『美しい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【美しい】
鏡さん。
世界で一番美しいのはだぁれ。
「それはもちろん、君だよ」
婚約者の鏡さんはそう言って恥ずかしそうに笑った。
「美しい」
この感情が
溢れだすのは
人としての教育と
人生経験を経て
得られる産物かな…
小さな子供が
美しい丸を描くのは
ちょっと難しい
美しい友情の話は
さらに難しい
どれが「美しい」と
感じるのかは
その人が育つ環境と
心の状態に
委ねられている
沢山共感できれば
楽しいだろうな🤗
✴️420✴️美しい
『美しい』
絵画や陶器や 異性を見つめ
何度思った ことだろう
主観で個性で それぞれ違う
違和感あったら 自分を恥じた
老いて少し ずうずうしくなって
近ごろ自分を 甘やかしてる
わたしはわたしだ 誰かじゃないんだ
わたしの美意識 信じてみてる
骨董や料理も 専門知識
真偽はまったく お手上げだ
それでも間違い だったとしても
ホンモノだからと 指図しないで‼️
美しいは美しい 美味しいは美味しい
間違いじゃなくて ホンモノなのよ
老いて少し ずうずうしくなって
近ごろ自分が 気に入っている
「ありがとう」
その心
その言葉
# 美しい
高三の冬。
数ヶ月ぶりに同じクラスの佐藤くんが学校に来た。
グループディスカッションで話したことがあったような、なかったような…
そんな曖昧な距離感のまま、卒業を目前にして彼はふいに教室に姿を見せた。
「どうして今?」
「勉強、ついていけるのかな?」
「また行こうって思えた理由は?」
一限の授業中、私はずっとそんなことばかりを考えていた。
けれど、私は飽き性なので一限が終わるころには、もう別のことを考えているのである。
昼休み、食堂の窓から佐藤くんが校門を出るのが見えた。
私の通う学校は、工夫をすれば四限で帰れる仕組みがある。
とはいえ、高三の冬に四限で帰る人なんて、ほとんどいないのに…
「佐藤くんは……帰るんだ。」
私は、いつもの友達グループを抜け出した。
強固な絆(笑)でがんじがらめの居場所をすり抜けて、
午後の授業をすっぽかし、佐藤くんの後を追った。
「偶然だね!」
明らかに嘘だと分かる口調で話しかけた。
傍から見れば、完全に不審者である。
けれど、佐藤くんは驚きながらも、私の「一緒に帰ろう?」にすんなりと頷いた。
学校の正門を出て、歩道を並んで歩いた。
最初の交差点まで、会話はなかった。
焦る私は、いくつも話題を探しては飲み込んで、ついに意を決して声を出す。
「学校、久しぶりだよね、」
「うん。……なんか、行こっかなって。」
佐藤くんの横顔は、まっすぐだった。
明るくもなく、暗くもなく、ただ、まっすぐだった。
それだけの答えに、私はなぜか安心してしまった。
無視されてもおかしくない質問に答えてもらえて、嬉しくなった私は質問を続ける。
「なんで今日だったの?」
「特に理由はないんだけどね……朝、目が覚めて。空が明るかったんだ。あったかくてさ。それで、今日は、行ってもいいかな…って思った。」
そう言って、佐藤くんは少し笑った。
その笑顔は、何かを諦めているようで、でも何かを信じているようでもあった。
私の中にあった「こうすべき」「こうするものだ」という常識みたいなものが、そのやわらかな言葉によって、優しく否定された。
その頃にはもう佐藤くんのペースに呑まれていた。
とっくに帰るための分かれ道を過ぎていたことに気付かず、私はとうとう佐藤くんの家の前まで来てしまった。
それを咎めることなく、佐藤くんは「お茶でも飲んでいきなよ」と大人な対応を見せた。
「お邪魔します」
佐藤くんの家は、平屋の和風建築だった。
玄関の壁には季節の押し花と、小さい子が描いたであろう『おかあさん』の絵が飾られている。
「お兄ちゃん、おかえり!」
元気な声と共に飛び出してきたのは、佐藤くんの兄弟だろうか。歳の近い子から、小学校低学年位の子まで沢山いる。
「あら、クラスの子?よく来てくれたわね。いらっしゃい。」
後ろから現れたのは、柔らかい雰囲気のお母さんだった。
佐藤くんと同じ、控えめだけど穏やかな笑顔で、私の目を見て挨拶してくれた。
家の中は、どこか懐かしい匂いがした。
ちゃぶ台の上に置かれた湯呑みからは、ほうじ茶の香り。
わざわざ茶葉から淹れてくれたらしい。
佐藤くんが居なかった間の学校での出来事を話したり、苦手だという理科を教えてあげたり、
しばらくして、下の子たちと庭で遊んだりした。
やがて日が沈み始め、走り回る私たちの影を伸ばす。
子どもたちの「もっかい!」という声に応えて鬼ごっこをしていた私も、気づけば息を切らしていた。
