『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日は秋晴れ
おにぎり持ってドライブに行こう
紅葉にはまだ早いけど
ほんのり色付き始めた森で
秋の風に吹かれよう
たまに猿や鹿がいるから
ちょっと期待して
ちょっと気を付けて
また紅葉が色濃くなった頃に
今度は少し厚着もして
見に来ようね
10月に半袖出掛けるのも
珍しい…いやこれからは当たり前に
なるのかな、とも思いながら
帰路につく
秋晴れの空から降ってくる紅葉と同じ名前のあの子恋し
あの人が去ってしまった日もこんな秋晴れだった
焼き芋を分け合う猿がいたならばその日はきっと秋晴れだった
秋の晴天に真っ青の空を見上げる。暑さと寒さの狭間にある季節の晴れ。そこに、君の笑顔があるだけで世界が輝く。なんてことは恥ずかしいから内緒。
~秋晴れ~
(超短編)
玄関に飾るA4サイズの絵
来月の絵に飽きていた…
だったら自分で作ろうと
アプリでやっていたが
わからなくなった
そこへ娘が登場
赤富士 紅葉 シマエナガ
この素材をサクサクっと
組み合わせてくれた
秋晴れの景色で
素敵な仕上がり
ありがとう…来月飾ろうね
✴️184✴️秋晴れ
天高く 我肥ゆる日々 腹叩く
呆れた顔で 見守る青空
『秋晴れ』
空の高くに風が吹いて雲一つもない青い空の下、よく実った稲穂が頭を垂れて黄金色のさざなみを形作っていた。稲刈りの準備で家と田んぼを行ったり来たりしていると、畔にこのあたりでは見かけないこどもがひとり座って、揺れる稲穂の様子を飽きもせず眺めているのが目についた。
「何見てるんだ?」
「稲を見ておる」
一面に揺れる稲穂は特段珍しいものでもないので変わったことを言うものだと思いながらも視線を移すと、見慣れたはずの田んぼの稲穂が嬉しがっているということがなぜだか確かにわかった。稲穂の一束ずつ、そこにできた籾の一粒ずつからなにかしらの意思を感じられ、それがどうやら嬉しいという感情のようだった。
「おぬしらが手塩にかけて育ててくれたおかげだ」
ふふ、と笑う声を最後にこどもの姿はどこかへ掻き消えてしまったが、あれは神様だったということも確かにわかった。
稲刈りが終われば秋祭りが始まる。今年の米があまりにもいい出来だったから神様が先んじて姿を見せたのかもしれないねと村の婆さまは笑っておっしゃった。
お題:秋晴れ
空はよく澄んでいる。
だが同時に空気が乾燥していて、
喘息の自分にはしんどい今日この頃。
こんな時気管支喘息持ちの人間からしたら、
いい天気とは少し言いづらくなる。
湿度と気温、共に調度良い日が
毎日続けばいい。
そう思うけれど、四季があるからこそ
楽しめることもある。
だがやはり、乾燥とは肌にも喉にも悩ましいな。
お題『秋晴れ』
探索した結果。オブジェ部屋にはマネキン(崩れてしまった)や石像の他に乱雑に床の上に置かれた絵画をいくつか発見した。
一つ一つ絵画を見ていくと……。
有名な画家が描いた作品であることがわかった。
黄色い背景に黄色の花瓶その花瓶の中に、数本の向日葵が描かれ、作品全体がほぼ黄色い〔ひまわり〕や秋晴れを感じさせる〔秋、積みわら〕などが見つかった。
本物であるはずがない。本物は世界一厳重な防犯セキュリティーが設置された場所に保管されているに違いないと俺は思っている。どれも複製画だろう。
それでも作品(絵画)を使ってドアを作るには無理あるように感じる。
悩んでいると、他の絵画中で一際大きいサイズの絵画を見つけた。
俺は少しづつゆっくりゆっくりと【東】の壁へ寄せていく。【西】側に乱雑に置かれた他の絵画はとりあえずマネキン達のいる【北】側へ追いやることにしよう。二つ、三つと小脇に抱え移動させていく。
最後の一つ青紫が綺麗で月がとても映えるドビッシー作〔月の光〕は【西】側の壁の方へ残したままにした。
ようやく片付いた一際大きい絵画を【東】の壁に立てかける。
白くてまるでそこに元々存在していた様に部屋に溶け込んでいる。
ハンマースホイ作の〔白い扉〕もうこれがドアの代わりでいいじゃないかと思った。
俺は自分の目を疑った、絵画の中央に開いた扉の先に小さく描かれた部屋が見える。
それは身に覚えのある部屋だった。
End
秋晴れ
この不安定な気候で今日はとてもいい天気
あの人にこれが秋晴れというものだと聞いていたが、とても綺麗
秋晴れ
「こういう透明すぎる秋の空を、昔は異常透明って呼んだんだ。今は言わない。異常という言葉のイメージが悪くなったのかもな。異常ってなんだろうな」と、先生は言った。
先生はもういない。異常能力者狩りに捕まりそうになったぼくたちをかばって死んだ。
