『現実逃避』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
現実逃避しすぎなんじゃない?
誰かに言われた。
白雲峠という
目撃情報のみ存在する
幻想に近い峠に縋り続けている私に
誰かが痺れを切らして言った言葉。
それでも私は
ずっと探し続けている。
ネットにはいくつも情報がある。
それに、
白雲峠に住んでいるであろう
ネブラスオオカミの調査をしている
専門機関もある。
ただ行方不明者は多いそうだけれど…。
調べ事なら私の得意分野。
試験に合格し
私は専門機関へ。
ここでは名を捨て
番号が割り振られる。
私は423。
基本的に無線を使って
ネブラスオオカミの
目撃情報があった場所へ調査へ行く。
研修などは無く、
何があっても自己責任。
この機関は
ただの物好きの集まりだから。
"Good Midnight!"
...ジーツ、...ザザッ、こちら423。
ネブラスオオカミの目撃情報があった
三三峠にいます。
ネブラスオオカミがいた軌跡は
特に見当たりませんが、
引き続き様子を見たいと思います。
現実逃避
ただ今、夜の2時。
気のせい、気のせい…。
『現実逃避』
日々を過ごす中で、漠然と疲れが訪れて逃げ出したくなる時がある。
別に心が病んでいてとか、そう言う訳ではないと思う。ある意味、これを病むというのかもしれないが。
だけど、これはそんな大それたものではなくて、もっと生活に根ざした悩みに感じられる。
毎朝同じ時間にアラームを止め、顔を洗い、決まった手順で一日をこなしていく。そんな「当たり前」を維持するためのエネルギーが、知らず知らずのうちに底をつきかけているような感覚だ。
誰かにひどく傷つけられたとか、人生を揺るがすような悲劇が起きたわけではない。ただ、靴の裏に少しずつ張り付いた泥がいつの間にか足取りを重くするように、日々の些細な摩擦や義務感が、確実に心をすり減らしている。
ん
だからこそ、いま私に必要な「現実逃避」は、鞄一つで遠い異国へ飛び出すようなドラマチックなものではなくていい。
いつもより一杯多くコーヒーを淹れてぼんやりする時間。あえて一駅手前で降りて歩く夜の道。あるいは、スマートフォンの画面を伏せて、ただ部屋の天井を眺めるだけの数十分。
それは現実から完全に目を背けるための逃走ではなく、明日もまた続く現実を生き抜くための、ほんのささやかな「避難」なのだ。そうやって一人きりの場所で静かに呼吸を整えることで、私はまた、この平凡で少しだけ息苦しい生活へと戻っていくことができる。
『現実逃避』
生きる毎日は 修行の雑巾がけ
正座に瞑想 自分を追い込むことか?
ぼくが死んだって この世は回ってゆく
人には価値など ほんとは無いのだろうか?
恋に憧れ 誰かを好きになって
愛とは嫌いな 部分も受け入れること
たとえ妥協や 我慢と笑われても
生きてくしかない この世の車輪になって
未来の電車は 満員…乗り込めない
ホームに残され いつでも次を待ってる
ぼくのこの愛を 偽善や錯覚だと
あなたは言うけど 愛して、確かめて欲しい
夢を見たくなる 現実逃避なのか?
そこにはいつでも あなたが映り込んでいる
どこへ向かうのか 人生の終着駅
「しあわせだったね」と 言わせて…ぼくは降りたい
どんなに言葉遊びで誤魔化しても、私の現実は変わってくれない。
これを書いている私は現実だけど、ここに綴られる言葉は、現実を、自分の身体を、跳び越えてしまう。
でもそれはいいんだ。現実との向き合い方の一つだろうから。
一番救えないのは、人の生き様を見てる、ただ見てるだけの自分の存在に気づく時。
何の役にも立たないって否定はしないでおくよ、でもそれは今の私が本当にしたいことなの?
