『秋風』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【109,お題:秋風】
秋の風は冷たい、手袋を付けてない指が悴んで痛い
鼻や耳を叩いて去っていく、容赦ない秋風の猛攻
「寒っ」と思わず口に出しながら、身体を温める目的も兼ねて約束の場所へと走る
肺に入る酸素すら冷たく痛く、マフラーで口元を覆って早足で進んだ
約束の場に君を見つけ、ヤバい遅れたと思いながら「ごめん遅れたぁー」と呼び掛ける
「遅い!」とむくれている君に「ごめんねぇ今日奢るからぁ」と謝って手を繋いで歩き出す
「手冷たっ!?」と言われたのは聞かなかったことにしよう...
くしゅっ、と一つくしゃみをすると、そっぽ向きながらも「ん」とポケットティッシュを渡してくれる
「寒いねぇ~」と何気無く言った言葉に、「そうねぇ、もうそんな時期かあ...」と当たり前に返してくれる人が居る
秋風は冷たくて寒くて苦手だけど、誰かと一緒に居る温かさを感じることが出来るから...
一概に嫌いとは言えないなあ
「ふ、ふふっ」 「なに笑ってんの、気持ち悪いわよ」 「ん~?べーつにっ?」 「何か腹立つ言い方ね」
上機嫌で歩く秋風の日、冷えきっていた手は今はほんのり温かかった
〚秋風〛
オレンジ色に染まった夕焼け空の下を泣きながら歩いた
秋風が優しく頬を撫でる
もっと強い、乱暴な風で涙も感情も吹き飛ばしてほしい
秋は私にとって優しすぎだ
秋風が冷たくて…
1人寂しく歩いていた。
あぁ、何か良い事ないかな…
なんて思ってもあるわけがないのよね。
虚しい、切ない、悲しい。
誰か私をあたためて…
秋風は爽やかな風と一緒に、
貴方の恋もやってくる...。
@秋風
私の大事な人は今も生きているのだろうか。
段々と冷え込むこの季節は、幾度も貴方を考えさせる。
秋の風に乗って海へ出て行った貴方。
私はいつでも貴方の帰りを待っています。
毎年、寒さを連れてくる秋の風。
秋風を感じると私は貴方を考える。
貴方の顔はどんなだったかな。貴方の声はなんだっけ。
時間は私と貴方を切り離す。
秋の風に乗って帰ってきた貴方。
でも、私は貴方を覚えていないわ。
だから、声をかけないでくれる?
私にとって貴方はただの軍人さんだもの。
秋風
秋風どころか冬風じゃないのかな
昨日とか今日とか寒いってば
あわてて寒さ対策してる
秋らしい涼しい風を
もう少し感じていたかったです
もしかするとこの先
秋ってめっちゃ短い季節になるかも?
長い目で見れば気候変動あるあるですが
自分が生きてる間は
あんまり変化してほしくないですね
秋は来ないのではないかと思うほど暑かった今年の夏
季節は巡り、ようやく秋風が心地よい季節がやってきたと思ったのに
秋を楽しむ間もなく空から白いものが舞い降りた
#秋風
#30
#35『秋風』
どうやって風が吹くの?どうしてそうなるの?今では説明できるようになっちゃったけど、不思議だーってワクワクして感じた世界と、ある程度の原理を知って改めて実感する世界と、私はどっちの方が楽しかっただろう。ってか、寒っっ。
秋風に吹かれて、三千里。
峠を越え、山際に沿って稜線を下りると、野分峠という峠がある。
天然の切通しが大穴を開けており、そこを通る風が、山まで吹き上げるため、野分峠と名付けられたらしい。
一本松の生えているところを、右に折り、石段を下る。麓まで降りる緩い坂を降りていくと、人里が見える。緩やかに、たわんだ電柱の点々と立ち並んだ海べりまでの街並みが一望できる。
漁師町として栄えた大神灘の風景は、現在では路面電車が、海沿いの道なりに一本走る。
このあたりも、随分文明化されたものだ、と感ずる。
私は山道を、踏みしめながら、旅籠はもうすぐそこだ、と精を出した。
秋風って冷たいよね。
ただでさえ寒い空気の中、追い打ちをかけるように
びゅうびゅう身体に当たる。
でも、寒さが無かったら、
コートやこたつなんて生まれてない。
秋の風だと寒すぎるだろ
こちらは雪が降っております
こちらは雪が降っております
もう来ちゃったのこの季節
こないだまで暑っつって言ってたのに
もうさむさむさむしか言ってない
さぞかし悲惨な表情でしょうよ
歪んだ顔と同時に気持ちも歪んでしまいそう
冬の到来は爆食食べ期の到来をも誘ってきた
恐ろしい食べて食べてまた食べて
なんだかお腹の原型を留めておりませんが?
なんの話してたっけ
帳おりて
見えてくる星を
つかんで
纏った
特別なドレス
秋風、夏の終わりを感じていたと思っていたら、もう秋風が吹いている、、少し肌寒い、、もうすぐ冬なのね、良かった、、まだ「感覚」は残っていて、、、視覚も聴覚も失ってしまったけれど、、、感覚は残っているみたい、、、感覚、味覚、嗅覚は私が季節を感じれる唯一の物なの、だから、、これも失ってしまう前に、、大切にしておかないとね
ここから後書き
どうでした?五感が無い子、、、想像も出来ないですよね、、そんな子でも、季節を感じる事はいい事なんです、、貴方は四季を見れて、音を聞けて、、、とてもいい人生ですね、、どうか、大切にしてくださいね!それでは!