ふと立ち止まり、家の縁側に座る佐藤くんの方を振り返ると、彼はぼんやりと空を見上げていた。
夕暮れの光が、佐藤くんの髪に触れて輝いている。
「どうしたの?」と声をかけようとしたがやめた。
私は彼がどうして「休む」のか理由を聞くのは野暮だと思い始めていたからだ。
まっすぐで、飾らなくて、静かで、
でもその奥には、ちゃんとあたたかさがある。
ちゃんと、自分のリズムで歩いている。
そんな佐藤くんは、私と正反対だった。
私は毎日、誰かの目を気にして、流れに乗ることに慣れてしまっていた。
決められた道を「正しい」ものとして進むことが、当たり前だと思っていた。
でも、今日の彼を見ていると、それがすべてじゃないと思えてしまった。
疲れたら立ち止まる。休憩する。
そして自分のタイミングで、また歩き出すことだって
それはそれで、ちゃんと意味のあることなんだと。
夕陽が、ちゃぶ台の湯呑みを赤く照らしている。
子どもたちの声も、母親の笑い声も、どこか遠くで響いていた。
私が今いるこの場所がまるごと「美しい」と思った。
それは庭の景色や、暖かい家族の空気ではなく
''佐藤くん''という人が、そこにいることそのものが、だった。
教えてくれてありがとう。
私と正反対で、美しい彼へ。
[美しい]
「ところで」
「ところで?」
「朧げながら浮かんできたんです。『生きろ、そなたは』というフレーズが」
「なに言ってるの?」
「いや、前に動画サブスクで見た映画のフレーズだけど」
「小僧が!」
「知っているんじゃないか」
「ふふふ」
「ちょっと冷たい」
「わたしのことじゃないからでしょ」
「え、そんなことないよ」
「ふーん」
お題『美しい』
長い髪を伝っていった水滴が、髪先から雫となって落ちた。
僕を見下ろす透明な眼差しが、僕の見た最後の景色。
「どうして?」
浮かぶ疑問は声にはならなかった。
代わりに僕の口からはいくつもの水泡が地上へ逃げていった。
湖の桟橋から引きずり落とされた僕。
差し伸べたはずの手は気がつけば水中に、視界は反転して湖が空になっていた。
薄曇りの空はこの人の髪色を写したようだった。
すぐさま桟橋に上がろうとした僕を、その人は突き落とした。
どんっと押された途端に、重しでもつけられたかのように後ろへ沈んでいく。
先程軽々と泳いだ体は重く、腕のひとかきもできなかった。
不思議に思いこんがらがる頭と、早く上がらなければと焦る気持ち。
だが、そのふたつを塞ぐかのように僕を支配していたのは、
(美しい)
あの人を見て浮かんだ一言だった。
その一言に支配されたまま、僕の体と意識は、闇に沈んでいく。
/6/10『美しい』
ただ正直に生きているだけなのに
ただ人に優しく生きているだけなのに
なぜこんなにも苦しい思いばかり
しなければいけないのか
なぜ私の周りの人は
いなくなってしまうのか
/6/9『どうしてこの世界は』
新品でピカピカの綺麗な物は美しく見える
これから何かを背負う物だから
でも時として汚れた物も美しいと感じる
職人の道具がボロくてもそれは美しさがある
スポーツ選手の汚れたユニフォームも美しい
これまで何かを背負って来た物だから
人もそうだろう
未来を背負う子供や、子供を背負うパパとママ。
日本を背負って来たお爺さんお婆さん
何かを背負う者達は美しい。
今日も貴方達は美しい。
静かに輝く星空の下で
幸せだった頃の夢を見る
ただ暖かい光の中を生きていた
儚い幻のような過去の記憶を
ねぇ、もう元には戻れないよ
光の中を歩くには
心は恐れを知りすぎたみたい
ごめんね
幸せを望んでいたはずなのに
痛みと悲しみに囚われて
でも、最期は少しだけ幸せだったよ
美しい月明かりに照らされて
寂しさを忘れて眠ることができたから
実を言うと醜い方が得なのかもね。
日本の神様は美人が故に短命だった。
ぬけがらの人
何もできない気力がない希望がないただ息をするしかない
部屋の片隅に座って一点をただ見つめているだけ
誰が、何が意味を吹き込んでくれるんだろう
空っぽの器はただ息をする
製品は
作られた理由と目的を必ず一つ以上持っていて
なぜその形を維持しているのか
そこに至る過程にも明確な根拠がある
手にとった私たちはモノが纏うその物語を
必ずしも意識しないまま
長く共に暮らした思い出などもいつかモノの一部となっていく
ある時ふと芸術作品でもないそれらを美しいと感じるのは
その物語部分を愛しいと気付いてしまうからではないのか
: 美しい
美しい君の横顔を
残しておきたくて
彫刻刀で机に刻む。
「せんせー!前田が女の裸を机に掘ってマース」
残酷な勘違いは
恋の終わりを告げた。
違うんです!
