『私だけ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題 〈私だけ〉
〝━━くんって少し変わってるよね、〟
〝授業もよく参加していないし…〟
〝授業中寝てるよね〟
彼は変わっている
˹私だけ˼が本当の彼を知っている。
〝いつも人を睨んでいて怖い〟
それは彼は緊張しているから。
〝授業に参加していない〟
体が弱い妹ちゃんの世話をしているから。
〝授業で寝ている〟
家事育児をしていて疲れているから。
彼は強面な見た目に反して甘いケーキが好きなことも
猫が好きなことも、
勉強が出来ることも、
本当は皆と仲良くしたいことも、
優しいことも。
私だけが知っている。
私だけが知っていればいい。
『私だけ』
僕は昔から他人の様子を伺う癖がある。手を力強く握っている人は、もしかしたら肩に力が入って緊張しているのかもしれない。逆に、大きく足を開き、胸を張っている人は少し横柄な性格なのかもしれない。そういう風に他人を観察する癖がある。
この癖を持った理由は自分でも正直分からないが、もしかしたら生い立ちに関係しているのかもしれない。小さい頃に僕の父親と母親は離婚をした。幼かった僕は戸惑った。しかし、別に悲しいとは思わなかった。離婚の理由は父親の暴力だった。僕は四人兄弟の三番目で、離婚した当時は小学一年生になったばかりだった。暴力は基本的に僕と僕の兄が標的だった。涙を流す日々が続いた。なので、離婚を聞いた日は正直に言うと嬉しかった。あの人ともう会わなくて済む、と。
それ以来、僕は他人の顔色や仕草を伺う癖が身についた。
ある日、僕は派遣バイトをした。その時に、少し横柄で怖そうな男の人が仕事を教えてくれた。僕は仕事を聞くのにも躊躇うほど恐怖を感じた。しかし、意を決して話しかけてみることにした。すると、案外笑顔の絶えない愛嬌のある人だった。人物像とは一見の印象だけでは分からないと、その時に思った。
「私だけ」
最近、車でラジオを聴くようになった。
一人ぼっちだった時間がふいに繋がるのが心地よい。
家族構成は母、私、妹の3人だ、私の家はお金があったが私はねだらなかった、だって、母が
「お姉ちゃんなんだからねだらないで」
そういったもんね、私だけ、妹はいいのに、どうして、私だけ、いつも、いつも、私だけ、、
私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ私だけ、、、
二人だけなら始まることさえなかったただろう。
三人だから絡まるように取り持つ仲だ。
いつまでもこんな時間が続けば良いのだろうが、
さすがにそんな欲張りな。
約束は約束だから、あと幾許の命で抗おう。
手探りで拾い集めて未来に繋ぐ過去からの声。
一の言葉を全の言葉の鍵穴として詰め込んで。
『私だけ』に伝えたいのだ、
私達が隠した歌声を。
見つからなくとも仕方ない。
答えがあるとは言ってない。
期待通りと往かないだろう。
忘れているならそれまでだ。
在るのはいつでも結果だけ。
お前の心はお前にしかわからない。
だが、私達も心は自由だ。
そうだろう?
そうやってはじまったんだよ、
生きて ゐた ゐ
此 瞬間が
自分 が 見たかった
世界 とは
あまり 二 も
掛け 離 レて ゐて 、
閉じた はず ノ
世界 二 取り残され た
私 は
今日 も 又
此 世界 ノ 蓋を 閉じた 。
「 #私 だけ 」
【オンリーアース】
この惑星、すなわち地球には私しかいない。
皆は別の惑星へと移住してしまった。
ある者は火星へ
ある者は月へ
科学技術が進歩した2542年現在、人々は地球以外の惑星でも十分生きられる環境を整え、実際に移っているのだ。
いずれは金星への移住も進むかもしれない。
金星は地球とよく似た大きさ・重さだが、その環境は大きくかけ離れている。
灼熱地獄
全てを溶かす硫酸の雨
これら問題は、科学技術を駆使すれば解決することができるかもしれないと言われている。
どちらにせよ、皆移住するのだ。
というか、もうしている。
しかし、ここに「死ぬまで地球に居座るマン」がいる。
そう、私だ!
