『私の名前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
初投稿というのはドキドキするもので
〝誰かに向けた挨拶〟も苦手だ。
その人に映ることが目的で印象つけるのが嫌いだ。
ここではなんという名前にしようか。
今までの名前は
小夜子(さよこ)
→3月8日の20:00に2500g未満で生まれたから。〝さ〟んがつ〝よ〟うかに生まれた子。夜に生まれた小さい子。
あくあ🐋
→アクアマリンが誕生石だから。アクアは水という意味のラテン語。マリンは海を表すラテン語。
🐋にしたのは、クジラは死んだ場合、肉塊を肉食の魚たちが食べ、それより小さな魚が骨に残った肉も食べ、骨に寄生した生き物が分解しつつ骨の中の栄養を摂り、そして硫黄菌が分解し跡形もなく居なくなるから。海に生き、生き途絶えても他の生き物の糧となるクジラが羨ましいから。
金烏玉兎
→金烏は太陽の異名。玉兎は月に兎がいるという伝説から月の異名を持つ。転じて歳月を表す言葉。綺麗だから名にした。
よし。この名前で行こう。
私は水蓮〝すいれん〟。ここではそういう自分で生きよう。
『私の名前』
私の名前は、太陽に向かって咲きほこる夏を冠する花の名前だ。
初対面の人に名を名乗ると、必ずと言っていいほど可愛い名前だと褒めてもらえるので、この名を送ってくれた親に感謝しているし、自分でも気に入りの名前である。
私はこの夏を冠する太陽に向かって咲く花の名に負けぬような人間性を身につけるべく、日々明るく振る舞うよう務めている。
そしていつの日か、本当の意味で自分の性格は向日葵のように明るいと言えるように頑張るのだ。
『私の名前』2023.07.20
わたしの名前は、家族で考えた。
というより、本科になる前から決めていた名前だ。つまり芸名である。
苗字はわたしが敬愛する両親の芸名から、名前は本名から。
これで「わたし」の完成である。むしろ、宿命と表現してもいい。
わたしの幼なじみで同期である大親友は、彼女のパパが演じた役から苗字を、名前は本名に一字足している。
学校を出て、本格的に劇団に所属してから、本名よりその名前で呼ばれることになる。
お客様はもちろん、先生方、スタッフのみなさん、先輩に同期に後輩たち。愛称で呼ばれることもあるが、だいたいは芸名で呼ばれている。
わたしが両親と同じ道を歩むと決めた時に、彼らは反対しなかった。むしろ、喜んでくれた。そして、そのまま「名前」を決めた。
その甲斐あってか、わたしは一回目で入学することができて、優しい先輩と楽しい同期と出会うことになり、卒業から何年か経って、幼なじみとおとめの頂点へ立った。
わたしは「わたし」の名前が好きだ。
もちろん、「わたし」もわたしの名前が好きだ。
わたしに与えられた二つの名前を携え、今日も舞台に立つ。
私の名前
忘れた名前
何だっけ、思い出そうとするととてつもない痛みが私を襲う。
そして思い出す、母に殺されかけた記憶が父からの暴言、あぁいたいな
愛されたかった、私の名前はいらない子、母はそう呼んだ。
書く習慣/107日目。
「 私の名前 」
( ^ω^) コ↓コ↑は〜、何かとち狂った学園。
「先生、皆さんと初めてなので、まず…
お名前をどうぞ!」
「荒川 男です。」
「先生、最初は漢らしくて良いなと思ったけど…読み方知ったら、アダム(男)って大きく出たね、全人類の親だよ…親より親になってるよ」
「天川 七海です。」
「先生は少し悩んだよぉ…ナナミン?かと思ったけど、マリン(七海)なんだね」
「鬼龍院 天音です。」
「先生ビックリだよ、キリュウイン(鬼龍院) は読めたけど、ソプラ(天音)は意外だよ…アマネじゃ無いんだね」
「鈴木 心愛です。」
「先生は一瞬いいなと思った…心と愛がこもったホットココアの様な感じで、でも…ココア(心愛)は男の子だからなぁ…」
「田中 珍子です。」
「先生は愚か者です。一瞬でてきた読み方が、とても許せません!。それでも君は、
立派な、よしこ(珍子)だ!珍子〜!」
「夜神 夜神です。」
「先生…渾身の驚きです。夜と神で、黒いノートの夜神家かと思ったら本当に、
ヤガミ(夜神)ハデス(夜神)だもん…上と下の2字セットで完結だよもう…」
「奈那 菜七です。」
「先生 は一瞬困ったよぉ…
ななななな…だよぉ。
ナナ(奈那)ナナナ(菜七)って連続で、
な〜!な?なぁ?」
「日高 凹凸です。」
「先生はこんなのでも名前になるんだなって感動したよ。テトリス(凹凸)だって、名前に恥じない様に積み重ねて行くんだぞ」
「さて、少人数のクラスですが仲良くしましょう!先生は皆んなと仲良くぞ」
「先生〜!先生の名前は何ですか?」
「サクラ先生って呼びますか?」
( ^ω^)
「先生の名前は、サクラではありません。
名前は、
記論落-桜桃〆
と呼びます。」
こうして、先生も生徒も
キラキラ(ネーム)していた。
・・・何故こんな名前かって?