気持ちのよい秋晴れの日だから外に出て、でも見つかったらヤバいから、ぼくはぼくの前後の光を交換する。前後から見た場合ぼくは光学迷彩で見えにくくなるってわけ。ぼくの能力は光を任意に交換することだけど、完璧に透明になれるわけじゃない。
先生、ぼくたちは異常なんだろうか。100メートルを10秒で走ったら賞賛されるのに、5秒で走ったら異常者扱いだ。異常ってなんなんだろうか。
秋の異常透明の空は美しいが何も答えてくれない。
秋晴れの空の下、ハナミズキの赤い実がツヤツヤと輝いている。何個かまとまって実をつける様子が可愛らしい。光沢があって美味しそうだけれど、人間は食用できない実で、鳥たちは食べるそう。しかし街中にハナミズキが植えられているなんて知らなかった。開花の時期が楽しみだ。
: 秋晴れ
涼やかな顔をした秋晴れの空に
さらっと伸びをした雲が
気持ち良さげに横になっている
うだるような暑さが旅に出たあと
ちょっとお邪魔しますよと言わんばかりに
肌に心地よい風が訪れた
きっと長居はしないだろう
身軽に泳ぐ様子で分かる
この束の間の季節が私は好きだ
色の移ろいに心を染め
美味しいもので腹を満たす
あと何度この和(なごみ)を味わえるのやら…
空を見上げ、ぽつりとひとりごちた
桜月夜
この秋晴れの空が
包んでいるすべてが
穏やかでありますように
【お題:秋晴れ(20241018)+忘れたくても忘れられない(20241017)】【20241105up】
澄み渡った蒼空を横切る一筋のひこうき雲、夏の蒸し暑さの無くなった爽やかな空気を震わせる教会の荘厳な鐘の音、色付き始めた木々を揺らす風が花嫁の純白のベールを宙に舞いあげる。
この世の全ての幸せを手に入れたような、そんな笑顔を浮かべ、参列者が築いた花道を新郎と腕を組んで歩く新婦のその様を茜は複雑な気持ちで見ていた。
手には紙で折られた立体的な星が入った小さなバスケット。
結婚式後の花道の演出として、ライスシャワーではなく折り紙のスターシャワーを行うからと渡されたものだ。
新婦の友人達が企画したらしく、最近はライスではなく花やシャボン玉などで行うことも多いと結婚に憧れている学校の友人に聞いた。
シャワーを花やシャボン玉ではなく『星』としたのは、恐らく新婦の旧姓に因んでの事だろうと想像がついた。
色とりどりの紙で作られた星たちは1センチほどの大きさでコロコロとしているが、これを折るには相当な手間がかかっただろうなと、ぼんやりと考えていた。
新婦の隣で、こちらもまた目尻と眉尻をこれでもかという程に下げて笑っている新郎と初めて会った日が記憶に蘇る。
まだ小学校に入る前、新しい家で暮らし始めたが近所に友達はなく、絵本と人形とぬいぐるみが友達の日々を過ごしていた。
5つ年の離れた兄は、転校先の学校でもあっという間にたくさんの友達を作り、学校が終わると毎日数人を連れて帰ってきた。
彼はその中の一人で、小さな女の子だった茜とよく遊んでくれた。
家も近く兄とも気のあった彼は、毎日のようにうちに来ては茜と遊んでくれた。
それは茜が中学になるまで続いた。
初めの頃は『もう1人のお兄ちゃん』のように思っていた。
だがそれが初恋に変わったのは何時だったか。
何か切っ掛けがあったわけではなく、唐突に理解したというのが正しいのかも知れない。
やがて兄達は大学生となり会う機会は少なくなった。
それでも茜の恋心は募る一方だった。
同級生の男子達は子供っぽく、アイドルやアーティストに夢中になる女子の気持ちはよく分からなかった。
兄はそんな妹の気持ちに気付いてはいたが、敢えて静観を決め込んでいた。
そう、遠くない未来にたった一人の妹が傷つくであろう事がわかっていながら。
大学を卒業し、社会に出た兄達と茜が会うことは更に少なくなった。
月に一度、会えればいい方で数ヶ月会えないこともざらだった。
茜はついに決心した。
自分も高校を卒業し大学生となった。
まだ学生の身ではあるが、もう、大人の仲間入りをしているのだ。
子供だからと、断られることは無いだろうし、『女子大生』という付加価値もついている、はずだ。
そう、心に決めた日から、茜は日々自分を磨くことに余念が無かった。
ファッションや化粧はもとより、マナーや言葉遣い、仕草などありとあらゆる面において彼の隣に並ぶのにふさわしくあれるようにと、己を律し学び続けた。
そして半年が過ぎたその日、茜は兄と共に遊びに来る予定の彼に告白することにした。
朝から手料理を作り、クッキーを焼いて兄達が来るのを待つ。
高鳴る胸を鎮めようと、何度も深呼吸をして紅茶を口に運ぶ。
何もしていないと緊張してしまうため、もう何度もして必要もないのに部屋の掃除をしたりして、そんな娘の様子を両親は不思議そうに見ていた。
