『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
水をかけ手をかけ気をかけ声をかけ
育った花を虫が齧った
お題:繊細な花
日が沈むと、山はそれまでとは打って変わって不気味な様相を見せる。夜の山には生きている人間は一人もいない。だが、そんな闇に包まれた山に、人知れず迷い込んだ者たちがいた。
あくる朝、一人の村人が山の中で見慣れない花を見つけた。その花は朝日を浴びて透き通り、不用意に触れればたちまち砕け散ってしまう硝子細工のように無垢な輝きを放っていた。
村人は花を無視して仕事を始めた。村人は知っていた。硝子細工の花の下には、永遠の愛を誓ったいたいけな子供たちが、二人静かに眠っていることを。
(繊細な花)
【繊細な花】
漸く咲いた 可憐な花
大事に育て やっと顔を見せてくれた
可愛い可愛い ボクだけの花
きっと触れたら 壊れてしまうから
穢れないように ガラスケースに仕舞っておこう
外の世界なんて 知らなくて良い
キミの全ては此処
ボクの全ても此処
大切に大切に 愛でてあげるからね
繊細な花は、すぐに枯れてしまう。
繊細だから傷つきやすくて、繊細だから枯れてしまう。
人間もきっと同じなんだと思う。
繊細な人は、すぐに消えてしまう。
繊細だからすぐに傷ついて、繊細だから生きられない。
けど、繊細な花が儚くて美しいように、繊細な人間も美しいのだと思う。
今はそう…思うしかない。
みんな産まれた時は、
心に繊細な花が咲いていると思う。
大抵の人は茎や根が太く、強くなる。
ただ、か細く繊細なままの人もいる。
すぐに枯れたり、折れたり、腐ったり。
誰もが生きやすい、世の中になります様に。
繊細な花。花ってどれも繊細だと思うけどがさつな花ってあるんだろうか。まぁ花っていっぱいあるからがさつな花もあるのかもしれない。
うろ覚えだけどサボテンも花を咲かすんだっけ。サボテンって花の印象ないよな。サボテンといえばまずとげとげな見た目、あとは砂漠にありそうとかそのくらいの印象かね。
サボテンって水をあまりあげなくていいんだっけ。それとも意外と水が必要で手間がかかるんだっけか。どっちか忘れちゃったな。
そういえばサボテンって食べられるんだよな。昔サボテンのステーキをテレビかなにかで見て食べたいと思った記憶がある。どんな味なんだろうな。
サボテンもそうだけどダチョウの卵とか熊の手みたいなあまり食べる機会のない珍味って食べてみたいと常々思っているんだけど食べる機会がないんだよな。
その手の珍味って食べようと思ったら遠出したり高い金を払わないと食べられないからな。そこまでして···となってしまう。
食べたことのあるちょっと珍しいものだと巣蜜くらいか。あまり珍しくもないけど。もっと蜂の子とかくさやとか、あるいはゴールデンカムイに出てくるようなジビエ的なもの食べてみたいわ。
あまり花の話をしなかったけどまぁええやろ。
くるくると 踊るあなたに贈るのは
喜び運ぶ クチナシの花
【繊細な花】短歌
クチナシの花って儚いよねと話していたので儚いのは繊細なのとは違うかな?と思いつつ。
クチナシの花言葉は「とても幸せです」「喜びを運ぶ」。 「とても幸せです」はアメリカのダンスパーティのときに女性に贈る習慣が由来とされているらしい。
花占いより、ずうっと楽しくて美しい遊びをしましょうか。
手を出して、と云われて、素直に従う方もいけないのよ? ほら、もう傷付いた顔をしているじゃない。嫌がってもいいのよ。
お花じゃないのに、植物じみてほっそりとした指を、全部ひろげて不安そうに眉を顰めるあなた。その指の先に、ちょうちょに見立てた私の指先で触れていくの。
花占いより、透明で、残酷なやり方で。
好き、嫌い、好き、嫌い、好き
右手は終わり。ここで終わりにすればいいのにね。分かっていて、どうして手を引っ込めないの? 続けてしまうわよ?
