『脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【無題】
密やかに秘めやかに、誰にも見られないように。
この気持ちをしまって鍵をかけて。
代わりはいくらでもいるのだと嘯いて笑う。
そんな日々はあっけなく崩れ去った。
「ごめん、」
ぽつりと落とされた言葉にふと我にかえる。
見られたくなかった、と思った。
きみの代わりに他人に欲を向ける自分を。
バタンと閉ざされた扉の音が反響して消える。
追いかけることもできないまま
伸ばした手を握りしめた。
腕の中で声を振るわすきみじゃない誰かは
くすくすと共犯者の顔で笑う。
(怒って欲しかった、なんて馬鹿みたいだ)
ーーーーーーーーー
2人きりの部屋で聞こえるのは息を吐く音だけ。
ふたりぼっちには慣れていたはずなのに。
今日は呼吸するのすら躊躇うようで。
「なにあれ」
「、え」
「昨日の」
ぽつりと落とされた声に、
その目に射抜かれて、
嘘をつくには時間が足りなかった。
「好きなんじゃなかったの、」
いつもより早口に告げられた言葉と合わない視線。
ずるい人だ、と
頭の片隅で誰かが乾いた笑いを漏らした。
「そんなこと、言ったっけ」
好きじゃない、好きじゃない。
そんな軽い言葉でこの気持ちを表せるなら
とうの昔にふたりは幸せになれたはずなのだから。
「違うならいいけど。でも、」
ああいうことしてほしくないな、
なんてきみが言うから。
どうして、なんで、教えてよってねだれたらいいのに。
わかった、と。いい子のふりをする。
この関係はいつまで経っても平行線。
脳裏に映るのはいつまでも、あの日のまま。
【脳裏】
目を瞑ると浮かぶのは、真紅に染まったあの光景。
どこにでもあるマンションの一室での出来事。
床に広がる紅と、手の中で鈍く光る銀。
ドクドクと心臓が早鐘を打ち、耳は小さな呻き声を敏感に拾う。
俺はもう戻れない。
向日葵の様な笑顔に覆われていた黒が露わになる。
このまま堕ちるところまで堕ちてしまおうか。
「ばいばい。」
俺の大好きだった人。
お前は、お前だけは明るい場所で生きてくれ。
(8 脳裏)
脳裏
ふと脳裏に浮かんだあなたの笑顔
よく笑って、ひまわりみたいな笑顔
やがて心に降りて、俺の心を侵食する。
今、どこにいるのかな
あなたが落とした欠片を拾い集めて
今日も、あなたのもとへ。
「……また、戻った…のか……」
白い天井。いつもと違ったのは、俺が
拘束されていること
何回近付いても、また遠くなる
あなたとの距離
……だって、
彼女は、もう死んでいるから。
脳裏にはいつもあなたがいました。
もう会えないけど
"次会ったらさ何しよっか''
そんな事が叶わないと思ってなかった。
たったこれっぽっち
未来を考えただけで
終わってしまったのだ、
【脳裏】
✂ーーーー⚠ーーーーー✂
母さんありがとう。
僕に
"恋愛対象が同性でもいいよ''
って言ってくれて
ガチガチに固められた紐。
少しまた少しと
僕の結び目が解けていく。
いつか、死ぬ時にはさ
全て解けて1本になればいいな、
【固結び】
脳裏
私の脳裏にはいつでも貴方の顔が浮かんでいる。私の前だけに見せる顔。泣いた顔、笑った顔、寂しそうな顔。
私が今死ぬその時にさえ普段崩れることの無い貴方の顔が初めて崩れた。親を探す迷子の子供みたいに。死なないでと叫ぶその顔でさえ私は美しいと思えてしまったそんな顔をさせるつもりなんてなかったのに。
それが私の脳裏に焼き付いた最後の光景だった。
百合
脳裏
脳裏ーのうり。頭の中。心の中。
なるほど。
脳裏に焼き付くとは、
相当な出来事なのだな。
あるな。そういうの。
いくつかある。
頭の中とか心の中って、
見えないからね。
外見だけでは分からないよね。
見えないと人間知りたくなったりするけど、
何となく探らない方が良い気がするよ。
他人の脳裏はね。
paki
燻っていた気持ちが
脳裏を霞める
ひとりの女を愛し続けるなんて…