私は地球が好きだ。だから住み続ける。
地球から他の惑星を眺めるのが好きなのだ。
眺めるだけでいい。
別に行きたいと思わない。
地球は唯一無二だ。
豊かな気候、水、言葉に表せないほどの美しさ。
私はこれが好きなのだ。
他の惑星はどうでもいい。
私はここに居続ける。
何があっても。
2551年。
遂に政府から勧告を受けた。
他の惑星へ移住しろ、と。
理由を聞いた。
政府のお偉いさん曰く
「地球温暖化の進行、それに伴う海面上昇により、いずれ地球は生活に適さなくなる」
と、いうことらしい。
何だよそれ。
知るか。
私はここで生きて死ぬ。
そう決めた。
政府のお偉いさんは私にいくつかのプランを提示してくれた。
・月…日本人が多い
・火星…1番住民が多い
・水星…住み心地があまり良くない
・イオ…移住者が少ない。要検討
正直どれもピンとこなかった。
だって地球が良いから。
そういうわけで、私は政府と面談し続けたのだが、とうとう月に強制送還されることとなった。
あと1週間後だ。
私は月に移住せざるをえなくなってしまったので、仕方なく荷造りをしている。
死ぬまで地球に居座るマンも、政府には抗えなかった。
負けた。
1週間後。
月へ移住する日だ。
政府の奴らはあと2時間ほどで迎えに来る。
何か地球でやり残したことはないだろうか。
確かに地球を去るのは名残惜しい。
しかし、こうして後悔を頭の中で巡らせると、上手く考えられなくなってしまうのだ。
やり残したこと。
ないかもしれない。
考えても浮かばない。
しかし、あるとすれば…
政府の奴らが迎えに来た。
私は抵抗することなく、奴らの指示に従った。
私は月を選んだ。
いや、私自身は選んでいないが、奴らがいうには「比較的生活しやすい」らしい。
なので、おまかせした。
月へのエレベーターに乗り込み、地球を離れる。
所要時間は30分。
月へのエレベーターには初めて乗ったが、思ったより中は広かった。
普通のエレベーターとは違い、シートに座って移動するらしい。
例えるなら車とか飛行機だ。
私は適当なシートに座り、スマホを手に取った。
隣に座った政府の奴は、かなり若かった。
恐らくキャリア経験は浅い。
私みたいなおじさんと比べれば、若者は全然輝いている。
私がナメクジだとすれば、この若者は塩だ。
その塩は、私にとって少しだけ馴染みのある匂いがした。
「君、ちょっといいかい?」
私はスマホの操作を止め、隣の若者に話しかけてみた。
「は、はい?」
「君、新卒かい?」
「いえ、4年目です。」
「そうかい…」
「……」
少しの間沈黙を挟んだあと、私はこう切り出した。
「君に、お願いがあるんだ。」
「なんですか?」
「私の命は君より短い。どちらかといえば死に近づいていると思う。」
「……」
「だから、もし私が死んだとき、私の骨を地球に散布してくれないか?」
「地球に、ですか?」
「ああ、地球に。生まれ故郷だからね。」
これだ。これが私の唯一の後悔だ。
「君、名前は?」
「えっと、五十嵐アキです」
「アキくん、ねぇ。」
なんとなく、生き別れた息子に似ていると思った。
というか、この若者は多分私の息子で間違いない。
約20年前に生き別れた息子かもしれない。
恐らく、就職していれば4年目。
そして隣の若者も4年目だと言っていた。
「あの、遺骨の散布についてなのですが、」
「なんだい?」
「場所の指定はございますか?」
「場所か、そうか。それなら、瀬戸内がいいな。」
瀬戸内。最後の家族旅行だった。
「わかりました。瀬戸内ですね。」
果たして息子は、ワガママな父の願いを聞き入れてくれるのだろうか。
そもそも生き別れた理由だって、妻との対立だ。
移住したい妻としたくない私、話し合いが上手くいかないまま離婚した。
本当に、叶えてくれるのだろうか。
「では、遺骨の散布は私が責任を持って行わせていただきます。」
若者はそう言って微笑むと、上司のところへ行ってしまった。
あの口ぶりなら、本当にやってくれるに違いない。
まあ、遺骨の散布をやってくれなくても別にいいけど。
