『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
真っ白な紙に真っ直ぐに線を引く。特に終わりは決めていないからずっと飽きるまで、たまに折り返しながら書き続ける。
ふと気づいたら部屋に西日が差していて、顔を上げたら橙と赤が溶けて混ざりあいながら沈みかけていた。
少し熱中しすぎていたらしい。別に熱中するほどのことなんて何もないのにおかしなものだ。
握りしめていたペンをおいて、改めて紙を見下ろす。
真っ直ぐな線のはずがいつのまにかズレていってぐちゃぐちゃになっている。始まりも終わりもどこなのか分からないくらい、白い紙は黒いインクで埋め尽くされていた。
なんだか今の自分の心境をそのまま映したかのようで見ていられない。力任せに破いて破いて破いて、全てを一纏めにして欠片一つ残さずゴミ箱に捨てた。
些細な出来事をきっかけに捻れて終点すら見失った惨めな自分なんてこうあるべきなんだ。
ゴミ箱の中で影に沈む紙切れをみて一人自嘲する。
次の日燃えるゴミの回収日はいつだっただろうか。はやく燃えて消えてしまえばいいのに。ついでに自分も、消えてしまえば、なんて。
「…くだらない」
【題:終点】
小学生の頃。駅前にホテルが建った。
ターミナルホテル
アーバンなビルディングでとってもスタイリッシュ!
都会的な外観がかっこいい。
なにより「ターミナルホテル」の響きが小学生の琴線に触れた。
ターミナルホテルでお誕生日会を開いてもらった友達は羨望の的だったし、ターミナルホテルで子供会のお食事会があった時は小躍りした。
中学生になった。
英語の先生が「ターミナルというのは終着駅という意味です。色々な駅前にターミナルを冠する建物がありますが、あれは終点でもないのに終着駅を自称してるんですよ。それに“末期”や“終末”の意味もあります」と笑った。
ショックだった。カルチャーショック以上のショックだった。私の中の「ターミナルホテル」のイメージはガラガラと崩れ落ちた。
アーバンでスタイリッシュなターミナルホテルが終着駅のホテルだったとは!
その日からターミナルホテルはなんとなく薄暗く、翳りを帯びていた。イメージは完全に終着駅シリーズ。
あれから数十年。
ターミナルホテルはますます薄暗くなっていき、目に見えて寂れていった。インバウンドで少し海外からの客が増えたように見えたが、それも一瞬のことだった。
今も駅前にそびえるその建物は「アパホテル」の看板を掲げている。
ターミナルホテルはホテルのターミナルだったんだなあ、と見上げる度に思う。
あ、ここまで
悪くない人生だった
「人生とは死ぬまでの暇つぶしだ」
なんてことを言う人がいたけど、ほんとにその通りだ
暇つぶしというには破天荒で
暇つぶしというには満ち足りた
暇つぶしというには積年の
そんな道のり
今は後悔もあるけれど知らん
後のこと?生きてるやつに任せるさ
…おいおい、待っててくれたのか?
今行くよ
「冷たいのにそんな顔して笑うんだね。おじいちゃん
...お疲れ様でした。」
#終点
私の夢と私をのせて走る列車。座席は赤のベルベット、窓枠がしっとりしているのは、さっき小雨が降ったから。
外は満天の星空、夜はホームシックになって胸が掻きむしられる。ブランケットが命綱だ。
大丈夫、もうすぐ終点。
気に入りの傘、カバン、帽子も忘れちゃいけない。
幸せだった今までの思い出を抱きしめて出口に立つ。ほら、私の終点だ。
#50【終点】
どこまで行けば
どれだけ待てば
その心に近づけるのだろう。
そんなことを考えながら
歩くこの時間の中
終わりの見えないカンケイを
本当は崩したくてたまらない。
終点についた。恋の終点に着いた。もう終わりなんだ。
今まで歩いてきたレールを見て振り返る。あんなことあったな。こんなこともあったな。楽しい思い出もあるけど、同じくらい後悔もある。どうしてあの時、チャンスを逃したのかな。どうして伝えたい気持ちを飲み込んでしまったのかな。過ぎ去ったことは、戻らないんだ。もしきみ以上の人と出会えるなら、運命があるなら、好きだって伝えたい__
終点
人は死んだら終わりだと言う。
しかし、死の先には新しい始まりが待ち受けるだけで
肉体の無い生がある。
人生の終点ではあれど、自分という本当の意識の出発点である。
なにも知らない人間は死んだ後に苦労する。
知らないがゆえに、真実を知り困惑する。
知っている者にとって、死は悲しみではなく
次の冒険に行くための楽しい行事なのだ。
しかし、自ら命を絶つものは死んだ後のほうが苦しむ。
魂に終点は無い。
だからこそ冒険は楽しい。
終点
しとしとと雨が降る一番線のホーム。学校帰りの学生が大勢、下り列車に乗り込んだ。
傘を手すりに掛け、一番端の席に座る。今日は座れてラッキーだ。
この電車で終点まで行けば君の最寄り駅。
ふとした瞬間にそう思ってしまう。何かにつけて君を想うんだから…、気持ち悪いって思われたらどうしよう。
君が友達と話しているの、聞こえちゃって知ったんだ。話しかける勇気もないけれど…、同じ方面に住んでるのは嬉しかったな。この電車に、君が乗ってるって思うだけで、胸がほっこりするの。
膝に乗せた鞄に、顔を埋める。
このまま終点まで寝ちゃったら、君と会えるかな…?