まるで古い映画のお決まりのストーリー
悲劇のヒロインはいつだって
美しい涙を流して…悲恋を語る
誰も信じてはくれないかもしれない
今でも…お前を愛し続けていることを
手に入らない物は…永遠に
心の中で生き続けるこの悲劇
思い出を越えて
何処までも澄んだ青空が広がる夏のこと。
あの時の私たちは、同じ夢を見ていた。
「私たちならこの国を守ることができる」
「うん。そうしたら、僕たちはいつまでも一緒にいられるよ!」
青空を背に笑う君は誰よりも高潔で気品溢れ、そして無邪気だった。
この国の騎士団で揃えば最強な私たち。志を共に、いつまでも共にいられるとそう信じていた。けれど。
それももう、偶に脳裏に過ぎる思い出の話。
目を開き、眼前に立つ敵を見据える。
「……自分の信念の為なら、国を裏切れるんだね。君にそういう一面があるなんて意外だったなぁ」
隣国との戦争の最中。騎士団の布陣が敵に筒抜けだった。間者がいると思ってはいたけど、まさかこんな身近にいると思わなかった。
誰よりも純粋な君が、誰よりも一番憎悪に満ちた目で私を見ている。
「前々からお前のことが気に食わなかった。俺のいた国がどんな状況であったかも知らずに、のうのうと穏やかに生きていたお前も、この国も!!」
無茶苦茶に剣を振り回して君は私を殺そうとする。けれど、そんな無茶苦茶な剣技に片割れだった私に敵うわけがない。
「残念だよ。この手で君を殺さないといけないことが」
容易く懐に潜り込んで、腹部に剣を深く突き立てる。君の口からごぽり、と血の塊が吐き出され、その手から剣が落ちた。
ずるりと崩れ落ちる身体を抱きとめる。
「………気づいてやれなくてごめん。私は君の片割れであるはずなのに、誰よりも君のことを理解してやれなかった」
「っ、はは……今更、だろ……」
乾いた笑みを浮かべ、光を失った虚な目がが私を映す。
「でも……あの時の夢は……叶えてよね……」
「この国を守ること?」
「あいつらは……お前のことを、殺すつもりだ。お前は、騎士なんだろ……騎士なら……国を……」
そこまでだった。ずるりと彼の頭が私に凭れ掛かる。その目はすでに閉じていた。私は亡骸を抱きしめた。
その目にはもう何も映らない。あの青い空も、私の顔も、何もかも。
「おやすみ。また会えるといいね」
亡骸を横たえて、その場を立ち去る。
荒れ果てた戦場で見上げた空は、あの時に見上げた空によく似ていた。
脳裏に過ぎるのは、あの時の君の笑顔と先の乾いた笑顔。
どちらも君で、私にとって大事なもの。
君の亡骸を越えて、私は前に進むよ。
脳裏
脳裏とは頭の中を意味する言葉。
自分の脳裏とは...。
いつも必ず頭の中にある言葉がある。
それは「消えたい」と「幸せ」だ。
なぜその言葉なのかと言うと、常にこの世界から消えたい自分と、この世界で幸せになりたい自分がいるからだと自分は思う。
その考えだけは昔から変わらない。
他人に貴方はどうなりたいの?と聞かれると毎回自分は「幸せになりたい」
と答えるようにしている。
自分はうつ病という病気になってからは、毎日のように消えたい、死にたいが脳裏に浮かぶ。
それだけ、辛いのだと思う。そして決して勇気もないから叶わないから余計に脳裏にやきつくのだろう。
だから、今回の脳裏というお題を出されて、まず浮かんだ言葉は、「消えたい」「幸せ」の二つの言葉です。
いつも脳裏に浮かぶ景色
深い緑の木々の中
高い場所から遠くまで見渡している
ここが好きなんだなあ
遠い昔にいた場所か,
これから先に訪れる場所か
心のよりどころ
脳裏
「意思に反して」
数ヶ月前や数年前にあった嫌な出来事を
今でも根に持っている。
んー、忘れられるなら忘れたい。
一日の中で
何度も決断をして、何度も傷ついて、何度も考えて
自分が思っているより頑張ってるのかもしれない。
頭の中 心の中 にあるものは
自分以外にはほとんど見えない
だけど、たまに…?いや、結構
自分の心が見えない時がある
見えないのか?見ようとしてないのか?
