『空が泣く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ある日、空は笑った。
からからと声をあげながら肩を揺らした。
人々は憂う。
そこかしこに入ったヒビに慄き、風に乗せられ流される黄の砂に恐れをなし、どうかどうかと涙を乞うた。
なので、空は一時涙を溢すこととする。
すると人々は泣いて述べた。嗚呼良かった、これで我らは生き残れる、と。
ある日、空は泣いた。
ほろほろと悲しみを溢し、悲痛な涙を流した。
人々は嘆く。
燦々と輝く日の光は覆われ、山の麓は飲めぬ水であふれ、かつてのように笑みを乞うた。
なので、空は笑うこととする。
人当たりの良い具合に、ニコニコと。程程に笑い、程程に泣き、とても好い具合の表現をその広くて大きな顔に張り付けた。
人々は、それは大層喜んだ。
これでもう干ばつも起こらぬ! 田畑も沈まぬ! 各地で祭りが催され、彼らは一晩中飲み食い踊り、全身で喜色を浮かべる。
それを遥か上から眺める空は、冷めた顔色で笑っていた。
そう、空は悟ったのだ。
私は彼らとは違うのだと。私は彼らのように、己の感じたものを大きく、過大に表してはいけぬのだと知ってしまった。
人々は笑っていた。
かつての血生臭さはほとんど失くなり、平和を謳歌する人々で溢れかえる。もはや空への感謝も乞いも必要のなくなった。時代は移り変わるのだ。
それでも空は笑った。
もはや感情など、今持ち合わせているもの以外忘れてしまった。
空は考えた。
私はもう自由に笑うことは無いだろう。自由に泣くことは無いだろう。
私は、最初から、きっとそういう星の元に在ったのだろうか。
空は泣いた。
空が泣いた。
それは、誰に知られるでもなく、塩辛い涙を流すだけである。
きっと今も泣いている。
空自身も忘れてしまったこの思いを、小さな小さな雫に託して。
▶空が泣く #11
跡形もなく
消えたはずの傷口が
届かない奥の方で
あの頃と同じように
悲しく痛み出す
空が泣く
風が泣く
呼んでいるような
声が聞こえる
カーテンを開けると
窓に打ちつける雨が
涙みたいに流れて
ボヤけてゆく景色が
幕を下ろすように
意味さえ消してゆく
ねぇ
言って
全部
夢だよって
「空が泣く」
『空が泣く』
コンクリートだけが移る視界。
心模様を移したような空。
ミスで怒られ、責められて。
普段は聞かないようにしている陰口も、今日は耳に入り心を抉っていった。
だんだんと、視界が滲む。
ぽた、ぽた。
今日は雨の予報だったっけ。
雫が、肌に落ちる。
頭にも、雫が垂れてきた。
空を見上げると、大粒の雨が落ちてきていた。
ああ、最悪だ。傘なんて持っていないのに。
「...っ」
涙が、堰を切ったように溢れ出す。
どうか今日だけはこのままで。
周りが色に包まれる中、1人透明に身を染めた。
君眠る土の前、手と手を合わせ祈れば
冷たい風が頬を撫で
ポツリと小さな雫が輪郭をなぞる
「あぁ、空も泣いている」
1人そう呟けば
ただ雨と涙だけが混じり合った。
『空が泣く』
空が泣く
君が泣く
風が泣く
海が泣く
僕も泣く
空が泣く。空が泣いたら、甘い飴が降ってくる。その甘い飴は、神様の涙だよ。と、昔母に教わった。
けれど、私が小さい頃に飴が降ったきり、もう何年も空は泣いていない。
きっと、それは良いことで、幸せな事だと思うけれど、私には、どうして空が泣くのか。
空が泣くと、どうして甘い飴が降るのか、私は大人になって、何となくわかったような気がする。
空が泣くのは、世界が今、幸福だから。
争いも悲しみもなく、空の下に居る私達が幸せに満ち溢れていたから。
空は、悲しいから泣いていたんじゃない。
きっと、空の下の人達が幸せだったから、嬉しくて涙を降らしていたんだ。
そんな空が、今全く泣かないということは、世界は今、悲しみに満ち溢れてしまっているということだ。うん。そうだ。きっと、そうに違いないと、私は思った。
だったら、全然良いことなんかじゃない。
前言撤回。
………けれど、だからって私はどうしていいのか分からない。私はこれから、どんな事をすればいいのかも、分からない。
小さい頃に舐めた涙の飴は、どんな味をしていたんだっけ?あんなに沢山子供の頃に感じた味、けれど、大人になった私はもう、涙の飴がどんな味をしていたのか、わすれてしまった。
「………あ、雨…」
本当に、空なんて嫌い。
なんで、泣く寸前で雨なんか降るのよ。
空は私に泣いて欲しくないの?
そんなことを考えてたら
自然と涙が引っ込んだ。
「バッカみたい…。なに空に抵抗してんだよ」
無理やり笑って見せた。
ふと、死んだ君の顔が浮かんだから。
「やっぱり…見えてるのかなぁ」
私はずっっと高い空を見上げた。
「…大丈夫。頑張るから」
そう呟いたら
空も、心も、少し晴れたような気がした。
ー空が泣くー
手紙が来た
それは死んだはずの兄の字だった。
手紙の冒頭にはこんな一言が書かれていた
「拝啓、大切な貴方へ」と
あれっ?
