「突然の別れ」
「ひろちゃん〜!起きて〜!!置いてくよ〜!」
「かな…もう高校生なんだから一人で行くよ…」
「なんでよ!!いいじゃ!別に!幼馴染なんだよ??」
「いや、だからいっかとはならんから。そもそも年頃の女の子なら男子と登校なんて嫌なるだろ」
「なんで?」
「なんでじゃなくて……あーもうっ!」
これが俺たちの17年間続いているやり取り……だったもの
この時は少なくともあと1年続くと思っていた
「ヒロくん。最近カナちゃん学校来てないけど理由知ってる??」
「仲本さん。なんか熱出してるらしいよ。連絡取れないの?」
「うん。既読が先週からずっとついてなくて…」
「なるほど…ちょっと言っとくわ」
「わわっ!全然気にしないで!!早く元気になるといいけど……」
━━━放課後━━━
「ヒロくん…わざわざありがとうね〜」
「いえいえ、クラスの子達も心配してたので…今カナに会えますか?」
「ごめんね〜カナ今ここにいないのよ〜」
「どういうことですか?」
「……カナから聞いてない?カナ……余命宣告を……うっ……」
「っ……!そんな…嘘ですよね…?」
「ごめんね……」
「謝らないでください……どこの病院の何号室ですか?」
「かなっ!」
「!?……ひろちゃん…なんで来ちゃったの」
「いや、なんで言わないんだよ!幼馴染だろ!?」
「ずるいよ、そういう時だけ…うっ……」
「かな?かな!かなー!!」
人は簡単にいなくなる。凄く脆い。皆が思ってるよりも、凄く。
「苦しい。悲しい。切ない。信じたくない。見てない。知らない。嘘。まだいる。そこにいる。笑ってる。生きてる。話してる…はず……」
━━━━30年後━━━━
かなが見れなかった世界。やり残したこと。ノートにまとめておいてくたもの。これをやり遂げるまでは…あと3つ……
「貴方がヒロさんですね。ご武運を」
グサッ
背中に走る鈍い衝撃と共に見ていた夢が終わる。
起きた世界には元々かなという人は存在していなかった。
ただ確かに俺の中にはいた
5/19/2023, 1:58:14 PM