『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋のすっきりとした日差し。
暖かく、絶好の絵描き日和だ。僕は誰もいないことを確認をすると、自然と昔からいる絵で描いて具現化した使いが現れた。姿は鯱で他の具現化した使いより遊び好きで無邪気な使いだ。
僕はおもむろに絵を描くと、不思議と描いた絵が具現化した。
不思議すぎる現象に周りは謙遜する。だから誰もいない所で自分だけの世界で絵を描くのが僕の日課だ。
でも君は謙遜せず、僕の周りにいる使いのように興味津々で見てくれる。
ぼんやりとしていたら、使いにつんつんともう少し絵を描いてと言わんばかりに催促された。僕はそれに答えるようにまた絵を描いてみながら、また会いたいなと考えていた、今度はお話でもしてみたいけれど、そういう勇気、僕にはあるのだろうか?
アラームの音で目が覚める。けたたましく鳴り響く音を手探りで消して、私は顔を枕に埋めた。起きなければいけない。頭ではわかっているけれどいざ体を起こすとなるとどうにも時間がかかる。
今度は足で探ってカーテンを足先で引っ掴んだ。ぐっと蹴伸びをするとカーテンが少し開いて、窓から降り注ぐ日の光を浴びた。直射日光を浴びているわけではないのに、浴びただけで体が軽くなるから日光は不思議だ。私はようやく体を起こし、少し重くて澱んでいる空気を入れ替えようと、窓に手を伸ばした。
--クーットゥルトゥルトゥルトゥー
「なんて?」
窓を少し開くと、聞こえてきた鳥の鳴き声に思わず首を傾げた。鳴き声の主は、ベランダの柵に止まり、向こう側にいる仲間たちに何か訴えかけるように鳴いている。いかんせん早口な鳴き声だから、クートゥルトゥルともピーピロピロともツークツクツクとも聞こえる。
何度も何度も激しく鳴く鳥は、見覚えのない姿をしている。大きさは鳩くらいだろうか。よくベランダへやってくる雀よりふたまわりくらい大きい。羽の色は地味な色で、尻尾が少し長いような、標準くらいのような微妙な長さだ。
まぁ、そのうち飛んでいくだろう。
そう思って身支度を準備し始めた。
しかし、想像以上に鳥はよく鳴き続けた。顔を洗って歯を磨き、ご飯を食べて化粧まで済ませてしまった。その間、ずっと鳥は鳴いていたのだ。これだけ繰り返し鳴いているのに、結局クートゥルトゥルなのかピーピロピロなのかツークツクツクなのか、はたまたリズムすら違うのかわからなかった。
鳴き声を聞いているうちに、私はその鳥の正体が気になってしかたなかった。
飛び立たないように、そっと窓へ近づいた。掛けっぱなしのレースのカーテンに手をかけて、ゆっくりと引っ張った。
「あ、」
すると、鳥は気配を察したのか急に飛び立ったのだ。秋晴れのうっすら雲がかかった青空へ、翼をはためかせた後ろ姿はあっという間に見えなくなってしまった。
私は結局正体が分からずじまいで落胆した。次の晴れた日にまたやってくるだろうか。
『秋晴れ』
秋晴れ
漂って来た
金木犀の香り
木のある所在を
いつも探してしまう
視界に広がる空に
私と甘い香りが
吸い込まれた
猛暑の季節が過ぎ去り
台風が来たり来なかったりする合間に
涼しい風と共に現れる快晴
ああ、もう夏は本当に終わったのねと
突きつけられる瞬間
いろんな喜怒哀楽の思い出が
追憶の引き出しからぶわっと出てくる
それは、泣きたいほど戻りたい愛しい場面や
死にたいほど心が大変だった場面、
無音映画のなかで話しかけてくるあなたの
本当はなにを思っていたのかを
わたしは
なにをしてあげられてたんだろうかと
あれこれ考える始まりになる
どんなに想い馳せたって
変わることのない過去を 愛でて 責めて
そんな沈黙の追憶を抱えながら 今年も
残り少なくなった2024年の冬支度をする
◇秋晴れ◇
女心と秋の空とはよく言ったものだ。
つい1週間前までは将来の事を嬉々として語っていた彼女から別れ話を切り出されるなんて。
理由を聞いても納得のいくことはなかった。
一方的に彼女は僕の元を去っていった。
空いた心を埋めるにはきっと時間がかかる。
それでもきっといつかまた巡り会える。
