暁星

Open App

もう叫ぶことも、嘆くことにも疲れてしまった……

「 私はここにいる。助けて…… 」

声が枯れ果て、ようやく絞り出すように呟く。それがいま出来る私の精一杯。

いつからここにいるのだろう……記憶も曖昧になっている。

窓に近付き、指を這わせる。ボロボロの無惨な指先が、私のこれまでの日々の証だった。

「 誰も見てくれない……誰も私に気づいてくれない…… 」

どうしてだろう……

誰もこちらを見ようともしてくれない……

なぜだろう……

苦しいのに……

助けて…… お願い……

「 疲れた……もういいよ…… 」

楽になりたい……

開放されたい……

「気づいて……友達でしょ……お願い…… 」

楽しそう微笑む友達の姿を見つめながら、私はそう訴え続けた。

この声は届かない…… 誰にも……

「 ねぇ、本当の私はここだよ… 」


『 窓越しに見えるのは 』

7/2/2023, 9:59:08 AM