『突然の別れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日のお題:突然の別れ
娘が小学一年生を終えようとする春。
突然、全国の学校を休校するように、政府から指示が出た。
異動が決まっていた担任の先生。
可愛がってくれた六年生のお兄さん。
ありがとうもさようならもきちんと言えなかった。
大好きだったよ。思い出をありがとう。
幸せはいつか崩れる
「幸せに生きれればええんや。だから1日1日に感謝を」
中学2年生の担任が常に言っていた言葉だ
''幸せなんて私には無縁のことだな''
それでも楽しくても,辛くても,苦しくても,
もう会えることが出来ない
元担は交通事故にあい帰らぬ人となってしまった
あんなに昨日まで笑って、幸せな日々だったのに
''突然の別れを告げられた''
幸せな形は人それぞれ
だから今ある幸せに感謝しよう
あの先生みたいに...
【突然の別れ】#02
過去に一度
仕事仲間と突然のお別れをしたことがあります
その方は社員さんで
わたしの仕事を引継いで頂くため
一ヶ月ほどずっと一緒に仕事をしました
時には出先でアイスを食べたり
他愛のない世間話で笑ったり
今でも彼の笑顔を覚えています
あるお盆休み前にすれ違いざま
話し掛けようか迷った挙句
軽い挨拶を済ませました
お盆休み中に彼は突然旅立ちました
彼の奥様、娘さんが不憫でなりませんでした
何を悩んでいたのか
未だ不明のままです
人間は脆いのだと言われたような気がしました
彼に褒められた歌を耳にする度
切ない気持ちになります
わたしは何とか生きています
彼が生前まで頑張っていたように
わたしもその時を迎えるまで
生きる予定です
突然の別れ
朝の八時、時計代わりに点けているテレビの番組が変わる。今日のトップニュースは何だろうと聞くともなしに聞きながら、朝食の後片付けをして家を出る準備に取り掛かる。
「志摩さん、おはようございます」
聞き馴染みのないキャスターの声に、へ、と間抜けな声をこぼしていた。シマ、なんて名前の出演者はいないはずだ。というか、自分の名前と同じではないか。
バッグに入れようとしたスマホを手に握ったまま、テレビに顔を向ける。
知らない顔が、画面の中で微笑んでいた。代役だろうか。こんなアナウンサーもしくは芸能人、いたっけ。
どこの国の人かよく分からず、外見と服装だけでは性別もよく分からない。布をたっぷりと使ってゆったりとした服は民族衣装のように見えるが、見たことがないものだ。
「いきなりで驚いていると思います。でも、こういうことはいつでも突然。行ってきますと同時に、その世界にさよならを」
画面の中の知らない人は、まるでこちらに語りかけるようににこりと笑った。直後、画面が真っ暗になる。スマホが足下に音を立てて落ちる。
リモコンの電源ボタンを何度押しても、テレビは点かなかった。壊れたのだろうか。きっと壊れたのだ。とりあえず、今は仕事に行かなければ。落としたスマホを拾ってバッグにつっこみ、バタバタと音を立てて短い廊下を急ぐ。パンプスに爪先を突っ込み、ドアを気持ちいつもより勢いよく開けた。
「志摩さん、おはようございます」
ドアの向こうは、アパートの無機質な廊下のはずだった。けれどそこにいたのは、さっきテレビの中にいた人で、その向こうに広がるのは、うっすらと青く、どこまでも広がっていそうな砂浜――いや、砂漠?――だった。
「へ?」
再び間抜けな声を漏らしていた。気が付けば、握っていたはずのドアノブが消え、足下は淡い青色の砂になっていて、振り返っても、そこに狭苦しい玄関はなかった。
「ようこそ、私達の世界へ」
「へ?」
「さあ、一緒に世界を救いましょう」
満面の笑みには、有無を言わさぬ力があった。
「へ、へえ?」
何がなんだか全く分からないまま、青い砂漠に一歩目の足跡を付けていた。
突然の別れ