「ほら、来たぞ」
兄に声を掛けられ茜は顔をあげた。
新郎と新婦がもうそこまで来ている。
「私⋯⋯」
「あいつ、お前に祝ってもらうの楽しみにしてたぞ」
「⋯⋯⋯⋯」
「あいつ一人っ子だからな、いつも羨ましいって言われてたんだぞ、俺。あいつずっと妹が欲しかったんだってさ」
「私は妹なんかじゃなくて⋯⋯」
『恋人になりたかった』
「⋯⋯あぁ、そうだな。でもな、妹ってのもいい立場じゃないか?」
「え?」
「好きなだけ甘えられるだろ。良いように使ってやれ、きっと喜ぶ」
「⋯⋯仕方が、ないなぁ」
見上げればそこには、突き抜けるほど澄みきった秋晴れの空。
真っ直ぐに引かれたはずのひこうき雲がの輪郭が歪んで見えるのは、瞳に溜まった涙の所為。
あの日、自分の心の内を伝えようと彼の訪れを待ちわびた日が、人生で初めての失恋の日となった。
ドアを開けて入ってきた彼とその後ろに立っていた小柄な女性。
照れた笑顔と共に、兄と自分の前に差し出された白色の封筒。
口にすることも出来ずに散ってしまった、自分の恋心が可哀想で溢れる涙が視界を奪う。
「笑って祝ってやれ」
「わかってる」
兄が差し出したハンカチで涙を拭い、渡された星を手に取る。
1歩、また1歩と近付いて来る新郎の、今までに見た事のない幸せそうな顔を脳に焼き付ける。
「悔しいから⋯」
「うん?」
「私も絶対幸せになってみせる」
「あぁ、頑張れ」
兄と一緒に、カラフルな星を空に向かって放る。
空から落ちた星たちは、花婿と花嫁に降り注ぐ。
2人の門出を祝って、2人の幸せを祈って。
忘れたくても忘れられない茜の初恋の苦い思いを含んだ秋風が、色づき始めた木々の葉と花嫁のヴェールを揺らし、どこまでも高く澄んだ空を駆け抜けて行った。
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(´-ι_-`) 初恋は苦いものデス。
甘い秋色 悲し秋色
心浮き立つ秋色 侘しい秋色
ひとつとして同じ色のない秋晴れ
そのどれもが愛おしい
色とりどりの風船みたいな秋晴れ
優しく包み込んでひろがるよ
秋晴れに
秋色の風船
くるくるまわる
くるくるとまわるよ
この恋は叶うのか
僕は分からない
でも君ならわかる
好きだよ
伝えたら終わってしまう気がして言えなかったんだ
やっと言えたよ
あー。
今日はやけに空があおいなぁ。
僕の長い恋が終わったのか
お題:秋晴れ
『差し出した光の先へ』
変わらない、変われない
そんな日々を紡いでいた
変わりたい、でも怖い
そんな気持ちだけに苛まれた
周りは光を身にまとって
キラキラと輝いていた
下を向いて立ち止まって
動かないでいても時は過ぎる
段々と周りに追い越されて
光が遠ざかっていくようで
不安ばかりが募っていく
ふと目の前が暗くなって
あぁ、もう無理だって諦めた
でも、目の前に差し出された手を
取るかどうか悩んだりして
ああ、生きていたいのだと気づく
「一緒に行こう、ひとりじゃないよ」
「大丈夫、ここまでやってこれたんだからさ」
目の前の闇はいつの間にか開けていた
「行ってらっしゃい、あなたが望む未来へ」
お題『秋晴れ』
朝起きたら、暑かった。もう十月も後半にさしかかっているというのにだ。
外を見たら、秋とは思えないほど空が明るくて、外に出たら案の定、夏みたいに暑かった。
これじゃ、秋なんて味わう間もなく、すぐに冬が来てしまうのではないかと思う。
涼しい風が吹いてとても気持ちいい
夜に散歩するのは秋が1番
【秋晴れ】
今日は雨が降った。というか、最近ずっと雨だ。
今日はデートの日だったから、目一杯おしゃれして、可愛い傘を開いて、待ち合わせ場所に向かう。
「やほやほ、お待たせ!やっぱり雨降ったね」
大親友の彼女と紅葉狩りにでも行こうよ、なんて話になったのは、ついこの間。それから雨続きだったが、彼女が、雨なら雨で楽しいよ、なんていうから、今日のイベントも決行されている。
彼女は可愛い。丸いほっぺたに、くるくる編み込まれた髪の毛、メイクも秋らしく華やかだ。
「かわいーね、今日も!」なんていうと、「あなたが言うの」なんて笑って返される。
いつも通りのくだらなくも楽しい会話を続けていると、雨は次第に止んでいった。
二人で入った傘を閉じて、顔を見合わせて笑う。
「晴れたね」
「だね、ラッキーじゃん、私たち。」
遠目に見えた公園は、赤や黄色で色とりどりで、水に光が反射して、とても尊いものに思えた。
隣のあなたは紅葉に視線を奪われて、瞳を綺麗に輝かせるものだから。
だから、これからも思いを閉じ込めておこうってそう思ったんだ。