『理想のあなた』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
モンブラコン*
~~~~~~~~~~~~『理想のあなた』
「ほら姉さん、テイちゃんがフルトッピングのチョコチュロス全種類買ってくれたよ~、機嫌直してよ~」
オレ達怪物3姉弟、本日は遊園地に来ているというのに、一人ヘソを曲げた姉は、メリーゴーランドで、馬にも乗らず、回転床で仁王立ちになり、明るい音楽と共にクルクル回っている。
事の発端は15分前、お化け屋敷にて、100%妖怪人間の姉さん達が、自称お化け☆100%人間への反応に困惑する中、5%人間のオレがマジで怖がり、テイちゃん(兄)に抱きついた為、姉さんが“女子の反応”先越された!…と、ワケわからん理由でキレて、今に至る。
「う~わ…シャクレてる…長引くぞ、アレ」
せっかく遊園地に来たのにね、と、ため息混じりで隣のテイちゃんを見ると、姉さんに向けてチュロスを振りながら、笑いを堪えていた。
『あの顔、面白くない?』
「怒られるよ、テイちゃん…」
テイちゃんは姉さんの激しい気性に全く動じない、数百年の付き合いだからか、余裕である。
「姉さんて、昔から、ああだったの?」
テイちゃんはゆっくり首を振ってから、
『姉弟になった時、姉さんは、笑えなかった、怒れなかった、全てが恐怖でしかなかった、心がボロボロで、かわいそうだったよ』
姉さんとテイちゃんは、前世で恋人同士だったんだけど、正確にいうと、生まれ変わったのはテイちゃんだけで、姉さんは再生しただけ、つまり姉さんは覚えてたんだよね、小さな身体では到底耐えられない記憶を。
『だからね、今の姉さん見てると幸せなんだ』
生まれ変わって記憶のないテイちゃんが、発狂状態の姉さんを治療して、村の復興までやり遂げた。
『姉さんに、人並みの生活をさせるのが理想だったんだ』と、ジェスチャーで語るテイちゃん。
オレはまた、ため息が出た。
「こにょこにょテイちゃんこにょ~♡」
いつの間にか姉さんが、テイちゃんの腰に抱き付き、オデコでくすぐっていた。
「アイスも食べますか?お姉様?」
「うむ♡チョロチョロにちょかすてぇ♪︎チュロスとテイちゃんにぬるぬるすでぇ~ペロペロしゅるっ♡」
「……くっ!!!」
#24 理想のあなた
うんと小さい頃、自分の容貌が気になって、鏡を覗いてみたら、期待していたほどではなくてガッカリした覚えがある。
今は前向きに受け入れている。
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理想とは、なりたい姿やあるべき生き方、これがあれば幸せだと言えるもので、言い換えれば未来への目標であり、過去に対するものである後悔とは別物である。
私は、考え方の癖や人見知りの原因を、親との関係性によるものだと思っていました。
多分、親のせいだから自分は悪くないと思いたかったのだと、今は思います。
何年も拗らせた結果、残ったのは感情のコントロールに四苦八苦している内弁慶な自分でした。
必要なのは、「これからどうするか」を考えることであり、その内容は達成可能なこと、小さな目標がよい。
何事にも冷静に対処できたらいいなと思うのです。
調べてみたり人に聞いてみたりすると、方法は色々と見つかりました。
とりあえず簡単そうな、小さいことなら。
まだまだ大丈夫、失敗は成功のもと。
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理想の『あなた』と言っても、
誰かにして欲しいことがあるときに、はたらきかけるのは結局自分だしなぁ、ということで。
アドラー心理学を参考にしました。学生時代の教科書を引っ張り出しました。そのうち時代の流れでアドラーさんじゃなくて誰某がいいとか、求められる内容は変わるんだろうな…とか思いました。
「理想のあなた」
「理想の貴方」
あなたはそうじゃないの
こうあるべきなの
お酒を飲むなら静かなバーで、食事はフレンチレストランに行ってね。コンビニ弁当なんて論外よ。