中学生の頃、仲のいい後輩の女子がいた。ぽっちゃりした、可愛いらしいいつも笑顔の後輩だった…偶には話し込んで、先生に注意される程…二人きりで学校の片隅にある図書館で。ずっとずっとこんな毎日が続くと思っていた。…が、3月の半ばの頃、突然彼女が寂しそうな顔で、もうすぐお別れです、と告げて来た。親の転勤で引っ越しになるから…それから間もなく逢えなくなり、それきっり…
【突然の別れ】
出会いがあれば別れがある。
別れがあるのはいい。
けれど突然はやめてほしい。
誰だって、それが急に来たら困るだろう。
感情があるから、人間は突発的に何かを起こす。
何かをおこした末に突然の別れがやってくる。
やった本人はいいけれど、
残された、やられた側の人には突然過ぎて、
心の準備すら出来ていない。
せめて予告しろって言いたいけれど、
それが無理だから突然の別れはやって来るのだろう。
だからこそ、別れがやってきた時に
悔いのないよう生きて行こうと思う。
お題《突然の別れ》
明けゆく淡い曙に染まりゆく空と。
黎明落ちる黄昏れゆく空と。
交差点の真ん中で佇むわたし。
突然の別れ
今日、たった今これをインストールしてこのお題が出たということは彼女について語るべきなのだ、ということかなと思っています。
突然でした。
彼女が私の前から永久に見えなくなってしまったのは。突然というには語弊があるかもしれません。なぜならあの日の数日前からあの子の大事にしていたペンダントが夢に現れていたから。
だから私は行動を起こすべきだったのです。気になっていたのなら早く動くべきでした。けれど、全ては結果論に終わってしまいました。
彼女の肉体が形を失い綺麗な箱に収められた時、なんて小さな箱なのだろうと思いました。その小さな箱に一体どれほどの想いが、語られない想いが入ってしまったのだろうと、あれから幾月だっても考えない時はありません。
愛していると、何度も言えば良かった。
あなたが必要だと言葉にして伝えたことが私はあったのか。
なぜ手を握ってやれなかった。
なぜ頭を撫でてあげられなかった。
どうして私は抱きしめなかった。
懺悔などいくらでもできますが、そのようなことを喜びはしないでしょう。あの人はとても優しい人でした。
願わくば、安らかな地に彼女が辿りつきますことを。
愚かな私からお願いです。
あなたの大切な人に優しくしてあげてください。
くどいと言われるくらい愛していると伝えてください。
失うなんて想像していなかった。
人生とは泥の海を行くようなものですね。重くて、重くて、とても先へ進めそうになくて、それでも足を運ばなければ沈んでしまう。
けれど助けの手は自分が手を伸ばせばきっと届く距離にあって。無理やりにでも引っ掴んで一緒にその海を渡っていかなければたどり着けないのだと思います。
どこへたどり着くのか、そのことは考えなくてもたどり着けば分かります。
それが分かっていれば怖くない。
彼女は私に本当に何が大切なのかを教えてくれる良き先生でありました。
突然の別れは私にとって一番の教えでした。出来の悪い生徒なので上手に導きに沿うことができないのが申し訳ないけれど、いつかまた出会ってください。そして叱ってください。
それからまた二人で笑いたいな。
彼女のペンダントは今私の胸で静かに輝き、鼓動しています。
泥の海に大きな明るい月が昇るのが心象として浮かびます。もう少しだけ、待っていてくださいね。私はもう一度あなたに会いに行きます。
2023.5.19
春は出会いの季節でもあり
別れの季節でもある。
そんなのわかってる。
別れのない出会いなんて、
それは出会いとは呼ばない。
一度出会ってしまったら
別れは必ず表れる。
突然にね。
〜突然の別れ〜
また明日。手を振りいつも通り別れる。
トラックが横を通り過ぎた。いつもの景色だ。
背後から聞こえた鈍い音。振り返りたくない。
何かを大声で叫ぶ人の声。もう聞きたくない。
あぁ、どうか明日にならないで。
あの子がいる今日を終わらせたくないから。
突然、目の前が歪んだように見える。
だんだん暗くなっていって、孤独感が強くなる。
貴方が居たはずのベットは酷く広く思えた。