元々、ゲームやデータ別に
名前はいろいろ使ってて、
名前が無いから無字名とか呼ばれてるけど…
名前の最後にわかりやすく
( ༗ )をつけてるんだよね…
表示されない時あるけど
さて、私の名前
記論落-桜桃〆は、
キロクラク-オウジョウ (締め)と読み
( 記録、論理、落書き )
になっている…
最後に桜桃はサクランボと読むが
別の言語で発音するとオウジョウとなる。
ちなみに、
「アンタもチェリーパイにしてやろうかぁ!」
って賭け事に負けたから
数日間、チェリーパイにされた為
テラーノベルの名前をつける時
「まぁ…いいか」って感じで
\( ^O^)/現在こうなったわ〜け。
まぁ、桜桃を…
サクラやチェリーが多いけど
オウジョウって無理やりやろうがい!
って思った人がいると思うけど…
コレなんて読む?
→ 胡桃
一般人なら、
コモモ?か、クルミ?となるだろう。
だが、一部は、フータオと呼んでいる。
そこの原◯プレイヤーよ…
そう言う事だよ…私の名前は。
では、また明日…
異世界だとキラキラネームでも
普通にいい名前 扱いになる説。
( 客観的 )
僕の名前は光太。親が言うには、自信に満ち溢れていて、太い芯のある人間になって欲しいという思いが込められているそうだ。でも今の僕は自信も太い芯も欠片ない。将来の夢もないのでただとりあえず毎日をのんびりと生きている
長い長い列を並び、早々と次の階段に行く奴やなかなか時間のかかる奴がいる。
私の前に並んでいた奴は早々次の階段へ進んだ。
天国の門で、優しそうなお爺さんに
「あなたの名前はなんですか?」
って聞かれた。
私は
「名前とはなんですか?」
と答えた。
お爺さんは、
「一番たくさん言われた言葉ですよ」
って。
私は
「可愛いって言われました」
と、答えた。
お爺さんはにっこりして門を開けて私を次の階段へ送り出してくれた。
他にもたくさんの言葉をもらった。
「いい子」とか「お利口さん」とか。
「ダメ」と「いけない」も小さなときはたくさん言われたけれど、それをやめたら「いい子」や「お利口さん」って言われたから同じくらい言われた言葉だと思う。
朝起きたら「おはよう。今日も可愛いね」って言われて1日が始まるし。お散歩にいけば、知らない人からも「可愛いですね」
毛を切りに行くところに行けばみんなが「可愛いくなったね」って言われた。
お留守番の長い日は「ごめんね」って言われた。
そのあとに美味しい物をくれたし、「可愛い」をたくさん言われながら膝の上を独占した。
私が死んだ時、みんなが泣きながら。「ありがとう」も言われた。何度か聞いたことあるような気もする。
やっぱり一番言われたのは「可愛い」
なかなかいい名前じゃないか。
可愛いって言う前になんか言ってたような気もするけど、「たくさん」可愛いとか「いっぱい」可愛いとかそんな感じかな。
凄く凄く愛してるよって伝わったから、私の名前は「可愛い」で間違ってない。
②
余命の残りはそんなにないはず。
シワだらけの私にはそんな事はどうだっていい。
この世に未練もない。
私の人生、失敗だらけ。
早く終わりの時が来て欲しいのに、なかなかお迎えはこない。
自分の希望は罷り通らない。
さもしい人生だった。終わってないけど。
もう何十年も一人きり。
気の合う友達はみんな先に逝った。
金もないその日暮らしになったのは自分のせい。
若かりし頃に生き別れた我が子はもう50も過ぎた頃だろう。
私の人生、何一つ残せなかったなんて言わない。
私はあの子を産んだ。
私の生まれた意味はあの子だけ。
あの子の名前は夫がつけた。長男だからと。
そんな事はどうだっていい。
臍の緒、写真、何も持たずに追い出された。
あの子には私の記憶はないだろう。
過ぎた事は仕方ない。
酒もタバコもギャンブルも、やらなかった。
死んだような毎日を過ごしただけ。
良い頃合いだと、スラムのような若者の街に行く。
怪しげな若い男にこちらから声をかけるが、なんせ私は年寄りで、気味悪がってまともに話も聞いちゃくれない。