パジャマ代わりのスウェットで一日過ごすのはやめて。
アニメや特撮が好きなんて子供っぽいわ。
下世話な話題は禁止、あなたの口から聞きたくないの。
恋人はいてもいいけど極上の女を選んでくれなきゃ。
あんな普通の女じゃ誰も納得しないわ。
あなたの前から消えてもらいましょう。
ねぇ…私を幻滅させないで。
いつまでも、高いところで輝いていて。
――――――
「理想の私」
ぐずぐず考えずに行動(考えすぎちゃう)
気の利いた会話ができる(できません)
人の顔を覚えられる(有名人でもあやふや)
センスが良くてお洒落(言わずもがな)
絵が上手、手先が器用、音に敏感(芸術方面は壊滅的)
ミニマリストとまでは言わないけれど、
ちゃんと片付けられる人(床にモノ置きがち)
伸びない髪。増減も劣化もない細胞。減らない腹に排泄のない身体構造。
外側だけをそっくり写し取って私に手を伸ばす。
「触れ合いが恐ろしいと、君が言ったんだよ」
そうだ。確かにそう言った。
人間の皮膚というものは微かに産毛があったりするもので、それがどうも気味悪く感じられた。獣と同じくせに「わたしたちだけは違うのだ」と恐れ多くも君臨しているように思えて。
どうせ肉のくせに。皮袋を擦り合わせて触れるという行為は酷く嫌悪感を掻き立てる。
「わ、たしは、それでもあなたが好きだった」
「より君の好みに変化したんだ」
「それでも……それでも……」
人形の足元に縋る。初めて触れた体は冷たく見えて暖かかった。模しているのだと気づくも指先から侵食するような不快はない。
「前のあなたの方が良かった……」
「やっぱり僕らって相性が悪いんだよね。愛し合っているけれど」
膝を折って私に腕を回す。服の上でいちど止まってから徐々に抱きしめる、あなたの。
そういう優しさが好きだと伝わらなかった愛を恨んだ。
理想のあなたか。うーん、正直もう人生がどうでもいいから理想の自分というのがいまいちないんだよな。
それでも言うならダイエットに成功して小説をすらすら書いている自分。そんな感じか。
最も現実はなにも成せずにだらだらしてるだけなんだけどな。どうしようもないけどもうどうでもいいからしょうがない。
しかしこういうネガティブなことを書くのは良くないよな。引き寄せの法則ってのもあるしもっとポジティブなことを書かないと。
思考は現実にだっけか。とにかく考え方や口にする言葉をもっといい感じにしないとこのまま堕落するだけだ。今さらではあるけども。
では改めて理想の自分を手繰り寄せるためにポジティブに。
やはり理想の自分というのは食事制限をちゃんと守って運動不足にならない程度に運動をする。そして毎日小説を書く。
一万時間の法則というのがあるように努力は裏切らない。職業として小説家を目指すかは別として俺は小説を書ける人間になりたい。
現実の自分は食事制限を守れていないので改善したいね。それに小説も気分次第で書いているから全然書けていない。これもだめだ。だから小説を書く時間を決めて習慣にしたい。
まとめると理想の自分は食事制限を守って毎日軽い運動をして決まった時間に小説を書く。こう考えるとそう難しいことじゃないね。
なんだが書いていて気分が上向いてきたからこの理想の自分になるために努力しよう。
あの子みたいにかわいくなりたい
あの子みたいにかっこよくなりたい
華奢に。艶やかに。パワフルに。
まるでみんなのアイドルのような…
理想は沢山あっても結局はありのままの自分が1番いい。
【理想のあなた】
あなたになりたい。
それは、あなたが可愛いから、性格が良いから、勉強ができるから、
運動神経がいいから、友達が沢山いるから、スタイルがいいから。
絵がうまい、歌がうまい、料理がうまい、裁縫がうまいから。
だから私は、あなたになりたい。
時には、あなたさえいなければ、って。
母も父も学校の先生も
クラスで孤立する私を咎めた
大人たちは理想の私を作ろうと
私の求める時間を叩き割った
友達はいいものだ
人と仲良くしていると自分のおかげかのように
大人たちは微笑んだ
その子の愚痴や不満を受け止めて
