『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
繊細な花
僕は昔から生き物を育てるのが苦手だった。
毎日水をあげる事を忘れてしまう。
小学3年生の時ホウセンカを育てる宿題が出た。
もともと水をあげるのを忘れがちだった。
そしてトドメの1週間の旅行。
帰ってきた時には枯れていた。
ホウセンカは多分他の花よりも
多く水が必要だったはずだ。
花に心があるかはわからない。
でも僕は悲しかった。
水をあげるのを忘れてしまうけれど
やっぱり悲しかったんだ。
僕は生き物は育てられない。
責任がとれないなら育てちゃダメだ。
繊細な花。少し触れただけで散ってしまいそうな、崩れてしまいそうな花。私はその花が大好きだ。だからいつも触れずに見ていた。
その花は今日、散ってしまった
硝子でできた繊細な花。
窓辺の陽射しを受けて複雑な影を落としている。
毎日眺めて楽しんでいたのに、ある日落として割ってしまった。
粉々になった硝子の破片。
あの頃の日々が蘇る。
ごめんね。
こんなこと言っても元には戻らないのだけれど。
ごめんね。
繊細な花
心のような
泥水で汚れて枯れそうな
だけど太陽のようなあなたの笑顔で大きく花が咲く
愛でていたい
大切に愛でていたいな
うっかり誰かが摘み取らないように願う
なくなると寂しい
あると、ほっこり心温かくなるよ
いつまでも咲いていてくれ
繊細な花
花に例えると
繊細な花
しんどすぎるほど
人間関係に
過敏で
気にしすぎ
分かっているだけに
生きにくい性格
なな🐶
2024年6月25日1582
せ、繊細な花ですか、?
繊細…えっと、意味わからんぐらい当たり判定ちっちゃいゲームの花とか、?
―繊細な花―
繊細な花を美しいと思った
過酷な環境下でも健気に咲き誇る姿に
魅了されていた
今でも、繊細で微妙なものは全て
美しいと思う
ただ、美しいものを美しいと
思えなくなってしまった
それはきっと心が穢れ、
視界も酷く濁ってしまったせいだ
彼は繊細な人だ
鉄壁なような部分を持ちながら
隙間を見せた時に
私が守ってあげるよ
世界中を敵に回ったら
私だけに見せてくれたから
私がいつも通る大好きな道には繊細な花が咲いていた。
いいことがあった日、辛くて泣いた日、逃げ出したくなった日、いつもそこには人の心のように繊細で綺麗な花が咲いていた。
触れてしまえば壊れてしまう。
枯れてしまうようなそんな花だった。
ある日友達が言ったの
「この花は1度枯れてしまったらもう二度と花を咲かすことは出来ないんだよ。」
私はそんな花を見ているのが好きだった。
でもね、もう二度と繊細で綺麗に咲く花を見ることはできないんだ。
だって、私もう死んじゃったんだもん。
繊細な花はまるで私のように二度と花を咲かすことはなかった。
君はとにかく横暴で、ガサツを絵に描いたような
人間だった。
上級生と喧嘩ばかりしているから、日に焼けた顔はいつも擦り傷だらけで、人の心配も笑い飛ばす。
正直君のことは嫌いだった。周囲から優等生といわれて、日々平穏を心がけている私の杞憂を、君は
豪快に丸めて放り投げてしまう。
それなのに中2のとき、私は君と、職場体験で老人ホームに行った。問題児の君と、優等生の私を先生は組み合わせるしかなかったのだ。
流れる汗も乾くような暑い日だった。
老人ホームの中庭を掃除しているとき、いつも乱暴に動く君の手が、ふととまっているのに気がついた。
うだる暑さに目を細めて、植木鉢いっぱいに溢れる真っ赤なハイビスカスを、君はじっと見つめていた。ハイビスカスなんて、別に珍しい花でもないのに。
