真夜中』の作文集

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真夜中』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/17/2024, 3:37:14 PM

真夜中、好きな曲を聴きながら本を読む

我ながら完璧な夜だ

5/17/2024, 3:36:39 PM

真夜中
星と月の引き立て役にはならず
電子機器の光を浴びる日々
闇属性でも魔王を倒したものは勇者と崇められるのだろうがあいにく人類共通の敵はいない
現実に頭が痛くて寝れない
この夜を乗り越える覚悟をしなければならない

5/17/2024, 3:34:05 PM

真っ暗闇の中で想像する。
僕は今、闇の中に溶けて空気と同化している。闇の中をただ漂うだけの存在であると。
すると、体から力が抜けて液体になったみたいになる。どろんとした感じ。なんというか、こう、生卵みたいな感じ。すっごく心地がいい。
それからしばらくすると、意識がふわふわしてくる。思考もとろとろ溶けてくる。体がポカポカして、ぼーっとする。
あの時間が一番好き。

テーマ:真夜中

5/17/2024, 3:32:09 PM

"真夜中"は考え事が尽きない

夜中に考え事をするなとはよく言ったものだと思う

悩みが悩みを生んで、結局人生って辛いなぁという結論に至ってしまう

それでも明けない夜はない。

夜が明けて、太陽が顔を出したら

新しい日に触れて少しずつ頑張る勇気を貰える気がする

頑張れじゃなくて、一緒に頑張ろうって言ってくれているような感じがして嬉しい。

明日も一緒に頑張ろうね。

5/17/2024, 3:31:35 PM

真夜中

私があなたに会えるはずの時間
(私には会う権利がある、と思っています)

あなたの口癖は「早く寝ろ」「寝れば治る」だった、と眠れなくなってから思い出しています
(あなたは子供に対してでも、決して嘘をつかなかった)

たまにでいいので、会いに来てください
夢でいいから、嘘でもいいから

5/17/2024, 3:27:49 PM

ひんやりと、しっとりと
すぅーと優しく沁み込んでくる

気のせいかもしれないが
昼のエネルギーは
全部地面とか木とか建物たちが
吸い取ってくれた感じがして
地球は四角じゃなくてやっぱ丸だよなって
ちょっとだけ感じたりする

窓を開けると
真夜中の味がする


真夜中

5/17/2024, 3:25:50 PM

『今日は風が気持ちいいですね。』
私は何を言わず、彼の声に耳を傾けていた。

『夜更かしは健康に悪いですよ。』
彼が私を心配そうに見つめながら言う。今の時刻は丑三つ時。皆が眠りに就いている時間だ。そんな中、私はベランダに立っている。彼と話すために。
「大丈夫だよ。私は頑丈だから。」
無理やり笑顔を貼り付ける。いつからだろう。眠るのが怖くなったのは。そうだ。あれは確かー。

私と彼は恋人同士だ。私達の間には確かな愛があった。これからも一緒。そう思っていた矢先に、彼が死んだ。不慮の事故だった。私の世界が音を立てて崩れていった。私は毎日泣いた。しかし、どんなに辛くても日は昇り、世界は回る。その事がより、私を苦しめた。死にたい。その言葉が頭に浮かぶ。気付いた時には、私は自宅のマンションのベランダに立っていた。しかし、飛び降りる事はなかった。白い翼が生えた彼が居た。彼は静かに月を見ていた。

あの日から私は、眠るのが怖かった。眠っている間に彼が消えてしまいそうだから。でも、少し疲れたよ。
「死にたいって言ったら、どうする?」
彼に聞く。彼は微笑みながら答えた。
『逢いたいって言います。』
涙が零れる。彼は昔から、私を肯定してくれた。今でも、私への逃げ道をくれる。誰よりも優しい、私の彼氏。
「ありがとう。私も逢いたい。」
私達の目には涙が溜まっていた。

私は今日、死ぬ。自らの命を断つ。でも、自然と恐怖はない。彼が見守っているから。
「月が綺麗だね。」
『これからも、一緒に見ましょうね。』
私は、皆が寝静まった真夜中に、永遠の眠りに就いた。

5/17/2024, 3:23:47 PM

ご紹介に預かりました、高枝です。
 新郎とは幼馴染というやつで、小中高とすべて一緒のクラスでした。
 そんなわけで、彼には運命を感じていて『彼と将来結婚するのでは?』と思っていたのですが、まさか別の相手を見つけるとは……
 彼と結婚する羽目にならず、心の底から安堵しております。

