『真夜中』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
――真夜中――
真っ暗なやみの中で
震えながら歩いていたら
立っていた狐の子に
どうにも涙が抑えきれなくなった
全てを捨てる
その覚悟が間違いかのように
雫は真夜中を伝い続けた
真夜中
真夜中の鐘が鳴り響く。
それは、きっと、魔法がとける合図。
だから、どうかお願い。
魔法をかけるなら、12時の鐘が鳴り終わるまで待って。
夢のような一時を、たった数時間で終わらせたりなんてしないで。夢なら、どうか、醒めないで。
真夜中の静けさと闇は、自分を無制限にさらけ出せる至高の舞台。物音もせず、気配もせず、何者にも邪魔されない最も安心できる時間。濡れた葉の匂いを運ぶ冷たい夜風が心地良い時、どこか冒険に出たくなる。影の街に一人だけ生身を携えて、息を殺して進んでいく。顔の見えない人たちの視線を受けないように、ひっそり上手に避けながら、白い街頭が見下ろす道を一歩一歩と踏んでいく。角のシャッター街を覗いたら、遠くの道の真ん中で、小さな悪魔がお喋りしているかもしれない。
今日のお題:真夜中
それを私の家族は『真夜中病』と呼ぶ。
私はどれだけ疲れていても、睡眠薬を飲んでも、必ず真夜中に目が醒めてしまう。
ため息をついて、キッチンで温めた牛乳に蜂蜜を垂らして飲む。
自室のベッドに戻り、イヤホンをつけて、好きな音楽をかける。
甘い歌声を聞いているうちにもう一度、眠りに落ちてゆく。
真夜中にふと目覚めると世界でひとりきりになった気分になる。静まり返った夜の中におれただひとりだけが存在しているような不思議な感覚。誰も居ないから気楽だ。誰も居ないから寂しい。誰かを見つけたい。誰かにおれを見つけて欲しい。おれはここに居るよ、きみはどこに居ますか。誰宛にもならない言葉は壁に当たってこだまする。そんな虚しさも朝になれば、忘れてしまう。真夜中の出来事は、朝になったら全部忘れてしまうんだ。
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もしもし、聞こえますか。そうそう、君。君に話しかけてるよ。朝になったらボクが消えてみんなが帰ってくる。もしも君がボクと同じ真夜中に存在することができるのなら、ボクと遊ぼう。あそこの十字路にある販売機でラムネを買って、それを飲みながら散歩をしよう。きっと楽しいと思う。なんで楽しいかって? ひとりだとつまんないことも、ふたりになると楽しくなるんだってさ。まだ試したことはないからわかんないんだけど、子供の頃、読んだ絵本にそんなようなことが描いてあったんだ。ボクが言ってることを信じれないなら君が真夜中に遊びに来れたときに試してみようか。ボクはずっと真夜中で君のことをじっと待ってるよ。あ、朝が来る。もうお話は終わりにしなきゃ。じゃあ、まあ、とりあえず、いつかね。え? なに? だめだよ、それは。「またね」なんて言えないよ。だってボクたちまだ会ったことないもの。君は面白いなあ。これは全部、夢だよ。君の夢の中の出来事。真夜中の出来事。朝になったら全部忘れてしまうんだよ。
真夜中。
静かになった住宅街を歩く。
シーンとしていて心地よい。
誰もいない。私1人だけの道。
何もかも自由で、誰にも見られずに歩いていける。
この道は私への興味なんてないから。
「お前の苦しみは誰も知らない。月も星も見てはいない」
#真夜中
(お題:真夜中)
いつからか
必ず夜の3時に起きてしまう。
ぴったり、3時。
なんで?
何か理由ががあるのかな?
思い当たることは無い。
こんな時間..だからこそ、きっと星が綺麗だろう、と期待しつつ
カーテンを開けてみる。
空は雲で覆われて、暗闇がどこまでも続いていた。
どことなく虚無感に襲われる。
雲みたいに、暗く、黒く、冷たくて、重たい虚無が私を支配しているみたい。動けない。考えられない。力が入らない。怖い。怖い。怖い。
何が怖いのかもわからない。
誰かと話して、気を紛らわせたい。
そうすればきっと、心を満たす「虚無」も打ち消されるだろう、と
おもむろにLINEを開き、片思いの相手に
「今って通話できるかな」と打つ。
既読
「なんで?」
「無理」
虚無に寂しさが混じる音がした。
皓々たる月も、上り初めよりいよいよ高く光り輝く頃、上機嫌に揺れる小さな白布が一人歩いている。
夜餐の最中、何か思い出したように箸を止めると、女は押し入れから大きな白い布を引っ張り出して来て言った。
「いけない、今日から実習の授業があるんだった」布を広げると、それをすっぽり被って子の方を向いた。「いい?お化けはこれよ。もし人間がいたら、こう」
言いながら、女は布の中で両手を揺すって見せた。
「じゃあ、おれはもう行くぞ」玄関の方から、男の声がしたかと思うと、大きな翼が羽ばたくような音がする。
「あ、もうこんな時間」女は布を被ったまま、子がとっくに済ましていた食器を片付け始める。「宿題はちゃんとやったのね」
もちろん――子は元気に答えると、母親から布を受け取る。それから仕度を終え、玄関で布を被り、快活な足取りで――いや、足はないか――とにかく家を出たのである。
そう、真夜中は、お化け達にとっては一日の始まりの時間なのだ――な~んて話があったとしたらどう?
