『窓越しに見えるのは』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
窓の鍵
被った夕日
林檎かな
空泳ぐ
白鯨ゆったり
窓の外
オーシャンビューの朝日、
なんとも希望に満ちていたなぁ
海面はキラキラ光り、
夜には気づかなかった
海の向こう側にある街並み
なんていい朝だ!と隣を見たら
いびきをガーガーかく貴方
なんなら、貴方と一緒に起きて
このオーシャンビューの輝きを浴びたかったよ
私も、二度寝しよう
朝日が眩しいから
貴方の胸に潜り込んで
私達が起きる頃には
窓より上に太陽は昇っているはずだ
【窓越しに見えるのは】
自動車通勤をしているので、窓越しに見えるものはたくさんある。その中で一番驚いたのは、ワイパーの根元付近で座り込んでいたアマガエルだ。気づいた時は道幅にゆとりのない下り坂だったし、停車できたとしてもそもそもカエルには触れないし――と考えている内に会社に着いてしまった。
結局どうすることもできずにそのまま仕事に行き、帰路につく頃にはさすがにいなくなっていたのだが、カエルにとっては思わぬ引っ越しになっただろう。この時期になると、フロントガラスの向こうで喉を膨らませていた彼の姿を思い出す。
窓越しに見えるのは父の作った庭。
実家の猫は14年、この庭を眺めて死んだ。
私は外に出られない間、恨めしくこの庭を見ていた。
木々はどんどん茂っていって、この病んだ家を包んでゆく。
母親が叫ぶ声が近所に響き、パトカーが停まっているのが見えた事もあった。
もうすぐ終わるんだ。
きっとこの家は取り壊されて、庭も更地になる。
始めから何事も起こらなかったかのように。
会社の窓越しに見えるのは
会社の外というのパラダイス
「窓越しに見えるのは」
空が青い。
綺麗な空を見上げて
一人思う。
いつも通りの日常が
今日も訪れるようにと。
穏やかに。和やかに。
生きていけたら幸せね。
窓越しに見えるのは、
今日の自分と明日の自分。
なんのへんてつもない普通の世界
人々が生きて、仕事して、学校行って
そんな世界
僕は今日も
病室のベッドで1日を過ごす
もうなんでもいいから
ここじゃないどこかへ行きたい
窓越しに見えるのは育ってきた街と遠く宮島。
この街を愛して。
お題《窓越しに見えるのは》
窓越しには毎日君が見えるよ。
なんでかなぁ。
でも、今分かったよ。
私が目で追ってただけみたい。
「窓越しに見えたのは」
眠れない夜、窓際に座って、ひたすら外を眺める。
暗闇の中一つの光が頑張って辺りを照らし続けてる。
<どんなに暗い世界でも、希望は必ずあるのさ>
そう聞こえた気がした。
高校の放課後
三階の校舎の窓越しから彼女を眺めてた
どうかこの想いが貴方に伝わりますように
密かな片想い
いま思うと想いが伝わって何が変わると言う訳ではないが、あの当時はその密かな自分だけの想いが何よりも神聖で崇高な事に思えた。
いつか二人で帰れたら、なんて人生は素晴らしいものになるんだろう。
そんな想いで眺めてた
その刹那 あの人がふと窓越しの私を見つけて
目が合った
その全てを見透かした眼差しに私は畏れ慄き
さっと身を隠した
私の妄想が全てがばれてしまったのだ
あぁ 随分と時が経ったがあの人の事は今でも思い出す。
いつも唐突にあの人が夢に出てくるからだ。
その後、色んな女性と知り合って結婚もしたが
今でもあの人の夢をみる
いつもこれからの二人の未来の物語だ
その夢を憶えている日はなぜだかいつも泣きそうになる
そうだ
あの時からだ
そしてこれからも
私の罪の全てを見透かしたあの目に私はこれから一生逃れることはできない
窓越しに見えるのは、
あなたと見たあの景色。
今でも色鮮やかで綺麗だよ。
窓越しに見えるのは
窓越しに見えるのは雨に濡れた紫陽花
窓越しに見えるのは誰かの忘れ物
窓越しに見えるのは佇む刹那
窓越しに見えるのは置き去りにされた愛
カナリヤ
