『脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「桜の下での言葉」
陽菜(ひな)との出会いは、大学の講義でだった。彼女は誰とでもすぐに打ち解け、笑顔を絶やさない、そんな人だった。僕はいつしか彼女に心を奪われていたが、その想いを伝える勇気はなかなか出せなかった。
卒業前夜、桜が舞う公園で、僕はやっと決心を固めた。「陽菜、僕、君のことが好きだ」と告げた。彼女は少し驚いた顔をして、すぐに目を伏せた。
「…ありがとう。でも、ごめんね、今は無理。」陽菜は静かに答えた。
その言葉に胸が締め付けられたが、僕はただ「わかった」とだけ言った。
**
数年後、偶然再会した陽菜は、変わらず笑顔で迎えてくれた。僕たちはカフェで向かい合って座り、少し照れくさい沈黙が続いた。
「元気だった?」と、陽菜が言う。
「うん、まあね。忙しいけど、何とかやってるよ。」僕は無理に笑って答えた。
陽菜は少しだけ視線を落としながら言った。「実はね、あの時、私も…」
「え?」僕は思わず身を乗り出す。
「私もあなたのことが好きだった。でも、怖くて言えなかったんだ。」陽菜は小さく笑って、目を合わせた。
その瞬間、僕の胸の奥で何かが崩れ落ちるような感覚があった。無言でしばらくお互いを見つめていたが、やがて陽菜が静かに言った。
「でも、もう遅いよね。」
僕は答えられなかった。ただ、何も言わずに頷くしかなかった。時間が過ぎて、距離が広がってしまったから。最後に、陽菜はそっと微笑んで言った。
「お互い、幸せになろうね。」
その言葉が、僕の心に深く刻まれた。
どうして庇ったの....
庇ったせいで貴方は目覚めなくなった
あの光景が脳裏に焼き付いている
いつも夢を見る貴方が私を庇う夢
辛い
苦しい
死にたい
でも、私は生きなくちゃいけない
貴方が私を助けてくれたから
どんなに苦しくても生きなければいけない
彼のために
「脳裏」
亡くなってかなり経っても
あなたのことを忘れたことは無い
あなたの姿は私の脳裏に
はっきり焼きついている
この身がネガフィルムになったように
止まらない焼き増し
止まらない熱い思い
止まらない涙
脳裏を覗く
人の脳裏は様々だ。
何を考えてるのか、何を思っているのかは様々である。
そんな人の脳裏を覗いてみたいと時々思うことがあるがそれは難しいだろう。
覗くには、それ相当の研究や何かの装置で覗くしかないのかもしれない。
いや、そもそもただの思いつきでそこまでする必要はない。
それに人が脳裏の中で何を考えてるのかを簡単にわかっては面白くないのではないかと私は思っている。
もっと好きって言って、もっと愛してなんて
脳裏では思ってても、そんなこと口が裂けても言えないな...
2024/11/09『脳裏』
突然、夢で切り出された一部分が現実に起こることはよくある。これは、正夢と呼ばれる。そうはいっても、うろ覚えの夢で、何かこの場面、夢で見たよなあ程度。
正夢ではあるけれど、超能力でもなんでもない。明日誰の元で起こっても可怪しくないこと。一応、説明はつく。まず、人というのは1日にいくつもの夢を見ている。それこそ、何百何千の。その中にたまたま現実と似た状況があっても不思議ではない。その「似た状況」が起こった時に突発的に何千の夢の中から思い出す。僕は中学に上がってからこういうのが増えだしたけれど貴方は見たことがありますか。
突然、脳裏に特定の夢がよぎった時は注意してください。もしかしたら、正夢かも……。
脳裏に蘇るのは
あの日の記憶
脳裏に焼き付くのは
あの日の興奮
脳裏をよぎるのは
あの日、横に居た
あなたの笑顔
どこまで行っても
頭の中は
純粋過ぎる程に
正しかった
頭から
消えてはいけない物だと
正しく理解している
苦しくなったし
嫌になった
消えない記憶は
希望を残して
立ち去った
脳裏
追記
昔の友人のLINEを見て
何とも言い難い気持ちになった
彼氏とのツーショットが
アイコンになった
そのうち
二人の影の写真でも
載せるのだろうか
その子は…
おとなしい子だった
だった、はず…
昔はペットの画像が
アイコンだったのだ
私と同じで
…あれ?
