『突然の別れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【突然の別れ】
私に背を向け煙草を吸う彼をぼんやり眺めるのが好きだった。けれど、今夜はいつもより彼が遠く感じるのは何故だろう。薄っすらとした不安が胸に広がっていくのを感じて、何だか怖い。
「ここに来るのも、今日で最後だ」
「そう」
「しばらく日本を離れる」
「帰国はいつ頃?」
「さあな。いつ戻るかも分からねえし、ここらが潮時だろ」
「潮時……」
「何だよ。寂しいとでも言うつもりか?」
「そう私に縋って欲しいのはそっちでしょ?」
「言うじゃねえか」
寂しいと思う本音など、きっと彼にはお見通しなのだろう。煙草を吸い終えた彼が私の方へ向き直り僅かに口角を上げ、笑う。
「んな泣きそうな面で粋がっても、説得力も可愛げもないぜ」
そして次の瞬間、息が出来なくなる程きつく抱き締められた。煙草と、すっかり薄くなって消えかけた香水が混じった彼の匂いで鼻の奥がツンとして、視界が滲んで行く。
別れがこれ程早いだなんて、思ってもいなかった。
始まりは只の慰め合いだったとしても、私達はこれから時間を掛けて互いを理解しあっていくのだと。そう信じて疑わなかった。
何処へ行くの。どうして私を置いて行ってしまうの。独りにしないで。
聞きたい事言いたい事が沢山あるはずなのに、どれ一つとして出て来ない。
あなたと別れるのは寂しい。
あなたと離れるのはつらい。
でもそれは、別れであって「別れ」でない。
私にとって「あなたと別れる」と言えるのは
あなたのことを綺麗さっぱり忘れてしまう時だけだから。
『別れ』というのは突然にやってくる。
愛した彼はもうここには居ない。あるのは彼の写真だけ。
本当に突然だった。
「……それでねっ!」
「っ?!危ない!」
ドンッと後ろから強く背中を押された。あまりの強さによろけて両手をつく。
「いった………ぇ?」
後ろを振り向くと………血塗れになった彼の姿があった。
「ね、ねぇ……返事してよ………うそでしょ?だから……返事、して、…おねがい……」
「…ぶじ、、で、よかっ、た………」
「やめてよ…!そんな、もうすぐ死ぬみたいに…」
「………」
ぼやける視界の中、うっすら見えたのは彼の満面の笑みだった。
「……」
彼は、笑顔で息をひきとった。幸せそうに。安心したように。
「こんなにすぐに別れることになるなんて…」
もう少し笑い合っていたかったな。
葬儀を終えて、家のドアを開ける。
『あっお帰り。』
そういっていた彼は居ない。自然と頬を涙が伝う。
「…ただいま。」
誰もいないリビングに1人ぽつりと呟く。
突然の別れは辛い、それは確かだ。でもほとんどの人が別れを経験するだろう。…だから気にしていたらだめだ。
「…気にしないなんてしばらくは出来ないけどね」
#突然の別れ
お題 突然の別れ
こんな突然の別れが来るのなら
逢わない方が幸せだったのに
どうして惹かれあってしまったのだろう
あなたの嫌いなところ探しても
何も出てこなくて
あなたに包まれてたあの時間が
私の安らぎだった
突然だった
僕はあの子が好きだったの。
本当にね、
でもうまくその恋は続かないの
あの子は僕に告げてきた
悲しかったよ
ずっとずっと思っていたのにね。
やっぱり、あまり続かないみたい
駄目だった、無駄だったかもしれない
難しいものね。
僕はずっと女の子が好きだった
同性愛はあまりにも続かないのね、
突然の別れは辛い。好きな人がどこかに行ってしまうのは辛い。離れて欲しくないなぁ。
別れなんて一瞬。
一緒にいた時間は6年。
学校が変わったから話す機会もなくなった。
頭いい学校に入ったからね。
私なんて数学ができなくて困ってるよ。
突然の別れでも笑顔でいれてよかった。
「いってらっしゃい」と送り出した両親が、帰って来なかった男。それが、俺の特別な奴。
「さよなら」も言わずに去って行ったのが、おまえ。
そりゃあ、記憶の大半を消したら、俺のことも忘れるよな。
「バカ」と言えたら、よかったのに。でも、棘みたいに突き刺さる日々を送るおまえは、見てられなかった。だから、手を放してやるよ。
おまえの居場所になりたかった。
本当に突然の別れだった。
さっきまでこの手に届く距離にいたのに。
ああ、こんなことなら手放すんじゃなかった。
後悔しても後の祭りだ。
「本当どこいっちゃったんだよ………
パパーーーーー!!!!!!!!」
「もー、またですか?