 とまあ自己紹介はここまでにしまして、
 お二方、ご結婚おめでとうございます。
 今日という日が来たことを、心から祝福いたします。

 二人の未来にたくさんの困難が待ち受けているでしょう。
 ですが、きっと力合わせて乗り越えられると信じています。

 しかし油断してはいけません。
 愛さえあれば何でもできる
 それは事実ではありません。

 もちろん愛とはすばらしい物です。
 愛があれば大抵のことは出来るでしょう……
 ですが、愛があってもどうしようもない事があるのです。

 それは『高い木の剪定』。
 身長より高い場所にある枝の剪定は、どんなに二人に愛が強くても不可能です。
 意地になって、愛の力と称してオンブをしても駄目です。
 上の人間がバランスを崩して、二人とも怪我するのがオチ……
 たとえ愛があっても無理なものは無理なのです。

 こう言うと、二人の未来には希望がないと思われるでしょう。
 ですがご安心ください。
 そんなお二人にある物を用意いたしました。

 コチラ、『高枝切りはさみ』。
 これを使えば、ちょっと上の方の枝の剪定ももちろんの事、伸ばすことで高さ5m先の枝も着ることが出来るんです。
 コレを使えば高いところの枝もらくらく剪定。
 アルミで作られているので、女性でも軽々使えます。
 この枝切りはさみ、私が改造してたもので取っ手がとても長いので、夫婦二人で握って剪定することが出来ます。
 是非、夫婦仲良く庭のお手入れをしていただければと思います。
 
 今回、この特別製の『高枝切りはさみカスタム』、ずばり1万円でご用意しました
 
 のですが、今回お二人が結婚という、実にめでたい場所ということで……
 価格1万円がなんと――
 
 驚かないでくださいね
 
 なんと、お二人に無料でプレゼントいたします
 
 ですが――これだけではありません。
 今回だけに限り、もう一本プレゼント。
 これでお庭の高い木を選定し放題です。

 さあ二人とも。
 この高枝切りはさみを差し上げますので、お持ちになって下さい。
 
 はい、それでは皆様、ご覧ください
 この二人は高枝切はさみを手に入れたことで、何でもできるようになりました。

 もう一度言いましょう。
 愛があれば何でもできるか?
 いいえ、できません。
 しかし、二人の愛と高枝切りはさみがあれば、何でもできます

 高枝切りはさみを持ったお二人は、文字通り敵なし。
 さあ皆さん、お二人の幸ある旅立ちにに盛大な拍手をお願いします。

 ◆

 新郎、新婦が座る高砂《たかさご》席にて。

「高枝さんって面白い人ね、いつもあんな感じ?」
「うん、見ての通り『高枝切りはさみ』愛のとても強い人。 メーカーにも努めてる」
「へえ」
「ちなみに本名は鈴木。 好きすぎて、『高枝』に名前を変えた」
「マジで」
「あと、高枝切りはさみを高みに導きたいとか言って、東大入ったのは同級生の間で伝説だな。
 ほかにもいろいろ逸話がある」
「頭のいい馬鹿かあ……」
「でもすごい奴だよ。 『愛があれば何でもできる』っていうのを証明したんだからね」

5/17/2024, 3:22:53 PM

今日も1人、ベッドの中ですすり泣く。
どうしてこんなに上手くいかないかなぁ。

昼間は頑張って「私」でいる。笑顔で、明るくて、頼られるような。
ただ、夜になると…「私」が「わたし」になる。
自分の足りないところを見つけては泣き、他人の嫌なところを思い出しては泣き、努力に見合わない結果を考えては泣き。…未来を考えては泣き。