終点の失恋駅までもう少し。
そんなこと思い水がこぼれる。
実はそこは、両思いの駅だとも知らずに、
最終列車終点です…終点です…
喜びも悲しみも行く年月…
終点駅は始発駅…
終わりの始まり
再始発…
故郷へ向かう最終に
乗れる人は急ぎなさいと…
街に町に挨拶を…
故郷…勇気の乗車券…
ありがとう
NO SIDE🍀
……
ジョホール・バルの歓喜…
中島みゆきさんの歌が流れてた…
現地の人が日本に出稼ぎに来たときに
中島みゆきさんが浸透したらしい…
なでしこがんばれー💥👊😃
ミー撫子!!フレーフレー日本晴!!
《お題は終点。》
ここはどこだと問えば、いのちの《終点》。
どうりでいつもの疲れがないのね。
寂しいけれど、どこか解放感のある、いのちの終点。
どこか安心する、いのちの終点。
終点ってほんとに終わりなのかな…
誰かが言った。
終点って終わりって書くんだから終わりだろ
でもさ、それで本当に終わりなのかな…
何が言いたいんだか…
だって人生が終わる時、それは死ぬ時?それを終点って言える?
その先がないって絶対に言い切れる?
終点、綺麗な言葉だなと思う。でも、終わって欲しくない。そんな自分いる。
終わりがないなんてことは絶対にない
どこかで必ず終点はくる。
貴方の終点は何処ですか?
テーマ:終点 #270
青春の終点の駅は涙の海。
紅葉の森から
苦労の山を乗り越え
滝の岬をくぐり抜けた。
そんな青春の旅の最後は
美しい涙で終わりたい。
笑顔なのもいいけど
涙が出るのはそれだけその場所に
想い出がある事だから。
暑い日が続いていた。辰巳は2Lのペットボトルを逆さにして、中に入っていたスポーツドリンクを最後の一滴まで喉に流し込んだ。
現場仕事は撤収が早いぶん仕事を始めるのも早い。だが、最近の夏は朝から夜まで一日中ずっと暑いままだな、と辰巳は日陰で休憩をとりながら思った。
日干しになったミミズが土の上で伸びている。土が温まってしまったために地上へ出てきたものの、外はもっと暑い。殺人的な日差しにあっという間に体内の水分を取られ、そのまま干からびたのだ。辰巳は少し同情した。
自分も若いときはそうだった。ままならない環境やうまくいかない人生に苛立ち、故郷を飛び出して都会でその日暮らしのような仕事を転々とした。
ここを出たら前よりはマシだろう、そういう希望を抱いて様々な場所へ、界隈へと飛び込んだが、結局どこも似たりよったりで、孤独と持て余した苛立ちは募るばかりだった。
あの頃から考えれば、今の自分はなんとも平穏な生活ではないか、と辰巳は思った。
タバコも金がかさむからやめたし、酒もほどほどにしか飲まない。パチンコにすら長らく行っていない。心身ともにそこそこ健全で健康な暮らしをしている。
あの頃から考えれば。
ある日、なけなしの金で飲んだ帰りにそのへんのヤンキー崩れのような輩数人に絡まれ、近くの路上で小競り合いになった。
当然、多勢に無勢で一人きりの辰巳は彼らに殴られ蹴られてアスファルトの上で横になることになった。
路上で伸びているミミズよろしく、辰巳は電信柱に背をもたせかけて、吐き気と痛みをやり過ごしていた。
「あの。大丈夫ですか?」
そう声をかけてきたやつがいた。ヤンキー崩れに絡まれたとはいえ、そのヤンキー崩れたちよりチンピラ風情のある格好をして倒れていた酔っぱらいに声をかけてきた女がいた…。
ピリリリ、と携帯が鳴り、辰巳は物思いから現実へと引き戻される。
発信は梨花からだった。