…正しい選択とか、間違ってる選択って、ない。自分がその時起こした行動が、言葉が、私の全てであって、そこには「選択」できる以上の選択肢がある。その中で自分がとった行動は、後からケチをつけられる訳ないから、正誤で判断できるようなものじゃない。と思う。
だけど、後悔の元になるような「選択」は、「誤」と言っていいかもしれない。
「瞬間、やりたいと思ったこと」
「自分がずっとやりたいって思うこと/“本当に”したいこと」
同時に存在させようとすると矛盾する。
この二つのどちらを生きるのか、それを、後悔しないように、選び取らないといけないらしい。
-【現実逃避】
逃避からその先へ
どこまで行けるのかな
その枕木までかもね、現実。
イヤホンで耳を塞いだ。
喧騒を遠ざけ、自分だけの世界に逃げ込んだ。
ここは自分だけの世界。
誰にも邪魔されない。
独りの、独りだけの世界。
そこに響く歌声だけが、自分を理解してくれている気がした。
『誰かのための自分じゃない。自分の為の世界じゃない』
聞き飽きたはずの自分の為の綺麗事にまた夢を見て、現実で目を覚ます。
生きようとして現実を見て、死にたくなって眠りにつく。
夢を見て、夢を諦めて、夢に逃げ込んだ。
今日もまた、自分だけの世界に逃げ込んだ。
イヤホンで耳を塞ぎ瞼を落とす。
ーーただいま、世界。
『現実逃避』
現実逃避
ときには現実逃避をして心を守ることも良い
でもその期間が長過ぎるといつまで経っても自分が自分と一致しないみたいになる
要するに地に足がつかない
自己統合できない
あまりに現実逃避が過ぎると自分で自分のことを守れなくなる
現実逃避
日本全国の薄毛の皆さん
お元気ですか?!
今日も隠そう、何でもいいから
被って隠そう
現実頭皮
現実逃避
私の現実逃避発表致します
《休日の昼寝》
昼寝って時間の無駄遣いじゃん
時間の無駄遣いって
誰が決めた?
私は誰にも邪魔されず
自分だけの世界は寝ている間だけだと思う
そして夜寝るのは当たり前
昼寝は自分の匙加減
まさに現実逃避
まさに今日部長に寝る時間って
時間の無駄だと思わないか?
っと聞かれた
私ははっきり言った
私には最高な時間です
なぜなら私だけの時間だから
主婦をして子育てをして家族のために仕事をして
寝てる時間だけが私の自由時間
っと言い返したら部長は苦笑い
現実逃避とは現実から逃げること
まさに夢の中が一番現実逃避
「現実逃避」
あはは うふふ 随分と心地がいい夜に車道の真ん中で大の字になる
足取りは千鳥足 満天の星の下 私の頭の上にも星がたくさん
蛙が歌っているのは何?きっと教会の聖歌と同じ
えへへ 今日はいい気分 ぶんぶん カナブンと自販機はお友達
私の上に地球 私の下に宇宙 きっとどちらもぴかぴか光ってる
くるくる回る 頭が回る 脳が回って気持ちがいい
車はまだ来ない 私は夜の女王 こっそり月と婚約してる
アスファルトは冷たいけれど 私の背中を支えてる
おかげで転ばない 倒れない 不死身のランデブー!
ゆらゆら くらくら ふわふわり
シンデレラは眠らなきゃ 靴は両足ぶん置いてきた
眠らなきゃ キスで見を覚まさなきゃ
あらあら 魔女は遠くでガッツポーズをしてる
私は眠るの 実は魔女は私のお友達
さあさあ お目々を閉じて 微笑みながら 天使のように眠るの
「それな?」
「わかるー」
「ウケる」
がやがやと騒がしい教室、午後のある日。
あの頃は、何もかもが輝いて見えていた。
好きなアイドルが表紙の雑誌を買って、
紙パックジュースを気取って飲んで、
帰りは自転車で河川敷を走ったよね。
有線イヤホンを耳に突っ込みながら。
どうしようもなく、あの頃に戻りたい時がある。
どんな大人になるか、考えていたあの頃に。