私のLINEのアイコンも
すっかり昔の姿を忘れた
アニメやマンガのキャラで
埋められている
所詮、脳裏にある記憶は
昔の物なのだ
美しい記憶は
今の自分で
消え失せていた
コンクリートの山々は太陽を覆う
アスファルトを忙しなく駆ける人波
喧騒の中から何らかの価値が産まれる
太陽が堕ちると、ネオンが偽りの月明かりを演じる
モノクロの街には幾千万通りの人生が在る
千紫万紅の瞳には幾千万通りの憂いが宿る
天空へと目指す紅き塔は星々を望んでいる
都会という名の森に流れる我らは水流か
雨粒である我らは水溜りになる定めか
その水溜りは清らかに濁り人生を知るだろう
太陽によって蒸発した瑞々しい水滴はきっと
天使に蒼白色の記憶たちを微笑み渡すだろう
満面の笑みを浮かべて
『都市の鎮魂歌』
「脳裏」とかけまして
「5円玉」と解きます。
その心はどちらも「心中/真鍮」です。
能裏
脳裏に浮かぶ、あの時の思い出。
あなたは今どこにいる?
私にイベリスという花をくれたあの人。
あの後に、花言葉を調べたんだ。
だから私はあなたを待つ。あの花言葉を信じて待っているから。
あなたはあのことを覚えている?
能裏に浮かぶのは貴方のことばかり。
イベリスの花言葉は、
--初恋の思い出--
脳裏
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.11.10 藍
ずっと前に夢でみた光景が
脳裏に焼きついて離れない
何であんな夢をみたのだろう
相当ストレス溜まってるかな
#脳裏
#25
いつまでたっても頑張れなかった日々が脳裏に浮かんだ。
【お題:脳裏】
ふとした瞬間
遠い記憶が
呼び覚まされる
懐かしい記憶が
脳裏をかすめる
人の記憶は
たしかに 脳に
蓄えられるのだろうが
壮絶な体験による
トラウマは
体にも記憶されることが
わかっているという
そして
私が気になるのは
もうひとつ
脳でも体でもない場所に
留め置かれる記憶
というのも
もしかしたら
存在するのではないか
そして
そういった記憶は
自分とは 何者なのか
その ささいなヒントを
つかませてくれる
気がするのだ
映画「ラ・ジュテ」
少年時代の ある記憶
に囚われた男性
彼は 第三次世界大戦後の
廃墟と化した都市に
生きている
放射能に
汚染された世界で
人々は
地下に潜っただけなく
支配階級と
奴隷階級とに
分けられていた
あらゆる資源の
不足に喘ぐ人々は
その解決方法を
過去 そして
未来の世界に求め
奴隷を使った
タイムリープの
実験を重ねる
時空を超える負担に
耐えかねた 被験者が
死亡、廃人化
といった結末を
多く迎えるなか
少年時代に見た、
美しい女性と
その側にいた男性の急死
という
鮮烈でショッキングな記憶に
囚われていたことが
助けとなり
その男性は
タイムリープの
過酷な負担に
なんとか耐えきる
時空を超えた移動を
何度も繰り返すうちに
男性は
まさに記憶の中の
あの女性を
過去の時代に見つけ
逢瀬を重ねるようになる
やがて
未来世界と交渉を持ち
第三次世界大戦後の
世界を救う使命を
果たした彼は
同じく
タイムリープの能力を
持つ未来人から
身の安全を 案じられ
現世界への永住、
男性にとっての
未来世界に住むことを
薦められる
しかし 男性は
過去世界に生きている、
あの女性が諦められず
過去の世界へ
行くことを選ぶ
そして
過去世界に飛んだ彼は
自分を長らく
捕らえて離さなかった
少年時代の記憶
の正体を知ることになる
記憶も
その種類により
蓄えられる場所は
異なるのかもしれない
昔、
知り合ったばかりの知人と
本屋に行ったときのことだ
それぞれ興味ある
コーナーを見終えて
