『秋風』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「秋風」(一行詩)
秋風に揺ら揺られて落ちるは流水の紅葉下ろし
◆
秋風の酔い覚めに紅葉見る
◆
ビル街を吹き抜ける秋風受けて纏う紅葉
◆
秋風受けてぬる燗求め足早に
◆
秋風や重なり回る風車
秋風 それは運命の日
秋風 それは奇跡の日
二人を照らす絆の日
秋風が吹く度思い出す
君との…
病窓の鳩が猛暑とあの人を連れ去り
密かに安堵のため息を漏らす
ようやく訪れてくれた「秋風」
あんなに暑かったのに、漫画の吹き出しにかかれている秋と感じる「そよそよ」っていう風は
3日くらい。
あとは朝晩寒い。
極端だ。
秋にいろいろ感じるであろう「秋風」というシチュエーションはいつ頃から感じなくなったんだろう。
秋風
秋風といえば 木枯らし1号
春一番 はよく話題にされるが
二番以降は触れられない
木枯らし1号 もしかり2号以降はお呼びでない
仮面ライダー なんて2号以降はサブネーム付きで延々と
ロンドンブーツ は ・・・・
まぁ いいか 。
秋風
秋風にたなびく雲の絶え間より
漏れいづる月の影のさやけさ
百人一首を丸暗記するたびにかつての日の本の国に
触れる気がする。
空を見上げて夜空を眺める。
かつての日本の空はギラギラとネオンライトが無く
雲一つ見えぬ漆黒の夜を導くように美しく輝く月に護られて居たのだろう。
夜闇に一際輝く月の力の眩しさに照らされて陰のようにたなびく雲はまるでヴェールだ。
こっそりと顔を出しては隠れる様に、人は清らかさを見出したのかと思うとその感性に感服する。
とは言え我々現代人にはセーラームーンの方が身近なのかも知れないけれど。
月の光に導かれ何度も巡り合う
懐かしいフレーズを月を観ながら口ずさむ。
秋風が立たないように。
秋風に負けないそんな人間関係でいたい。
せっかく同じ星の同じ国に生まれたのだから。
秋風
秋風が冷たく吹き抜ける。
凍えた私の心に、
更に、冷たさを刻む様に。
街はすっかり秋色に染まり、
冬の気配を纏う秋風が、
無遠慮に頬を撫でる。
肩を寄せ合う恋人達。
手を繋ぐ親子連れ。
その温もりを確かめるように、
足早に行き過ぎる。
そんな人の波の中。
私は…ただ独り。
私の隣に『彼』がいた日々は、
遥か遠い記憶の中。
寒がりの私を包み込み、
「二人なら寒くないね」と、
優しく微笑んでくれた、
彼の温もりは、もう戻らない。
掌に残るその感触だけが、
今も鮮やかに蘇る、
愛しく切ない想い出。
だが。
『彼』はもう、
私の隣にはいない。
季節が幾度巡っても、
空いたままの…私の隣。
「独りでも大丈夫」と。
自分に嘘を吐く事にも、
すっかり慣れてしまった。
秋風が冷たく吹き抜ける。
彼の居ない寒く冷たい冬が、
また、静かにやって来る。
『秋風』
今は雨
どんよりとした雲の下
光が差して
秋の風吹く
車生活をしているとあまり天気には気を払わなくなったな。
ふと感じる匂い、触感もすぐにわすれてしまう。
そんななか秋風すら感じることなく冬を迎えてしまうここ10年。
秋風が、暖かい夏と一緒に
貴方の心も冷ましてしまった
11.14 秋風
どうせなら業務中スマホいじり
出来るような職場に就職したいわ
仕事さぼってるとむしろ
ほめてくれるような会社ってないかな?
