サチョッチ

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真夜中の静けさと闇は、自分を無制限にさらけ出せる至高の舞台。物音もせず、気配もせず、何者にも邪魔されない最も安心できる時間。濡れた葉の匂いを運ぶ冷たい夜風が心地良い時、どこか冒険に出たくなる。影の街に一人だけ生身を携えて、息を殺して進んでいく。顔の見えない人たちの視線を受けないように、ひっそり上手に避けながら、白い街頭が見下ろす道を一歩一歩と踏んでいく。角のシャッター街を覗いたら、遠くの道の真ん中で、小さな悪魔がお喋りしているかもしれない。

5/17/2023, 1:53:54 PM