十数人目のナンパの末に聞き出した彫り屋さん。
トントンとドアをたたいて
「ごめんください」
ギギッと開いたドアの向こうにはあちらこちらにピアスや入れ墨の男。私より若いが年配だ。
「なんぼかかっても構わないからニ文字だけ鎖骨の下に掘りもんしてください。」
男は、
「金はいらんよ。何と彫る?子の名前か?」
私と似た奴もおるらしい。
「子の名前を彫れんから、呼び名の二文字を平仮名で」
男は施術台と言うには年季の入った部屋を指さす。
ベッドだったらしき物に腰掛ける。
お互い無言。
白紙とペンを渡されて、彫って欲しい文字を書く。
歳のせいか、お世辞にも綺麗とは言えない字。
男は無言で紙を濡らし、私の鎖骨の下にその紙を貼る。
しばらくして紙を剥がすと紺色にその字が残っている。
「あんたの書いた字の通りに彫ってやる。」
そう言ってそっとベッドに押し倒された。
ドキドキする年ではない。
しかしながらただただ官能的だと思った。
余命いくばくもない男女が名も知らず、互いの人生が交差する瞬間に。
多少の痛みは慣れた年頃。
「はい。終わった」と
鏡を見せてくれる。
痩せてくたびれた老婆の私に意味のないような二つの平仮名。
漢字二つで名を成した我が息子。
元の夫の漢字は残したくない。
あの世への土産に息子とわからぬようにカナで持って行く。
あの子の名前の由来くらい知りたかったなと思う。
「ねえ、そういえば! 私の下の名前、知ってる?」
僕は、プリント等で見た彼女の名前を思い出した。
「えっ……と、彩さん、だっけ」
「知っててくれたんだ! 嬉しい。でも下の名前にさん付けなんて、なんか変な感じ! 彩でいいよ」
「いや、それはさすがに……」
「それにね、聞いて! 大発見なの。彩っていう漢字ね」
彼女は、自分が見つけた宝物を人に見せる幼い子供のように、目をきらきらとさせた。その表情は、本当に輝いて見えた。
「音読みするとね、サイになるの。サイだよ、佐井くんの名字とお揃いなの」
ただ、そんなこと。それだけのことを、こんなにも嬉しそうに話してくれる。その笑顔はあまりにあたたかくて、まるで陽だまりの中にいるようだった。
自作小説『感情喰い』より
私の名前
私の名前はとても平凡。ゆみこ。自由で美しい子どもで、由美子。なんて芸のない。真面目だけが取り柄の父らしい名付けだと、せっかく名前をくれたのに申し訳ないけれど、子どもの頃は、もうちょっとかわいい名前にしてくれたらよかったのに、と少し恨みがましく思っていました。今ではシンプルで覚えやすいいい名前だと思っていますが、その頃は、友達の夢ちゃん、や奈々ちゃん、最後に子がつかない名前の子がうらやましかったですね。平凡な名前のせいか、友達からは苗字にちゃん付け、さん付け、だったり、苗字を呼び捨てだったりで呼ばれることが多くて、それも密かにコンプレックスでした。
それでも、小学校六年生の時にはじめて私を下の名前で「ゆみこ」と呼んでくれる友達ができ、その子とは今も親友です。
自由ってなんだろう、と最近考えることがあります。
物理的にどこへでも行ける体の自由、時間の自由、お金の自由。自由にもたくさんありますよね。
でも、たぶん、父が私に望んだのは、誰にも支配されない、自分の意志や生き方を貫ける心の自由を持て、ということだったのではないか、と思います。
幸い私は、父の思惑どおりかどうかはわかりませんが、自由にやりたいことをやり、それが今幸運にも実を結んで生きることができています。ありきたりな名前でがっかりしていましたが、私らしい名前だと、今は思えています。
佐久
さくさく
軽々と行こう
easy revenge
タバコに書かれたあれですね
重くて固いことは
自分には合わない
どんなに重要に見えたとしても
合わない
さくなだり
激しく落ちる水の音
あらゆる罪とけがれを祓う音
私の名前
おもしろくて
話がはずんで
ちょっと変わってるけど
親切で
笑顔がいい感じで
楽しい気分になって
また会いたいと思う
…名前を言わなくても
誰かの顔、思い浮かんだ?