自業自得だし、散布してくれなかった事実を私が知ることはないのだから。
それでも、息子があんなふうに言ってくれることが嬉しかったのだ。
今、私は月を目指す。
私だけが、地球に想いを馳せている。
「そっか、数2以降は習っていないのか」
「はい。ほんと、何でこの大学入れたんだって話ですけど」
俺はそういうと空いた片方の手で後頭部をガシガシと掻いた。爪の先に一昨日出来た頭皮の瘡蓋が引っかかって、妙に指の滑りが悪い。
佐伯教授はそう言った俺を見ると、目尻を少し弛めて優しい声を出した。
「大丈夫だよ。君ほど熱心ならきっとこれからもやっていける」
俺は後頭部を掻いていた手を、ひた、と止めると、壁に貼ったシールを剥がすような笑みを浮かべる。
「ありがとうございます。頑張りますね、これからも」
何となく、足が宙に浮いた気がした。
「で、そう言ってヘラヘラして帰ったと。お笑い草だな。焼却炉に投げられたジュークボックスみたいだ」
「うるさい。静かにしてくれ」
ソイツはやはり陽炎のように姿を現すと、俺を揶揄うように喉奥で嘲笑を響かせた。
俺のタルパ。不意に現れるコイツは、いつも俺の頭の静穏を引き摺り回して消える。宛らトロイの木馬だ。
自分の根底にある人間としての醜さや拙さ
それを愛せるのは私だけ 私が1番の味方
言葉がうまく出てこないとはよくココでも言っているが、本当に出てこない。
どれほど出てこないかというと
頭では流暢な言葉が流れていても、いざスマホで打とうとすると、頭の中で思っていた言葉とは違う言葉が出力されてしまうくらい、表現したい言葉が出てこない。
これは何も、話し言葉を書き言葉に変換する為に起こる弊害ではなく、純粋に違う言葉が出てきてしまう。
そのせいで話の流れが変わってしまい、当初思っていたオチにいかなかった話も多々ある。
昔よく起きていた「言葉が喰われる現象」とも似ているようで少し違う。
言葉が喰われる現象は、言葉として出力しようとした瞬間に何者かに言葉を掠め取られる感覚がある。
その為、私はこの現象を「言葉泥棒」と呼んでいた。
言葉泥棒は、それはそれは見事な泥棒で、頭の中で生まれた言葉が手に伝わるまでのラグを狙って盗んでいく。
頭から一度生まれたのだから、もう一度同じ言葉を作ることが出来るはずなのだが──。
言葉泥棒の手にかかると、どんなにその言葉を思い出そうとしても、二度と出て来ることはない。
言葉泥棒は、一流なのだ。
その為、昔はよく「言葉泥棒に言葉を取られた」と一人キーキーと怒っていた。
しかし、現在起きている現象は、言葉泥棒の時とは違う感覚がある。
こちらは、出力しようとした瞬間に言葉の方が化けてすげ替わっているように感じる。
類語であるのならば、何ら問題はないのだが、想定外の形になるから困りものだ。
しかも、再度頭の言葉を出力しようとしても変容してしまっていて、元の言葉は消えてなくなっている。
こんな変な感覚を持っているのは、私だけなのだろうか?
その他、物語の手法として好んでやっていた事が出来なくなっていたり、ペアとなるべき言葉の片割れしか出てこなかったり、情緒が希薄になっていたり、あれこれあげると切りがない。
使わなくなった回路は消失してしまうと聞いたことがあるが、また使い始めれば開通してくれるのだろうか。
いい加減不便だからそろそろ開通して欲しいのだが、開通はいつなのだろうか。
開通予告がほしい今日このごろだ。
私だけ
君はいつも、ひとりぼっちで部屋の片隅でうずくまってスマホっ首になっているね。外に出てもスマホは出来るし、こんな文章なら5分もあれば書けるのに。君には、おぼつかないの?
語彙力が足りないね、じっと待っているだけだから。外がどれほど暑いかも実感がない君。
そりゃあ、気持ちを表現する言葉を探すのに時間がかかるよ。
誰も来ないと判っている、来られても困る部屋の片隅で私だけ傷ついていると君は思っている。
かなり若さに思いあがり甘えている。
自分に正直に生きるなら
風に逆らって立つ覚悟を以って前を向け。
私だけと思いあがるな!