「瑞希が熱を出しちゃったのよ。大したことはないと思うけど。今日はどれくらいで帰れる?」
「ああ…、わかった。今日は昨日よりは早くなると思う。あとでもう一回連絡するよ。」
答えて別れを告げ、電話を切った。
まさか自分のような人間がこんな暮らしができるとは思いもしなかったな、と考えた。
もう一度地面に目をやると、ミミズの姿はもうなかった。どうやら、完全に死んではいなかったようで、どこかへ這って逃げたらしい。
俺もまだここが終点じゃないな。
ペットボトルをカバンに投げ入れ、辰巳は仕事に戻っていった。
今歩いているこの道は、どこに続いているのだろう。
モラトリアムにありがちな、ベタなことをふと考える。
終点、というものが明確にあるのならどんなところなんだろう。
誰もいない古びた無人駅?
開通式のように華やかな駅?
どこであれ、
「あぁ、ここが私の終点だ」
と胸を撫で下ろして降りられるように、
今を生きていたいなと思う。
ベタなことを考える自分が結構好きだ。
案外いつも使ってるこの駅に行き着くのかもしれない、と蒸し暑いホームに降り立った。
今はまだ、ここも終点じゃない。
『終点』
「終点」
終点というと、
寂しかったり
悲しかったり
もうおわり だと思ってる?
終点駅というのは
電車でいうと始発駅でしょう。
段々と混んでゆく朝の
ギュウギュウ詰めの通勤列車なら
必ず座って通勤できるってわけ
つまり おわりは始まりになれる
だからあなたに伝えたい
絶望する必要なんてないってこと
「終点」
電車が発車します。
お母さんの大きなお腹から産まれてきた君
幼稚園でお友達が沢山できた君
小学校に初めてランドセルを背負って
楽しそうに歩いていく君
中学校で部活勉強テスト色んなことに
ぶつかって、それでも挫けず挑戦し続ける素敵な君
高校生、仲間の別れや人を愛すということを知った君
そして、大人になった君
しかし人生には終わりがある
おじいちゃんおばあちゃんになる時が来る
君がおじいちゃん、おばあちゃんになった頃に必ず聞こえてくる音がある。
「次は終点、終点」と。
最近よく考える。
昔あった辛いこと
忘れられない出来事
そう思いながら終点に向かって一生懸命走っている
ただ今も尚亡くしてしまった大事なものを
想いだしては涙が止まらない
二度と手に入らないのはわかっているのに恋しくて仕方がない⋯
上手くいかなくたっていい
「失敗したっていい。まずは挑戦するところからだ」
そうだ。動き出さなければ始まらない。
手持ちのピースをかき集め、より分け、頭の中に大まかな設計図を組み立てる。できるだけあるもので、どうしても足りないものは行きつけの店に買いに走る。360度の完成形を思い描きつつ、あとはひたすら手を動かしていく。積む。重ねる。並べる。俯瞰する。資料画像と見比べて修正を重ねる。
「は? レゴで首里城作った? バカじゃないの?」
蝶よ花よ
「あんた、いうほどかわいくないから」
殴られたような衝撃が私を襲った。
「パパもママもレナのことかわいいって、 にいさんたちもてんしーとかようせいみたいーっていうよ!?」
「そういうの『おやのよくめ』っていうんだよ」
親の……欲目……!
「レナかわいくなかったんだ」
「ふつう。ちゅうのじょう」
中の上かぁ。リアルだなぁ。
「まおちゃんとともだちになれてよかったよ」
「ふーん。あたしも」
親友のおかげで現実を知った日。
終点の駅で降りるあの子は、どんな顔をしているのだろう。