お題 秋風
あなたと同じ夢追いかけて来た時間は
一体なんだったのだろう
あの日から何も感じられなくて
秋風が心に冷たく残ったけど
心の隙間を埋めてくれる
失くした愛を今でも探している
寒いなって手をすり合わせてたから、手を繋いだ。
「体温低っ」
俺は、思わず口に出す。おまえは、曖昧に笑っている。
外でも人前でも、俺たちは繋いだ手を解かなくてもいい。
秋風に吹かれ涼しさを知る。
もう一枚羽織ろうか。
そう考え、部屋へと戻る。
些細な季節の変化を感じる心を持ち続けていたい。
秋風
今年の秋はなんだか短く感じる
秋風というには冷たすぎる気がする
一番好きな季節
秋が終わったって本当ですか?
大好きな金木犀の懐かしい香りも
桂の葉の焼いた砂糖のような香りも
すっかり感じられなくなった
もはや冬の空気
寒すぎて手袋がいる
「…秋風にうつろう山の木の葉より、ひとのこころの…人の心の…はかなくもある」
「なにそれ百人一首?」
「いや、古文の課題」
明日までに本歌取りで十首詠まなあかんねん、と兄は至極眠そうな目で文庫本に付箋を貼っている。
「ふぅん。あの先生いつも変な宿題ばっか出さはる。うちもこないだ竹取物語を関西弁で現代語訳したわ」
「あー、去年俺もおんなじヤツやった」
「ほなノート見してもろたら良かった」
「いやそれはあかん」
「なんで?まさか出来わるかったん?」
「逆や。調子乗って京都弁と河内弁と神戸弁で三つ提出したら、面白いってA+もろてんけど、文章的にレア度高いから写したら多分バレる」
「…あかんな。なんでそういうコダワリもっと他で活かせへんの。これやからいつでもどこでも『君がアイツの妹か』って言われんねん」
「俺も『君が兄か』とか言われてみたいわ」
「くっそムカつく」
兄弟が同じ学校に通っていると下の子は何かとトクをする機会もあるが、面倒くさい瞬間もしばしばある。
もし来年短歌の宿題が出たら、ネタカブりは極力避けねばと妹は固く心に決めた。
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「秋風」
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所感:
本歌は素性法師、古今和歌集より。
秋風
地下歩道を抜けると、地上に生えてる木々が視界に入った。
地下の下がった場所から見上げる地上の景色。
私はこの瞬間が好きだった。
通ってきたトンネルの向こう振り返ると、アスファルトの斜面に秋の日差しが降り注いでいた。
同じ町なのに、この数メートルの距離で、景色はがらりと変わる。不思議だ。まるで別世界にきたかのように。
階段には黄色や茶色の秋の色をした落ち葉が、コンクリートを覆う絨毯のように一段一段に敷き詰められていた。
この上にある桜の木の葉だろう。無機質で冷たいコンクリートに温かみを感じる。
春は散った花びらで桃源郷に続く階段になっていた。
歩くたびにカサカサと鳴る葉の音を感じながら、私は一歩一歩登ってゆく。
地上に出ると街の一角にある桜の並木通りに出る。
春。
満開な花を咲かせていた桜は、季節が移り変わってゆくごとにその表情も変えた。
毎日通るこの道は、私に季節を感じさせてくれる。
脇の木を見上げると、すっかり秋の色に染まっていた。
不意に風が吹いて葉を揺らす。
そうしているうちに第二陣の風が吹く。
『…っ』
目の前が一瞬にして黄金色に輝いた。
時間が止まってしまったかのような刹那的な景色。
世界はその瞬間、金色の光に包まれたのだ。
あれは全てを救ってくれる神々しい光だ。目頭が熱くなる。
空中に舞った木の葉の大群に思わず息をするのも忘れてしまった。
こんな平凡な日常に、目を奪われる瞬間があるんだということに心が揺さぶられる。
『プップーッ』
どこからか聞こえたクラクションにハッとして意識をとり戻す。
目の前に広がるのは、いつも通りの日常。
私が見た景色が幻だったのかと思うほどに、この目に馴染んでいた。
『あれ?』
頬に冷たさを感じる。
もう。これから予定があるのに、メイクが崩れてちゃうや。
ひとりでこんなとこ突っ立ってたら変な人だな、なんて。
そんなのもどうでもいいくらい、私は溢れるままに涙を流した。
秋風が頬を撫でる。
涙はすっかり乾いた。
さっぱりとした気持ちだ。
ーーー後日。
しばらく家での療養を課された私が、あの並木道を通ったときには、木の葉はすっかり落ちてしまっていた。
紅葉のシーズンも終わりか。
そういえば、最近、気温も低くなってきた。
今年は新しいコートを買ったから、着るのが楽しみだ。
どこからか風が吹く。
『あっ』
残っていた最後の一枚の葉を攫って宙に舞った。
秋風が冬へ誘ってゆく。