NoName

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二歳の時、迷子になった。
家から勝手に出て歩いていたところを
親切な人に警察に連れてってもらったらしい。
母が迎えに来た時はもらったお菓子を食べながら
「お母さんも来たの?」と言ったらしい。
当時を知る人に後々まで笑い話として語られていた。

不思議なことに、その場面の記憶がある。
おそらく皆の話を何度も聞かされて
後から作ってしまった記憶だと思うのだが。
待たされていた部屋の明るさ、血相を変えた母の到着。
いまだに脳裏に焼き付いているのだ。
作られた記憶がこんなに鮮やかなものだろうか?

脳ミソって面白い。
ま、こんな器用なことが出来るなら
無かったことにしてほしい記憶の方を
処理してほしいんだけどな。

11/10/2023, 8:42:32 AM