『美しい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝日の出は美しい。前まで朝日の出をみると野球の練習が始まる合図みたいで嫌だった。しかし野球をしなくなってから見ると、朝の空と混ざっているのが綺麗だから美しいと感じるようになった。
美しい
夕方、西に向かって車の運転している…沈みかけた夕陽に、ふわりと浮かんだ雲が、優しく彩付いて、渋滞のイライラが、あっと言う間に消えて…バックミラー越しに見える空は、青から少しづつ蒼く夜の帳に変わっていた…道の先には、建物や街路樹が、影絵のように、並んでいる…刻々と移ろう夕陽、車のライト、長く伸びる様々な影…昼間とは違う風景に、疲れた躰に、何かが染みてくる…
割れて
こぼれて
削れて
落ちる
崩れて
とけて
散って
輝く
そこはかとなく冷えて
このうえなくかたい
美しいいしよ
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►美しい
穿ちたい程
雪の降る季節になると必ず思い出すことがある。
それは記憶の片隅から、脳に張り巡らされた電子回路をたどって、目蓋の裏のスクリーンに写し出される。そんな風に、忘れられない、はっきりとした思い出なのだ。その記憶の話を勝手ながらここで話させてもらおうと思う。小学5年生ぐらいだった私はその年、学校内でひどいいじめを受け続けていた。内面から腐りきったような、人の顔色をうかがって自分の面の皮をとっかえながら生きているような、そんな聞いただけでも嗚咽と怒号が止まらないような、とにかく気のおかしくなるような奴と友達になってしまった。「なってしまった」と言っても、「いつのまにか取り付かれていた」と言った方が正しいのかも知れない。ただ僕はそいつに遊び道具のようにいじめられていた。ブラック企業のように、私が怒ると急に味方になったり、優しくなったりして、私は完全にそいつの手の下で操られていた。日に日に心と身体の傷も増え、心配してくれる仲間のことも、なんだかその心優しい天使達が、毎日を幸せに生きているように思えてきて、段々憎んでしまうようになっていった。また、そんな自分も嫌いで仕方なかった。ある日の憂鬱な目覚め。「もう生きていたくない。」そう呟いた枕元への静かな囁き。そのときに産まれて初めてそんな言葉を口に出したと思う。自分でも口から流れるように無意識に出てきた言葉に驚き、涙が止まらなくなった。そのとき一階から母親の「ドヴォルザークの行進曲8番」とも、「ショパンのノクターン第2番」とも似た母親の「朝よー、起きなさい。」という優しい、聖母マリアのような奥深い包むような響きが僕の胸を奮い立たせた。そんな単純な一言でさえも、ものすごい味方が着いてくれたようで嬉しかったのだ。窓から見える外はこの世の色が全て抜けおち、水になり川にながされていったかのような真白い雪があたり一面を覆い尽くしていた。私は急いで下に降りて、目が赤く腫れ上がっているのを、「目が痛いほど痒い」と言って誤魔化し、朝食を口に含んだ。食べている途中、温かい朝食の有り難さと優しさに泣きそうになったが、気にしないようにして茶碗で顔を隠しながら食べ続けた。また憂鬱な1日がここから始まる。嫌でしかたがなかった。どんな表現の仕方があったとしても、結局は嫌だとしか表現に出来ない事が辛くて、気が遠くなるほどとてつもなく最悪な気分だった。どうこう言ってもしょうがないので、せめてなるべくそいつと顔を会わせないようにしようと私は早く家を出る事にした。上下繋ぎのスキーウェアを着て、暖かい帽子と手袋を身に付け、私は重いランドセルのきしむ音と共に外に飛び出した。すると私が今までで一度も見たことのないような、とにかく「美しい」としか表現出来ない細かく舞った「ダイヤモンドダスト」 が私の目に写った。父と母も驚いて飛び出してきて、あまりの美しさに口をあんぐりと開けたままでいた。それを2分ほど見つめたあと、「頑張っていっておいで」とだけ私に言った父の、送り出すのが辛いような儚い笑顔が今でも脳裏によみがえる。私はこの思い出話を書いていてふと思ったことがある。そういえばはっきりと浮かぶこの記憶のどこがこんなにも美しかったのかと。これまでの話の流れからしても、「いやいやダイヤモンドダストだろ。」と思うかも知れない。だが私にはその舞い散る宝石のような雪よりも、父親のしたあの顔の方が美しいと思ったからなのかもしれないと思ったのだ。ふと、我に返りスマホから目を離すと座ってテレビを見ながらカステラを少しずつ口に運んでいる母が見えた。伝えたい気持ちがふつふつと頭に浮かんできたが、照れ臭くて口に出せなかった。まごまごしているうちに母は台所に入ってしまい、タイミングを自分で逃がしてしまった。そんな自分にまた嫌気が差した。
「ダイヤモンドダストの朝」
後書き
長文にも関わらず、最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の話は実話で、エッセイみたいな感じで書きました。まだ走り出しなので違和感のある所も沢山あると思いますが、そこは流してくれれば幸いです。長々と申し訳ございませんでした。
お題 美しい
美しい
この美しさは、作り物じゃないのに
アンチからの視線、
誰かからの陰口
全部そんなの届いてるよ
自分が醜いから、私にそれをぶつけてるんでしょ
私は私のしたいように生きるだけ
そんな言葉になんて屈しない
私の美しさも、美学も
なんだって私の武器
自分一人突き通せないで
あなたは誰を味方にするの?
