『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
その花は美しい。
世界中のどんな花よりも光り輝いている。
その花は繊細ですぐに枯れてしまう。
でも、そんな儚さもまた楽しみの一つである。
お題 繊細な花
少し言葉を間違えると、その花は枯れてしまう。
声に出す音は丁寧に。
嬉しそうな声音で。
雫の代わりに、僕の言葉を。
これだけ頑張って育ててきた。
なのに、大切に紡いできた花が、枯れちゃった。
もっとよく考えてから言えば良かった。
*繊細な花*個人的にめちゃ好きだな。
生まれ変わりたい。
貴方のような繊細な人間に。
美しく、ツヤのある髪の毛。
何本にも重なった細い血管。
生きてるって感じがする。
…ほら。
僕らには…無いからさ。
羨ましいんだよ。
いや、僕たちも生きてるんだけど…
やっぱり人間として生きてみたいよね。
動けないし、呼吸して光合成を行うだけだもん。
…そんなこと考える時点で、ある意味繊細かもね。
ー繊細な花ー
娘は花が好きだ。
道端に花を見るとすぐに駆け寄って、ニコニコしながら眺めるのだ。
今日も幼稚園の帰り、土手を歩いていた時だった。
「うわあ…きれい」
娘の声に顔を向ける。
そこには見たこともないような美しい花が一輪咲き誇っていた。始めてみたはずなのに、どこか懐かしくて。ああ、彼女に似てるんだ、と高校時代のことを思い出した。
美しくて、なんでも出来る正に才色兼備な友人。なのに、いつも自信がなさそうで。彼女の困ったようなその顔が今でも頭から離れない。
大切な友人で、ただ凄く弱くて。少し目を話していた隙に彼女は…
は、と意識が戻る。すると、娘がよたよたと花に寄っていく姿が見えた。ああ、まずい。何がまずいのかなんて分からないけど、ダメだ。彼女と似てる花を、あの時のようにしたくなかった。
「まっ、待って!」
娘は花を手折ろうとしていた。
「駄目…」
娘が、花に手を触れようとした途端、強い風が吹いた。
余りの強さに目を瞑ってしまった。
目を開けると、娘が尻もちをついている。
「大丈夫?!怪我してない?」
娘は珍しく泣き出さなかった。
その様子を不審に思いながらも、駆け足で近寄る。
「おれちゃった」
娘は花を見ていた。
そこには、根本の方から折れている花があった。風圧で折れてしまったのだろう。
「ねえ、これもちかえってもいい?」
「……どうして?もう折れちゃってるよ?」
「いいの。すぐかれちゃうかもしれないけど、おせわする!」
娘が優しい手付きで花の根を取ろうとしていた。
「あの時も、こうしてあげれば良かったのかな」
「まま、どうしたの?……かなしいの?」
「うん…悲しい…」
どうしようもなく悲しかった。
あの時の私に出来なかったことを娘は出来たのだ。
何も出来なかった私が、今更ながらなんとも薄情で、間抜けな存在に思えて。
「ごめん、ごめんね、椿、ごめんなさい……」
娘は、土手に座り込んでしまった私の背中をひたすら撫でてくれた。あったかい手。
花は露を落とした。
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『諦念』
柔らかな
花を踏みしめ
爪先を
未練で飾った
私のネイル
[繊細な花]
『繊細な花』6/25
物事に永遠はないと、
滅びが、終わりがあるから美しいのだと
枯れゆく、有限を思い
咲き誇る、無限を想う
繊細な花
繊細だとよく言われる。
繊細ってなんだろう…
『繊細な花』
世界でひとつの
あなたの花になりたい
お題『繊細な花』
主様と俺はエスポワールの街にある美術館に来ている。以前主様が画集を広げて、実物をご覧になりたいとおっしゃっていた絵画が目的だ。
「すごい……近くで見ると絵の具がゴツゴツしているのね」
10歳にして初めての美術館だ。鑑賞の仕方は人それぞれではあるけれど、少しだけ助言を差し上げることにした。
「主様、近くで観るより少し離れた方が全体を楽しめますよ」
