『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「繊細な花」
作¦布野きょうか
一枚、二枚、三枚、と綿毛のように繊細な離弁花で花占いをしている。やがて雌蕊と雄蕊しかない花と呼べるか不明な物は嫌いを示した。
「そっか良かった。私も嫌いだから」
繊細な花
星の王子さまの薔薇しか浮かばない
冒頭の絵が一番好きで
薔薇を大事にする王子のことは
何度読んでも理解できなかったな。
でも最近、大切な人がいたり
話し相手がいることで
どれだけ元気をもらえるか分かってきた。
高齢者の方が知らない人に話しかけるのも
元気に長生きする知恵みたいなものだなと。
話しかけてくるおじいさん
怖いのは他にやることがなく笑顔を求める人で
嬉しいのは忙しそうにしてる楽しそうな人。
そんなふうに私もなりたい……
夜露で落ちてしまうような
微風で飛んでしまうような
そんな萎らしい私だったら
あなたは目を留めてくれたのでしょうか
/お題「繊細な花」より
繊細な花に愛情をかけた人がいた
儚いものばかりの世の中で
愛だけは離さないと誓ったその人は
優しくて哀しかった
その人は私に教えてくれた
別れることと手放すこと
そこには真の愛があると
その愛は繊細な花のように
脆く美しいものであると
守るべきものに守られて
好きなものに大切なものを奪われて
失って初めて得られるものがあって
愛を求めるほど虚しくなる
答えがほしいことほど矛盾している
そんな世界で
私はいつからか
心から生きられない呪いにかけられていた
でもきっと
その呪いに向き合う人は
なによりこの世界を愛したいと思っている
アイボリーの糸を
そっと編み込んでゆく
春の日の薄靄にも似た
柔らかく優しい 花のドイリー
一目編んで
初恋の人を思い出して
ピコを作って
余白の間合いを図る
また一目編んだら
ゆっくり糸を引っ張って
綺麗な花ができたら
しょきんとハサミを鳴らして
それで もうおしまい
初恋にハサミを入れるような痛みも
冷めた紅茶の渋さが上書きしてくれるから
だから
もう おしまい
糸を仕舞ったなら
夏を孕んだ、熱く湿った風がやってくる
それを待っていない人の部屋にも
お題:繊細な花
一年前のこのお題の時には
宵待草の花を選びましたが
今回は
繊細に編み込まれたレースを
纏ったような
カラスウリの白い花を
宵待草と同じで
日没後に咲き始め
朝日が昇る頃には萎んでしまう
儚い一夜花
花言葉は
「誠実」「男嫌い」だとか…
心惹かれる花です
# 繊細な花
〘繊細な花〙
「花ってさ、脆いよね。」
綿毛を吹きながら独り言のよう言う。吹き先揃わぬまま、彼らは飛んでいった。
「けどさ、雑草は強いじゃん。抜いても抜いても気がついたらいて、図太いっていうか...だから....」
もう一人が冠を編みながら、考える素振りをしてシロツメを摘んだ。
「つまり、花も雑草も変わんないってこと?」
3人目が食べながら口を挟んだ、手は砂糖でベタベタ。どう作ったらそうなるのだか。
「まぁ、多分。綿毛だって存続の手段だから心臓に毛が生えてるレベル。かといって茎とか供給源絶ったらあとは持ち主次第だから、環境破壊されて終わるって意味で儚いってのも的を射てるよね。」
「「分かる〜。」」
何がウケたのかは理解しがたいが、3人は感情を共有し「そういうとこがかわいいんだけどね〜」と言いながら今度はドライフラワーを作り始めた。
傷つきやすくてどんなものにも染まりやすいから、手元に置いてじっくり優しく丁寧に育ててきた繊細な花を、僕から奪おうとしたのは誰?
