『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
帰り道、ふと、雨が降りだしたことに気づく。
大した事ない雨だ。いつもなら気にとめずそのまま歩くが、今日は人に会う予定があるのであまり濡れたくない。
傘、あったかなと鞄を探ると、底の方にしばらく使ってなかったちいさめの折畳み傘を発見した。
ラッキー、と傘を開く。
しとしと降る雨の中を歩きながら、最後にこうやってこの傘を開いたのはいつだっけ、と思い返してみる。
あぁ、そうだ。
傘を忘れた彼をみかけたときだ。
彼とは普段良く話すわけでもないが、正面玄関でぼーっと立っていた彼の背中が、なんとなく寂しそうに見えて、不思議と泣いてるようにもみえたので、思わず、これ使う?と傘を差し出したのだった。
彼は最初きょとんとして、傘と私の顔を交互にみつめていたが、どうも、とぼそりとつぶやき、傘を受け取った。
そしてそのまま、持つから入って、といって傘をすこし傾ける。
私は私で、思いがけず声をかけたことに自分でびっくりし、その上一緒に入ることになるとは思ってもいなかったのでさらにびっくりしたが、なんとなく、促されるまま傘の中に入ったのだった。
小さめの傘の中、お互いほとんど話すこともなく黙々と歩いた。最初は少しそわそわしたが、案外居心地がよかったのを覚えている。傘は二人ではいるには小さくて、肩が少し濡れた。きっと彼もそうだったと思う。けれど不思議と嫌ではなかった。
てくてく歩きながら、傘の中にわざと1人分の空間をあけてみる。
いつかまた、この左隣が埋まる日が来るのだろうか。想いを馳せてみる。
・10『相合傘』
スキュラは水掻きのようなものが付いている自分の手を見て悲鳴を上げた。この海は毒だ。早くここから離れなければ。
陸に逃げようと心では思っているのに足は勝手に海に向かっていた。
淵に入り腰まで海水に浸かった時
犬の鳴き声が聴こえた。一匹じゃない、何匹もいる!
犬はスキュラの腰あたりでせわしなく『犬かき』していた。
10頭かそれ以上か。
スキュラの足に生えたビラビラは海水で黒い犬になっていた。足から犬に成り代わっていた。
スキュラ自身の下半身の感覚が無い。
犬達が勝手にスキュラを海へ海へと誘ってゆく。
その時大きな波が来た。高波に飲まれて死ぬと思った時
頭上に無数のあじさいの花が現れた。
スキュラを完全に覆い尽くすほどのあじさいが傘となりドーム型のシェルターになった。あじさいの傘が波を弾いてゆく。
グラウだわ。
姿が見えないけど近くにいる。
【続く】
帰り道、雲行きが怪しいなと思っていたら予想通りポツポツ、と雨が降って来た。
「やっぱり降って来た。傘持ってない。」
でもまだ小雨、この程度の雨であれば乗り切れる。
そう思えば思うほど雨足は強くなり服の色が段々と色濃くなっていく。
「仕方ない。少し走るしかないか」
駅まではまだ少し距離があるがこのままだと滴る程濡れてしまいそうだと荷物を抱えて走り出そうとした矢先。雨が止んだ気がした。
「傘持ってないのか?風邪引くぞ」
「衛輔くん」
見上げると私の方に傘をさしてくれている衛輔くん。
いつもバレー部の中では小さいと気にしているが私からしたら衛輔くんだって少し見上げないと目が合わない。
「今帰りか?」
「うん。衛輔くんは部活ないの?」
「もう終わった。そしたら傘さしてないお前見つけて驚いたよ。天気予報くらい見ろよな」
反論する言葉も見当たらず、すみませんと呟くと彼は瞳をキラキラさせながら