「俺、小学生のとき、沖縄に住んでいたんだ。」
君の呟きに、私は「そう」とこたえた。君の出自になんて興味がなかった。
でも次の瞬間、その腫れぼったい瞳から流れ落ちるものをみて、私はぎょっとした。
ぽろりぽろりと、海の雫が落ちてゆくみたいに、
君は涙を伝わせていたのだ。人はこんなにも静かに泣けるものなのかと、私は息を呑む思いで見つめることしかできなかった。
結局、それから私たちは終始無言で、特に何事もなく職場体験は終わった。中3になると君とクラスも離れて、涙の理由もわからないまま、あれからもう関わることはなかった。
高校の修学旅行で初めて沖縄に行ったとき、
あの華やかな花たちがお墓にばかり咲いていてたのには驚いた。
ハイビスカスの花びらにそっと浮かぶ朝露は、あの日どうしてか泣いていた、君の涙のようだった。
#99 儚くも肉食
毎日世話する僕さえも
隙あらば取り込もうと
狙っている貪欲な君
温室の外ではすぐに枯れてしまう
儚くて繊細な花なのに__
お題「繊細な花」
花、繊細な花とはなんだろうか、儚い、一瞬で散る花を言うのだろうか、分からない。しかし、花というものは咲く瞬間散る瞬間どちらも美しい。繊細や花とはそういうことだろうか。
風が撫でれば花弁が落ちるほど繊細な花は、いつもショーケースの中にいる。
繊細な花は自分が閉じ込められている理由を知っているし、たまにショーケースを開けて水をくれる人が、自分を大切に扱ってくれているということも分かっていた。
彼は時間が来ると、ショーケースの小窓を開けて、水をくれる。
そして、今日の出来事や思ったことを繊細な花に教えてくれる。
繊細な花はその時間が好きだった。
彼の言葉はいつも優しくて、語る世界は彩りに溢れていた。
このまま続けば良いといつも思うのだ。
彼が部屋を出ることが増えた。
明るくなる前に家を出て、暗くなってから帰ってくる。
表情は活き活きとしているように見えた。
一緒にいる時間は減ったけど、繊細な花はそれでも嬉しかった。
彼が楽しそうに話すのを聞いているのが好きだった。
そのうち、彼が帰るのが遅くなった。
前までは家にいる日もあったのに、最近は毎日朝早くから家を出ていく。
表情は沈んで、しおれているように見えた。
繊細な花は彼が心配だった。
彼は相変わらず繊細な花へ水をくれて、話をしてくれた。
だけど、彼の言葉は少しずつ変わっていった。
トゲついて、ザラついて、語る表情も深刻そうで。
繊細な花はそのことが悲しかった。
ある日、彼は帰ってきても、繊細な花に水をやらなかった。
帰ってくるなり、泥のように眠ってしまって、朝が来ると慌てて出ていった。
繊細な花の花弁が一枚、落ちた。
そんな日がいつしか増えていって、ついに繊細な花の花弁は1枚になった。
命が終わりに近づいている自覚はあったけど、枯れたくないとそう思う。
その日、彼はまだ日が高いうちに帰ってきた。
なんだか清々しい顔をしていて、繊細な花も嬉しかった。
彼は繊細な花に語りかけた。
彼がごめんねとしきりに繰り返すから、謝ることなんてないと伝えたかった。
目を合わせてくれたのは久しぶりだった。
彼とたくさん話すことができて、繊細な花は幸せだった。
彼は最後に「ありがとう」と言うと、銀色に光るものを持った。
尖った方を胸に当てて、笑顔を見せた。
昔の彼に戻ったように見えた。
部屋の真ん中に鮮やかな赤が咲いた。
夕焼けが差し込む部屋で、繊細な花は生きる意味を失った。
繊細な花に水をあげる者はもういない。
そうして部屋の真ん中と隅っこで、一人ずつ枯れていった。
紫陽花はどんな花よりも繊細で美しい花であり続けられる思う。
