久住弥生

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今日も残業帰り。
繁忙期だから仕方ないよね。
自分に言い訳をしながら、コンビニでお弁当を買う。
値引きのシールが貼ってあるものから、テキトーに選ぶ。深く考えないでレジへ持って行く。
電子マネーで。
値段も見ずに、お会計が終わる。
カバンに入れっぱなしのエコバッグを広げる。
鶏南蛮弁当、ちょっと傾いてるけど、もう気にしない。
店員さんの定型文を聞き流して、店外へ。
街灯の灯りに、虫が集まっている。
生暖かい風。
もう夏が来ている。
視線の先に、白くふわりと動くものがある。
通り過ぎて気づく、ああ、ビニール袋か。
カサリと音を立てて、漂っている。
コンビニのロゴが、頭の片隅に残って………。
少し悩んでから、私は引き返してビニール袋を拾う。
ゴミ箱へ入れる。
ふうっとため息をついて、また歩き出す。
誰も見てやしないけどさ。
空には星が点々としている。
都会の空でも、小さく輝いている。


「神様だけが知っている」

7/4/2023, 1:37:41 PM