ご飯もいつも作ってくれる手料理とは違って、
自分の作った料理は不味くて冷たかった。
貴方が居なければ自分は何もできないんだなっと思った。
最後まで貴方を守れなくてごめん。
恩返しできなくてごめん。
情けなくてごめん。
そうやって貴方の写真の前で謝る。
早く慣れなくてはならない。
貴方との別れを認められない。
突然の別れ、そんなの無いと信じていた。けれど私はみてしまった。貴女が私に笑顔を蒔きながら空に飛び込むその姿を。隣で笑っていた貴女がフェンス越しに消え行く姿を。突然にやってきた別れはどうやっても消えることはない。
突然の別れ
チーズとハムが出会って、
マヨネーズでなめらかな美味しさになった。
そこに現れたのがツナ。
チーズはマヨネーズの紹介でツナと出会った。
そしてツナとチーズは恋に落ちた。
マヨネーズはツナこことが好きだったけど、
告白できずに自分の気持ちを押し殺した。
そしてツナとチーズは頻繁に喧嘩をするようになり、
相談を受けていたマヨネーズはツナのことがまだ好きだった。
するとツナはなんでもなめらかにするマヨネーズに惹かれていった。
そしてツナはチーズと別れてマヨネーズと付き合い出した。
でも突然別れはやってきた。
マヨネーズがなくなってブビッブビッと泣きだした。
そしてあっけなくマヨネーズはプラスチックのゴミとして捨てられた。
突然の別れ
いつか訪れるものだとわかっていたのに。
それは、あまりにも突然にやってくる。
嫌だ、と泣き叫んだとしても、もうどうにもならなくて。
ただ、ただ、受け入れていくことしかできない。
どれだけ悲しくても、どれだけ辛くても、どれだけ大事でも。
この手からすり抜けるように、止まってはくれない。
それでも、もしも、次があるのなら。
さようなら、ではなく、またね、を。
いつか訪れるその日を待って、そしてまた訪れる別れを繰り返していくんだ。
「俺、好きな人が出来たんだ」
煙草の燃え殻を、灰皿に押し付けながら隼人は言った。
「え」
と、発したつもりが声にならなかった。
換気扇の音だけがやけに現実味を帯びながら、もの寂しげにカラカラとなっている。
鼓動が強く、早く、脈を打つ。
隼人はいつも、きちんと順序立てて物事を進める人だった。
何があっても動じずにいられるように、考えうる先のこと全てにおいて、計画的だった。
「予想外の出来事に心を乱されたくない」
私が彼の完璧な計画を褒めるたび、彼が私に言っていたこと。
だから予想外の出来事が起こると彼はとても心を乱し、冷静さを保てずに困惑していた。
対応する準備が出来ていなかった自分を責めて、そしてそんな彼の背中をさすり、宥めるのが私が役目。
彼の冷静な慎重さ、裏をとれば心配性な性格が羨ましくて、頼もしくて、愛おしかった。
大好きだった。
安心して、大好きでいられたのに。
ソファに座りながら呆気にとられている私の横に、1人分の空間をあけて隼人は座る。
彼が煙草を吸うほんの少し前までは、2人の軽く汗ばんだ肌がぴったりとくっついていたというのに。
わたしたちの間に――主に隼人の間に――突然知らない人と同じ部屋に放り投げられたかような、息が詰まる妙なぎこちなさを感じる。
付き合いたてとはまた違う、相手の出方を伺うような奇妙な空気感だ。
もう隼人の匂いの一部として感じていた、いつもと同じアメリカンスピリットの匂いが、やけに鼻につく。
私は小さく咳をした。
「あの、俺さ」
「聞こえているわ」
先ほどと同じ、正確なトーンで話しかけてくる隼人の言葉を遮る。
自分でも驚くくらいに冷たく響いた声色に、反射的に彼の方へ体が向いた。
彼は俯いていて、表情が分からなかった。
高校1年生の時から付き合い初めて、今年で社会人4年目になる。
今年で26歳、付き合って10年目だ。
そろそろ本格的に結婚資金を貯めるために、同棲を始めたばかりだった。
一体いつから、隼人の頭には私以外の女の人を考える隙間があったのだろうか。
こんなウェディングドレス着たいだとか、新婚旅行はここに行きたいねだとか、つい最近もそんな話をしていたというのに。