すると、どうだろうか。主様は、ごくごく小さなお声で「ひゃあ」と感動の声を上げた。
「すごい、フェネス。このお花の絵、本で見たもしゃの絵よりもずっとせん細だと思うの」
瞳をきらきらと輝かせながら一枚一枚を丁寧にご覧になっていく。
しかし、芸術鑑賞は自分が思う以上にエネルギーを使う。それは主様も例外ではなく、目的の絵画にたどり着く前にお腹がキュルリと鳴っているのが聞こえてきた。
「主様、ここの美術館にはカフェもございますよ。よろしければ少しご休憩されてはいかがでしょうか?」
俺の提案に主様の目はもっと輝きを放ち始めた。
最初の花の絵画を繊細だと感動していらしたけれど、芸術よりもまだまだ甘いものの方がお好きなご様子だ。
前の主様がいらした、あちらの世界で言うところの『花より団子』なのかもしれない。
花を育てる時、みんなはどうしてる?
時間帯関係なく水をあげている?
逆に常に水をあげている?
日差しの強い日光に常にあててる?
逆に室内でカーテンも閉めっぱなしにしてる?
花だって生き物で、ただ声があげれないだけ。
本当は今は水はいらない、って根腐れしてない?
本当はもっと水がほしい、って萎れてない?
実は花だって訴えているんだよ。
僕の好きな花は、去年咲かなかった。
こんなに愛を注いでいたのに、なんでだろう。
与えすぎるのもよくないらしい。
僕の好きな花は、今年は綺麗に咲いた。
色んな情報を見て、駆使してみた成果だろう。
繊細な花は、適当では咲かないらしい。
僕の好きな花は、来年も咲いてくれるかな。
【繊細な花】
君はこの世でたった1輪の繊細な花だ
君は脳に障がいを抱えながらも、色々なことに挑戦して、思い通りに動かない体を無理やり動かして、その細い腕で、足で、体で、色々なことをしていたね。
君が苦手とする細かい作業
それでも君は苦手な物があるのは嫌だから、そう言って何度も何度も繰り返して、出来なくても投げ出そうともしたけれど、最後には僕より上手に出来ていたね…
そんな君に聞いたことがあったね、
「なんで、君はそんなに頑張れるの?」
君は普通とは違うのに…どこからそんなやる気が出てくるのかな。
「んーまぁ、障がいがあるからって諦めるのは違うと思うし、それよりもそれで諦めるのだけはしたくないよね、それに、この世には色々なことがあるのに出来ないで死ぬのも勿体ないじゃん?それがさ苦手なことでも得意なことでも、出来るようになるのは楽しいからさ、」
あぁ、この考えがこの世に広まればどれほど平和な世界になるのであろうか。
差別かもしれないけど、日本人では珍しい考えだとも思ってしまった。
「それにさ、障がいがあるってだけじゃん?確かに他の人とは違うと思うよ。身体的な意味でもね、でも、挑戦できる環境をみんなが作ってくれるから、1人だったらきっとやらなかったと思う。でも、運動とか、芸術とか、見てる人も、勇気づけられたりするでしょ?それって誰でも出来るって思うんだよね」
「そうだね、君は凄いよ」
「それは、障がいを持っていてもここまでするからって意味?」
「んーん、障がいがあってもなくても君はきっと色々なことに挑戦したと思う。だから、凄いと思う。」
今、生きづらい世の中になって、なんでも差別だ。ジェンダーだって、うるさくて、理解があることは大切だけど、ここまで敏感になられると嫌になってくる世の中だけど…
そんな世の中に君のような人がいることがすごく嬉しくて、誇らしい。
君は繊細な花のようだけど、色んな可能性を秘めていて、それでも力強くて、比べる訳では無いけれど、僕の目には…
君がこの世で1番綺麗な花に見えるだろう
練り切りに描かれていく繊細な花。
和菓子職人の知恵と技術で、
お茶会に華か添えられる。
釜から出るお湯の音を聞きながら、
口いっぱいに広がる練り切りの甘さを感じてお茶を飲む。
日常を忘れられる贅沢な一服。
【繊細な花】
芯や筋肉はしっかりしているので蘇るたびに鮮やかに美しく映るもの。
でも消える時は一瞬。
繊細な花ってなんだろうサンカヨウとか月下美人とか?
