車に乗るようになって行動範囲が広がった。
自転車があればどこにでも行けて
学校終わりに大冒険をしていた。
校区外に出て
子供だけでゲームセンターに行って
違う学校の子達と喧嘩になって、、、
それまで真面目だった僕は、
悪いことをする楽しさを知った。
あの頃から、僕は変わった。
『自転車に乗って』自然の中を通り抜けたいな。
自転車に乗って
強い日差しが照りつける帰り道、ただでさえ暑いのに、坂道は本当に嫌になる。
直射日光と上り坂、この組み合わせは最悪だ。
そんなことを考えながらも、1歩ずつ足を踏み出して坂を登るしかない。
「やっほー」
気楽な声が背後から飛んできた。
「後ろ、乗ってく?」
電動自転車に跨る彼は、暑さを微塵も感じていないかのように爽やかで、羨ましい。
私は二つ返事で自転車の荷台に跨った。
二人分の重さを感じていないかのように、電動自転車はスイスイと坂道を上っていく。
今日は家に帰るまでの時間が短くて嬉しい。
だけど、彼の背中にくっついていられる時間は短すぎて寂しい。
「ねぇ、寄り道してかない?」
今日自転車に乗ったら
壁に自転車が当たって転んで骨折しました。
これを家族に伝えたら
「ご愁傷様です。」とのこと。
自転車に乗って夏の風を感じる。
澄み渡った心地よい風。
目を開けると一面に広がる絶景。
この景色がいつまで見れるんだろう。
そう考えただけで虚しくなるな。
題 自転車に乗って
自転車に乗ってどこまでも行けそうだ
私は毎朝考える。
登校の時、急いで駅まで自転車を走らせていると、風を感じる。
その風の勢いに私はスピードを感じる。
ペダルが軽く感じる。
まばたきをする度に風がひゅんひゅんまつ毛を通過していく。
そうしてどこかへ行ってしまいたい気持ちになる。
どこかへ?
どこかな。
どこまでも行きたいのではなくどこかへ、かな。
自分でも分からない。
ふと風を感じた時に思う。
このままペダルを漕いでどこか知らない街へ、学校ではないどこかへたどりつきたい。
毎日毎日終着点は学校で、ゆらぎがなくて変化がない。
だからこそ望んでしまうのかもしれない。
私が到達したい所へ。
進んだ先にある場所が未知の世界であってほしいと思う。
その場所に到達したら、次にどこへ行く事を望むのだろう。
私は永遠とペダルを漕ぎ続けていくのかもしれない。
自分の望む道を見つけるまで。
自分が納得する場所にたどり着くまで。
自転車に乗ったのはだいぶ前かなー、小学生くらい?今はもうバスか電車しか乗ってない。今乗れるかもわかんない。
海とか行きたいなー、花火綺麗だったし。こないだえのすい行ったけどほんとに綺麗で年パス欲しくなったレベルだから、自転車乗って行きたいな。
「自転車に乗って」
今日は空が晴れている。
天気予報は一日中、晴れの予報のようだ。
自転車に乗って、どこに行こうか?と僕は考えた。
考えているとワクワクしてくる。
ずっと行きたかったあの場所に行こう!と思い、僕は自転車に乗った。
私は、海の見える坂道を風を切りながらおりている。顔に風邪があたるのが気持ちよくて、心が洗われてるみたい。
昔、いつも一緒に帰っていた男の子を思い出す。その子と喋っていると、嬉しくなってふわふわする。引越しをして、はなればなれになってしまったけど、いつも一緒に帰ったこの道は何も変わってない。これからもずっとこのままだったらなんて無理な話だよね。
自転車に乗って
「乗れた、乗れたわ!お母様見て!」
初めて自転車に乗れるようになったとき、そう言ってはしゃいだ私。そのときの私はまだ知らなかった。自転車で重体を追うことになるだなんて…。
ああ、もうあれから4年だわ。こんなに長い間治療を受けてるっていうのに、まだ歩くことさえできないって言うの?辛い、寂しいわ…。お母様、お父様、どうして私を置いて死んでしまったのっ…?