「私の名前」
#171
私には名前が2つあるの。
最近は「後からついた名前」を知ってくれてる人の方が多いかもなあ笑
え?「先についた名前」わって?
数えられるくらいしか居ないわよ
…そーんなもんよ、この界隈は。
寂しい人だって思う?
でもね、だからこそ、
「先についた名前」は特別な人に教える
って決めてるの。
だからね、
「先についた名前」を呼ばれるって
私割と特別に感じるのだけれど、、
Dear 好きな人
ねえ、あなたは今日、
どっちの名前で呼んでくれる?
つらいのは頑張っているから。
迷ってる時は前に進もうとしているから。
自分の名前の由来を
親に聞く
という宿題が
小学校低学年の頃あった。
母に聞いてみた。
わたしの
名前の由来は?
一文字目は
親の名前から。
二文字目は
言葉の響きが良いから。
言葉の
響き?
????
小学校低学年には
ちょっと難しかった。
今なら分かる。
色んな名前を試して
響きがいいなって
思って名付けてくれたんだよね。
ありがとう。
#私の名前
〈私の名前〉
気づきました。
このお題、昨年と同じです。
昨年の同じ日に、出されたものです。
……おもしろい。
―――――――――――――――
私の名前は、ひとつ、説明が要ります。
名字が少々特殊でして。
いや、なんてことは無いのですよ、
国が変われば腐るほど聞く名ですから。
でもね、ここじゃあ、ひとつ、説明しておきたくなるのです。
―――私は、あなた方と一緒です。なんら変わりありません。同じです―――
……今のところ、上手くいっておりませんね。
♯私の名前
名前が思い出せない。
なんで知らないのか私も分からないけど…
でも初めてであった君から名前を呼んでくれた。
昔から大好きだって気づいた。
今も昔も名前がわからなくても、貴方が好きだって
始めて名前をもらった日 【お題:私の名前】
名前。人を識別するための呼称。重要じゃないもの。なのになぜ、
「う~ん、どうしよっかな~」
なぜこの“人”はこんなにも悩んでいるのだろう。
「アリス様、もう悩み始めて30分53秒が経っております。」
「え~!?もうそんなに経っちゃったの!?」
「はい。別に適当に決めてしまえばよいのではないですか?」
「そんなわけには行かないって!だってあなたの名前を着けてるんだよ?」
「私はなんでもいいです。」
「そんなこと言わないの!名前って重要なんだから!」
「...?名前と言うのは個体を簡単に識別するためのものだと聞きました。なら分かればなんでもよいのではないですか?」
「そんなわけないでしょ!誰よ!私のドールにそんなこと吹き込んだやつ!」
ドール。ある人によって創られた貴族の従者。命と知識を吹き込まれ、ドールは人間のように動く。
感情は個体差があり、もとからあるタイプと成長する過程で感情が芽生えるパターンがあるらしい。
各言う私もドール。アリス様に配属された。姿形も全く別で違う存在だと思い知らされる。
「あっ、決めた!あなたの名前はソフィアよ!」
「ソフィア?」
「ええ、いい名前でしょう?」
「ソフィアですね。覚えました。」
「ええソフィア、出掛けましょう!」
「何処にですか?」
「ええっと、う~んと、何処か!」
「適当ですね。」
「まあ出掛けてから決めたらいいじゃない」
「じゃあ外出の準備をしてきます。」
「は~い、言ってらっしゃい。ソフィア」
...名前なんて重要じゃない。だけど、アリス様に着けてもらったこの名前、
「大事にしなきゃ...いけませんね...」
あたたかくて やわらかい