それは分からないけど、、、
自分自身の心だからこそ
見えないもの・見たくないもの があるのだと思う。
そういうものは意外と周りの方が見えてるのかもしれない
他人には
気づいては欲しくない部分は見えてしまって
気づいて欲しい部分は見えない
それがもどかしくて、切ないね。
テーマ:脳裏 #359
脳裏に焼き付くあの先生の怒った顔。
だからビクビクしながら、
明日のテストに向けて勉強するのだ。
……あぁ、明日も早く起きなければ。
脳裏で思ってたことを話すことができる人もいれば
脳裏で思ってたことを話せない人もいる。
もし自分の考えてることが他の人に見えたら。
想像してみて。
本当に心が見えたら
今、想像してるのも全部バレバレってことだよね。
私は変なこと考えてなくても見られるのは嫌だな。
当然、脳をみんなもってることは分かる。
でもみんながもってる脳の中身は本人じゃない限り
見れないし、分からない。
でも方法がひとつだけある。
思ってることが顔に出れば、
本人じゃなくても分かる。
顔に出るくらい思いが強いかと思ってたら
人によって違うらしい。
同じ人間でも考えることは全く違う。
「脳裏」
脳裏
脳裏に浮かぶは優しい笑顔
最後に見せてくれた儚い笑顔
思う出すたびに胸は締め付けられ、
どうしようもないほど切なくなる。
思い出すきっかけは様々で
コントロールなんてできないけれど、
脳裏に浮かぶたび、思い知らされる。
今もなおあなたが好きだということを…
脳裏に浮かぶあなたの顔。
寝ても覚めても忘れられない。
『脳裏』
脳裏に浮かぶのは
とりあえず今日を
どうやって
生き抜くかのみ
脳裏
5分後に 君がやってきて
まるで映画のような 風景が広がる
ここまでどうやって歩いてきた?
衝撃は辺りに 一瞬のSparkを与える
歩いてきた道のりを 今日までずっと
考えられる そんな生き方
僕は通りを 見渡して
躊躇してしまう
沸き立つイメージ
違う道を歩いてきた ずっと知らなかった
衝撃が体を走る
まだ消えてないの?まだここに残っているの?
僕は躊躇わず道を変える
明日のことなど 分からなくていい
明日のことなど聞きたくないから
世界がバラ色に 変わることなど
自分で決めるから
脳裏に掠める 君の光景が 斬新な
赤と黒
脳裏が読める
通りが危険
走った方向
歩いてくる描写が
完全にエキセントリック
頭の中の妄想が歩いてくる人と一緒に街を徘徊するイメージです
【 脳裏 】
忘れたくても忘れられないもの。
僕は、自分の記憶力が恨めしい。
川の字で寝ていた幼い頃、トイレに行こうと親を起こそうとして、いわゆる『プロレス』を見るはめになった。
小学生の頃は、マグロの解体ショーを見に行った。
ブロックにされていく様は、すごさよりも恐怖しかない。
高校の時には、自転車の通学路で農道を利用していて、
カエルの轢死体をいくつ見たことやら。
極め付きは、空飛ぶ人間。
車に弾き飛ばされて宙を舞い、地面までキレイな放物線を描いて、鈍い音で締めるまでがスローモーション。
もう、外には出られなくなったよ。
10.脳裏
わたしの心の片隅に
あなたをふと想う
スペースが存在します
一旦考え始めると
頭の中の割合は
あなた色に染まります
あなたの歌声
あなたの笑い声
あなたの笑顔
あなたの眼差し
あなたの仕草
あなたの姿を
脳裏に焼けつけ
あなたの言葉を
脳裏に思い浮かべ
あなたへの気持ちが
さらに脳裏によみがえる
幸せなひとときをありがとう
◤絆の連鎖◢
辛い記憶、衝撃的な場面が脳裏に焼き付くことはまあありがちで、それは私も例外ではなかった。
スローモーションで見えたその景色は私の記憶に影を落とした。その日の天気も、気温も、季節も、覚えていない。いつあったのかなど、調べればすぐに分かることで。でも何度調べたって忘れてしまう。それ程に強烈な景色だった。
二人の絆なんて甘い言葉に酔いしれたあの日々を鮮烈な朱に染めるその出来事は、連鎖するものだった。ずっとずっと、その闇に近づき続けた一年だった。
学校の屋上に立つ。フェンスの向こう側の開放感は心地よくて、少し怖いけれどあの日と同じなのだと考えれば特別恐れることもなかった。
目から零れるそれは確かな温度を持った雫だった。涙などではない、何の意味も持たない雫だ。それは意味を持ってはいけなかった。
トン
と地面を蹴って、身体を宙に投げ出す。空は血のような夕焼けだった。
テーマ:脳裏