私この色好きだっけ?
小さな違和感
だんだん息苦しくなるのと
日々沸々と自我が芽生えるこの感じ
あれ?だ
お金、政治、ビジネス…
今まで避けてきた本を読んでこの世の構造が本当に少しだけ見えてきた。
こんなに辛いんだね。
そら生きるのが嫌になるよ。
正直、これ以上勉強したくない。
それでも今までの無知な自分には戻りたくないから
前に進むしかない
誰の通夜だっただろうか
生憎の雨で元々下がっていた気分は最悪
そんな時にお坊さんが教えてくれたんだ
雨は亡くなった人の涙なんだと
ほら、今日もまた空が泣いているだろう?
だから君はもう泣かなくていい
僕が君の分まで泣いて、世界に雨を降らすのだから
空が泣く、雨も泣いている。
そして死神さえも泣いている。
いいことがある
うまくいってる
そんな時、
必ず空は晴れる
私は信じている
だから、晴れてたら今日は
うまくいくって
そして、
私達の頑張りを祝福してくれるように
恵みの雨
"空が泣く"
我が為にふるう時雨か
我のみを撫でよ 夕日を秋に授けよ
空が泣く?
泣かないよ。
泣いてるのは俺。
どんなに厚く、曇天が横たわっていたとしても
さらに上空に行けば、太陽が燦々と輝いてる
生きてりゃ色々あるさ
仕事で失敗する時もあれば
友人に心無い事を言ってしまった時もある。
恋に敗れる時もある。
夫婦喧嘩だってあるさ。
思いがけず病気を患うこともある。
事故を起こすこともある。
その度に学び、起死回生で起きあがろう。
地面に手をついて、その足で立ち上がるのは
他の誰でもない
俺だ。あなただ。
雨が降ったら「空が泣いてる」って言うなら
晴れた時は「笑って」て
曇りの時は「涙をこらえて頑張って笑おう」としてるの?
台風の時は「号泣」かな?
私なりの解釈だけどね。
「空が泣く」
Q空が泣く
A比喩表現ですね。
Q泣くを比喩表現しよう。
A尿が漏れた。
Qきったな。じゃあ漏れたを比喩にして。
Aダムが決壊した
Qそれどう比喩するんだ?
A限界を突破した。
Qそれ比喩じゃないじゃん
Aダムが決壊も比喩なの?
Q分からないよ、バカだから。
Aこのお題汚くね?
Qお前が汚いんだよ。
A伝わるのかな、尿が漏れたで
Q伝わったらやばいだろ。尿が漏れた、違う解釈をして
A涙が出る。あ、やっぱこれやめよう。何も思いつかない。
Qそうだね。無理だ。
A空が泣く、雨じゃない可能性も!
Qオゾン層が壊れた?
Aなんで泣いてんだよ。隕石が降ってきたんだよ。
Q隕石が涙なの?物騒だな。
A銀河が見えたのか?銀河を涙で例えたとか。
Q幻想的すぎ。やっぱ雨が降ってるんだよ。
A飛行機が動いてるのを見て思ったのかもしれない。
Q空が泣く、結局はどういう意味?
A空には雨が降ってたんだ〜
end
空が泣く
ぽつん、ぽつんと地面に雫が落ちる。落ちた場所は、色が変わる。
また、ぽつん、ぽつんと。そして、一気に降ってきた。
何か悲しいことでもあったのか、それともどこかが痛くて我慢できないのか、あとは嬉しいことでもあったのか。
どれかはわからないけど、空が泣いている。傘に空の涙が当たると音が鳴った。
その音でわかった。嬉し泣きかなと。
「いいことあったのー?」
空に向かって声をかけた。すると、応えるように傘に涙を落としていく。
「よかったねー、空さーん」
傘をクルクルと回しながら、空を見つめる。
今日は嬉し泣きでよかった。でも、悲しい時の空さんも好き。
変だと思われるけど、好きなんだ。
滝のように激しく空から降ってくる涙。音も大きな音で、嘆いているように聞こえる。
傘に穴が空きそう……。と思うけど、良いんだ、別に。
空さんが泣いた後に出る、七色に輝く美しい虹。
空さんが泣いた後の贈り物。これは本当に美しくて、見惚れてしまう。
だから、悲しい時の空さんが好き――
空が泣く
見渡せば海
コンビニも自販機もない
閉鎖的な場所だった
潮風の匂いにも飽き飽きする
ここから逃げて
一緒に島を出ようと約束したのに
「やっぱり行けない」と伝えられた言葉を思い出す
「何で」の理由も聞かなかった
答えは分かってたから
動き出した船のデッキには雨が降り出していた
霞んで行く景色の中
桟橋を走って
「ごめんね 一緒にいけなくて」と叫び泣く君の姿を見つけた
空が灰色の雲に覆われて重苦しい
僕の心と同じように空が泣く
泣いてお前の気が済むのなら
心が解けていくのなら
どうかそのまま
心ゆくまで泣いておくれ
その涙が溢れようとも
この目に見えなくとも
お前が泣いていることには変わりないのだから
お前らしくそのまま泣けばいい
嬉しいときも
寂しいときも
どんなときでも泣けばいい
私はここから仰ぎ見る
時々だけど許しておくれ
「空が泣く」