その子の悪口や陰口を包み込み
自分もそれに染っていく
そしていつの間にか言われる対象は
友達だと思っていた私になっていた
……
一人の時間が欲しい
誰にも振り回されないことが私の中の理想の自分
だけど周りの人もまた理想のあなたを押し付ける
カタにはめられた生き方を
私はいつまで耐えていればいいのだろう
鏡の自分とにらめっこ。
笑みを浮かべる知らない誰か。
気に入らない。
鏡の端の二枚の写真。
一つは忌むべき自分の姿。
一つは愛すべき自分の姿。
みんなの理想になるために、
私は自分の嫌いになった。
テーマ「理想のあなた」
「じゃあ、あんたの理想ってどんな人よ」って聞かれて
「えっ……働いてる人かな」としか言えなかった。
人に期待しすぎるのなんて毒なわけ。
どうせね、理想なんて抱くと幻滅する一方なんだから
無能だけどかわいい、ってくらいのやつと
マイナスからのスタートを切って
「えっ、そんなことできるの?えらい!かわいい!」
って、加点していくほうが楽なのよ♡
高宮早苗は理想が高い。
理想、というより、最低限が高いのだ。彼女は「これくらいならできて当然だよね」みたいなことを平然といってしまう時がある。
勉強も、運動も、自分の生活に関することは何にもでも。とにかく、最低限できることへの理想が高い。そして、できないことがあるといじける。いじけてできるようになるまでやる。華奢な体で無理をして、倒れてしまうことも、熱を出してすることもあるというのに。
いや、そうなってしまうからこそ、できることを多くしようとするのかもしれない。最低限これだけはやっておこうになるのだろう。そしてその結果、理想が高くなった。そういう経緯があるのかもしれない。
だとしたら、早苗のその行動はあまりにしも必死すぎる。健気とも取れる。
だが、宮川翔吾から取ってみれば、その健気さは、抑えておいて欲しいと思う時がある。
例えばそう、今のように台風で風が強い中外に出ようとしているところとか。
「この僕が風に負けるなんてことあると思うかい?」
「普通にあるからやめとけ」
急に電話がかかってきたかと思うと、そんなことを宣う早苗に、翔吾は眉間に皺を寄せながら制止するよう呼びかける。が、しかし、電話越しなのでどこまで止められるかわからない。これが会っている状態ならひっつかまえてでもとめるのだが、目の前にあるのは自室の窓で、ビュゥ、と音を立てて吹き荒む風が吹いている。そして今どこかの家のタオルがとんでいった。早苗の姿はない(住んでいるところが違うから当たり前だ)。
「いいか、絶対出るなよ。出たら絶交だからな」
「小学生みたいなおどしだなあ」
「台風の日に外に出ようとするまんまガキみたいなやつに言われたくない」
「いや、いや。僕にはちゃんと考えがある。そもそも、小学生の頃に比べて今の方が体重はあるんだぞ。ちょっとやそっとでとんでいくようなことはないだろう」
「どんだけ強い風が吹いているか見たか?」
「見えているとも。なんなら写真でも送りつけようか?」
もう売り言葉に買い言葉みたいな感じで一つもお話にならない。早苗は絶対に風に負けることはないから外に出ると言い張り、翔吾はさすがにそれは無理だろうと反論を繰り返す。だがどうにも二人の考えは、平行線をたどるしかなく、折り合いがなかなかつけられそうにない。
そしてとうとう翔吾の説得はむなしく終わり、早苗は家の外に出てしまった。らしい。
電話で早苗が実況し始めた。
「すごい。すごい風だ。むべ山風を嵐といふらむ……」
「百人一首を詠んでいるひまがあったら戻れ」
「いや、いけるところまで僕は行くぞ。そう、目的地は君の家だ」
「なんで俺の家なんだよ」
すでに関門は一つ突破された。次はこの石も小枝もバケツもとんでいく危険極まりない道である。電話越しに聞こえる声は、風の音でほとんどかきけされた。今どんな目に会っているのか翔吾の気はしれない。そしてどうしてうちに来るのか。一つも理由がわからなかった。
「なぜって、この前ショーゴくんに貸す予定だった参考書を渡しにいきたいからだよ。君この前古典で何かいい参考書や問題集はないかって言っていたじゃないか。模試も近いから今日までに届けないと君が困るだろう?」