これがわたし。弱いところだらけ。
こんなわたしを人が許さなくても空は、夜だけは、許してくれる気がする。
優しく包み込んでくれる。認めてくれる。

太陽の沈んだ世界で今日もわたしは密かに自分を曝け出す。
真夜中よ、どうかこのまま「私」を闇に飲み込んで。



『真夜中』

5/17/2024, 3:19:13 PM

10年間の真夜中


いたくて、さむくて
こわくて、つらかった

苦しみから逃れたくて
死んでしまいたかった

死へ向かう為の苦しみに
耐える勇気どころか、
その苦痛を想像すらできないのに
今わたしを苛む辛苦から逃れようと
死にたい死にたいとみっともなくわめく

誰か助けてくれ
誰でもいい、
この苦しみから救ってくれ
などと世迷いごとが溢れてやまない

体が動かなくて
胃の腑も足先も冷えてひえて
ろくに動けやしないのに
口からこぼれる呻き声と
涙が濡らした顔が気持ち悪い

つらいなあ
こわいなあ
もう、やめたいなあ

恩知らずがうたう

そしてあなたは
そんなわたしに
今だけだと
いつか苦しみは去る時が来るのだと
わたしを暖めながらいうのだ
今に押し潰されそうなわたしの嘆きに
未来への希望を指し示すのだ

そうするしかできないと
少し悲しそうに

やさしくて苦労ばかりのあなた
あなたにすがるばかりのわたし
わたしがわたしでなければ
あなたはもっと幸せになれたのか
否定されなければ傷つくくせに

嗚呼、
わたしは、本当は、
あなたを助けられる、
あなたを幸せにできるひとに
生まれてきたかった


「真夜中」

5/17/2024, 3:19:00 PM

〖真夜中〗



この時間が1番好き

何を考えても何をしても

誰かに何かを言われることは無い

このまま時間が止まればいい

ずっとこの時間帯の中でボーッとしたい

真夜中って魔法の時間帯だよね

人目を気にせず自分が主人公になれる

本当の自分が出てくるのもこの時間

この時間だけは何もしなくてもいい

幻想的なこの時間帯が1番好き

5/17/2024, 3:15:15 PM

真夜中は
完全に1人になれる時間でもあり
考えすぎの不安が溜まっていく時間

5/17/2024, 3:12:53 PM

祖母が作ってくれた夕飯を食べ、シャワーを浴びてから用意されている自分の部屋へ戻った。
部屋の灯をつけて、そのまま2回紐を引っ張る。
明るすぎないオレンジ色の光を頼りにベッドへと腰掛ける。

有難いことにクーラーがある部屋だが、電気代のことを考えるとあまり使おうという気にはならない。
窓を開けて、反対側にある網戸を引っ張ると同時に心地よい風が部屋へ入ってくる。
スマホで時間確かめるために画面をタップするとメッセージアプリの通知が見えた。
どうせ相手はあの人ー…母親だ。
ここに来てから1日もかかさずメッセージを送ってくる。
返信なんて1度もしていないのに変なところで熱心というか執着しているなと思う。

ため息を飲み込むようにバッグを漁ってポーチを取り出す。
入っているものはティッシュ、ガーゼ、テープ、絆創膏、包帯…あとは最近追加された軟膏と綿棒だ。
少し前まではここに剃刀も入っていた。
ここに来る前に取り上げられてしまったけど。

正しくは眉を整える用のものはあるが、祖母に完全管理されている。
使えるのは祖母の目の前だけ。
使い終わったら祖母に返す。それをどこにしまっているのかは分からない。
そこまでしなくてもバレたら祖母に迷惑がかかるため、ここで切ろうとは思っていない。

ポーチからガーゼとテープ、軟膏と綿棒を取り出す。
綿棒に軟膏を出し左手の傷口に適当に塗っていく。
ガーゼにテープをつけて傷口を覆うように当てた。
面倒くさいが祖母や誰にも傷を見せないようにするためだ。
私のためじゃない、他の人のために隠す。

綿棒を部屋のゴミ箱に捨てて、そのまま寝転がると昼間の出来事が蘇る。
自分を神様だという綺麗な人とお喋りな黒猫。

「私を幸せにするためにー……。」

小さく呟きながら蛍光灯と合わせるように左手を上に伸ばすと、薬指にある指輪が目に入った。
お風呂の時にこの指輪を外そうとしたが、浮腫んでいるのか外せないのだ。
でもキツいと感じるわけでもない。
不思議に思いつつ、どうしようもないためこのままにしている。

「次会った時に返せって言われても外せなかったら返せないよね。
買取になるのかな……押し売りってやつだよな、これ。」

田舎だからって油断してしまった。
こんなお年寄りしかいない所でもー…いや、だからこそなのか犯罪なんて滅多に起こらないだろうと思っていた。
これ、いくらするんだろうか。
私の生活費は母親が祖母の口座へ振り込むということになっているため、私の手元にはお金はないのだ。
欲しいものがある時も祖母と一緒に店へ行くしかない。
まるで小さな子供だ。
何度目か分からないため息をつくと、再び風が吹きカーテンが揺れる。