画質が悪い写真。くぐもった音のイヤホン。
テレビは割と厚め。父親が野球をずっと見てたっけ。
まな板で何かを切る音がする台所が大好きだった。
あの頃。2階の自室から見る景色は、毎日代わり映えしなかったけどさ、今の、仕事帰りのアパートから見える景色よりは、何千倍もうつくしかったね。
ああ、雨音が強くて眠れない。
(現実逃避。)🦜
あのね
僕は、現実逃避、をする事が
本当は 得意なんだね。🦜
「本日の、テーマ。は
現実逃避。だから
[書く習慣。]のテーマ、
から 現実逃避。して
小雀、物語。の進行状況。
を書き綴ります。」
✣小雀、物語。は・・・
・黎明編。・異型編。
・未来編。・太陽編。
・鳳凰編。
以上、5部作。から
構成される物語で、
現在、黎明編、で670を
超え進化中、です。🦜
❣此の物語、の 主題歌。は既に
完成済みで、Jポップ。の
メロディ、で 曲名。が
【比翼の導き、〜黄金の夜明け。〜】
❣アルバム、のジャケット。も
完成済み。です。🦜
❣5部作、完成した曉には製本。
する予定です。 《非売品》。🦜
「しかし、問題が ひとつ有り。
小雀、物語。5部作 完成する
見込みが、僕自身。
立たない事に有ります。」
❣其の節は・シューベルトの
[交響曲 第7番 ロ短調
《未完成》。]
に並ぶ 物語。に為る事を
夢みて居るんです。🦜🦜🦜
🦜🦜🦜
現実逃避
小説のシリーズの続き。過去作手直し中なのでタグは控えます。お題の箇所が分かった方は凄い^^;
「さっきそれ作ってたの?」
「…なんだよ」
窓枠に吊るしたてるてる坊主を見て枯葉が意外そうな顔をするので少し気恥ずかしくなり視線をそらす。
「一体だけ?」
「ん?」
「もう一体作ってよ、次は怒った顔のやつ」
(てるてる坊主って作るほど効果が増すのか…)
スマートフォンを一旦テーブルに置き、広げたままの材料でもう一体を作っていく。
手のひらで丸めた数枚のティッシュをもう一枚で包んで頭を作り、固定する前に姉からもらっておいた編み物用の毛糸を輪ゴムの間に通して吊るす部分を作ったあとにペンで顔を描いていく。出来たてるてる坊主を最初のやつの隣に吊るし、顔が外へ向くようにした。
(こんなもんか)
再び手にしたスマホのレンズを窓の外へ向け、これでいいのかと様子をうかがった。
「かわいい」
画面の中の満足そうな顔を見て、昨日からの罪悪感が少し和らぐ。
「ねえクロちゃん」
「尾黒(おぐろ)」だが苗字を切り取られて呼ばれるのは新鮮で未だに慣れない。
「病室移ってもちゃんと会いに来てね」
作ったてるてる坊主も明日には外さなければならず、見慣れた窓からの景色に名残惜しさを感じて今が続けばいいのにと思ってしまった。
「…りょうかい」
夜の薬の服用後、軽く寝たはずの瞼が再び重くなってくる。向けたスマホはそのままに設定をカメラモードに切り替えて、俺はこの瞬間を忘れないように、残りもしない枯葉の写真をメモリに収めた。
( ^ω^)( `ω´)
(後書き。)
びーえるじゃないですよーぶろまんすですよー
やっと個室ダンジョンクリア^^
主人公の名前が尾黒雪虎(おぐろゆきとら)という大層な名前に決まった。
現実逃避したくなるのは、決まっていつも夜だった。
昼、どれだけ機嫌が良くても、どれだけ安定していようとも夜になれば突然消えたくなる。そんな夜を重ねて、また生きたいと思えたそんな心優しい1人の少年の物語。
すいません!また続き後で書きます!また続き書いたら読んでください!
このアカウントでは小説を書いていこうかなと思っています。
ちなみに前アカウントあったんですけど、スマホ自体が壊れてしまったので、新しいアカウントです!
前の名前と同じにはしておきます!Naruだった気がする!たぶん!