どんなに美しいとされる桜やバラなんかよりもずっと繊細で美しい。
紫陽花はいくつもの小さな花が集まってその美しさ、繊細さが際立つが紫陽花の小さな花一つが枯れてしまうことでその美しさは小さな枯れた花の醜さへと変わってしまう。
小さな枯れた花を取り除けば紫陽花はまた繊細で綺麗な花に戻る醜さを忘れたように。
紫陽花は他の花より繊細で美しくあり続けられるのだ。
お題「繊細な花」
「わぁ、、きれい」
目の前に広がる百合の花を眺め呟く。
「姉さん見てよ綺麗でしょ?黒百合」
「そうね、確かに綺麗だわ」
そう言うと静かに目を伏せ白百合に手を添える。
「けれど、私は白百合が好きだわ」
「姉さんは本当白百合好きよね」
「えぇ、とても美しくて素敵だもの」
白百合に手を添えたまま口ずけをした。
「私は黒百合の方が好きだな〜」
「あら、確かにあなたにはお似合いよ?黒魅」
「ふふ、白諳姉さんもお似合いよ」
2人の姉妹は微笑み百合を摘んでいく。
何本か摘み終えた2人は並んで帰路に着いた。
玄関には白い花瓶に黒百合。
黒い花瓶に白百合が並んでいる。
椅子に座って姉妹は紅茶を1口啜る。
「綺麗に飾れたわね」
「そうね白諳姉さんの生け方綺麗で参考になるわ」
「ありがとう」
姉妹は微笑み合い百合たちを眺めた。
繊細に鮮やかに咲き誇っている百合が揺れる。
ある村に、10歳を過ぎたくらいの女の子が住んでいました。
早朝から、水汲み、山羊の世話、
家の掃除、食事の準備と
毎日、忙しく、働いていました。
たまに、近所の村人に話しかけられると、ちょっと、微笑んで、会釈をするだけで、
誰も、その子の声を聞いたことがありません。
ただ、時々、庭先の桃色の花に向かって何か口を動かしているのを見るだけでした。
ある時、女の子が家の外で泣いていました。
いつまでも、いつまでも、泣いていました。
いつの間にか、女の子の花は、青く、冷たく、
変わり、微かに震えたように靡きました。
時が経ち、その家から元気な赤ちゃんの声が聞こえるようになりました。
今日も庭先の花は、咲いています。
黄色い花を大きく見開いて‥。
お題:繊細な花
それは、まるでマーガレットのようなその花は、とても細かい硝子細工だった。
俺達はいる、朽ち果てている部屋の中で、唯一朽ちていない、それどころかこのぼろぼろのこの小屋の中にある不釣り合いな真新しい木製のテーブルに、その花は乗っていた。埃が被った分厚いガラスケースの中に、その花はいけられている。ツタの合間から差し込む日の光をうけて、硝子細工の花はキラキラと輝いている。
「まさか、水晶花が存在していたとは」
「ああ、信じられないぜ」
俺たちは注意深く、テーブルの側に近づいた。
水晶花。
それは長い時を経たとあるエルフの手によって生み出された、この世界で一輪しかない花だという、伝説の花だ。
その花を探して、国中の好事家が大金をはたいて探し回っている。
俺たちはそんな好事家に依頼されて探検しているトレジャーハンターのコンビだ。
「持って帰ればとんでもない騒ぎになりそうだな」
「間違いなくな。どれだけの金が俺たちの懐に入るか」
俺たちは顔を見合わせて、にやりと笑う。
もしここが、この花を作ったエルフの小屋だとしたら、それを生み出したエルフの小屋にそっと飾られていたことになる。
俺たちはそれを持って帰ろうと、ガラスケースを持ち上げた。かぶせられていただけなのか、水晶の花が空気に触れる。
そよ、と流れた空気が水晶花の花びらを揺らすと、風に乗ってきらめく光の粒となり、部屋に溶けていった。
俺たちは、呆然とそれを見守った。
花は惹きつけられるもの。