まとめて買っておいて正解でしたね。
ほら、新しいパパですよー」
「新しいパパなんていらない!!!」
「…………消しゴムの激落ちくんの話ですよね??」
−少女と少年−
俺と一緒に外に行かない?
そう言ったけれど少女は無言だった
嫌われてるのかな
やっぱ汚いし
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貴方とは行けない。
逃げた事になっちゃう
でも言えない
私でていけば
店主の男の人に怒られちゃう
だけど外にもでてみたい
花魁道中の外に
私は彼から伸びていた手に引かれた
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少女と少年は街を出て逃げた
何処までも逃げた
走って逃げた
少女と少年は一緒に逃げた
だけど時に別れがくる事は
二人は知っている
だからこそ逃げた
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突然の別れがきてもいいように
一緒に外に出たんだ
俺が引っぱって行くんだ
いつも
どこに行くにも
一緒だったのに
私からの一目惚れ
……大好きだったのに
ぶちんと切れて
終わった……
──私の鞄……
家では
キス魔
でも
あなたは
受け入れてくれた
出会いも
突然なら
別れも
突然で
まさか
こんなに呆気ないなんて……
手から滑り落ちた
──私のマグカップ……
(2023.05.19/突然の別れ)
突然の別れ。
別に、一生話さないわけじゃない。
明日からも多分教室で挨拶するんだろうな。
俺とお前は幼馴染だった。
家族ぐるみで仲が良くて、今日まで一緒にいた。
だから、
だから当然、隣にいるのは俺だと思ってた。
「恋人ができた」
そんな報告を聞いたのは、今日の放課後、下校中。
俺はその言葉がうまく噛み砕けなくて
「そっか」
なんて言葉で終わらせた。
明日からはその恋人と登下校するらしい。
俺と一緒に歩いた道をあなたと恋人は歩いて、
俺と遊んだテーマパークにあなたと恋人は行って、
なんか、俺の大切な思い出が汚されてるみたいな。
君の恋愛対象は俺の性別じゃない。
もともと、叶わない恋だったんだよ。
さっさと諦めろよ、俺。
さよなら、俺の初恋。16年の恋心。
願わくば、あなた達が幸せになってくれますよう!
誰もが経験する突然の別れ
あまりにも突然で実感など湧くわけもなく
時間だけがただただ過ぎてゆく
そして会えないことを忘れてしまう
居ないんだとふと思う
何度も何度もそれを繰り返し
寂しさが募る
時間は忘れさせてはくれない
ただ実感して寂しさの中で
受け入れ思い出へと変わる
過去になってゆく
そうやってもう会えない人の分も
生きて生きて全うしたら
また出会い 語り合う
「また来週、覚えててね?」
「ばっか、覚えてるにきまってんだろ?彼女の誕生日デート!」
クスッと笑う彼氏が手を振る。私も微笑んで振り返す。来週、また会える。
「じゃ、また今度!」
横断歩道の上に足を乗せた彼氏に背を向け、一歩進め…
キギイィイイイイィ!!!!!!!!