あなたの心に残るような小説を残したい。そう思っています。
あなたが、私の拙い文章を呼んでくれたあなたの人生が輝かしいものでありますように。
現実逃避
子どもの頃は
何が嫌とかでもなく
いろいろな想像を膨らませて
寝るまでの時間を過ごしていた
読んだ本の続き
友達とこんなことしたら
好きな人と両想いだったら
それは楽しい時間だった
今思えばそれは
勉強の息抜き
厳しい親からの避難場所
部活のあれこれからの逃避
だったのかも
今はしなくなった
無駄のように思えるそんな時間も
必要な時間だったんだな
『イマジナリーフレンド』
「ただいまー!」
玄関の扉を開ける。靴を脱ぐ時間ももどかしく、適当に放り出し自分の部屋へと駆けた。
自分の部屋のドアノブを回す。勢いよく扉を開け、声を張る。
「先生!」
自分が思っているよりも高い声が出た。そんなに心が弾んでいるのだろうか。そんなことを冷静に分析する自分もいる。
窓の外を見ていた先生はゆっくりとこちらを振り返る。目を細めて優しく俺の名を呼んだ。それだけで胸がドキドキと高鳴る。
先生と一緒にベッドに腰掛ける。
「おかえり、今日はどうだった?」
俺の顔を見ながら先生はそう優しく問う。俺は今日あったことを身振り手振りしながら話をした。先生は優しい顔のまま、うんうんと頷きながら聞いてくれる。
「今日も頑張ったな、えらいぞ」
毎回、俺の話が全部終わると先生はそう言い俺の頭を撫でてくれる。俺はその時間が好きだった。先生が俺だけを見てくれるから。
俺は頭にある先生の手の暖かさに甘えるようにすり寄よった。
ーー
「…お兄ちゃん」
開けっ放しの扉からお兄ちゃんの部屋を見る。お兄ちゃんはベッドに座り、誰かと話しているようだった。私が名前を呼んでも反応しない。ただ、誰もいない空間に話しかけているだけだった。
お兄ちゃんは変わってしまった。あの日から人が変わってしまったように仕事人間になってしまい、虚ろな目で毎日を過ごしていた。ただ、ある時を境にまた笑顔を見せるようになった。最初は安心したのだが、お兄ちゃんは何処にいる時も誰かと話しているようになってしまった。私たちには見えない、誰かと。明確には聞いていないが、お兄ちゃんが話しているのはあの人だろう。……もうこの世にはいない、お兄ちゃんの先生だった人。あの人が亡くなった時お兄ちゃんは酷くショックを受けて、何も出来なくなってしまった程だ。それほど、お兄ちゃんにとって大切な人だったのだろう。
「……お兄ちゃん…!」
少し声を大きくし、もう一度呼びかける。しかし、お兄ちゃんには聞こえていないみたいだった。こちらには向かず、頬を染めて小さい子のような笑みを浮かべている。……あの人に対してはそんな顔するんだね。
家族なのに声が届かない、そんなもどかしさが募っていく。
【現実逃避】
現実逃避とはいっても、現実から逃避している時間もまた現実であり、現実から逃げたいのなら、現実というものはすべて逃避したくなるほど嫌なものであることになってしまう。おかしい。何かが矛盾している。好きなものを食べている時は全然どこにも逃避したくないし、好きな人といる時も全然逃げたくなんかならない。……本当に?
「なあお前ほんとに避けるなって言ってんだろ!」
「避けてないです、私はこっちが帰り道です」
「嘘つけ俺と同じだろうが」
好きな人から追われています。逃げています。かれこれ2週間ほど顔もまともに見られていません。どうしてかって?バレンタインにいつも通り義理をアピールしながら渡そうとしたのに、なんだか色々あってうっかり告白してしまったからです。そこから逃亡生活がスタートして今日にいたります。
「待てってば!」
「わー!」
「1ヶ月とか待てねえ、今返事するからちゃんと聞いとけ」
昔は私が引っ張って転ばせちゃったこともあるのになあ、上からがしりと掴まれた手首は振れど引っ張れど、びくともしない。息を吸い込む音が近くで聞こえる。
脳内一人知恵袋:
Q.物理的に逃避できない現実からはどのように逃げたらいいのでしょうか?
A.あきらめましょう。(回答者1人のためベストアンサー)
ああ、今、まさに現実逃避してるなあ……
そうしみじみ思いながら、真っ赤になった想い人を前に、現実に向き合う覚悟を決めて顔を上げた。
現実逃避
現実逃避
あの時、ああしていれば。
そんな後悔が胸にずっとへばりついている。
どうしようもない。どうしようもなかったんだ。
同じ言葉を反芻しては、また思考がぐるぐる回りつづける。
自分がしてしまったこと、犯した罪。
それだけが、ずっとこちらを見ている。
「何してるんですかあ」
その少女は、毎日私の部屋にくる。
舌足らずで妙に甘ったるい声。足音がしない。
