『空が泣く』
コンクリートだけが移る視界。
心模様を移したような空。
ミスで怒られ、責められて。
普段は聞かないようにしている陰口も、今日は耳に入り心を抉っていった。
だんだんと、視界が滲む。
ぽた、ぽた。
今日は雨の予報だったっけ。
雫が、肌に落ちる。
頭にも、雫が垂れてきた。
空を見上げると、大粒の雨が落ちてきていた。
ああ、最悪だ。傘なんて持っていないのに。
「...っ」
涙が、堰を切ったように溢れ出す。
どうか今日だけはこのままで。
周りが色に包まれる中、1人透明に身を染めた。
9/16/2023, 12:57:19 PM