探せば案外ありそうで草www
秋の風がそっと頬を撫ぜる。
暑かった夏もようやく落ち着きを見せてくれた。
そう思っていたのも束の間、今度は一気に気温が下がるというから驚きだ。
路面の銀杏並木も急に寒くなる温度に慌てて葉を黄色に色付け始めた。
少しずつ四季が変わりゆくのを肌で感じる。
秋風よ、もう少しだけ傍にいて
どこか物憂げになってしまう季節。
大して悲しいことがあった訳でもないけど、
やっぱり夜は少しだけ孤独を感じて寂しくなる。
惰性で息をする毎日に失望せず、
この気持ちも季節と共に流れていきますように。
どうか貴方らしくいられますように。
題)秋風
仮)題 わかってない
貴方、わかってない。ちっとも、少しもわかっちゃいないわ。
まるで私の云いたいことを、すべて理解してるかのように語るけど、全然あってないわ。
まるで、私のやりたいことを知ってるかのように欲しくもない物を持ってきたわよね。
貴方、私の好きなもの把握してないじゃない。
私の全部を、わかりきってるかのように云うのね。
もう、うんざり。
私を少しも理解してないのに、理解したかのように語るの辞めてちょうだい。虫酸が走る。
あたかもわかったように振る舞うのも、みてて不愉快だった。
最後までわからないの。そう。
貴方ちっとも、私をわかってないわ。
「君への愛は無くなりはしない」って
言ったわよね。
しかも嘲笑いながら。
その顔にメガネがよくお似合いだわ。
何人に言ってるか分からないけど
同じセリフ言い過ぎて嘘ついてる事が
分からないのよね。
ほんと大嘘付き。
やっと髪を切れたの。
貴方が嫌いなショートカットに
ベレー帽がお似合いでしょう。
貴方が嫌いな色のコートも着てる。
貴方が下品な色と言った口紅もしてる。
「貴方への愛は無くなった」って
やっと言ってやったのよ。
冷たい秋風が吹いているけど
今の私にはとても心地良いわ。
僕らの間を 今 吹き抜けた
秋風が沈黙を攫ってくれたらな
亡くなったおじいちゃんに会いたい
幼い頃にもう2度と会えなくなったおじいちゃん
一緒に過ごした記憶は薄れていくばかり
それでもはっきり覚えていることがある
小学校入学のタイミングでもらった学業守
物を無くしやすいわたし
でも今もそのお守りだけは手元にある
もう温もりもあまり覚えていないのに
声もはっきり思い出せないのに
なぜか、恋しくてたまらない
会いたい
どんな人かな
この思いは空にも届いていますか
空はめっきり暗くなり
空気は冷たい
秋風は凪いだ
わたしは
ついに悲しみにいきついた
世界のさまざまな争いもそうだが
身近な人びともまた
兵器を使いこちらに攻めてくる
争いを望まないのに
なぜ戦争を仕掛けてくるのか
あの人たちに戦う強さなどないのだ
無抵抗な奴隷が欲しいのだ
すでに鎖に繋がれたものを
ぶつくらいができること
あの人たちのその傲慢さに気づいて
だからこそ
新しい春は
すっきりと立てるだろう
ぱぱ大好き
悲しい人はその分強いし
貫きで真っ直ぐ
みんな人間の子だ
また会いましょう。
小説。
昨日(2024/11/13)のテーマです。
今日のテーマ秋風は、下にあります。
わたしは図書館でダンセイニを探していた。一度、利用者用資料検索機で調べ、分類番号と著者記号を覚えておいた。
なのに書架の前に行くと、ふしぎと見つからない。
貸出中なのかと思って、もう一度検索機で調べに行ってみる。貸出可になっている。
なんでなんだろう。もう一度書架の前にもどってみると、今度はあんなに見つけられなかったのが嘘のように目の前にある。
喜んで本を引き抜いた。すると隙間から書架の向こう側が見えた。向こう側にも人がいたようだった。わたしより背が高くて、はじめにその人の顔の下半分が見えた。目線をあげると目があった。
これがオリベ先輩だった。
これまでどこでなにをしていたか知らない。かわいがってくれた教授の誘いを蹴って、北極のレンジャー教育施設へ短期留学生してしまった……とは、友だちから聞いた話だ。わたしは知らなかった。そもそも、教えてもらえるような関係でもなかった。
こんなところでばったりと出会うなんて。思ってもみない幸運にわたしの頭は茹だりそうだった。
オリベ先輩は踵を返し、歩いていってしまう。
図書館では大声を出すことも、走ることもしてはいけない。
わたしはできる限りの早足でオリベ先輩を追いかけた。書架をひとつ挟んだ向こうをオリベ先輩が歩いている。
並行になって追いかけていると、先輩が角を曲がった。先輩は専門書の並ぶ奥のほうへ消えていった。
わたしはぐるぐるとそこを回ったけど、書架にはどんなマジックがかかっているのか、先輩の行方はわからなかった。
外に出てはいないはず……。
今日は大雨だった。朝はそんなにひどくなかったんだけど、図書館に入ったところで大荒れになった。ものすごい量の雨が窓を伝っている。
図書館には雨やどりに来て、出るに出られなくなった人たちで息を殺している。
外で大きな雷が鳴った。
料理本から、建築、教育、自然科学、と棚を覗いていくと、向こうの通路からおなじようにこちらを覗き込んでいる人が見えた。