まあ人間基準でいえば花なんてみんな繊細で脆弱だよね。人間の繊細なんて鼻で笑える
その人は繊細だった
花のように
触れたら壊れてしまいそうで
そのまま消えてしまいそうで
触れられない
手を前に出しても躊躇って
手を引っ込める
それの繰り返し
繊細な花が
いや、女の子が
壊れないように
周りから守る
其れが傍にいた僕の役目だった
# 44
【繊細な花】
ガラスで形作られた美しい薔薇の花。薄氷のような花びらも、葉に浮き出た細い葉脈も、指先で触れただけで壊れてしまいそうなほどだった。君が最期に生み出したその花に、幾重にも守護の魔法をかける。砕けることのないように、奪われることのないように。
君が自分の作品を、自らの産んだ子供のように愛していたことは知っている。世界中の人々に自分の作品が鑑賞され、賞賛されることを、君が至上の喜びとしていたことも。
それでも僕は、この花が誰かの目に触れることを許せない。君が最期に生み出した、美しくも繊細な花。君と僕が出会った庭園に咲き誇っていた薔薇の花を模って造られた、君の遺作。
拙い独占欲を、自分自身で制御できない。君との想い出を自分の手元だけに留めておきたいと、愚かな僕は願ってしまう。
(ワガママで、ごめん)
泣きたい気持ちで囁いて、仕上げに認識阻害の魔法をかけた。これでもうこの透明な花は、永遠に僕だけのもの。僕にしか見えない繊細な花のその割れてしまいそうに薄い花弁に、優しいキスをそっと落とした。
繊細な花だと言われるのは心外
感じやすく 傷つきやすいのは
本来いるべき場所にいないから
わずかな変化 わずかな刺激にも
たちまち弱ってしまう
自分らしくいられなくて
少しずつ 何かしら無理をしながら
わたしに合う場所にいられたら
傷つくことなんか恐れず
ずっとのびのびタフになる
花とすら認識されないくらいに
「繊細な花」
#146
テーマ:繊細な花 #224
俺はどこにでもいるただの警備員だ。
今日警備に当てられた作品はら
硝子でできた繊細な花だった。
どこにでもいるただの警備員の俺に
なぜこんな重要な役目を任せられたのか、
自分にもよくわからない。
人手不足なのだろうか……。
最近ある怪盗が、
この街の宝を次々に奪っているらしい。
怪盗といっているがやっていることは盗賊と同じ。
今回の狙いはこの繊細な花らしいが……。
怪盗は少々手荒なこともあるだろう。
こんなに壊れやすい硝子の花を奪えるわけがない。
そんなことを思っていた。
予告状が来ていたらしく、
その予定時間周辺になると
警備の目が一層強くなる。
そんなにやばいやつなのか?
俺はそんなことを思いながらいつも通り警備をしていた。
が、その時ーー
月下美人ってご存知ですか?
あれって育てるの難しいんですかね?
一晩だけ咲くんですかね?
とっても繊細な花だと聞いたんですが
うちの実家のリビングで
どしどし咲くのはいったい
胡蝶蘭も毎年株分けしたりすると
もりもり咲くんですが
うちのリビングが怖い
触れるのを躊躇う
そこに咲いて
そこに生きる
その息吹が
酷く美しいから