その時にはきっと澄み渡る青空を見て思い出すだろう。
秋晴れの天気は変わりやすいのだと。
絨毯のように広がる小麦色が、風に吹かれて誇らし気に揺れる。
空は雲一つない秋空で、高く高く突き抜けた青を鳥が優雅に旋回している。
「ここにおりましたか、ウォーカー団長」
軍支給の軍服を見に纏い、気難しそうな眼鏡の男—ジャンが声をかけた。
軍服をわざわざ脱いで来たというのに、目敏い奴め。ウォーカーは心の中で独り言つ。
「見事ですね。今年は実入りがいい」
眼下に広がる小麦畑に目を細め、ジャンが嬉しそうに言う。
「これなら、民草たちもなんとか冬越え出来ますでしょう」
「俺達が無駄遣いしなけりゃな」
「まさか。暫くは北も攻めては来ますまい」
どうだか。ウォーカーは苦虫を噛んだ。
北の鋼鉄国の侵攻は、年々苛烈さを増している。あちらは冬が厳しい。こちらの資源は喉から手が出る程羨むものだろう。
今年は兎も角、春先にはあちらも仕掛けてくるやもしれない。
「屯田をするかもしれんぞ」
「ははは。ともすれば奴等は堕ちかけも同然」
「”我が国”が、だ」
まさか!と困惑の声を上げるジャンを尻目に、ウォーカーは畑へ目を遣る。
ちらほらと一家総出で仲睦まじく刈り入れをしている。全身を使って穂を抱える子供がキャアと笑う。
「”あの方”に限って、そんな」
「年寄り連中はどうだろうね」
戦が長引けばそれだけ国は飢える。民草を想うのであれば、殊更早急に終わらせねばならぬ。
だが議場のお上達は卓上でしか戦をしない。この光景を誰一人見ずに、盤面の駒を手慰みする。
理解は出来るが、納得はいかない。いつまでも自分は青臭いままだ。
(やってられんな、全く)
臍を噛むウォーカーを、よく通る声が呼んだ。
「ウォーカー大佐!はあ。やっと見つけた。至急招集せよとのこと」
「ほらみろ、何かあるぞ」
顔を顰めるジャンにそう言うと、ウォーカーは伝令の後を追い踵を返し歩き出す。
横目で美しい田園風景を一瞥し、忌々しく吐いた。
「いつまで持つかね、この光景が」
≪秋晴れ≫
題 秋晴れ
ひらひら
落ちてくる落ち葉が私の髪をかすった。
公園のベンチで本を読んでいた私はふと顔をあげる。
秋の涼しさを含んだ風に揺られて
木から葉っぱたちがはらはらと舞い落ちてくる。
ひらり、ひらり、とたくさんの葉が舞い降りてくる様はまるで色とりどりの花びらが舞っているようだ。
私はため息をつくと、読んでいた本を閉じた。
立ち上がって、木の側に行ってそっと幹に手を当てて上を見上げる。
優しい、儚い、切ない、そして癒し
いろんな感情を覚える。
ただ上を見て木の葉が落ちる所を見ているだけなのに、私の胸にはたくさんの想いがよぎっていく。
ずっと見ていたい気持ちに囚われる。
木の葉の舞い降りるこの空間、涼しい風が髪をかすっていく感覚。優しくそして物悲しく感じるこの場所時間を、ずっと感じていたいな。
どれだけそうしていたたろう。
「なみ?また変なことして」
後ろから友人の声がする。
私は残念な気持ちになりながら振り返る。
「あ、ゆうきちゃん」
「よく木に触ってるよね」
ゆうきちゃんは呆れたような調子で私に言う。
「うん・・・落ち葉をもっと近くで見たくて」
もっと感じたことを伝えたいのに、私の語彙力がなくて伝えられない。
「へんなの〜。落ち葉見て楽しいの?」
「うん・・・」
今日もわかってもらえなかった・・・しゅんとした私をみて、ゆうきちゃんは、肩をポンとたたく。
「ほら、落ち込んでないで、なみの好きなパンケーキ食べに行くんでしょ?」
「うん、行こう」
おっとりした私にいつもお姉さんみたいに世話を焼いてくれるゆうきちゃん。
いつかこの落ち葉の魅力を分かってほしいなぁ。
伝えたいなぁ。
私は名残惜しい気持ちで、木を一瞥して、ゆうきちゃんとパンケーキを食べに行ったのだった。
秋晴れ
春晴れも、夏晴れも、冬晴れも耳慣れないけど
秋晴れだけはよく聞く気がする
色付いた葉っぱが染める視界
葉っぱが駆け抜けたり踏まれたりする音
ひんやりして少し寂しい空気
そういうものが想像できる言葉
大きく息を吸い込むと、少し冷たい空気が鼻を抜ける。