お互いを探し始めたとき
向こうから
知人が歩いてくるのが見えた
相手も 私の姿に気づき
おお、という感じで
片手を上げて
こちらに近づいてきた
その姿が目に
飛び込んできた瞬間
強烈な懐かしさが
この上ないほどの
濃密さをもって
私の全身を襲ったのだ
それは本当に
一瞬の出来事で
それから
お互いの付き合いは
20年近くになるが
そういった感覚は
後にも先にも
その一度きり
以後
その知人の顔を見ても
行動や仕種を見ても
あの強烈な記憶
とでもいうべき意識が
呼び起こされたことは
ただの一度もないのだった
しかし
後日談といって
よいのかどうか
やはり記憶にまつわる
不思議なことがあった
本屋の出来事から
10年以上経った
ある日のこと
その知人と私は
一緒に外で
食事をとっていた
その日は 肌寒く
私は失礼して
薄手のコートを
羽織ったまま
食事をさせてもらっていた
すると 知人は急に
驚いて
この光景、
初めてじゃない
と言い出したのだ
話を聞くと どうやら
知人の中で
遠い記憶の中の私と
今の私が 重なり合い
記憶なのか
何なのか
とにかく ある意識が
呼び起こされたようなのだ
なんでも
知人の記憶の中の私は
外国の少年で
コートを羽織り
黒髪を一本に結び
やはり 今日と同じように
ナイフとフォークを使って
肉を食べている
そして
食事をしながら
本を読んでいるその少年に
知人は
食べるか、読むか
どっちかにしなさい
と、注意をしている
のだという
その日 私たちが
食事をしていた
庶民的なその店は
ウッディーな
装飾に テーブルと椅子
照明には
オレンジ色の光源が
使われており
その雰囲気も
何かを呼び覚ます
一因だったのかもしれない
それは夢なのか 幻なのか
残念ながら
私には わからない
けれども
私の脳裏
知人の脳裏を
何かが かすめたこと
それは
体験した本人にとっては
紛れもない事実
と 言えはしないだろうか
脳裏に浮かんだのは雪山の景色でした。スキー場に行った時に見た雪の積もった山々の壮大さが印象に残っています。高校生のときに修学旅行で宮城県のスキー場に行ったからです。修学旅行でもう一つ脳裏に浮かぶことがあります。それは東京駅から宮城県に行くときに新幹線に乗ったことです。
日本が世界に誇る高速鉄道の新幹線に乗って修学旅行に行くなんてすごく贅沢な体験ではないでしょうか。当時はその体験も日常にある当たり前のことと思ってましたが、大人になった今、修学旅行に行くことができた家族の支えに感謝したいです。
脳裏
君は焼き付くって感じじゃなくて、染み込む。
焼き付くよりもしっとりとじわじわ蝕んだ。
だから厄介。
ようこそお越しいただきました。
ここは脳裏焼付サービスです。
脳裏に焼き付いた景色がないから、仲間にハブられそう
今際の際に思い出す光景がないと格好がつかない
今脳裏に焼き付いている物が気に入らない
そんなお悩みがある方に対し、我々はお手伝いさせていただいております。
皆様に人気があるのはコチラ
紅く染まった秋の山です
情緒があって良いと評判です
他にも桜やヒマワリなど花がある風景も人気です
おや、あまりお気に召されませんか
でしたら動物などどうでしょう
子猫や子犬を希望される方も多いんですよ。
他にも車や神社などの人工物
変わった所ではミドリムシの人もいましたね
流石に、あれはよく分かりませんでしたが
ああ、もしここにないものがご希望であれば写真や動画をお持ちいただければ、割高にはなりますが焼き付けることもできます
そういった方は家族や恋人のものを持って来られます
中には好きなアイドルを焼き付ける方もいますね
もちろん秘密厳守致します
えっ、止める、ですか?