「ギャアーーーー!男性が!ちょ、誰か救急車を!!」
お題
突然の別れ より
お題「突然の別れ」
ドアの向こうで君は
僕が折れると思っていたのかな
ひとつ屋根の下の別の部屋で
顔を合わせない日々
何度目かのケンカ
にもならないか
僕は怒りを覚えないからね
ただもう
君に合わせることに
君のルールに従うことに
疲れたんだ
君の日常ではなく
僕の時間で生きたくて
別の屋根の下に逃げたんだ
独りになってわかった
僕は家族になれない
僕は家族を作れない
だからもう
僕のことは忘れて
突然の別れ
突然、心が離れてしまった。
わけもわからず、
誰がそれをのぞんでいるの?
何がほんとうなの?
信じたくない。
私の大好きな作家さんが消えた。死んだ、ではなく、消えた、のだ。
ネット社会になり、この現象を体感した人は多いのではないだろうか。
今日も私はいつものように、その人の更新を楽しみにしていた。毎日夕方五時に定期更新をしてくれる作家さん。
仕事で疲れた心に、クスッと笑わせてくれる絵日記やブログを書いてくれて、私の仕事終わりのルーティーンとして、毎日読みに行っていた。
エラーページは心がえぐられる。
存在しませんと、ホームページ自体が消えていた。
ネット回線の問題かと思ったが、そうではないらしい。
作家さんのSNSに飛んでみる。そうしたら、かろうじて存在はしていた。
しかし、過去のタイムラインはほぼ消えていて、アイコンも真っ黒。固定されたタイムラインが一つだけ。
『ありがとう、さようなら』
一体、なにがおこったの?
突然のことで頭が真っ白になった。
情報収集をしても、なにが真実で何が嘘かがわからない。だって、本人じゃないから。
別れというのは突然で、もっとも、ネットだけの繋がりが増えたせいか、こういった別れが極端に増えた気がした。
過去のことは全て消して、意味深な文章だけを残し、突然消えて行く別れ。
あなたは私のことを覚えてないかもしれない。
でも、私はあなたの作品に触れて、毎日頑張る糧になっていたのは事実。
あなたにとって、私はただの一ファンなだけだったけど、その一ファンはたくさんいて、たくさんの支えられていた人もいたというのに。
突然の別れで、スマホを握る手に、指先に力が入らない。
さようならは言いたくない。でも、一言だけ。
「ありがとう」
私はあなたのタイムラインと同じ一言を無意識に口にした。
【突然の別れ】
哀雨
優しい雨が
切なくて
雫堕として
流した刻は
哀しくて
傷みを纏う
忘れ様としても
刻まれた心は
綺麗過ぎて
失う様にしても
離れて逝けず
鮮やかな程
焼き付けた
瞳から語る
想いは 愛しさと
増悪の融合
私と言う存在を…
終わる時というのは、あっけない音を立てて訪れるものらしい。
「⋯⋯ねえ、何か言ってよ」
額に冷や汗が滲む。そんな私を無視するような素振りで、彼は無言のままだった。
こんなにも容易く終わってしまうのか。私たちが一緒に過ごしてきた月日さえ無かったかのように。⋯⋯いや、その時間があったからこそ。崩れる瞬間があまりに短く感じるのかも知れない。
「お願いだから、何か、何か言ってよ⋯⋯!」
私がどれほど彼の体を揺すっても、彼はちっとも動じなかった。
真っ青な画面から、私は目を離せないというのに。
明日突然、君に会えなくなったとして。
きっと僕は、大して変わることもなく生きていけるのだろう。
世界はどれだけ広くても有限で、僕らはその中で一度でも縁が交わったのだから。
何処かでまたいずれ交わることもあるかも知れないと、君が居なくても立てる僕は楽観するのだろう。
明日突然、君が死んだとして。
きっと僕は、大して変わることもなく生きていけるのだろう。
君という大きな欠落を埋められないまま、君の居ない世界を生きていくのだろう。