金木犀の香り、昨晩の大雨で少し湿った空気は秋晴れの清々しさには勝てなかった。
休日の早起きも悪くない、そう思わせてくれる。
スッキリと起きた体に感謝して洗面所へ向かう。
「ふぁ〜ねむ」
まだ重たい瞼を冷たい水で引き締め、つけ過ぎた歯磨き粉で口の中が泡だらけになってしまった。
あまりにも滑稽な姿に笑いが出るが、一人暮らしならではの秘密の姿だ。
「パジャマでいいや」
そういえば昨日買っておいたパン食べよ。
あ、今日コラボの日か‥やば
そう言ってお気に入りのゲームを起動する。
のんびり好きなことをする、こんな平和な日々は空を駆け巡る閃光によってあっけなく終わりを告げた。
[終焉の日、秋晴れ]
秋晴れ
白い雲
青い空
秋晴れ
紅葉も
どんどん
色づいていく
なな🐶
2024年10月19日2343
秋晴れ
確かに今日は晴れではあるけど、なんかセミが鳴いてるんだよな。秋ってより夏の感じがある。
ただ暑さ自体はそこまでじゃなくてやっぱり涼しいから秋ではあるのかな。でも昼間とかエアコンつけたくなるくらい暑さを感じる時もある。どっちなんだか。
なんであれ今日はいい天気だ。天気がいいと気分もよくなる。気分転換に散歩にいくのもいいかもな。
秋晴れ
秋の空は高く
空気は冷えて
どこかから金木犀がかおる
胸の奥底から
万物すべてが愛おしく思う気持ちがあふれ出し
鼻の奥をくすぐる
だから人は秋になると
恋をしたくなるんじゃないかな
太陽の強烈な日差しから隠れるように過ごしていた時期が嘘のように、朝の空気はひんやりとして心地よかった。朝食のバターブレッドとともに休日を噛みしめる。
「お散歩行かない?」
珍しくカナデから提案があった。散歩か、いいじゃないか。私は二つ返事で了承した。
「気持ちいいな、久しぶりの感覚だよ」
「でしょ〜、ふふ。歩くのって頭の整理にちょうどいいんだよ」
通勤のために歩くときは、仕事に行くつもりで気怠さばかりが頭を占めている。目的なくただ歩くことなんか久しくしていなかった気がする。
「休みの日にちょっと出かけるのって散歩だったの?」
「あ、そうだよ。買い物じゃないときはお散歩。平日もひとりの時はたまに行くよ」
カナデは在宅ワークを存分に楽しんでいる。クリエイターにとってアイデアを考える時間は勤務に当たるのか。拡大解釈のような気もするが、会社が許しているならOKなのだろう。
休日の午前中、町は静かだ。そう思っていたけれど、ランニングをしている人や犬の散歩をする人など、すれ違う人は多いと気づいた。いつもと違う行動をすると、町は違う顔を見せてくる。営業で知らない町に行ったときのように。
しばらく歩いていると、隣を歩くカナデが話しかけてこないことに気づいた。あちこちに顔を向けながら、自分の中で思索を巡らせているのだろうか。一緒に歩いているのにまったく別のことを考えている。そのことが、どこかおかしく、どこか心地よい。
なんとなく、歩くことの意味に気づいてゆく。メディアに触れることなく、自分の目で耳で身体で触れたものだけを感じる時間。歩く速さで、自分という器のペースで思考することは、自分の内側に入っているものだけを取り出せるということだ。等身大の思考とでも言おうか。
きっとこのままカナデに話しかければ、二人の等身大が混ざり合う。二人だけの思考が生まれる。
少し前を歩くカナデについて行ったら、公園にたどり着いていた。
もし、いまカナデが考えていることが、自分にわかったとしたら、それはとても尊く、奇跡のような結び付きになるかもしれない。
「ねえ、カナデ」
「ん、なあに?」
「いま何考えてた?」
「え?恥ずかしいから言わない」
「当てようか?」
「えー?じゃあせーので言う?」
「いいよ」
二人は立ち止まって声を合わせた。
「せーの」
「お昼なに食べよう」
「お昼どこに行こう」
大人二人が公園の隅でゲラゲラ笑う。コイツとなら上手くやれそうだ。
「秋晴れ」
秋晴れにぬる燗呑み紅葉姿の地蔵見る
◆
盂蘭盆に鬼灯の提灯携えて参りかな
◆
秋晴れのマイクにうねり出す票呼び掛け
◆
コロッケを頬張る秋祭り
◆
りんごの唄のりんごはどの子なのか?