幼い頃___おそらく四つか五つの頃だったと思うのだけれど___父とドライブに出かけた。普段は寡黙で気難しい父が、私を誘ってくれたことが嬉しくて。はしゃいだ声を出しながら、窓の外を流れていく景色を眺めていた。
やがて父の15年来の愛車は、ガソリンスタンドに止まった。父が車を降りてガソリンを補充している間、退屈な私は、ふと窓に目をやった。そして、いいことを思いつく。高揚感を覚えながら、曇った窓に指を走らせた。
暫くして補充を終えた父が、こちらを振り返る。
そして、鮮やかな微笑みを浮かべた。
窓には、父の似顔絵。きっとそれは下手くそで、でも、父に喜んで欲しいという思いだけは一丁前で。
そのときに見た、窓越しの父の笑顔が、ちょっと照れたような仕草が、私の中の幸せの記録として残っている。
「窓越しに見えるのは」
夏休みが始まったけどやる事なんてなくて暇だった。
会いたい人や会える人は今年もいない。
数年前までは花火が見えたけど、今はもう見える気配もしない。
花火なんか見える気配がしなくても私は夏になればいつも窓から外を覗くの。
そんな私が窓越しに見えたのは、青すぎる空と大好きな人の顔。
もう叫ぶことも、嘆くことにも疲れてしまった……
「 私はここにいる。助けて…… 」
声が枯れ果て、ようやく絞り出すように呟く。それがいま出来る私の精一杯。
いつからここにいるのだろう……記憶も曖昧になっている。
窓に近付き、指を這わせる。ボロボロの無惨な指先が、私のこれまでの日々の証だった。
「 誰も見てくれない……誰も私に気づいてくれない…… 」
どうしてだろう……
誰もこちらを見ようともしてくれない……
なぜだろう……
苦しいのに……
助けて…… お願い……
「 疲れた……もういいよ…… 」
楽になりたい……
開放されたい……
「気づいて……友達でしょ……お願い…… 」
楽しそう微笑む友達の姿を見つめながら、私はそう訴え続けた。
この声は届かない…… 誰にも……
「 ねぇ、本当の私はここだよ… 」
『 窓越しに見えるのは 』
透明で、硬くて、美味しくないこれは、
「マド」というらしい。
毎日美味しい「ゴハン」をくれて、「ユキ」と名前のようなもので呼ばれて、しょうがないから触らせてやれば、身体中を撫でまくった挙句、なんだかよくわからない板をこちらに向ける大きいやつが、そう呼んでいるのだ。
本当に、こいつは生活力がなくて、自分がいて世話をしてやらないといけないのが考えものだ。
自分で獲物も獲れないし、毎日水溜りで溺れている。
挙げ句の果てには、ふらふらとどこかへいって、帰ってきたと思ったら、床で伸びてしまう。
こないだは「ゴハン」を分けてやったら、口に入れてもそもそと不味そうに食べた上、泣き出すものだから、なだめすかすのに時間がかかった。
もしかしていじめられているのか。
子分がいじめられたなら、親分が出ないわけにはいかない。きっちり落とし前をつけてやる。
だから、連れて行くがいい。
毎朝、暗い顔で「マド」の外から前足を振るのを見るのはもうたくさんなのだ。
あれは………
おっきな寿司……?
〜窓越しに見えるのは
「窓越しに見えるのは」
スマホもPCも、
その先の景色につながる窓
窓越しに見えるのは、
夢を見ている少年と、踏切へ飛び込む少女、死にたそうな顔をした少女、赤い糸を結びつけている少年。
この世界は、沢山の人がいる。
本当に、沢山の人が。
だけど皆、現実が嫌いだ。
そして、自分を嫌っている。
大人になった自分が、小さな子供を羨ましく思うのはそう言うことだろう。
何も考えずに、ただ「楽しい」とかの感情で生きて居られるから。
でもそんな皆んなを羨ましく思う。
私は、私は、命が長いから。
だけど私は、死のうとしても死ねない。
ただ殺されるのを待つだけだ。
人は、私より遥かに小さくて、脆い。
私は、人より遥かに大きくて、脆いとはかけ離れた存在。
私は強い。全てを知っているから。
だって私は、全てを見ているから。
だって私は、太陽だから。
"窓越しに見えるのは"