うどん巫女

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神様だけが知っている(2023.7.4)

sideA
今日は大好きな彼との結婚式。高校で出会って、それから5年間の交際を経て、ようやく結ばれるのだ。
なぜ彼が私を好きになってくれたのか、今でも不思議に思う。高校時代、根暗だからという理不尽な理由でクラスメイトにいじめられていた私を、彼だけが助けてくれた。誰にも相談できずに悩む私に親身になって話を聞いてくれて、あんなに恐ろしいクラスメイトたちに真っ向から立ち向かっていく彼の姿は、誰よりも格好良くて……。彼を好きになるのに、そう長くはかからなかったと思う。そんな素敵な彼と結婚できるだなんて、本当に夢みたいで、なんだか現実味がない。けれど、一つ言えることがあるなら、きっとわたしは今世界で一番の幸せ者だ。

sideB
今日はやっと、長年の悲願が叶う。高校からずっと想い続けた彼女との結婚式だ。思えば、ここまでの道のりは長かった。大して外見も中身もパッとしない俺が、密かに人気のあった彼女の目に留まるためには、彼女の唯一の理解者になるしかなかった。彼女がクラスで孤立するようそれとなく手を回し、彼女と仲良くなれる機会を待った。いじめにまで発展したのは想定外だったが、より彼女と親密になれたのでむしろ良かったかもしれない。
あぁ、こんなことを考えている俺はきっと最低に違いない、そんなことはとうにわかっている。だが、彼女にだけは、この秘密を死ぬまで胸に抱え続けよう。
そう、真実は、神様だけが知っている。

7/4/2023, 1:29:01 PM