何が正しくて何が嘘なのか?
100でなければ0なのか?
左じゃなければ右なのか?
そんな二者択一しかない狭い思考でいるから
世界が白く見えたり
私だけ傷ついて
大人は判ってくれないってなるんだ。
判ってくれなくて当たり前
その人は君じゃないから
それで、私だけがなんて図々しいぞ。
昨日見た感想文の君に捧ぐ。
2024年7月19日
心幸
わたしだけ
たのしく遊ぶ 夢を見る
しずかで涼しい
だれもいない道を歩いていると
けむりの先には█がいて
██████に連れてってくれるって
私だけがあなたを本気で愛して
あなただけが私を本気で愛してくれて
その関係も遥か遠い昔の記憶のどん底に沈んでいる
だけど、ふとした時に思い出すあの日々
私だけがその日々を知っている
私だけがその日々を思い出しては、胸が苦しくなる
私だけが取り残されて、
私だけがあなたを本気で愛していて、
私だけが私の心をわかるはずなのに
私でも今の私の本当の気持ちがわからない
憎しみでも、悲しみでもない。
私だけがこの気持ちに悩まされる
私だけ
どうして私だけと思った。
どうして周りは健康体なのに私は持病があるのだろうと。
小さい時は薬の副作用の眠気で周りと馴染めず、中学生は1年生の冬に専門の病院に入院。
そこに後悔なんてないしそれがあったから今の自分がある。けれどそんな事をしていたら周りと浮くのは当たり前だった。
それでもなんとかそんな空気を修復出来たのは高校生になってから。
何度も思った私だけ、今でも思うことはあるけどその思いを忘れずにしていたい。
#私だけ…
私だけ…そう、いつも“私だけ“彼に依存してる…彼を愛し過ぎてるあまり、束縛や嫉妬ばかりの醜いメンヘラへと生まれ変わってしまった…どうしてだろ…?こんなにも、彼を誰よりも愛してるのに、何故、“私だけ“彼への愛が強くて重過ぎるんだろ…?彼と同じだけの愛情を伝えてるはずなのに…彼と同じだけ、愛してるつもりなのに…もしや、“私だけ“…?なのだろうか…?こんなにも彼を溺愛してるのも…?“私だけ“彼と初めからやり直したい…そう。何時だって、何もかも“私だけ“。そう、何時だって、何もかも“私から“始まって“私で“終わる。それらも全て“私だけ“世の中は、全て“私だけの世界“。
子どもの頃、自転車の補助輪がなかなか取れずに、ガラガラ言わせながら走っていたのは、私だけ。補助輪が取れるきっかけは不意に訪れた。
私だけ何か違う、なんだろう、ずっとずっと奥にあった感覚。その感覚の意味がやっと最近わかった。なかなか辿り着くまで時間がかかったな。他の人と比べる事なんて何もなかったよ。今の私は自分を大事にして生きている。
彼が私の姉の名を呼びながら、私を抱きしめた。私たちは双子であり、姉はとっくに死んでいる。なのに、彼が私を姉と間違えているのは私が姉を騙っているからだ。彼は姉が好きで、私は彼が好きだった。どんなにアピールしても彼は私に振り向いてはくれなかった。だから、私は姉を呼び出し崖から突き落としたのだ。少しの罪悪感はあるが、愛しい彼が私だけのものになった。彼を生涯愛することが姉への贖罪になるのだろうか。私の胸元で姉がつけていた翡翠のペンダントが揺れた。
私だけくるしい
私だけ失敗する
私だけ愛されない
私だけ
私だけ
私だけじゃないのにね
【私だけ】
怖くても
むかついても
何かと理由をつけられ
体を求められても
苦しい時の
「○○、大丈夫だよ、落ち着いて」
の一言であなたの懐に堕ちる
【( ᐙ و(وちょろい僕♪】
あっ!まただ
集合写真で私だけ目を瞑ってる
気をつけて目を見開くけど
耐えられず瞬きしたときにパチリ
あるときの家族写真
「お願い、みんなで目を瞑って!」
家族揃って目を閉じて写る
見れば笑顔になる一枚
「私だけ」
#466