そう聞いて、ため息が漏れた。
確かに試験は近い。学校が爆発するなり何か起きない限りは土曜日に模擬試験がひらかれるはずだ。古典にあまり自信のない翔吾は少しでも勉強したいとは思っていた。そこで古典が好きで成績の良い早苗に参考書か問題集のような、古典の勉強になるものはないかと聞いた。
いくつか翔吾くんが好きそうなのがあるから持ってくるよ。
なんて話をしていたのが金曜日。そして今日が日曜日。次の土曜日は約一週間くらいだ。そう思うと早めに渡しておきたいと思う気持ちはわからなくはない。
でもそれはこんな風の強い日にわざわざ出るほどのことかと聞かれたら、首を横に振らざるを得ない。そこまでしなくていい。そんなことのためにこんな状況で外に出るんじゃないと声に出して言いたかった。半ば声に出していたが。
「いや、でも、これくらいの風なら傘さえ刺さなければ大丈夫だと思うし、僕も君の家にいって話がしたいし、まずこの風の日に出るのはすごいワクワクしているというか、面白そうだと思ってだな……」
「……面白そうが本音だろうが」
「あはは。バレたか」
「……わかったよ。お前が外に出たかったのは。でも古典の参考書は濡れて使い物にならなくなる可能性があるからそっこー帰れ」
「でもそれだと君が勉強できなくないか?」
「電話口でお前が教えろ。それなら良いだろ」
「──ショーゴくん、それは教えてもらう人の態度ではないと思うんだが、どう思うんだい?」
「頼む。電話で俺に古典を教えてくれ」
その言葉を聞いて電話の向こうから「うん」という声が聞こえてきた。風の音が急にやみ、はっきりとした早苗の声が聞こえてくる。
「それなら僕に任せたまえ! 君が古典が大好きだって言うようにしてみせよう」
楽しそうに弾んだ声。それを聞いて翔吾はほっと、小さく息をついたのだった。
—————
途中からお題に沿った内容じゃなくなったような気がしますが、気にしてはいけない。
【理想のあなた】
もしそばに居るならば
もし一生を共にするならば
こんな人がいい
こんな性格がいい
人は誰しもそんな会話をしたことがあるのでは無いでしょうか。
そしてそのうちのほとんどがもともと思い描いていた人とは違う人なのではないのでしょうか
そんな事ないと言うあなたは、自分の事をよく分かっているのでしょう。
自分が何を求めていて、自分がどんな人を許せないかを知っているのでしょう。
そうかも、という人は、柔軟な人なのでしょう。
だって思い描いていた人とは違うとしても、共に居てもいいと思えるのだから。
人にはそれぞれ理想があります。
あなたの理想は
どんな人?
あなたは背が高くて清潔感がありセンスも良い
いつも穏やか、誰に対しても優しく丁寧
言葉の選び方も素敵
話し上手だし聞き上手
誰かを傷つけることなんてもちろん言わない
物もとても大切に扱う
あなたのことを悪く言う人はいない
みんなあなたに好印象を抱く
でも、それじゃつまんない
あなたにある傷は?深さは?
どのくらい痛む?
罪悪感や劣等感はある?
あなたの孤独はどんな場所?
私、太陽のようなあなたと日陰も一緒に歩きたいの
何時だって、私の理想の貴方…貴方は、何もかもを、完璧にこなす、立派な大人…それに比べて、私は、去年成人したのにも関わらず、まだまだ未熟な子供…貴方が私の理想の様に、私も、貴方の理想の彼女になりたい…貴方が好きな女優さんや、歌手には、なれないけど…でもそれでも、貴方が誇れる彼女になりたい…だって、一生涯貴方の隣を歩くんだから…まだ、貴方の事、知らない所もあるから、少しずつ、貴方の事、これからも知っていきたい…本気で貴方が好きだから…
私の理想は、頭が良くなくてもいいから、可愛くなくてもいいから、痩せてなくてもいいから、「誰にでも優しい心を持った人」
僕の理想は、頼りになる人になることだ。頼りないし、不器用なところがあるからより思う。
理想の自分を掲げると差がありすぎて辛くなる。
でも、近づこうと努力している自分は大好きだ!