再びスマホを手に取り、メッセージアプリの通知を右から左へスワイプして見ないふりをした。
そしてそのまま音楽再生アプリを開く。
プレイリストを探すと“真夜中に聞きたいメドレー”というものを見つける。
音量を確認して再生するとタイトルも分からないジャズのような音楽が聞こえてきた。

色々ありすぎて、不安だらけなのに目を瞑っただけで眠気がやってくる。

ー とにかく指輪は返せるように傷をつけないように気をつけよう。
 明日、指輪が抜けなくなった時の対処法とかも調べなくちゃだ。

そんなことを考えているうちにいつの間にか私は眠りについたのだった。

5/17/2024, 3:10:00 PM

真夜中


こどものころは夜8時には寝て
目が覚めるのはもちろん朝
あの熟睡の日々よ
たぶん夢なんか覚えていなかった
しっかり眠れることは当たり前で

今はどう?
真夜中に目が覚める
眠りが浅くなったからなのか
トイレに行きたくなるせいか
なんにせよ時計を見て
ああまだ眠れる
そしてしっかり寝るけど
そのうちここから眠れなくなるのかな
親なんか見てるとそう考えちゃいます

というわけで
真夜中に目が覚めてもいいように
電気はナツメ球つけたままです
真夜中のトイレまでの道のり
転倒注意!

5/17/2024, 3:09:43 PM

「おねーさん、こんな夜中にどこ行くの?」
トレンチコートを着た長い髪の女が佇んでいる。その傍らにはおかっぱ頭の女の子。
「·····私?」
「おねーさんしかいないじゃん」
女が振り返る。大きなマスクで口元を隠した女は、声の主を探して視線を下げた。
「なんだアンタか」
「久しぶりなのにひでー言い草」
人の顔をした犬はそう言って女を見上げる。
犬はみるみる伸び上がり、女とそう変わらない背丈の男の姿になった。膝の辺りまで隠れる、血のような真っ赤なマントを羽織っている。
「で、マジでどこに行くの? 貴女の時間はもうちょっと早い〝夕暮れ時〟だった筈でしょ?」
女はしばらく夜空を見上げ、ポツリと呟いた。
「そろそろ潮時かなと思って」

「みんなスマホに夢中で少し前の暗がりに誰がいるかなんて気にも留めない。見知らぬ人に声を掛ければ不審者扱い、おまけに夏にトレンチコート着てようが、ワンピース着てようが構いやしない」
女はいつの間にか白い帽子に白いワンピース姿になった。背丈も男より遥かに高くなっている。
「ぽっ」
「トイレだってそうだよ」
おかっぱ頭の女の子が声を上げた。
「センサーで電気がつくから綺麗で明るいトイレになって、私が隠れられるところなんか無くなっちゃった」
白いブラウス姿だった女の子は、真っ赤なベストを羽織っている。この姿なら「ちゃんちゃんこ」と言うべきだろう。
「まあねえ·····」
男は答えて、羽織っていたマントをばさりと翻した。
「イマドキ〝赤マント〟なんて怖がられるどころか〝ぶっ飛んだファッションセンスの人〟で済んじゃうからなぁ」
「私達の居場所はもう本の中だけになるかもね」
「ほっといてくれよ」
犬の姿に戻った男が呟く。
「昔は俺の専売特許だったんだけどなぁ·····」
「アンタも身の振り方考えた方がいいよ」
トレンチコートに戻った女が見下ろしながら呟いた。
「あ、みんなでタクシー乗る?」
「タクシーも今はドライブレコーダーでみんな録画されてるよ」
「ダメかぁ」
「·····ところで、なんで付いてくるの?」
「いいじゃん、みんなで行こうよ」