人のココロは
強がっているように見えても、
実はガラスのように繊細で、
強く触ると粉々に砕け散って無くなってしまう。
そんなココロの花の蕾(つぼみ)。
繊細な花たちよ。
もろくて弱い、
弱さを互いに知ってる、
だからこそ、
分かり合いたい。
ココロの花を枯らさぬように。
キレイに咲かせたい。
大事にしていきたいな。
お題:繊細な花
「繊細な花」
君は繊細な花、ちょっと触ったら崩れてしまいそう。
だから僕はもっともっともっと、君を触って崩していく。
君が崩れたときに僕の花になる、僕はアメ細工みたいに、すぐ崩れてしまいそうな君が好きで好きでたまらない。
崩れていく姿が本当にたまらなく好きだ、
繊細な花
嫌なことがあった。
心が傷つく出来事があった。
そんな中育てられた花は私の心を感じ取ってしまったのか枯れてしまった。
「…ごめんね、綺麗に咲いてたのに」
蕾もあった、まだまだ咲ける筈だった、大事に育てていた、それなのに繊細な花(あなた)は旅立ってしまった。
もう二度と同じ花に会うことは出来ないけれど可愛い子供達から受け取ったあの瞬間は絶対忘れないから。
「【ありがとう】、また来年来てね」
きっとその時はいいニュースを持ってくるから。
向こう側にうっすらと
あざとさを隠し持ち
可憐に咲き誇る
計算高い女性…
嫌いじゃないけどね
#繊細な花
【繊細な花】
あれは確か、その時期にしてはやたらと蒸し暑い頃だっただろうか。休日明け、職場の玄関先の鉢植えの花がくったりと頭を垂れていた。
これはイカン、と慌てて水を遣ったが、「人の手が加わるものはか弱くなるのかなぁ」と思っていた。花弁が重くてたまらないのだと言いたいかの如くしなった茎に、花の繊細さを感じていたのだが――私が仕事に追われている間、草臥れた風情だった花は少しずつ、ゆっくりと体を起こしていたのだ。もちろん完全に元通り、というわけにはいかなかったが、再び空を仰ごうとするその生命力には驚嘆させられた。
繊細な存在だからといって、その命が弱く儚いものではないのだと。ふとした瞬間にそれを知る、日常とは「気づき」の連続なのだと改めて思った。
私の心の中に繊細な花
傷つきやすくてすぐに枯れてしまう
でも再び綺麗な花を咲かせたい
わたしは植物を育てる才能がない
水をあげすぎたり
忘れてしまって
枯らしてしまったりする
繊細な花は特に
3日と持たない
植物を程よく育てられる人を
尊敬するし羨ましい
きっと心配りの出来る人たちなのだろう
「わ! 綺麗ですね!」
青年が家に持ってきたのは一輪の硝子の花。
きらきらとして、光に反射してとても美しい。
「綺麗だよね。持って帰ってくるの大変だったー」
デパートで見つけた硝子細工。
その色合いが、以前彼女に贈ったネックレスの石に近くて、目を惹いたのだ。
土台のしっかりしたグラスに差して食卓に飾ると、恋人は硝子の花と同じくらい、きらきらした瞳でその花を見つめる。
硝子の花は自分たちが好きな水色の艶やかな花だった。
茎も丁寧で、花弁は細かく繊細に造られていて、変にぶつけたら簡単に壊れそうだった。
「今日だけここに飾って、明日はケースに入れて飾ろう」
「はい!」
そんなことを言いつつも、綺麗な月夜には出して見るのもいいかもしれない。
そうやって、ひとつひとつ彼女との思い出が増えるんだな。
青年はくすりと笑った。
おわり
お題:繊細な花
繊細な花
その花びらは
手にのせた瞬間
透けるように白い
砂になる
それは、
とても小さくて、臆病で、
触れると簡単に花びらが散ってしまう。
いや。枯れてしまうという表現が正しいだろうか。
その「花」は、人によって見え方が違う。
形も、色も。
その時時によって全く違うんだ。
そうだなあ。
その繊細な花は、
今日は私から見ると
「タンポポくらいの大きさ」
「色は黄緑色」
「形はしずく型」
心の綺麗な人にしか、
この繊細な花を見ることも、感じとることもできない。
でも「自分の繊細な花」を見ることができた貴方は、
「相手の繊細な花」を見て感じとることができる。
繊細な花は、あなたの心に宿るもの。
#5 繊細な花
詩(テーマ)
『繊細な花』
せんさいなハラっすかー
牛乳飲んだら
必ずピ~、シャ~っす
繊細な腹なもんで
すぐに下痢
え?
違う?
せんさいなハナっすかー
年中、花粉で
鼻水ズルズル、ズルッす
繊細な鼻なもんで
真っ赤です
え?
違う?
繊細な花っすかー
そう言う、ことっす
たちまちシュン、ショボショボ
弱っちぃヤツっす
でも
好きっす
いろいろと考える
優しいってことっす
それってめちゃ強いから
受け止めちゃうのかも?
だから
おれっす
おれが
いまーす!
繊細な花と見せかけて
名もないような雑草で
踏まれても蹴られてもどこまでも這い上がれる
そんな人に 私はなりたい