「どうもこうもあるか!バカヤロー!」わたしは目の前の白い布を勢いよく引っ張った。「こんな夜中に呼び出して何をやっとるんじゃ」
「あぁ、ごめんって」彼女は身を竦めながらも、堪えきれず笑った。「そんなにびっくりするとは思ってなくて。あ痛っ」
そんな風に真夜中の公園で揉み合っている時だった。
園外の外を、ふわふわと楽しげに移動する白い影を、確かに見たのは。
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真夜中
日本中のどれだけの都市が、真夜中眠らないんだろう。
こんな時間に目が覚めてしまったわ
小腹が空いたから
ミネラルウォーターとナッツをかじって
お気に入りの古い外車にエンジンかけて
夜でもない朝でもない気分の
お気に入りのBGM鳴らして
流れ星を集めにゆく
✳︎真夜中✳︎
真夜中に俺は学校へ行った
屋上へ行き、深呼吸をした
心地よい風が俺の横を通り過ぎていく
そして、最後に一言言った
「幸せになりたかった」
目を閉じたら広がる暗闇。けれど意識はなかなか落ちてくれない。チクタクと聞こえる時計の音が延々、延々続いている。
目を開く。閉じたカーテンの隙間からうっすら漏れた街灯の光。時折ごおっと聞こえてくるのは国道を走る車の音。こんな時間に一体どこへ走るのだろう。考えてまた目を閉じる。
微睡みかけた意識の中でリフレインする嗤い声。にやけた瞼のその奥の瞳の、ゾッとするような冷たさ。
振り払うように寝返りを打って、身体をぎゅっと縮こめる。あの頃になんて戻れないのに。子宮で揺蕩う胎児のようだ。
眠れない。眠りたいのに、その先に待つ明日が怖い。
きっと大丈夫。明日になれば何事もなく、またいつもの日常。私はいつもの顔で、いつものように溶け込めばいい。
少し失敗してしまったけど。なあに、気にすることはない。私はうまくやれる。大丈夫、取り繕える。
目を瞑る。居ても立っても居られない口腔の渇き。起き上がって蛇口を捻って。再びまた布団にくるまる。
静けさが心を揺さぶる。誰とも分かち合えない痛みと向き合う孤独な戦い。逃げ出したい。もう眠りたい。楽になりたい。
真夜中には居たくない。けれど、明日にも行きたくない。光のないトンネルの中で、ずっと出口を探している。
私は一体、どこへ向かえばいいのだろう。
考えて、やがて、朝日が昇る。
【真夜中】
眠れない。けれど眠い、けど寝たくない。
真夜中
真夜中
午前三時の静寂は僕の相棒だ。
【真夜中】
暗闇と静寂。
穏やかに、緩やかに流れる
独特な時間が好きだ。
その空間が自分だけのモノの様に感じてしまうほど。
夜闇に身を投じ、たった一人を満喫する様に。
真夜中は私の為の時間だ。
何にも囚われず、誰にも邪魔されず。
朝や昼が嫌いなわけではない。
けれど、少しだけ夜が明けるのが
惜しいと思う。
それはいつでも隣にあるんだろうね。
どんな状態でも、あっさり飲み込んで、誰も彼もが動けなくなるセカイ。
解ってて飛び込む人もいるし、気づいたら取り込まれてた人もいる。
それなのに、魅了される人もいるんだから、本当に解らないよねぇ。
取り込まれた人は、戻ってこれるのかな?
多分、出来る人と出来ない人がいるんだろう。
自分はきっと、後者で。
甘く見て、取り込まれて、後悔して。
それでも、解らないままなんだろうなって思うんだ。
”真夜中”は、そう言うセカイ。
朝日がのぼるのか、深淵に飲み込まれるのか。
どちらになるかは、自分次第なんだろう。
真夜中
『真夜中』
真夜中に たったひとりの わたしたち
光る画面に 繋がりを見る
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太陽が 燃える毎日 も真夜中
があるからこそ 耐えてゆける
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明日がさ 笑顔でくるよ 手を振って
また集まろう 明日の夜に
【真夜中】10
夜が好き
静かで自分の世界で過ごせるから。
私の敵は誰もいない。
スマホを開く。
通知がたくさん。
どの人も私の味方。
似たような言葉ばかりだけど
それでも嬉しい。
太陽が昇ると味方は消える。
その代わりみんな敵になるんだ。
朝が来るのが怖い。
このまま夜が続けばいいのに。
時を止められたらいいのに。
窓を開けベランダに出る。
あー星がきれい。風も気持ちいいな。
ひとも車もいない点滅信号の交差点
うるさすぎる心がやっと静かになった
まだ眠っちゃだめだよ。
【真夜中】