手段だね
手段なのに、きれいだからまんまとはまって繊細なのかな
繊細と思うヒトもどうかとは思うけど…
まぁそんなもんだからネ
他人は
今日のテーマ
《繊細な花》
月下美人という花がある。
1年に一晩だけ咲くという話で有名な花だ。
白く繊細なその花は見た目の優美さもさることながら香りも芳しいのだという。
以前何かの雑談の折りに、名前だけは見聞きしたことがあるけど実際には見たことがないのだと話したことがあったのだが、どうやら友人はそのことを覚えていてくれたらしい。
家で育てているのが今夜あたり咲きそうだから来ないかと誘われて、わたしはこの日、彼女の家を訪れた。
「へえ、月下美人ってサボテンだったんだ」
「うん、元は中南米原産なんだって」
「今夜咲くって本当?」
「たぶんね。夕方から甘い香りがし始めてるから」
去年もそうだったのだと微笑みながら教えてくれる。
幸い明日は休みだし「遅くなるかもしれないから今日は泊まっていきなさい」と彼女の家族からも言ってもらえてる。
うちの親にも「あちらのご迷惑にならないのなら」と許可をもらったので、今日はお泊まりセット持参でお邪魔している。
開花は暗くなってから深夜にかけてになるだろうということで、先に夕飯をご馳走になり、それから彼女と庭先に下りた。
彼女の家族は後から来るらしい。
鉢に近づくにつれ、なるほど、彼女の言う『甘い香り』が漂ってくる。
夕飯をご馳走になっている内に咲き始めていたらどうしようかとそわそわしていたが、幸いまだ蕾のままだ。
そしてその蕾はわたしが思っていたよりも大きなものだった。
「こんなに大きいんだ」
「うん、花は大体20cmくらいかな? もうちょっと大きいかも」
「そうなんだ。甘くていい匂いがするね」
「でしょ。私もこの香り大好きなんだ」
鉢の前にはキャンプ用の椅子とテーブルが用意されていて準備万端だ。
虫除けスプレーもかけてあるし、このままここで開花を待たせてもらうことにする。
テーブルの上にはランタンと保温ポット。
インスタントコーヒーをお供に他愛ない話をしながら、目だけはしっかり鉢に釘付けだ。
程なく、ピンク色のがく弁に包まれた白い蕾が綻び、ふんわりと花弁が開き始める。
香りは一層強くなり、わたし達はその幻想的な光景を目の当たりにして声もなくただただじっと見入った。
月下美人に限らず、花が咲く瞬間を見るのは初めてだ。
わたし達はどちらからともなく手を握り合っていた。
そこから伝わる熱が、この瞬間が夢ではなく現実のものだと教えてくれる。
「綺麗だね」
「うん」
大きな声を出したらいけないような気がして、潜めた声で言うと、彼女もまた同じように囁きに近い声で同意する。
この感動をどう言い表せばいいのか。
思わず握る手に力を込めると、彼女もそれに応えるように手を握り返してくれた。
「月下美人の花言葉って知ってる?」
「えーと……」
声を潜めたまま問われ、わたしはさっきスマホで調べたばかりのそれを思い出そうと記憶を漁る。
たしか『儚い美』とか『儚い恋』とかそういうのだった気がする。
わたしがそれを口にすると、彼女はくすりと笑って頷いた。
「うん、有名なのはその辺りだね。でも私が好きな花言葉はね」
内緒話を打ち明けるように囁かれた花言葉は『秘めた情熱』。
ちらりと盗み見るように彼女の顔を窺えば、そこにはその花言葉にぴったりの眼差し。
夜の風は涼しいくらいなのに、なぜだか頬が火照ってくる。
まるで彼女の眼差しに炙られたみたいに。
優美で繊細な白い花の美しさと、甘く芳しい香りに酔ってしまいそうになりながら、わたしは彼女の手をぎゅっと握りしめた。