カレンダーも時計も止まった、とっ散らかった暗い部屋の中…綺麗で、異様な存在だけがそこにいた。
「ねえ お外、行きましょうよお。
…どうせここにいても、なにも起こりませんよ」
がさがさ。ずる、ずる。
「あはは これどうしたんですかあ? おめめ、ないないしちゃいましたか?」
彼女は勝手に部屋を歩き回り、漁って…ボタンを引きちぎったぬいぐるみも、割れた鏡の破片も、一つ一つ丁寧に見つけ、拾い上げては…
「はいはい、おうちに帰りましょうねえ」
そうやって、優しい声でゴミ箱に捨てる。
それが本来、誰に向けられる言葉だったのかを、私は考えないようにした。
片付けなんて頼んでもいない。部屋に呼んでもいない。鍵だって渡していない。
キッチンの明かりが、少し点滅してからつく。
「今日は唐揚げですよぅ」
毎日毎日毎日、勝手に部屋に上がっては、勝手に少し掃除して、勝手に飯を作って出ていく。
私より随分と年下。私が昔に通っていた頃と同じ、中学の旧型制服。艶のある髪からほんのりバニラの匂いがする。かなり耳につく、独特な話し声。
傍から見たら羨ましく思うかもしれないが…私は自分自身の聖域に、土足で踏み込んでくる人間が嫌いだった。それなのに、彼女は…
部屋に、なんとなく揚げ物の匂いが漂ってきた。
「できましたあ。 唐揚げ、好きでしたよねえ?」
彼女は部屋の端まで来て、私に皿を差し出した。
…揚げたての唐揚げが山盛りだ。少なくとも3人前はある。
「…なんですかぁその顔。 イヤなんですかあ?」
そのわざとらしく下がった眉は、少し悲しそうにも、くすくすと嘲笑うようにも見えた。
今日は唐揚げ、昨日はトンカツ。一昨日はコロッケ…と、彼女は毎日揚げ物しか作らない。そして毎回、決まったように言う『好きでしたよね』。
……それがいくら気に食わなくても、腹は減る。
私は無言でベッドに座り直し、皿を受け取った。
彼女は笑顔で、そんな私の隣に座る。
「…いただきます」
「どうぞ〜」
きつね色の唐揚げにかぶりついた。
パリッ、といい音を立てて衣が砕け…中から肉汁が出てくる。うまい。
油の匂いがする。何か、懐かしい感覚だった。
昼休みの教室。中学の頃、私は窓際の席で…後輩と机をくっつけて弁当を食べていた。
「えへへえ。せんぱい、おいしいですかあ?」
私は当時、丁度食べ盛りの時期で…常に腹が減っていた。 弁当だって足りなくて…
…それを部活の後輩に軽く相談したら、毎日弁当のおかずを作ってきてくれるようになった。
「せんぱいって、揚げ物すきなんですかぁ?」
「ああ。お前がくれる唐揚げが、一番好きだ」
からかうように笑っていた彼女は、少し驚いたあと… また心底嬉しそうに微笑んだ。
陽だまりのように暖かい、過去の記憶。
……その瞬間、喉の奥がひどく狭くなった。
あ、と思った時にはもう遅かった。
身体の奥からぞわぞわとした感覚が押し上がってくる。 歪む視界の中、重たい身体を引き摺り…手探りで、やっとの思いで洗面所までたどり着いて…
喉が焼ける。視界が滲む。
「あれぇ。吐いちゃいました?
…大丈夫ですかぁ?」
背中をさする手は、あの時と同じ温度だった。
コップに入った水も手渡され、それをどうにか喉に流し込む。イガイガした痛みに耐え、私は思わず前を向く。
洗面所の鏡は割れていた。
…この部屋の鏡は、どれももう残っていない。
「あはは ひどい顔ですよお」
ガラスの破片に映っているのは、私だけだ。
もしあの時、私が呼ばなければ。
帰り道、彼女はコンビニ袋を揺らして笑っていた。
「ねえ せんぱい。
明日は…何、食べたいですかあ?」
何も変わらない、幸せな日だった。でも、私は…
「なんでもいいぞ。また明日」とだけ答え、いつもの交差点で、私だけ先に歩きだした。
ふと、何か忘れたような気がして。
「あ、ちょっと待って」
無意識に名前を呼ぶ。彼女は嬉しそうに振り向いた。
…その瞬間。
ブレーキの音と、破裂するような衝撃音。
ガソリン。油の匂い。
彼女はもう、そこにはいなかった。
「あはは。せんぱいは、悪くないですよお」
浅い呼吸を繰り返す私に、彼女はハグをした。
あの時は同じくらいの背だったはずなのに、私だけが随分と大きくなってしまった。
「大丈夫、だいじょうぶ。
わたしは、ずっとここにいますからねえ。」
壊れて止まってしまったままの精神、時計、部屋。
そんな場所で、幻覚とも幽霊ともつかぬ彼女に、またあの甘ったるい声で赦され続けている。 赦されたかった私が見た、まるで都合のいい白昼夢だ。
其れは、ただの現実逃避だった。
現実逃避
君に会っている僕と
君に会っていない僕。
どっちが
現実逃避
だろうか?
君に会いたい気持ちが
逃げようとしている。