女と、女の子と、犬。
真夜中にそぞろ歩く二人と一匹。
彼等がどこに行ったのか、誰も知らない。


END

「真夜中」

5/17/2024, 3:08:47 PM

社畜はつらすぎるマジでやめたい開放されたい、開放されてから2次元に行って二次元の女の子たちとあんなことやこんなことをしまくりたい、なんであんなに辛いことを毎日繰り返しでやらなければならないの頭がおかしすぎるわ社畜クソすぎる、労働もクソすぎる!!毎朝胸が苦しくなるし、体がプレッシャーで重いしもう色々と限界すぎるわ、あと今の話とは関係ないけど俺はいつになったら童帝卒業できるだよ〜〜とにかく美女と汗だくセックスしたい全身を舐め回したい全てを支配したい

5/17/2024, 3:08:31 PM

真夜中に、だいたい起きている。

カチカチと時計の秒針の
音だけが部屋に響く

1秒また、1秒時を
刻む音

アレ??
ホーホケキョと外から
聞こえたような

5/17/2024, 3:08:23 PM

真夜中の
アイス高める
背徳感

ねも上がる
気温と値札
蝉の声

道半ば
途絶える大人
向暑へと

薬手帳
酒による怪我
思い出し
湿布処方が
頭痛もたらし

知らないと
白を切る顔
青くなり

ポンタくん
立体でべそ
いとしすぎ

ゾンビたち
燃やす機能を
所望する

5/17/2024, 3:07:52 PM

「…お腹空いたな…」

学校をズル休みした日の夜。

昼食すらふいにして夕方まで惰眠を貪った私は
晩御飯である風邪ひき用の素うどんだけでは
朝まで眠ることは出来ず、胃も目も
真夜中のおやつ時には冴えてしまっていた。

後ろ目がたい気持ちとは裏腹に
階段へはトントントンと軽快に足を下ろしてゆく。

「…やっぱりね」

「えっ…」

暗くなったリビングへと踏み入る前に
不意をつくように背後から諦観の声が上がる。

「お母さん…」

「晩御飯…足らなかったんでしょう」

頗る気まずいが、背に腹はかえられぬとは
正によく言ったものだ。
身体は無意識に胃で答え
観念して肯定の意で首を振った。

━━━━━━━━━━━━

「なんで、分かったの?」

「わからいでか、何年母親やってると思ってんの
アンタ、本当は熱もないんでしょ」

「………」

「ここでの無言は肯定としか思えないわね?
うどんに入れるか迷った具材があるから
それでお腹にたまるもの作ったげる

ほら!コレにご飯よそって、健常者は手伝う!」

「はぁい
ところで…その、怒らないの?」

よそったご飯に手早くお酢を回しがけ
作り置きの金平ごぼうを荒く刻み入れた後
ソレを黙々と混ぜていた母に問うと
応えは呆気からんと軽めに返ってきた。

「別に行きたくない日は行かなきゃいいのよ
その理由も言いたくないから隠したんでしょう
そりゃ、ずっと行かないなら話は別よ?
私だって相談しにくい親になっちゃったのかって
その時のアンタときっと同じくらい
不安になって聞いちゃうだろうからね

でもね、休憩くらいは良いじゃない
母さんだって晩御飯を休む時はあるんだから
アンタが少し休むだけで責めるなんてのは
なんか、親としてもちょっと違うじゃない」

うどんに入り損なったであろうお揚げさんは
次々と手頃な大きさのいなり寿司へと変わり
視線を此方に送る中でも作る手を止めない主婦は
顔だけはよく知った優しい親の顔で笑っていた。

「…」

はくはくと控えめに口は開けど
返すべき言葉を胸は押しきれず
最後には、口に詰め込まれた
いなり寿司と共に胃まで落ちてしまった。

「けどね、それは私が味方として
アンタの近くに居れる内だけよ
世間でズル休みがバレたら
そうは問屋が卸さないからね

だから、今の内にやったらいいのよ
学費や生活費が なんて言う親も居るだろうけど
私がアンタにあげたもんなんだから
アンタが使い方を決めたらいいのよ」

お揚げさんにジュワリと甘やかされた口内に
後を押すのは穏やかな塩気とご飯に香るお酢
忘れた頃に、きんぴらの辛味が駆けてくる。

その一筋縄ではいかない味に
そうか、親ってこうなんだ と
子供ながらに母を重ねてしまった。

「ねぇ、お母さん
あのね…」

堪らず吐露した学校での不満や不安に
夜食は、ちょっぴり塩気を帯び始めていた。

                  ー 真夜中 ー

5/17/2024, 3:06:46 PM

真夜中、眠れない布団の中、頭の中は、
きっと宇宙よりも広い。

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