『神様だけが知っている』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ある書物の一節にて。
あの世界は神様だけが知っている。あの場所に行けるのは神様だけ。
この場所はクレアーレ。
この世のどこかにある世界。神様だけが知る、神様だけが住むことができるだれも知らない世界。
行き方は神様だけが知る。だが、神も知らぬ土地も存在する。それは創造主の神様だけが知ることが出来る。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
かみのみぞしる。
まだ「ぞ」の用法を知らなかった頃、この七文字は暗号めいて、ぼとんと本の終わりに落ちていたものだった。いつからこの言葉が暗号でなくなったのか、暗号だった頃のこの言葉が私にとってどういう意味をなしたのか、もう忘れてしまって思い出せない。
テーマ:神様だけが知っている #233
神様だけが知っているよ
私達の運命は。
神様だけが知っているよ
私達の未来は。
神様だけが知っているよ
私達の人生を。
神様だけが知っているよ
この世界の回る意味を。
今日も残業帰り。
繁忙期だから仕方ないよね。
自分に言い訳をしながら、コンビニでお弁当を買う。
値引きのシールが貼ってあるものから、テキトーに選ぶ。深く考えないでレジへ持って行く。
電子マネーで。
値段も見ずに、お会計が終わる。
カバンに入れっぱなしのエコバッグを広げる。
鶏南蛮弁当、ちょっと傾いてるけど、もう気にしない。
店員さんの定型文を聞き流して、店外へ。
街灯の灯りに、虫が集まっている。
生暖かい風。
もう夏が来ている。
視線の先に、白くふわりと動くものがある。
通り過ぎて気づく、ああ、ビニール袋か。
カサリと音を立てて、漂っている。
コンビニのロゴが、頭の片隅に残って………。
少し悩んでから、私は引き返してビニール袋を拾う。
ゴミ箱へ入れる。
ふうっとため息をついて、また歩き出す。
誰も見てやしないけどさ。
空には星が点々としている。
都会の空でも、小さく輝いている。
「神様だけが知っている」
「答えは、神様だけが知ってるのね」
これは、隣の席の彼女の口癖だ。
はじめて話しかけられたのは、席替えをして隣になってすぐのことだった。
「ねぇ、どうして空は青いのかしら」
空?
唐突な問いに思考が停止する。
そういえば、考えたこと無かったな。
……はて……。
そのまま3分くらい経っただろうか。彼女は狼狽して何も言えない僕に向かって口を開いた。
「答えは、神様だけが知っているのね」
そして彼女はぷいと前を向く。
……怒らせてしまったのだろうか。
「ごめん。何も言えなくて」
つんとした横顔に謝罪を投げかける。
「いいのよ」
彼女はこちらをチラリと見て、微笑んだ。
…
それから彼女は毎日のように、僕に質問を呼びかけるようになった。
「ねえ、どうして天気予報って外れるのかしら」
「ねえ、どうして昼になると眠くなるのかしら」
「ねえ、なんで蛍光灯って白いのかしら」
「ねえ」から始まる彼女の問いに、僕はその都度頭を悩ませた。
そうして、その会話たちはいつも、
「答えは、神様だけが知ってるのね」
そんな彼女の言葉で終わっていくのだ。
僕はそれがどうにも悔しくて、なんとか答えを紡ぎ出そうとした。けれど、いつもピッタリな解答を導きだせないうちに彼女は終わりの言葉を告げる。
申し訳なかった。
なんとか彼女に答えを教えて、喜ばせたいと思った。
僕の中に芽生えた新しい感情にすら答えを出せないのだから、彼女の難しい問いに答えを出すのなんて、
きっとずっと先の話になるのだろう。
…
「ねえ」
ある日の帰り道。
少し前を歩いている彼女の言葉に身構えた。だが、
「どうして、あなたは毎日私の問いを真剣に考えてくれるの?」
今日はいつもと少し違っていて、
「煙たがらずに毎日毎日、難しい顔をして考えてくれる。必死になって、考えてくれるの?」
僕はどうしてか、すぐに答えを出すことができた。
「それは、僕が君を好きだからだよ」
僕の問いに彼女が振り向く。
そして、真っ赤な顔で笑った。
その日、僕ははじめて彼女に答えを言うことができたのだ。
…
「もし僕が、さっきの君の問いに答えを出せなかったらどうするつもりだった?
また『神様だけが知ってるのね』って言った?」
「ううん。待つつもりだった。
それが何日でも、何週間でも、何ヶ月でも。
だってきっと、
この答えを神様は知らなかったから」
知っていたら、努力したんだろうか?
知っていたら、回避しようとしただろうか?
知っていたら、後悔しなかっただろうか?
全ては空想で、過去の事で。
どの道を通ったとしても、結果が変わらないのであれば、なにもしなかったかもしれない。
全てじゃなくても、知りたかったことはあるんだ。
”神様だけが知っている”
一体、神様はどれだけの道を見せられているんだろう?