これは。。。
言いたくても
言えなかった。
成人式の二次会で
「前田くん、あの時ほんとはさ」
大人になったひろこちゃんは、さらに美しさを増していた。
「あたしのこと見てたのかと思ってた、ちがう?」
なんのこと?と
とぼけたくなったが
潤んだ瞳に
吸い込まれて
「そうだよ、今もスケッチしたいくらい」
ふふ、と彼女は目尻に皺を寄せた。
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あの時が
一瞬にして
色づいた
机の上に
彫った横顔
この恋が
今こそ 叶いますよように
年の分だけ
丸くなった刃
《美しい》
※昨日の続き(のつもり)
『この世界は、美しいと思いますか?』
授業の一環で聞かされた講演会の講師の問いかけに、俺、齋藤蒼戒は馬鹿げた問いかけだと本気で思った。
そもそも美しいとはなんなのか、そこを定義することから始めるべきだと思う。視覚的なことなのか、精神的なことなのか。そこでかなり変わってくると思う。
視覚的なことだとしたら、答えはYesだ。天望公園の桜やふと見上げた青空は綺麗だし、美しいと思う。
しかし精神的なことだとしたら、答えは絶対にNoだ。世界は広くて、残酷だ。この世界は綺麗でも美しくもなくて、ただただ醜いだけだ。そんなこと、身をもってわかっている。
と、ここまで考えたところで視界の端に春輝が体育館を抜け出そうとしているのが見えた。
大方、この訳の分からない講演に嫌気が差した、というところだろう。いつもは明るい顔をしているあいつが驚くほど暗い顔をしているのは心配だが。
「……紅野、ここ任せていいか。春輝を追いかけてくる」
俺はちょうど隣に座っている紅野に小声で言う。
「ああ、ハル今出て行きましたもんね……。僕が行きます。蒼戒くんはここにいてください」
「なぜだ?」
「あんな暗い顔、君には見られたくないでしょうから。あいつ、変なところで意地っ張りなので」
「そういうものだろうか……」
「君の前では明るくいたいというハルなりのプライドがあるみたいです」
「そんなこと気にしなくていいのに……」
「それはごもっともなんですが……。まあとにかく、今君が行っても逆効果だと思うんで」
「そうか……。じゃあ頼んだ」
「お任せください」
紅野はしっかりと頷いて体育館を出ていく。後ろの方に座っていてよかった。
それはそうと、俺は講演に意識を戻す。なるほど、春輝が抜け出したくなるのも納得の、なんとも言えないくだらない話だ。
世界は美しいのか。この問いはどうやら精神的なことを言っているようで、今度は性善説の話になっている。
しっかしそうだとしたら答えは分かりきってるんだよな……。
戦争、裏金、殺人事件、増税、米不足。これだけのことが起こっているのにどうして世界は美しいと言えるのだろうか。いや、俺は絶対に言えない。
それにもし仮に世界が美しかったら、姉さんは死なずに済んだはずだ。あの人は俺たち双子を、世界の闇から守って死んだのだから。
ああ、最悪の気分だ。世界が美しいだなんて、反吐が出る。春輝が抜け出したくなる気持ちがよくわかる。
まあいい。どうせあとで感想を書かねばならないのだから、適当に聞き流しつつ感想は定型分で書くことにする。
(おわり)
2025.6.10《美しい》
やっぱめちゃくちゃだ……消そうかな……
よく目にするし、意味も遣い方も解っていて語感も良い。なのに声に出して言うのはなんてゆーか…照れくさい言葉。
#美しい
きっと美しいのだと思う。彼女は。
男子達が話しているのを聞いたことがある。
所謂、高嶺の花というやつだ。
触れてみたいと時々思う。同時に、触れれば壊れそうとも。
そして、この手で壊してみたいとも思う。
美しく散ったのは、春の桜で、潔く諦めたのは、冬の僕だった。今でも時より夢を見る。
美しい君の隣を僕が歩いて、そうっと手を繋ぐ。緩やかにカールした黒髪の隙間から僕を見る笑った顔。
あるはずもない妄想だけが上手くなってゆく。
僕は散った桜より、往生際が悪かった。
/美しい
「────美しい」
ナンパしようと思った訳では無い。
彼は本当に、他に形容する語彙が無い己が憎い程に、美しい。
「──それは、俺に言ったのか?」
聞き慣れてきた言葉の筈なのに、ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしている。
あぁ、そんな表情もまた、美しいなんて。
ずるい人だ。
美しい
美しいとは“自分の心がときめいたもの”の事。
美しい。
この美しい世界を、あなたと見ていたい。
悲しいときも、嬉しいときも、笑顔で。
ずっと、見ていたい。。
この先、闇の中に入ってもあなたの声を聴き
あなたを信じ、闇の中を抜けたい。
光さえあれば、生きていける。
ずっと、あなたと共にこの美しい世界で。。