続きから、次は左手。
嫌い、好き、嫌い、好き──
か弱い小指の上に指を止まらせながら、最後のひとつを声には出さず、代わりに蜜のように微笑みかけてあげるだけで、迷子の幼子のように揺れる瞳。
嗚呼、なんていとけなくて、うつくしいの。
指の数なんて決まっているのだから、嫌いから始めればいいのにね。
終わりがこうなると知っていながら、私が最初に好きと口にする瞬間、ほんのり嬉しそうに目元を綻ばせるあなたは、この世でいちばん、儚く繊細なお花。私がなにより好きなお花。
でもそれを告げたら、この戯れは終わってしまうから、まだ言わないの。私はあなたの心に刺さる、唯一の棘でありたいのよ。その代わり、他の何者にも傷付けさせはしないと誓うわ。
たおやかで清らかなあなた。私だけのお花。
(繊細な花)
『繊細な花』
今にも折れそうだけど
しぶとく咲き続けている
こんな細い茎1本で
よく持ちこたえられるな
「繊細な花」
私は貴方が羨ましいのです。
だってそんなに優しくて美しいんだもの。
私は比べて鈍臭いし怒りん坊。
だけどね、分かるんだ。
貴方は人の痛みを理解出来る。優しくお水をあげる。
貴方と触れて、水を飲んで、
人に優しくできる繊細な花を咲かせていきたい。
繊細な花…
よく芽が出て花が咲くって
人の能力を花で表現するけど…
能力が評価さられて
今まで花咲かせるまでに努力したのを
一瞬でもぎ取る人が出てくる
綺麗な花を咲かせないために
僻みなどで…
そういう人達は花で表現すると
どんな汚い花なんだろうか?
むしろ自分より綺麗な花を咲かせたくないから
更に繊細なのかもしれない。
積み重ねたものが一瞬で崩れる。
花も似てる、咲くまで時間かかるのに
散るのは一瞬。
繊細なんだよね。
私は咲いた花を散らせたくない、
繊細なんかになりたくない、
どうやったら強くなれるか、
知りたい。
触ったら崩れ落ちそうな、
脆く危うい繊細な花のような君。
君は優しすぎる。
優しすぎるが故に
自分を犠牲にしてまで人を助ける。
みんなが君を
〝強い〟〝憧れる〟〝かっこいい〟
などと言っていた。
だけど僕は知っている。
君は優しいから誰にも弱みを見せない。
本当の君は〝か弱い〟〝繊細〟
って言葉が似合うくらいな人。
優しいが故に傷つきやすく、
自分より人のことを考えるから
自分の心の傷に気づかない。
そのうち手当ができないくらいの
たくさんの傷を負って、
取り返しがつかなくなるんじゃないか、
君が壊れてしまうんじゃないかと
僕は怖くてたまらない。
だから、僕は君を繊細な花のように
扱い傍で何時でも支えれる人になりたい。
【繊細な花】
#61
夏の夜にあの子は咲いて散ったのだ咲かぬば散らぬと分かっていながら
#jtanka #短歌
ヘリコプター
ビルの屋上に立って空に向かって腕を伸ばす
ほらプロペラの飛行音が聞こえてくる
私のヘリコプターが迎えに来たんだ
迎えに来たんだ
迎えに来たんだ
残念ながらここに神様はいなかったようだ
あるのは瓦礫のような薄暗い町だけ
雲の間からヘリコプターが降りてくる
降りてくる
降りてくる
さっきファーストフードで昼食を食べた
私の好物のチーズバーガーを二つ食べたの
私はヘリコプターに乗って上昇していく
上昇していく
上昇していく
相変わらず空は曇ったままだった
パイロットは無表情で操縦している
飛行音が絶えずリズムを奏でている
バ バ バ バ バ
バ バ バ バ バ
空のどこかには神様がいるかもしれない
どうでもいいことだ
私が向かう場所にそれは必要ないもの。
「繊細な花」
この言葉はまさにあなたのことを表すものだと
私は思った。
「花」より「華」の方がピッタリかも
しれないけれど。
あなたはいつも元気で明るくて誰にでも優しい。
何事にでも挑戦し、突き進んでいくような
印象がある。
でも、本当はとても傷つきやすくて繊細な心を
持ってるのを私は知っている。
あなたは隠し事が下手だから、すぐ分かる。
私があなたのことを好きだっていうのも
あるかもしれない。
誰かに何か嫌なことを言われた時、
あなたの笑顔が少し曇る。
すぐに戻るけれど、無理して笑ってるっていうのが
伝わってくるような笑顔だ。
そして、あなたは私にとっての「花」だ。
あなたが私の世界をカラフルにしてくれた。
あなたがいたから、私が今生きていると言っても
過言じゃない。
私に生きる意味を与えてくれた、そんなあなたを
「花」という言葉で表していいのかは分からない。
でも、いろんなことをひっくるめて、あなたは
「繊細な花」という言葉が合ってると思う。
そんな繊細なあなたに私の想いを打ち明けたら、
絶対に悩むことが分かってるし、あなたのことを
困らせたくないから、この場を借りて言います。
ずっとあなたのことが大好きです
#繊細な花
お花に水をあげましょう。毎日愛を囁きましょう。
そうすると綺麗なお花が咲きますよ。
誰かが言った。
だから僕は水をあげたし、毎日愛を囁いた。
かわいいね。
今日も綺麗だよ。
愛してる。
きみだけだ。
僕は花を愛でているだけなのに、近所の人からはきもちわるいと言われた。
はて。なぜだろうか。
だって誰かが言ったんだ。
綺麗なお花を咲かせるためには必要なことなんだと。
あ、ここ汚れてる。
綺麗に拭いてあげようね。ほうら綺麗になった。
あ、ここも汚れてる。あ、ここも。ああここも。
どうしたのかな。どうしてこんなに汚れているのかな。
僕の愛が足りないの?