「『ひと』を書きたい。……とは常々思ってる」
昨日が昨日で今日も今日。19時着の題目に対して苦悩悶々安定な、某所在住物書きである。
「理想としてはドキュメンタリーよ。舞台の箱作って。設定持たせたキャラ置いて。当日のお題をテーマに動いて生活してもらって、そのシーンを撮影する感覚で文字に起こすの」
まぁ、所詮理想だから、結果はご覧の通りだけど。己の投稿作品を読み飛ばす物書きの視線は完全にチベットスナギツネであった。
「……理想の俺が遠過ぎて困難」
――――――
わたくし後輩、ただいま先輩に、居酒屋の個室で絵描き物書き用語を解説しております。
「特に女性に多いと思うけど、結構絵師や物書きは、心に理想の『The She』と『The He』がいるの」
スン。 先輩がメモの手をボールペンを止めて、短く、小さく息を吸った。
何か突発的に、気になる疑問とかが出てきたときの、先輩のひとつのクセだ。最上級になると息吸った後に「ん?」って吐き首を傾ける。
「『その』、『彼女』で、『その彼』なの」
私は補足した。
「たとえば、リバのツー様でも総受けのツー様でもなく、総攻めのツー様。『その』ツー様なワケ」
案の定先輩は短い声と一緒に小首をかしげた。
「先輩は『先輩』で、確かにココに居るでしょ?」
きっかけは都内某所の某最近青コンビニに商品コーナーができ始めてる四文字良品。私は百均後の寄り道で、先輩は文房具の買い足し中だった。
真面目な先輩が良品のシンプルでシックなグッズを使ってるのが解釈一致過ぎ。
それでつい「なんか解釈一致」って言ったんだけど、途端、先輩は少し苦しそうな顔をした。
解釈の二文字が諸事情で過敏なアレルギーらしい。
「絵描き物書きは、先輩に、先輩自身がそうでもそうじゃなくても、『先輩は実は漫画が大好き』とか、『先輩は料理がとても上手』とか設定付けるの」
その先輩が「解釈は、どのような意味で使っているんだ」って聞いてきて。急きょ一緒に居酒屋でごはん。
そんな大げさな話でもないのに、先輩は良品で買ったメモ帳に私の話をメモして静かに聞き始めた。
かわいい。
「私の部屋に娯楽書籍が皆無なことは、お前も知っているだろう」
「そうそこ。本人が、事実として、どうであるか、場合によっちゃ無関係なの。その絵師の世界では先輩は『漫画が好き』で、『昔レストランでバイトしてた』『実は昔やんちゃっ子』の、『元精神科医』なの」
「はぁ」
「この設定リストだのイメージだのが、『解釈』。『解釈一致』は『自分が考えてる○○のイメージと一緒』って意味で、『解釈不一致』はその逆ってこと」
「『地雷』は?」
「『自分にとってその設定とかイメージとかは精神的アレルギーなので受け付けません』って意味」
「そうか。……そう」
トン、トン。
ボールペンでメモを静かに叩き、頑張って内容を理解しようとしてる先輩は、数度頷き、ため息をついて、
「……アレルギーで不一致なら、すぐ捨ててくれれば良かったのに」
ぽつり、私に聞こえるか聞こえないかくらいの声量で、寂しげに呟いた。
理想のあなた
あなたのその素敵な容姿
あなたのその素敵な笑顔
あなたのその優しさに
みんなは理想を膨らませ
あなたを欲しいと
願うでしょう
私もきっとその中の一人
あなたに理想を押付けてたね
今
私がもっとも知りたくて
私がもっとも抱きしめたいのは
みんなの中の「理想のあなた」を
生きようとする
あなたの中の本当のあなた
本当のあなたは何をおもう?
本当のあなたは何をしたい?
本当のあなたを抱きしめたいの
本当のあなたを愛したい
本当のあなたに出会いたい
草むらで
耳を澄ませて
聞こえた
時計の音
理想のあなた
『理想のあなた』
理想から 飛び立てるまで 手入れした
薄羽の色 もう灰色に
長い道 も歩けるはず 二人なら
だから探した 手、見つからない
思い出に ひたるわたしを 殴るよう
汚い涙 別れを告げる