『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋晴れがなんなのか
分からないぐらいばかだから
死にたくなるのだろうか。
私が夏を殺した時
その断末魔は雷になって
涙は嵐になった
冬をとられたくなくて
私だけの冬でいてほしくて
たけど冬は心を凍らせてしまった
冷たい風が赤く染まった枯れ葉を巻き上げる
私の涙はいつまでも続く雨になった
終わりのない長い夜が訪れた
私はやっと気がついた
だから星に祈った
私の祈りは種になった
いつか冬の心が溶けるように
新しい気持ちが生まれるように
いつか晴天の下で芽吹くように
秋晴れ
暖かい日差し
肌寒い風が吹く
その風と共に
懐かしい記憶が蘇る
この時期に遊んだ
君との思い出
うろ覚えになってしまった曲が地面の上にあるかもしれないので下を向いて歩くと水たまりの中に半透明の青い空が映っていて何もかも小さくなってしまえばいいのにと思った
『秋晴れ』
「雨の日と月曜日」は気が滅入るのは世界共通なのかな。
ならば、気分が高揚するのはいつだろう、どんなときだろう。
暑い夏、夕立後、雪の朝…人それぞれ
わたしは、晴天の秋と冬の星空
急に冷え込んだ朝。
まだ衣替えが中途半端なクローゼットから慌てて羽織ものを出す。
玄関を出れば、少しひんやりした空気が頬をなでて。
それがまた気持ちを引き締めてくれるようで、背筋が伸びる。
ふと香るはオレンジ色した小花たち。
爽やかさの中でむせかえるような存在感を放ち、私の気持ちを拐っていく。
金木犀にまつわる思い出なんて無いはずなのに、切ない気持ちになるのはなぜなのか。
それでいてずっとその場に佇みたくなる、甘い誘惑。
かき乱された心のまま見上げれば、オレンジ色の向こうに澄んだ青空。そして薄くかかる優しい雲。
今日も一日が始まる。
夕方、金木犀が空に浮かぶといいな
青く澄んだ空
浮かぶうろこ雲
少し肌寒い風
あなたのところでも晴れていますか?
まだまだ暑い日が続くでしょうから
お体には気おつけてね。
秋になると、ばあちゃんの姿を思い出す。
赤トンボを捕まえに行く時
いつもばあちゃんと一緒だったからだ。
ばあちゃんと20年以上一緒に過ごしたが
このことが1番記憶に残ってる。5歳より前の記憶だ。
なんでこれが残ってるんだろう??
赤トンボが好き??昆虫採集が趣味だったから??
違う。
それは、優しく笑ったばあちゃんの姿があったからだ。
ばあちゃんがいるおかげで目の前のトンボに集中でき
捕まえた時に喜びを共有できる。
すごく楽しい時間だった。
僕にもいつか子供ができたら、ばあちゃんみたいに
後ろから優しく微笑みかける
お父さんになりたい。
ほかの季節よりも明らかに短い秋。
気が付いた頃にはもう去っている。
だからこそ秋晴れの日は、いつもよりも少し特別な日のような気がしてしまう。
そんな特別を求めて、私は今日も空を見上げる。
光も温かさもない空…。
だけど不思議と惹き付けられてしまう。
…あ、そっか。
これが私にとっての秋晴れなんだ。
テーマ“秋晴れ”
いつもより
ほんの少しだけ早く目覚めた私は
軽く着替えて
外に出て、背伸びをする。
すうーっと鼻から息を吸うと
数日前までは、
まだ残暑が厳しかったとは思えないほど
冷たい空気が入ってくる。
思わず、涙目になり
上を見上げると
空は高く青く澄んでいる。
空はキレイなのに
此処はこんなにも寒い。
腕をさすりながら
家の中へと戻る。
そろそろ、こたつ出そうかな。
そんな事を考え始める。
秋は短し、北国の季節。
お元気ですか。
僕は元気です。
あなたが旅立たれて11年。
そちらの生活も、もう慣れたものかと存じます。
この11年、色んなことがありました。
他の人からもたくさん聞かれていることでしょう。
11年の間、それはみんな逞しく成長しました。
あなたが突然旅立ったときの何とも言えない悲愴感。
みんなそれぞれ乗り越えてここまできました。
あなたは今も僕たちを見守ってくれていますか?
それとも、もう心配ないと言ってくださいますか?
