刹那

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自転車に乗って

強い日差しが照りつける帰り道、ただでさえ暑いのに、坂道は本当に嫌になる。
直射日光と上り坂、この組み合わせは最悪だ。
そんなことを考えながらも、1歩ずつ足を踏み出して坂を登るしかない。

「やっほー」
気楽な声が背後から飛んできた。
「後ろ、乗ってく?」
電動自転車に跨る彼は、暑さを微塵も感じていないかのように爽やかで、羨ましい。
私は二つ返事で自転車の荷台に跨った。
二人分の重さを感じていないかのように、電動自転車はスイスイと坂道を上っていく。
今日は家に帰るまでの時間が短くて嬉しい。
だけど、彼の背中にくっついていられる時間は短すぎて寂しい。

「ねぇ、寄り道してかない?」

8/14/2024, 12:05:34 PM