神様だけが知っている
神様だけがしっている。
セイカクにはあのこだけが。
あのこは神っちゃ神だが、
神じゃないっちゃ神じゃないらしい。
シンコウってやつとヒレイ?するらしい。
で、なにをしっているかというと、
わたしにはすこしわからないけど、
セカイがほろびたゲンインらしい。
しらないことばばっかりだけど、
学コウで習ったから、神って字はわかるよ!
えらいね、とあのこがなでてくれる時間がすき。
それでも、
それでもわたしは、
おばあ様のオネガイゴトをかなえなきゃいけない。
このやさしいやさしいこの神様を、
わたしの手で、
まだ、かんがえたくない。
もうちょっとだけ。
わたしがセイジンするまでは、
そばにいてくれないかな。
深夜に走りに行っていたことは自分自身のみ、いや、神様だけが知ることだろう。
深夜に走るとホラーというか、独特の怖さが加わる。
人とすれ違うのが怖いし(誰とも会わない)、クルマとすれ違うのも何か怖い。
走るのにドキドキするのがまたおもしろい。
神様だけが知っている(2023.7.4)
sideA
今日は大好きな彼との結婚式。高校で出会って、それから5年間の交際を経て、ようやく結ばれるのだ。
なぜ彼が私を好きになってくれたのか、今でも不思議に思う。高校時代、根暗だからという理不尽な理由でクラスメイトにいじめられていた私を、彼だけが助けてくれた。誰にも相談できずに悩む私に親身になって話を聞いてくれて、あんなに恐ろしいクラスメイトたちに真っ向から立ち向かっていく彼の姿は、誰よりも格好良くて……。彼を好きになるのに、そう長くはかからなかったと思う。そんな素敵な彼と結婚できるだなんて、本当に夢みたいで、なんだか現実味がない。けれど、一つ言えることがあるなら、きっとわたしは今世界で一番の幸せ者だ。
sideB
今日はやっと、長年の悲願が叶う。高校からずっと想い続けた彼女との結婚式だ。思えば、ここまでの道のりは長かった。大して外見も中身もパッとしない俺が、密かに人気のあった彼女の目に留まるためには、彼女の唯一の理解者になるしかなかった。彼女がクラスで孤立するようそれとなく手を回し、彼女と仲良くなれる機会を待った。いじめにまで発展したのは想定外だったが、より彼女と親密になれたのでむしろ良かったかもしれない。
あぁ、こんなことを考えている俺はきっと最低に違いない、そんなことはとうにわかっている。だが、彼女にだけは、この秘密を死ぬまで胸に抱え続けよう。
そう、真実は、神様だけが知っている。
神様だけが知っている、この先の未来、、、何が起こるのか
それは地球に住む人間次第
あの日僕が、ほんの小さなきっかけで君を好きになったこと
ほんの少しだけ仲良くなれて、すごくうれしかったこと
やがて交流は途絶え、どうやら君に恋人ができたらしいと知って、すごく落ち込んだこと
SNSでの付き合いだけで顔も知らないのに、何年もたった今も、ときどき思い出して切ない気持ちになること
全部僕と神様しか知らない
この先もずっと
神様だけが知っている
自分がどうしたらもっと上手く物事をこなすことが出来るのか。
どうしたらもっと上手く生きれるのか。
周りの人は誰も知らない。
゛神様だけが知っている゛
もし自分が「嘘」をついたとしよう。
その「嘘」に周りの人は気づいていない。
実は神様はみんなの「嘘」に気づいている。
ただ、何も言わないだけ。何も゛言えない゛だけ
君たちは、神様の声って聞いたことがある?
もしかしたらいるかもしれない。
でも、自分は今まで聞こえたことが無かったよ。
神様が常に自分を見張っていると思って生活してみよう。
すると、自然と正直になれるかも。もっと考えて行動できるかも。
君も少しやってみて。
数時間でいい。数分でいい。
ちょっと疲れるけど、やってみる甲斐はあるよ。
_7end_
お疲れ様。
神様なんて存在しないよ
たとえ、誰になんと言われようと僕はそう答える
神がいたら願いなんてとっくに叶ってる
死にたいって夢がね
# 53
今日、人を殺した。仕方のないことだったのだ。
だって彼は思い込みの激しい人で浮気なんてしていないのにそう見えただけで殴って喚いたり、友達の連絡先を消そうとしたりするから。だから私は。私は彼を。
悪くない、私は悪くない。これからどうしようと考えていた時、あることを思いついた。
車に彼を載せ、目的地まで向かった。そこは海。
彼をなんとか背負いながら深く、深く沈んでいく。
できるなら、仲直りをしてまた一緒に暮らしたかった。
でも、もうそれは叶わない。来世では彼と穏やかに
暮らすことができますように。
しばらくして二人の男女が失踪したとニュースで報道されて世間では様々な噂が囁かれるが真相は神様だけが
知っている。
『神様だけが知っている』
神様だけが知っている
僕たちのことを
この世界の一人ひとりのことも
ぜーんぶ知ってるんだよ
神様は知ってるんだよ
ぜーんぶだよぜーんぶ
僕たちの秘密も知ってるのかな?