僕たちはそれぞれに、色んな思いを持って進んでます。
なので、心配せずにそちらでの生活を思い切り楽しんでください。
清々しい秋晴れの空。
あなたの住む世界へ向けて遮るものは何もないので、手紙を書きました。
追伸
来年、いよいよあなたと同い年になります。
〜秋晴れ〜
秋晴れの空の下。
風に吹かれて揺れる
キバナコスモスの花。
道端でもぐんぐん育つ、生命力。
1つひとつ違う色や形。
それらが合わさって
波のようにきらきら輝きながら
揺れる光景。
それをただ眺めながら
まるで人のようだな、とぼんやり考える。
秋晴れ
今日はなにかいつもと違う日な気がする。あなたと二人で話しながら歩く夕方。なんでだろう。なんであなたはそんなに暗い顔をしてるの?私と話してるんだから笑ってよ!なんて言っても君は反応してくれない。「あぁ、君が最後に笑ってくれたのは今日みたいな綺麗な空の日だったね。」あなたが呟いたその一言で私は全てを理解し、頬に涙を流した。
解説
女の子は自分が亡くなっていることに気づかず、女の子の死を目の前で体感した男の子はその女の子が見えるようになってしまった。男の子はそんな女の子と何日も話していた。でも、なくなってから1年経った日。空が綺麗で。少し呟いただけだったけど振り返ればもう女の子は(成仏して)居なくなっていた
秋晴れ
水たまりに映る反転した景色があまりにも美しくて、思わず顔をあげた。
視線の向けた先にあったのはどこまでも続く青い空。
昨日はあんなにも空が大泣きしていたのに。
まさしく秋晴れというにふさわしい、清々しいほどの空だった。
その美しさに訳もわからず、涙がこぼれそうになるのを泣いてすっきりしたような空が肯定するように見守る。
泣いたっていいんだよ。それですっきりして、また笑顔になれるなら。泣いて、泣いて、涙が枯れるまで泣いて。
この空と同じように、清々しく、美しく、君らしい笑顔になれるなら。
秋晴れ
秋晴れの思い出。
実家の2階の窓から見えるプラタナスの並木。晴れた空に立つ、背高のっぽ。
子供心に陰り行く季節を感じた、
プラタナスのある秋晴れの風景。
やさしい風に包まれて
ふと見上げると
赤と黄色に染まった紅葉 が。
なんて美しいのだろう
私は時を忘れるほど見惚れていた
陽の光がさして輝いている、
そこは別世界のようだった
書く習慣 DAY 5 | 秋晴れ
秋の冷たい風が吹き、少し肌寒くなってきた。
季節の変わり目のようだ。
秋晴れのいい天気は、忙しない日常から冷静な心を取り戻してくれる。
最近私はとてもありがたいことに、スクールの授業や課題だけでなく、クライアント様から依頼をいただき、忙しい日々を過ごしている。
1人で黙々と家で作業をしていると、外の世界を忘れて1人の世界に浸ってしまう。
気づいたら、かなり時間が経っていることも。
息抜きに窓を開けると、秋の爽やかな風に身を包まれる。
コーヒーを一杯、ホッとひと休み。
空を見上げると、ゆっくりと時間が流れるのを感じる。
時には心静まる時間も悪くないようだ。
頬を撫でる風
指先で感じる冷たい空気
遠く感じる空
皮膚がじりじりと焼ける
季節も感覚も遠ざかり
あなたの私に対する気持ちも
はらはらと落ちていき
掴もうとも掴めず
手を眺める視界が歪んでいく
【秋晴れ】
075【秋晴れ】2022.10.18
鮎釣り歴は、中坊のときから数えて20年、ベテランを自認していた俺としたことが……やってしまった。川底の丸石の苔のぬめりに足をとられて、つるり、となるとは。不甲斐なくも俺は、周囲の釣りキチたちには申し訳が立たないくらい派手な水しぶきをあげて、全身ずぶ濡れになってしまった。
地球温暖化の影響か、秋が深まっても日中はいささか暑い。とはいえ、水浴びするにはさすがに涼しすぎた。歯の根の合わないおもいをしながら、ほうほうの体で上陸した俺を、同じ釣りキチ同士、みんな、やさしいんだな、介抱してくれたり、焚き火をたいて暖を取らせてくれたりした。そのうち、せっかくだから、とインスタントラーメンと小鍋が出てきた。すると、コーヒーセットもあるぞ、という話になった。どうせなら、と器用な人が十得ナイフを出してきて、そこらへんの小枝を切って、鮎を焼く仕度をしはじめた。
俺は借りたバスタオルにくるまって、髪の毛から冷たいしずくをしたたらせていた。ただただ恐縮しつつ一番いいところに陣取らせてもらって元気よくはぜる火にあたり、せめてもの恩返しにと提供した本日の全釣果を炙る番をして、結局、自分でも一匹食ったんだが、程よく焼けてほろほろとなる錆びた鮎の身にかぶりつきながら、ふと見上げた秋晴れの空の、それはそれは高かったこと。
薄墨色の焚き火の煙は、風無き秋の空気を貫いて真っ直ぐに立ち上り、青い天を目指して突き刺さらんとするかのようだった。
ピーヨロロ、と鳴いたのは鳶だ。まるで煙と張り合うかのように、高く高く旋回して、点になり、あとはお日様の眩しさに飲み込まれて、声を残して見えなくなった。
と、不意に声をかけられた。
「鮎、ごちそうさまでした」
コーヒーセットの人だった。
「だけど、あとで嫁さんに叱られませんか?」
淹れたてのコーヒーの入ったカップをありがたく受けとりながら、俺は苦笑いした。夕飯のおかずはまかしておけ、と見えを切って、先週は微々たる釣果で、今日はコレ。またしても、家に帰ってあわせる顔がない、自称ベテランの俺である。
いましがた味わった鮎のはらわたのようなほろ苦い思いを、濃褐色のコーヒーの強い苦さで、俺は誤魔化した。
「よく晴れた空ですねぇ。」
ふと、声をかけられる。河川敷に居座ってただけだ。
「は、はぁ。そうですね。」
そう相槌をうちながら答える。
「もう肌寒くなりましたね。見事な秋晴れです。」
「そうですね…でも、見事とはどういう意味で?」
「ああ、そうそう見られないんですよ。私だけかもしれませんが、丁度雨の日が被って、今まで綺麗に見た事が無かったんですよ。」
…ん?どういうことだ。ここ最近は晴天だぞ。
そして僕は勘づいた。彼に、
「悩み、いつでも聞きますよ。」
「貴方なら勘づいてくれると思いました。どうです?私の国語力は。」
ニコニコしながら話してる。この人なら、分かち合えそうだな。
「僕、教えてほしいです。」
「…何をだい?」
「雨、に関する表現です。」
「もちろん。雨は人の感情も表せるよ。」