からだだけでなく
なきごえすらもちいさくて
ふあんになるから
だっこしながら
しあわせをねがって
じかくをかんがえる
あなたの
わたしを呼ぶ声が
好きでした
名字ではなく
名前で呼ぶ
その 声が好きでした
大勢の人の中で
わたしの名前を呼ぶときの
張りのある声
耳元で 囁くように
わたしの名前を呼ぶときの
あまく密やかな声
いつのときも
わたしの名前を呼ぶ
あなたの声は
優しさの中に
微笑みの中に
ありました
逢えなくなった今でも
忘れられない
あなたの声を探して
窓を打つ雨の音にも
吹きすぎる風の音にも
心を耳にして
立ち止まるのです
わたしの名前を呼ぶ
あなたの優しい声を
もう一度
もう一度
聞きたくて…
# 私の名前 (222)
✥ ✥ ✥ ✥ ✥ ✥
💛ちょっとだけ一休みします
なんて昨夜書いたばかりなのに
今日のお題に心惹かれて
前言取り消しで
書いちゃいました
これからも書いたり
書けなかったりすると思いますが
どうぞよろしくお願いします🙇
夕づつ
『私の名前を』
「お姫様」って、あの人は私を呼ぶ。
おひいさま。大仰な呼び名ではあるけれど、使用人の、それも別宅の庭師である彼からしたら、本家の娘である私は、そのくらい遠い存在なのかもしれない。
「お姫様、こちらを。」
秋。風が冷たくなり始めて、庭に出ると少し肌寒さを感じる季節。そっと差し出されたストールをありがたく受け取って、私は彼に、ずっと疑問に思っていたことを問いかけた。
「ねえ、あなたは私の名前を知っていて?」
「はい。存じ上げております。」
「あら。じゃあ、なぜ"お姫様"って呼ぶのかしら。」
「私のような者がお姫様の御名前を口にするなど、畏れ多いことでございます。」
彼は恭しく頭を下げる。別宅で過ごすようになってから___彼と出会ってから、三年の月日がすぎた。別宅では唯一、年の近い使用人だということもあって、彼とは少なくない時間を共に過ごした。ほとんど毎日のように庭を訪れては、日頃のちょっとしたことを話す日々。時には軽口を叩き合うことだってあった。名前を呼ぶくらいで畏れ多いだなんて表現、少し滑稽なくらいには打ち解けているはずなのに。彼は、こういう時だけ身分の差を持ち出してくる。
「……私は気にしないのに。」
「どうかご容赦を。」
彼は困ったように少し眉を下げて微笑む。その顔をされると、私はもう何も言えなくなってしまう。
「まあ、いいわ。ねえ、あちらの花壇を見に行きたいの。着いてきてちょうだい。」
「仰せのままに。」
おひいさま。私、その呼び方も嫌いじゃないわ。だってあなたが、大事な言葉を紡ぐみたいに、まるくやさしく呼んでくれるから。
でも。一度くらいは、私の名前を呼んでほしいと思うのは、わがままが過ぎるのかしら。命令だって言ったら、あなたはきっと従うでしょう。でもそうじゃないの。あなたの口から、一度でいいから。
半分諦めているこの願いがどこから来るのかなんて、もうとっくに気がついている。ああ、本家に残してきたばあやに知られたら、きっと怒られてしまうわ。
夜、一人になると考える。本家に戻る日はいつになるのだろう、と。自分の体調が本家での生活に耐えうるものになってきていると、自分でわかる。別宅のある地域の穏やかな気候と静かな暮らしは、私の体を少しはマシなものにしてくれた。それ自体は喜ばしいことのはずなのに、素直に喜べない自分がいる。
元気になんてなりたくない、なんて。昔の私に叱られてしまいそうな願いを胸の奥にしまって、明日も私は、彼の待つ庭を訪れる。