「本当に申し訳ない」
「生活に必要なものは全部残して俺が出ていくから」
「里奈とはもう一緒に住めない」
黙り込んでいる私にかけられた、彼が苦しそうに選んだ、それでいて無情な言葉。
ぽつりぽつりと断片的に私の耳に入ってくる聞き慣れた隼人の声。
吐き出されるその言葉は、微かに震えているようにも感じる。
彼が眉間に皺を寄せてこんなに苦しそうにしている姿は初めて見たかもしれない。
全部夢であれば良いと思った。
さっき飲んだ市販のお酒のせいで見ている悪い夢。
炭酸が強くてアルコール度数だけがやけに高い、消毒液みたいな味のする美味しくないやつ。
全部そのせいだ。
だから、私の頭はガンガンと響いているし、そのせいで彼がひどく薄情な人間に見えてしまっている。
こんなの、私の知っている隼人じゃない。
「そっか」
やっと声に出来たのは、素っ気ないたった一言。
彼とは目を合わせず、ローテーブルに無造作に置かれている空になった呪いのお酒を見ながら言った。
冷たく響かないように。
重苦しい感情を乗せないように。
もう、間違えないように。
隼人は何も言わなかった。
受け止めてもらえなかった私の言葉は、宙ぶらりんのまま私たちの部屋に佇んでいる。
力いっぱい握られているみたいに、激しく胸が痛んだ。
聞きたいことはたくさんあった。
いつから。どこで出会ったの。年齢は。職業は。どこが好きなの。私より好きになってしまったの。
それはもう、挙げたらキリがないほどに。
でも、それを言ってどうしろというのだろう。
彼は物事を順序立てて進める人だ。
きっと彼の中でたくさん葛藤をして、悩んで悩んで考えた末のことなのだろう。
それが私にとって突拍子もないことだとしても。
高校1年生のとき、彼から告白をしてくれた。
遠足の時に、顔を真っ赤にして。
紅葉の時期で、紺色のセーターを着ていた。
そんな彼を見て、胸の奥がきゅうっと縮こまるほど愛おしいと感じて、私たちの交際は始まる。
11月3日。
初めてキスをした高校2年生の夏休み。
お互いの部活が休みだったので、彼の家で夏休みの課題をしていた時だった。
柔らかい唇が数秒触れて、隼人はまた顔を真っ赤にして「好きだよ」と言ってくれた。
「私も」と返すと、照れくさそうに笑う隼人。
それからまもなく、修学旅行で初めて喧嘩をした。
旅行中に何度か呼び出される彼を見た私の、可愛くないヤキモチが原因。
今考えると笑えるくらいくだらなくて、子供じみていてかわいい喧嘩だ。
卒業後、大学生になる少し前。
実家から通うにはほんの少しだけ遠いからという理由で、一人暮らしを始めることになった隼人の引越しの手伝いをした日。
まだ片付けの終わっていない雑然とした部屋の、新品のベッドの上で私たちは初めて体を重ねた。
これ以上の幸せはないと思えるほど、彼は私を優しくそっと抱きしめてくれた。
まるで走馬灯のように、全てを鮮明に思い出せる。
「本当にごめん」
視界の端で頭を下げている彼を捉える。
私のことを10年間好きだった人。
そして今は、私以外の人を愛してしまっている人を。
ゆっくりと呼吸をして、体ごと隼人に向ける。
「私ね、喘息持ちだったの。でも、あなたの煙草を吸う姿が好きよ。それで、言い出せなかった」
一瞬、彼の体がぴくりと跳ねた。
次は隼人が驚く番だった。
彼は何かを言いかけて口を開いたけれど、やっぱり何も言えずに閉じた。
私たちの恋が終わった。
社会人4年目、暦の上ではもう春だ。
部屋の外では珍しく、雪がしんしんと降っている。
【突然の別れ/無秩序な気配、そして君の】
冬には帰って来ると
話していたのに
孫むすめに会いに
行ったきり
なんだよ
突然の別れ
だったんだね
あなたが好きで困ってた時にいつも助けてあげてたのに急に音信不通になって、LINEを送っても未読無視。
ああ、私捨てられたんだ。あんなに好きだったのに。
楽しく電話してたと思ってたのに本当は楽しくなかったの?本当は好きじゃなかったの?