うやむやな関係なんて捨てちゃえ
自分の心を信じろ
#美しい
美しい世界
美しい言葉
美しい…
本当に美しいもの
全てのことに心を寄せる思い
それを見つめ
耳を傾け
包み込む
そして癒される
美しいものをたくさん見つけたい
美しい世界を築きたい
美しく生きていきたい
可愛いものが好き。美味しいものが好き。
可愛くて、美味しいものはもっと好き。
「あ、新作」
最近、学校の近くにケーキ屋さんができた。
一度も入ったことはないけれど、大きな窓ガラス越しに中のショーケースを見るのが好きで、できてからは毎日通っている。
今日出た新作は、ショートケーキ。真っ白の生クリームに全て覆われた、贅沢なショートケーキ。でも、さすがに窓ガラス越しじゃあ、分かるのはそれくらいだった。
「いちごの周りにも何かあるっぽい……なんだろ、ここからじゃ見えないな……」
うーん、でも、うーん……と、べったり中を覗きこんでいると、扉が開いた音がした。
「君、毎日来てるよね? 中、入らない?」
ショートケーキと同じ、真っ白の服のお姉さんが出てきた。お店の人だ。慌てて、言い訳を考える。
「あの、すみません、その、見てただけで、えっと」
我ながら、言い訳が下手すぎる。
お姉さんは、目を丸くしてクスリと笑った。その笑顔が月のようにとても美しくて、思わず言葉を失う。
「せっかくだから見てないで食べてよ、新作」
「えっでも、お金……」
「あたしの奢り。カヨちゃん、後で払うねー」
と、レジの人に声をかけるお姉さん。カヨちゃんと呼ばれたレジの人は、二つに結んだ髪をぶんぶん振って、全力で拒否していた。
でも、お姉さんはお構いなし。強引に店に引っ張られ、店内飲食用の席に座らされ、新作ケーキを目の前に置かれる。
「どーぞ」
白いクリームに全身覆われたケーキ。いちごの周りは、アラザンとハートのチョコレートが散りばめられていた。
「かわいい……」
口に出してから、あ、とお姉さんを見る。お姉さんは、ただ置かれたケーキをジッと見るだけで、さっきの「かわいい」は気にしていないようだった。
慎重に、ゆっくり、ショートケーキを味わう。生クリームの濃厚さと、アラザンの食感が混ざりあって、不思議な感じ。たまにチョコレートも顔を出す。
「どう?」
「おいしい、です」
「ふふ、でしょ?」
今度からは、見てるだけじゃなくて食べて行ってよ。
お姉さんが微笑む。肩に乗った金髪が滑り落ちて、さながらビーナスのようだった。
お礼を言って、お店を出る。お姉さんは、わざわざ店の外に出て手を振ってくれた。
「また明日ね、少年!」
手を振り返して、僕は駆け出す。
可愛いものが好き。美味しいものが好き。
可愛くて、美味しいものはもっと好きだし、それを作り出す美しい人を、今日好きになった。
『美しい』
日常生活においてあまり使われることのない単語だと思う。綺麗や可愛いと言うことはあっても、美しいとは口にしない。人に対して特に。
絵や写真 文章に景色 メロディーに歌声 ジュエリーに光etc. 美しいと思うものは割とある。けれどあまり声には出さない。
思うに、自分にとってその言葉は特別なものなのだ。簡単に用いるものではなくて、心を動かされたとか奪われたとか そういった時に思わず零れ落ちてしまうように。言い換えたら感情の欠片なのかもしれない。
だから、その特別を自分だけのものに留めておきたくて 寧ろ声も出なくて使わない語句なのかと思い当たった。
美しいものは大切に仕舞いこんでおきたい。そう考えているのかもしれない。
(君の美しさを知っているのは自分だけでいい)
散る花が美しいように
すべてが終わる時美しくいたい
『美しい』
僕は君が美しいと知っている
君が居るだけでいい
どこまで続く青い空に
変わらぬ思いを届けよう
END-名も無き小説家-
飴色に輝くアンティーク。華奢な白樺の椅子。ベッドの脇にあるランプ。木の上にある秘密基地。銀の額縁に彩られた肖像画。銘が打たれたロケットペンダント。みんな暖かい綺麗なもの。
月に照らされた夜の古城。海の脇のマングローブ。蛍ガラスのイヤリング。銀箔が乗った海色の錦玉館。
深い紺色の万年筆。冷たい氷の龍。星空を映した水鏡。みんな凍てつく美しさ。
彫金なされた羅針盤。世界の写し身の地球儀。大海原を渡る白い帆。狐色のホットケーキ。やわらかいテディベア。波に寄せた桜貝。前を見据えた貴方の横顔。一息つける美しさ。綺麗なものは、大事にしまう