すぐ傍にいるのかな?
上にいるのかな?
へへへ
僕たちを創ったのは神様だから
仕方ないさ
なぜ私を産んだの?
何かを成し遂げても、大好きな人と結ばれても、友達と色んな体験をしても、いつかは必ず死ぬ
全ての記憶は死んだら無くなる。もう二度と思い返すことが出来ない。
いつかは全てを忘れてしまって、死んでしまうのに。
終わりは怖い。
終わるのがいちばん怖いくせに、人を好きになる、会いたくなる、いつかは失うのに何度も反芻する。
そんな矛盾を抱えながら生きるのが、時々つらい。
なぜ私は生まれたの?
神様なら答えがわかる??
この星で
私とあなたが
なぜ生まれて
なぜ出会ったのか
知ってしまえば
きっと味気ない
あなたがここいる
実感だけで
ただそれだけで
―神様だけが知っている
─神様だけが知っている─
僕達がなぜ生きているのか。こう思うと、今までその答えも知らずにのうのうと生きてきた。
でも、答えなんか分からないし、分かりたくもない。
答えが分からないからこそ、どちらにせよ生きる事に変わりはないから、楽しく、幸せに生きてやろう!って気持ちになれるからだ。
僕は思う。自分が幸せに生きるためには、辛い事は付きものだと。もはや必然的なんだと。例を挙げるとすれば、「愛想笑い」生活する上で、欠かせないけど、とてもキツい。素の自分を出す時と、いわゆる、猫被りをする時の見極めは非常に難しい。
だけど、自分にとって
愛想笑いは、人を操るためのちょうどいい道具、工程に過ぎない。
辛い事も考え方、あるいは見方によってキツさなんかも変わってくるのかも知れない。
神様だけが知っている
神様は知っているだけ
知っているだけじゃ意味ない
知らない方がいいこともある
知っていて損することはない
それを知ったことでどうするか
どう考えて、どう動くかが大事
神様も知っているだけじゃ
みんなを幸せにできないよ
良き方向に導いてくだされ
『御告げの鈴(おつげのすず)』
雨潸々とと降り注ぐ午後、梅雨明けの神社。
もうそろそろ七月も中旬に差し掛かるというのに、
一向に蝉時雨の準備は聴こえず。
ただ、目の前の注連縄だけがゆらりゆらりと風にゆられ、
鳥居に滴る暖かな水滴も、こちらに流れてはくれない。
梅雨前線の音は聴こえず、かといって風鈴の音も聴こえず。
ただ、ぽっかりな空間。
そう感じさせるような、少し暗い参道。
丁寧に作られたであろうその道は、神様だけが通ることを許されているような。
そんな神秘的なものである。
「チャリン」
ふと、頭上からそう聞こえ頭を軽く上げてみる。
「 」
驚くことに神社の鈴が、上から落ちてきた。
ただ、大きくはなく手のひらサイズの可愛らしいものだ。
その小さな鈴を覗きこむと、金色に輝いた狛犬がうっすらと見えた。
この神社でお留守番しているであろうその狛犬は、
少し寂しい表情を浮かべ、今日も今日とて牙を剥き出しに、
この牙は誰かを守るために生まれたものか、
傷つけるために生まれたものか、
なんだか少し人間と似ている。
誰かを守るために生まれた私か、誰かを傷つけるために生まれた私か。
守るための笑顔か、傷つけるための笑顔か。
守るための努力か、傷つけるための努力か。
守るための人生か、傷つけるための人生か。
不思議と鈴がもう一度鳴る。
「チャリン」
狛犬の表情は安らかなものに変わっていた。
この世の全て、私の正体は。
お題『神様だけが知っている』
※雨潸々(あめさんさん)=雨が降るさま。涙をさめざめと流すさま。
※注連縄(しめなわ)=神聖、清浄であることを示すために張り巡らし、また渡し掛ける特 別な縄。
※蝉時雨(せみしぐれ)=雨のように蝉の声が降り注ぎ聞こえる様子。
織川より
皆様。お久しぶりです。織川ゑトウです。やっとテストが終わり、一区切れついたので戻ってまいりました。最近は梅雨も明け、夏の足音が近づいてきましたね。
ただ、全国的に真夏日が続いているようなので、水分補給をしっかりと行ってくださいね。
そろそろ夏休みに入ります。受験生ということもあって投稿頻度が休日あたりが多くなると思われますが、ご了承くださいませ。では皆様、体調にお気をつけて元気にお過ごし下さい。