毎日同じベットで寝る?
いいよほらおいで。恥ずかしがらないで。
ああなんてかわいいんだ。
愛してる。
……
ガシャンッ
何か凄い物音が聞こえて目が覚めた。
空き巣でも入ったかと飛び起きれば隣には誰もいなかった。
ああ、ああ、なんてこと。
僕が同じベットで寝ようなんて言ったから。
僕のばかばかばか。僕はどうしてこうなんだ。もっとお行儀よく寝ないとだめじゃないか。
ベットの下に落ちている植木鉢を見つめながら僕は泣いた。
#38 繊細な花
#45「繊細な花」
人は心の中に繊細な花を持っている
その花は悪事を働けば黒く醜い花を
その花はいい事に働けば白く綺麗な花を
そして他人を想いやれない人は他人のガラスの花に傷を付ける
ずっとずっと癒えることのない呪いのような傷を
僕はその傷を友達に負わせてしまったらしい
友達は許してくれるかな
言葉は凶器になるってことを意識して
これからを生きてみよう
誰しもが、内側に
ひっそりと咲かせている
「繊細な花」
それを、心と呼ぶ人もいれば
思い出と言う人も、いるだろう。
繊細だから、弱いわけでは無い。
か細く見えても
想像を遥かに超えて、根はしっかりと
しているのだから。
その花は、枯れない。
誰にも奪われない。
そう思えば、自分ももう少し
強くいれるような…気持ちになるのだ。
【お題:繊細な花】
荒廃した大地に降り立った元兵士は、彷徨い歩くように辺りを見渡した。
かつては一面が焼け野原で、そこかしこに敵か仲間か分からない遺体が転がっていた。
今は何もかもがなかったように取り払われ、けれど、確かに傷付いた跡がそこかしこには残っている。未だ固く衰えた地面はまるで死んでいるようにどす黒く、空も澱みが消えないまま灰色に朽ち果てている。
自分は何をしに再びこの地に帰って来たのだろう。兵士に目的はなかった。ただあの戦場から自分だけが生き残ってしまった虚しさと、散っていた仲間の無念を思ったら、自然と足がこの場所へ向かっていたのだ。
しばらく歩くと兵士はぱたりと歩みを止めた。止めた場所には見覚えがあった。ここは戦友が亡くなった場所だった。敵の銃弾からその戦友が、自分を庇ってくれた場所だった。
兵士は両膝を折り、背を丸めて蹲った。胸の内側から苦しいものが込み上げる。苦しいのに吐き出せなくて、兵士はぎりりと奥歯を嚙んだ。
ふわりと、柔らかな風が頬を掠めた。この廃れた大地に吹くにはあまりにも柔らかであたたかな感触に、兵士はつい俯かせていた顔を上げる。
そうして兵士は息を飲んだ。
見上げた視界に映ったのは、一輪の小さな花だった。
黒い地面にたったの一輪。たったの一輪だけ白い小さな花弁が咲き誇っていたのだ。
兵士は無我夢中でその花の元まで駆け寄った。見るからに繊細で、ちょっとでも触れたら折れてしまいそうなほどに細い。
けれど小さな花は雲間から僅かに射し込んだ日の光を受けて、凛と上を向いていた。まるで何ものにも負けてなるものかという、強い意思を主張するかのように。
兵士はその花の前で声を上げて泣いた。
繊細な花の勇敢さと、優しさに、彼の地で亡くなった人々を思い、また自分自身の心もその時だけは許してもいいような気がして。
【繊細な花】
その花は繊細らしい
一度は見てみたい花
昔小さい頃に話してくれたおばあちゃんの話
いつかの頃を思い出すように目を細めるおばあちゃん
そんな顔をさせる花って一体どんな花?
おばあちゃんが見た
繊細な花を私もいつか見てみたい
─────『繊細な花』