「でもこうしてお前と近くで話せるの、なんかいいな」
表裏のないド直球な言葉に顔に熱が集まるのを感じた。
-相合傘-
「相合傘」
君の優しさを知ってる。
1本しかないのに傘を貸そうとするところ
自分は走って帰ろうとするところ
一緒に傘入って帰ろうと誘われ断れないところ
顔真っ赤でもちゃんと左肩がずぶ濡れなところ
その隣が僕だったらな、
雨に掻き消されるようにそう零した。
「相合傘」
今までの人生で相合傘というものをしたことがない。
折りたたみ傘を常備しているせいで傘を持っていないときがない上に、都合よく傘を忘れている人もいない。
したい気持ちは十分あるのだが、知人に見られたら気恥ずかしい。
梅雨に入ることをポジティブに捉えるなら、雨の日が続くので相合傘をするチャンスが増えるということだ。
雨の日は気分が落ち込むので嫌だ。しかし、こう考えれば少しは楽しくなるかもしれない。
相合傘
(本稿を下書きとして保管)
2024.6.19 藍
少しだけ 無害そうな老婆になれば
夕立に立ち尽くす君に かけてあげられるのに
ビニール傘の 柄を握る
___________
(ちょっと、この歳になると傘も重くてね。代わりに差して持ってくれないかしら、とかさ。)
それなりに仲の良い異性の友達が雨で困っている時に、誤解されたくないだろうし、かといって受け取ってはくれないだろうしと悩んだ記憶があります。大学ぐらいになったら、普通に入ってきなよと言ってましたが、思春期における、あれの正解は何。
相合傘って江戸時代からあったんですね。和傘だろうし、油紙の匂いも想い出になったりしたのかな。相合傘もその落書きもてっきり昭和の文化かと思っていました。同じ落書きならコックさんの落書きが好きです。シュールで可愛い。下部分が傘を逆にしたみたいですよね。
___________
寝る前は、正解はカンタか?カンタしかないのか?と思っていたのですが、起きて思いました。時間があるか尋ねてコンビニか何かで傘買って来てあげれば良かったのでは。
あ、でも、それやろうとして近くに雑貨屋しかなかったため、ATフィールド柄のネタビニール傘を渡すと言う半嫌がらせをしちゃったことあったな…。「ありがてぇけどありがたくねぇ!」ってツッコミをくれた良いヤツでした。後で傘は返されました(いらねえ)
今は相合傘用の傘(一方にだけ長く広がる)を持っています。傘を上手くさすことができない幼児や、お年を召した方のエスコートに便利なんですよね。
【相合傘】
懐かしい
両思いになりますように⭐︎みたいなの
小学生の頃描いた気がする
調べたところ
このような落書きだと言う意味と
男女が同じ傘に入る意味らしい
最近はさ、
相合傘用の大きめの傘も売ってるよね
でもさ、
くっ付きたい学生くらいなら
普通の傘の方がいいかもねw
だけど大人の私位になると
外でイチャイチャは目障りかなって
どこかで思ってしまうんだ
だから大きめの傘を使いがち
おじいちゃんやおばあちゃんになって
寄り添っているのは微笑ましいのに
なんだろなー⁈
30.40.50代くらいだと…
恋人であろうが夫婦であろうが
なんでキラキラして見えないの?
なんかさ…
中途半端なお年頃なの?
結構この期間って長くない?
ワタシは変わっているからさ
人は人だし、
学生だろうが、中年だろうが、
悪い事してるわけじゃないならいいと思う
だって寄り添えるって
羨ましくない?
仲が良い証拠じゃん
こういう日本人の一般常識感…
ワタシは好きじゃないんだ
ハグもそう
人前でしちゃいけない感じ?