あの日はお母様とお父様と一緒に、自転車で海に行く約束をしていたのよね。約束通り、私たちは海に向かい素晴らしい景色を目の当たりにしていたわ。
…はぁ、やっぱり思い出せない。そのあと何があったのか。執事には、事故で私たちは撥ねられ、庇おうとした両親が犠牲になったと聞いた。私が、両親を殺したの、?いやでも、そんなっ…。いくら考えても仕方がない。せめてもう一度、自転車であの海に行くことができるなら…
チャレンジ25(自転車に乗って)
家族で行った遊園地で、親子自転車に乗った。3人一組で漕ぐので休むわけにいかない。太ももが痛くなった。子供に喜んでもらえたのが良い思い出である。
朝の川辺を自転車で走ったのも忘れがたい。自宅から少し遠い公園で、友だちと待ち合わせた。距離のある場所に行くだけで、大人になった気がした。雲梯のある公園。懐かしい。帰りに飲んだオレンジのつぶ入りジュース。渇いた喉を潤す美味さだった。
あー暑い…
自転車に乗って、坂道を下る。
遠い空には夏の雲が流れる。
もし。
この自転車の後ろに君が座って。
もしくは隣に自転車に乗る君がいて。
一緒にこの坂を下る。
そして一緒に話して…
そんな一縷の望みは、
夏の暑さと共に儚く溶けていった。
※自転車に乗って
保育園児の頃、何処までも行けると思ってた
だから36km離れた市街地駅まで行ったんだ
朝に出て、着いたのは深夜?だった
警察に行方不明者発見て言われ、親もマジギレ
でも一番覚えてるのは「腹減った」
今なら自転車3時間くらいで到着出来るのに
あの時、世界はとても広かった
襟尾は片手にビラを持ってデスク横のソファで寝転がっている津詰に近寄った。
「ねぇ、ボス、さっき昼飯食べに外でたら、こんなチラシ貰っちゃって、見てくださいよ」
「ん、見せてみろ、……なんつうもん持ってきたんだだ、こんなでっかいプリンアラモード見たことないぞ。というか、甘いもん食べたくなってきちまった」
津詰はそういうとポケットに入っていた飴を舐め始めた。
「ボス、やっぱり甘いもの好きですよね!今度食べに行きましょ!」
「俺を早死させたいのか。……まぁお前さんがそんなに行きたいなら、ついて行ってやってもいいぞ」
「またまた〜、ホントはボス、食べたいんでしょ」
「そんなことはないっ!絶対だ」
津詰の見え見えの逆張りは襟尾には当たり前にお見通しだった。
「でも、最近ボス、ちょっとお腹周り、大きくないですか?」
襟尾は津詰の耳元に口を近づけて言った。
「ギクっ」
「セルフ効果音?そんなに気にしてます?」
「痛いところ突くなよー、俺だって甘いもん食べないように、我慢しようとしてんだ」
「しようとしてるだけですよね?……じゃあ、こうしませんか?これ、売ってる店までここら辺からちょっと離れてるじゃないですか。一緒にチャリ漕いで行きましょうよ」
「自転車……最近走るだけでも辛いってのによぉ、自転車なんて、無理に決まってるんだろ」
「チャリ漕いだら、お腹、キュってしますよ」
「うっ……だぁ!しゃあない!エリオ、チャリ漕ぐぞ!」
「そう来なくっちゃですよ!ボス!」
「気持ちいいですね!ボス!」
「エリオぉー、待ってくれぇー、若いやつは早すぎんだよぉ」
「ボスの耄碌もだいぶキテますね、こりゃ若返らせなきゃ」
「俺は、まだ、耄碌なんか、して、ねぇぞ……」
「もうちょっとで着きますよ、頑張ってください!」
小夜なら、と漕ぎ出でる夢の通い路は上りも下りもなく重いだけ
/お題「自転車に乗って」より