書架をひとつ挟んで向こうの通路から、男の人が棚を覗き込んでいる。あの人もだれかを探しているんだろうか。
ぴったりわたしとおなじ歩幅なので、覗くたびにわたしと顔を合わせる羽目になった。
三回合わせてから、おかしなことをしてしまった、とわたしは立ち止まった。向こうも立ち止まり、わたしのほうを向いて会釈した。
わたしは通路から通路に向かって声をかけた。
「背の高い眼鏡の男の人を見ませんでしたか」
向こうの男の人は眉を上げた。
「だれかお探しですか」
「ええ。あなたもですか」
「はい。はじめは本を探していたんですけど……」
「わたしもです」
わたしたちは歩み寄って話した。
「外は雷雨ですから」
「ええ。中にいると思います」
「はい。健闘を祈ります」
「それは悪魔に」
男性はふらっと立ち去ってしまった。
わたしも気まずくなって、彼とは反対方向に踵を返した。
すると、いた。先輩が、閲覧席にすわっていた。
わたしは近くの棚からチョコレートの歴史という本を取り出し、先輩のとなりに座った。
「オリベ先輩ですよね」
と、いうと、先輩は「私語禁止ですよね」とつめたく言った。なによちょっとくらい。先輩は目線ひとつくれなかった。
なにを読んでいるのか気になったけど、詮索するのはマナー違反かとおもって黙った。
先輩は本から栞を抜き出すと、ポケットからはボールペンを取り出した。文春文庫の栞になにかを書きつけると、わたしに渡した。
それから席を立つと、つかつかとカウンターに歩いていってしまう。
「外は雨ですよっ!」
と声をかけると、人差し指を唇に当てて振り向いた。
「瞬間移動で帰れます」
「そんなことできるわけない」
「冬には魔法が起きるんです」
「この栞、どういうことですか」
「願いを口にすると悪魔に邪魔されるから、魔法を使うときも魔法使いは一言もしゃべっちゃいけないんです」
適当なことをいって、先輩は出ていく。
秋風。
家に帰りたくなくてベンチでうずくまっていると、小学校低学年くらいの子どもたちが、落ち葉シャワーで歓声をあげていた。
両手いっぱいにかかえて「せーの!」と舞いあげて遊んでいる。
呆然として眺めていると、中学年くらいの女の子たちがそばにやってきた。
「おねいさんどうしたの?」
落ち込んでるみたいだったから……といって、名前のわからない花をくれた。
感動して涙ぐんでいるわたしの脇に、三人はしゃがみこむ。わたしを慰めてくれる――というわけではなく、わたしの足元にいるコロを「よしよし」と撫でている。
わたしみたいなのに話しかけてくれたのは、コロがいたからだろう。
「ありがとう。ありがとうねえ」
鼻を鳴らしていうと女の子たちはぽかんとして、怯えた様子になって、べつに、といった。
仲間どうしで顔を見合わせると、逃げていった。
コロ、ありがとね、と、飼い犬の背中を撫でているわたしを、三人のうちのひとりが振り向いた。
けど、わたしのうしろを見て目を見開いた。それからはもう振り返らず、たーっと急いでクヌギの木の裏に隠れてしまった。
うしろには、わたしの弟が立っていた。
いつの間に来たのだろう。
わたしが目をこすつているのに気づいたみたいだった。「なんで泣いてんのん」といわれた。わたしは「泣いてなんかない」と答えた。
リクは一度、キッと林のほうをにらみつけたけど、次にはわたしの前に回って泣き顔を確認しに来た。
「泣いてるやん!」
わたしが花をもっているのに気がついて、それを奪い取った。
「あっ」
「こんなもの」
「ちがう。もらったんだよ。さっきの子たちに」
「ふん。フジモリの妹たちじゃん。あの団地の」
リクはくんとピンクの花のにおいを嗅いだ。それからわたしに差し向けた。
返してくれるのかとおもったら、ぴっ! とわたしの目の前で花弁を引き抜いてしまう。
「ああっ」
リクは静かな声でいった。
「大丈夫」
そしてひらりと花を落とした。
「明日はいいことが起きる……」「お母さんに怒られない。大丈夫……」「テストでいい点取れる……」「ピアノの先生に褒められる……」「晴れる……」「おいしいもの食べれる……」「ユカワの奴が転校する……」
ぴっ、ぴっと引き抜いて、花びらは全部取れてしまった。
ガクや葉っぱまで引き抜いて、茎だけになるまでリクはそれをつづけた。ひとしきり済むと、リクはお終いとばかりにうしろに放り投げた。
「帰るぞコロ!」
大きな声を出して、わたしからコロのリードを奪うと、身を翻して公園の外に出ていってしまう。
林のほうから女の子たちの悲鳴が聞こえた。花びらをちぎり捨てるリクの行動に、「はぁーっ!?」と声をあげている。
それも耳に入らないかのように、リクは坂を駆け上がっていく。リクは足が速かった。六年生のなかで一番だと聞く。びゅんびゅんと走って、コロにもさらに走らされて、坂の上の住宅街に消えていく。
あっという間に見えなくなった。サアと風が吹く。わたしの傍を吹き抜けて、落ち葉がわたしの足元にすべりこんだ。それを踏みつけてみた。乾いた音が立った。
当たりばっかりの花占いの残骸を踏みしめて、わたしは立ち上がると、坂の上を見あげて追いかけていった。