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私がいつも通る大好きな道には繊細な花が咲いていた。

いいことがあった日、辛くて泣いた日、逃げ出したくなった日、いつもそこには人の心のように繊細で綺麗な花が咲いていた。
触れてしまえば壊れてしまう。
枯れてしまうようなそんな花だった。
ある日友達が言ったの

「この花は1度枯れてしまったらもう二度と花を咲かすことは出来ないんだよ。」

私はそんな花を見ているのが好きだった。
でもね、もう二度と繊細で綺麗に咲く花を見ることはできないんだ。
だって、私もう死んじゃったんだもん。

繊細な花はまるで私のように二度と花を咲かすことはなかった。

6/26/2023, 10:08:00 AM