ワタシは堂々と
【相合傘】もするし
手を繋ぐし、ハグも色々な人とする
もちろん、
ワタシのテンションを知ってる人しか
出来ないけどね
それがちょっと寂しいな
良いも悪いも
好きも嫌いも
自己表現出来る日本になったら嬉しいな
ワタシの周りから
浸透させていくねw
相愛傘と言われた時この言葉は何と思った
最初はそうあいがさと読むのかと思いきや自分の知っているあいあいがさと読むのだと知ってびっくりした
いつか好きな人ともしてみたい♡♡♡
【相合傘】
傘をさしていても
歩いているとつま先が濡れる
前に出した足が傘の守備範囲から飛び出すのだ
そこで売り場で1番大きな傘を買った
どうやら
濡れる理由は
歩く時に靴底に付いた雨水が
跳ね上げられてつま先に着地するからだったらしい
やたらと大きな傘の下で変わらず濡れている
まぁ
考えてみたら
傘の守備範囲を飛び出す程
長い足は持ってない
大きさゆえ少し重たく
飛べるんじゃないか
ってくらい風も受ける
ま
背中の鞄も濡れないし
あの子も濡れなかったから良しとするか
相合傘。小学校の頃に、好きな人と自分を隣同士にして書いていたな。結局、うまく行かなかった恋だけど、今でもときどき思い出す。甘くてほろ苦かったけど、楽しかった初恋だなって。
傘をブンブンと振り回す
一本多めに持った二本の傘
下校時間に雨が降り
気になるあの子が傘を忘れる
そんな奇跡みたいな出来事を願って
母からの怪訝な顔をスルーしてここまで来た
なんとなく周りの目も冷たい気がする
雨が降らないかなと軽い足取りで登校した
お題『相合傘』
相合傘✨
相合傘の中の2人の距離感がとても好きだ
最初は肩を濡らしながら
見ていたあなたの横顔も
今は肩を濡らすこともなく
体を寄せ合いあなたの香りを
感じながら歩いている
こうして これからも
雨の日もあなたと過ごせるようにと
願いながら…
相合傘…そういえば
○○○ボーイという
ゆる脱出ゲームにあったような…
2次元のような 甘~ぃ記憶は無い
✴️63✴️相合傘
「相合傘」
僕は梅雨の時期が1番好きだ。なぜならこの世で1番好きな君と1番近い距離にいられるから。梅雨の時期は2人寄り添って1本の傘で雨音が響く中歩いて帰る。君は時折恥ずかしそうに顔を赤らめるその瞬間が1番幸せで美しい。
相合傘なんてしたら
もっと雨が好きになっちゃうじゃんか
ずっと振り続けてくれよ
相合傘
愛愛傘
三分の二は君に、、、
かっちゃん濡れるよー。
大丈夫大丈夫
もう面倒くさいからひーちゃんにあげる!笑
えー。
先に走って行っるよー。
もー。一緒に行きたいのにー。
ああ、懐かしい。
相合傘して歩いた帰り道
「なんだ、やっぱりお似合いじゃん」
後ろから親友の冷やかす声が聞こえてくる
『相合傘』
私が忘れられない、まだ学生だったあの日の話でもしようか。
仲がいい友人数名と、とある検定の試験会場から帰ろうとした時のこと。
その日の天気予報では雨となっていた。試験会場に入るまでは曇っていて降ってはいなかったが、大体の人は傘を持ってきていた。私もそのうちの1人だ。
しかし、友人のうち2人が傘を持ってきていなかった。
帰ろうとなった時、試験会場から徒歩数分の場所にある駅でさえ傘無しではびしょ濡れになるほどの雨が降っていた。私は2人がそれぞれ誰かの傘に入ればいい、1人どちらかを私の傘に入れようと考えた。
その時だ。私が密かに好意を寄せていた彼女が、「これに2人入れるだろう」と少しぶっきらぼうな言い方で自身の傘を差し出したのだ。私は言葉にしなかったものの「優しいな。でも貴女はどうするの?」と思っている間に当たり前のように何も言わず、私の傘に入って来たのだ。
あの時、なぜ私の傘を選んでくれたのかは大人になった今でも謎のまま。聞けないままでいるけれど、目を閉じ思い出すと今でもあの時のときめきを感じられる。
人との関係に少し不器用なところがあるけど、優しさに包まれた貴女が好きだと改めて思えた相合傘。
雨が降りそうと言ったのに
君は傘を持ってこなかった
仕方ないから
小さな折りたたみ傘に
二人でどうにか入ってみる
どっちも濡れてるから
文句は言わないでね
それが君との相合傘