見慣れない窓を開けて、
カーテンが揺らめいて、
カーテンの隙間から外の光がさす。
空中に舞うほこりは星のようで、
側から見れば美しい。くしゅん。
【美しい】※フラアサ
美しいといえば、自分のことだ。
そうフランシスが豪語するのはなにも今に始まった話ではなく、十数世紀も前からのこと。
そんなフランシスの隣にずっといたのが、このアーサーという男である。アーサーは実際、フランシスのことを綺麗だと思ったことはあったし、それに憧れすら抱いたことだってある。今は綺麗だと思っていないなどと言えば嘘になってしまう。まあ事実フランシスは自分をよく見せるための努力は惜しまないのだ。
フランシスは稀にではあるがアーサーを褒める。アーサーだけでない。フランシスは人を喜ばせることが好きだ。おそらく自覚はないだろうが、それが自分が喜ぶことにも繋がるわけで、自分の眼鏡にかなったものはなんであろうと口に出して好評価するのだ。
【未完】
美しい
水面に映る月を見ていた
月と夜空
そして淡く咲いている桜
その花びらがひらひらと舞い降りて
水面に絵を描く
美しい風景に
その全てが残像なのだとわかっていながら
恋しさを
愛おしさを
忘れることなど出来はしないのだろう
「美しい」
美しい世界
美しい人
美しい瞳
美しい涙
この世の中は美しいで溢れている
あなたも美しい
美しい人、美しい雰囲気、美しい心、
美しい仕草がある人に凄く惹かれるし、
そういう人のことが羨ましいとも思ってしまう。それは自分がそうでは無いからなのかな…。
いつかは、誰が見てもこの人綺麗だよね。仕草も言葉も品があって美しいよねと言われる人になりたい。
美しいもの
流れるような万年筆の筆跡
鈴の音のように笑う軽やかな声
他の人の見えないところで
さっと助け舟をだす気遣い
雨上がりのきれいに耕された黒土
まだまだいっぱいある
この世界は美しいもので溢れている
まだ見ぬ美しさに出会うことに
意識を向けてみようかな
楽しみがまた一つ増えた
【美しい】
この世には美しいものがたくさんある。
人それぞれ美しいと思うものは違う。
まだ出会えていない美しいものもたくさんある。
自分だけが出会える美しさもある。
そもそも美しいとはなんだろう?
生活していてこんな疑問を思うことはあまりない。
誰に聞いてもバラバラな答えばかりだ。
だから、美しいに正解なんてない。
自分が美しいと思えばそれは美しいのだ。
人に合わせることなんてない。
美しいと思えば意思を曲げることなんてしなくていい。
素直に美しいと言えばいい。
何も恥ずかしいことはない。
だから、自分に正直に生きていることを
私は美しいと思う。
「君は美しいね」
虫けらみたいに踏み潰した彼女の残骸を摘み上げて、辛うじて原型を留めた彼女の顔面を此方に向けてから告げた。
彼女の虚ろな瞳には、もう何も映ってはいなかった。輝きを失ったそれは、どんな闇よりも黒かった。
「美しいよ、君は」
彼女の仲間は、もうとっくに撤退してしまった。此処には、私と彼女しかいない。受け取る先のない言葉が宙を泳いでいる。
私を倒そうとこの洞窟まで潜入して接近戦を始めたものの、あっという間に彼らはいなくなった。主戦力であった彼女の死によって、引かざるを得なくなった。
あぁ……。彼女の勇姿は、美しかった。
彼女の数十、いや、数百倍大きな私に怯むことなく真正面から挑んできたのだ。たった一本の剣だけで。何とも無謀な。しかし、その潔さに、私は感銘を受けた。
戦いの結果、彼女は無惨に散ったのだが。その骸さえ美しかった。
志高き勇敢な戦士の死。
さながら、空高く飛ぼうとやっと羽ばたいたその直後に羽をもがれて墜死した鳥のような。
残酷。
なんて、美しい。
私はそっと彼女を持ち上げ、洞窟の奥のコレクション棚まで運んだ。
丁寧に処理を施して、彼女の骸を透明な小箱に入れた。
それを同じ小箱を置く棚に並べる。
「君たちは美しいね」
数多の骸に向かって、優しい声をかける。
君は、こんな風に死んだね。
君の最期の言葉は、こうだった。
君は死の間際、泣いていたね。
彼女らに思い出を語りかける。言葉を返してはくれないけれど、私はこの行為に満足している。君たちの美しい死骸を、今日も私は愛でる。
美しいものは、私が大事に、大事にしてあげるからね。
美しいなんて言った記憶何も無いな
自然が美しい
この言葉さえが美しく感じる
【美しい】kogi