◆
林檎で始まり林檎で終わる一日の締めを
涼しい風が僕の横を吹き抜ける
こんな日が来たのはいつぶりだろうか
カラッと晴れた空
そして涼しい風
今日は秋の最初の晴れの日だ
今日は楽しいことが起こりそうだ
秋晴れ
「秋晴れのような人だ」
カラッと乾いた風のようで
濁りのない澄んだ空に似ていて
豊作な果物の香りもする
私はあなたを
好きになってしまったようです
「秋晴れのような人ね」
ころころ天気を変えてゆく
寒暖差も激しく枯らしてしまう
淋しい終わりを連想しちゃう
だから、嫌いだと
フラれてしまう、秋晴れの下で
秋晴れの空の下
加速する心拍数を隠しながら歩く私がいた。
だって今日は面接!!なのだから。
もう帰りたい。
今からUターンして家に行きたい。
そんな気持ちを心の隅に置きつつ
私はもう既に入口まで来ていたのだ。
緊張する。もう汗が吹き出そうだった。
優しく声をかけてくれる大人たちも
今は巨大な何かに見える。
面接練習では第一印象は7秒で決まるとか言われたけど
そんなの入り口でミスったら終わり。
こんなことを考えていたら
消えていなくなりたいと思ってしまう。
面接は一人だけの戦いだから怖い。
秋晴れの空に吹く風が私の緊張ごと
吹き去って行けばいいのにと私はずっと考えていた。
─────『秋晴れ』
秋晴れ
(本稿を下書きとして保管)
2024.10.18 藍
秋晴れ
先の三連休に、茨城県の大洗へ行ってきた。
高速を降りて海へ向かう道のり、右を見ても左を見ても、びっしりとサツマイモ畑が広がっていた。
収穫機と無数のカゴが畑に登場。根っこでつながったサツマイモが、次々と青空に顔を出す。
作業する人たちは笑顔だった。きっといい出来だったのだろう。うらやましい。
窓を開けて車を走らせた。空気がカラッとして気持ちいい。
潮風が吹き込むと湿気が飛ぶ。そうなると害虫が少ないらしい。農薬も少なくなる。サツマイモも自然の味わいだ。うらやましい。
大洗神社の神秘的な鳥居を見てから帰路へつく。3時過ぎだが、まだまだ暖かい。この地区は日照時間が長いらしい。農作物作りには最適な気候だ。海も近いし。うらやましい。
次の日。負けじと我が家のサツマイモも採ってみた。本当はもう少し置きたかったが、モグラにかじられてはたまらん、ということでスコップを手に畑へ。いざ、掘り出してみると……。
ふむ。まずまずではないかな。数も大きさも去年よりいい気がする。モグラの先手を取れたのもホッとした。
味は……。どうだろ。何とも言えん。サツマイモは置いておいたほうが甘みが増す。長期保存できるところがサツマイモのいいところだ。これだけあれば、冬に天ぷらで食べる分は十分ある。スイートポテトも作れるな。
腰が痛くなったけど、秋晴れの収穫は心地よい。来年は、もう1列作ってみようかな。干し芋用に紅はるかで。
「秋晴れ」とは秋のよく晴れた天気のことで、私は「秋晴れ」に春によく晴れている空とは違ったものを感じました。
「秋晴れ」、という言葉に聞き馴染みがなく、言葉の意味がよく分かりませんでした。そのためGoogleにて検索をかけ、調べてみました。すると、1番上に秋の晴天という意味がでてきました。夏から秋にかけては台風がよく発生し、その年によっては長期間雨が降り続くことがあります。春にも台風が発生することはありますが、常に発生する訳ではありません。ですから「秋晴れ」が起きた時には、よく晴れているな。と心が明るくなります。その事から、「秋晴れ」に自分の暗い気持ちが明るくなる様子をイメージしました。例えば、友達が自分の悪口を言っていて悲しい気持ちになった時、新しい出会いがあると心が明るくなる様のように、「秋晴れ」とは自分の雨天のような気持ちが晴天になったかのように感じさせてくれるものだと考えました。
私が「秋晴れ」に感じたことはもうひとつあります。それは、紅葉がよく映えることです。私は紅葉の紅い色が好きで、秋と言えば、で思いつくものの中に必ず紅葉が思い浮かびます。紅葉を見に行く時、必ず晴れの日を選びます。なぜなら、曇天に紅葉が浮かぶ様子を写真に残しても、グレーと赤ではあまり映えないからです。また、雨天に紅葉がさらされると紅葉が萎れて見え、元気がないように感じさせます。そのため、「秋晴れ」とはより一層「秋」
を感じさせてくれるものなのです。
春はたんぽぽが咲いたり、モンシロチョウが飛び、春の晴天は温かさを感じさせてくれるものであり、私が考える「秋晴れ」とは、自分の辛い気持ちが明るくなり、晴れるように感じたり、青い空に紅い紅葉がよく映えた写真を残せる秋という季節の素晴らしさをより引き立ててくれる天気です。
783文字
入試対策として、文字に馴れるためにこのアプリをダウンロードしました。
ほとんどのものを一発で書き、おかしいと感じる所やいらない所を削って直しています。
違和感を感じる所があるかもしれませんが、暖かい気持ちで読んでいただけると嬉しいです。