1年ほど経って風の噂で聞きました。
他県に引越し、新しく彼女作って同棲してる、と。
やっぱり私は捨てられたんですね。。
こんな別れ方は嬉しくなかったです。
さようなら
かがみの裏側の世界。
それは。僕らと同じようで異なる形を成している。
レタスとキャベツ、小松菜とほうれん草。同じ色に似た形。けれども、決して同一にはならないのだ。レタスはキャベツには成れない。僕らが鏡の向こうの人間に成ることが出来ないように。
まがいものとは何だろうか。時に、僕らはどうやってそれを区別する?僕らは日常的に信じている。鏡に映った僕も、今此処に存在する僕も、同じ「僕」という存在だと。鏡の僕は、本物の僕そのものじゃない。鏡という性質上の問題ではあるが、鏡の僕は本物の僕を歪めたものに過ぎない。
でも、やっぱりそれも「僕」だろう?
まがいものだろうが、僕という存在の一部だ。
異なる形を成していようと、それの本質は僕で在ることに変わりは無い。僕という人間は、鏡の向こうの僕には成れないけれど、鏡の僕もまた、僕という存在を共有する生き物だ。
僕という存在がなくなれば、鏡の僕も息絶えてしまう。僕らは謂わば、最も身近な運命共同体なのだ。
「突然の別れ」
「ひろちゃん〜!起きて〜!!置いてくよ〜!」
「かな…もう高校生なんだから一人で行くよ…」
「なんでよ!!いいじゃ!別に!幼馴染なんだよ??」
「いや、だからいっかとはならんから。そもそも年頃の女の子なら男子と登校なんて嫌なるだろ」
「なんで?」
「なんでじゃなくて……あーもうっ!」
これが俺たちの17年間続いているやり取り……だったもの
この時は少なくともあと1年続くと思っていた
「ヒロくん。最近カナちゃん学校来てないけど理由知ってる??」
「仲本さん。なんか熱出してるらしいよ。連絡取れないの?」
「うん。既読が先週からずっとついてなくて…」
「なるほど…ちょっと言っとくわ」
「わわっ!全然気にしないで!!早く元気になるといいけど……」
━━━放課後━━━
「ヒロくん…わざわざありがとうね〜」
「いえいえ、クラスの子達も心配してたので…今カナに会えますか?」
「ごめんね〜カナ今ここにいないのよ〜」
「どういうことですか?」
「……カナから聞いてない?カナ……余命宣告を……うっ……」
「っ……!そんな…嘘ですよね…?」
「ごめんね……」
「謝らないでください……どこの病院の何号室ですか?」
「かなっ!」
「!?……ひろちゃん…なんで来ちゃったの」
「いや、なんで言わないんだよ!幼馴染だろ!?」
「ずるいよ、そういう時だけ…うっ……」
「かな?かな!かなー!!」
人は簡単にいなくなる。凄く脆い。皆が思ってるよりも、凄く。
「苦しい。悲しい。切ない。信じたくない。見てない。知らない。嘘。まだいる。そこにいる。笑ってる。生きてる。話してる…はず……」
━━━━30年後━━━━
かなが見れなかった世界。やり残したこと。ノートにまとめておいてくたもの。これをやり遂げるまでは…あと3つ……
「貴方がヒロさんですね。ご武運を」
グサッ
背中に走る鈍い衝撃と共に見ていた夢が終わる。
起きた世界には元々かなという人は存在していなかった。
ただ確かに俺の中にはいた
確かに周りから見たら突然とも言えるかもしれない
けれど、二人の間には
葛藤があった 悩んだ時間があった
相手を想ったこれまでがあった
忘れないで欲しい
突然という言葉はとても簡単かもしれないが
突然までの過程には沢山の想いがつまっている
#突然の別れ