焼き直しできるとはいえ、高くないお値段ですからね
よく考えるのも良いでしょう
大丈夫です
気にされることはありません
実際、初回は悩まれて見送る方も結構いらっしゃいます
こちらカタログになります
ご検討なさってっから、またご来店下さい
またのお越しをお待ちしております
――――――――――――――――――――――――
俺は自分が殺した男の前に立っていた
俺は他人の心を読むことができ、特に死ぬ間際に見せる脳裏に焼き付いた光景を見るのが大好きだ
十人十色とよくいったもので、その光景はバラエティーに溢れている
しかし、この男の脳裏に焼き付いた光景は、理解不能だった
まず脳裏焼付サービスってなんだ。
どこに需要があるのか
それで焼き付けて満足するやつがいるのか
この男の脳裏に焼き付いた光景が、その人生で数少ない女性(店員)との会話というのが悲しすぎる
というかこれ会話じゃないだろ
あと、その女性店員の笑顔は営業スマイルだぞ
くそ、モヤモヤする
心を読んでこんなに気分になるのは初めてだ
なにか気晴らしをしなければ
また誰か殺すか?
そう考えながら歩いている間、ずっとさっきの光景が頭に浮かび続ける
もしかして、あのしょうもない光景が脳裏に焼き付いたのだろうか
―今脳裏に焼き付いている物が気に入らない
―そんなお悩みがある方に対し、我々はお手伝いさせていただいております。
俺は目を閉じて熟考し、決断する
行こう、脳裏焼付サービスへ
この脳裏に焼き付いた光景を消しに―
まただ。
また彼女の夢を見て目が覚める。あの泣いている顔が脳裏から絶対に離れない。無理もない。泣かせたのは、俺だから。
寝室を出てキッチンへ向かった。1杯の水を飲む。思った以上にうなされていたらしい。少し汗をかいていた。
いつまでこんな夢を見るのだろうか。彼女との思い出は素晴らしいものばかりだったのに今じゃ悪夢と化して俺を苦しめる。あの時どうすれば正解だったのか。そんなこと今考えても、なんの意味もないのに。
携帯を操作して彼女の連絡先を表示した。例えば今この番号にかけて相手が応答したとして。俺は何を伝えれば良いのだろうか。ごめんも愛してるも、そんな言葉はきっと彼女は欲しくないだろう。そう考えたらもう連絡をすることは許されないことだと分かった。これ以上苦しませないで。脳裏に焼き付いた泣き顔の彼女が俺に訴えた。だから大人しく携帯を手から離した。
窓から白い月が見えた。間もなく夜明けだ。今日も熟睡できなかった。いつになったら、思い出から縛られることなく日々を送れるのだろうか。
いつになったら、君を赦すことができるのだろうか。
【脳裏】
何が自分を動かしているか考えてみた
いつもはギリギリにやる提出物を
たまに急にやろうと思う
勉強も、いつもは夜にやるのに
たまに急に昼やろうと思う
急にハッとなってやらなきゃいけない感じになる。
何にハッとなっているのか、何を急いでいるのか
自分でもよく分からない。
唯一分かるのはいつも決まって勉強面だ。
確かに勉強は大切だし、
提出物も事前にやるのがいいと思う
でも、急にハッとなるのが分からない。
何がハッとなるのか
――――――――無意識のうちに脳裏に写るもの
二歳の時、迷子になった。
家から勝手に出て歩いていたところを
親切な人に警察に連れてってもらったらしい。
母が迎えに来た時はもらったお菓子を食べながら
「お母さんも来たの?」と言ったらしい。
当時を知る人に後々まで笑い話として語られていた。
不思議なことに、その場面の記憶がある。
おそらく皆の話を何度も聞かされて
後から作ってしまった記憶だと思うのだが。
待たされていた部屋の明るさ、血相を変えた母の到着。
いまだに脳裏に焼き付いているのだ。
作られた記憶がこんなに鮮やかなものだろうか?
脳ミソって面白い。
ま、こんな器用なことが出来るなら
無かったことにしてほしい記憶の方を
処理してほしいんだけどな。